1. ゆかは、どれくらい おもい ものを みこんで いるの?
1. 設計で見込む重さは、実際の家具よりどれくらい重いのか
1. 床用1800N/㎡という数字は、実際の家具の何倍にあたるのか
ゆかを つくる ときの おもさの きまりは、ほうりつに かかれて います[1]。ふつうの 家の へやで、ゆかの ために みこむ おもさは、1へいほうメートルに 1800ニュートン。キログラムに なおすと、およそ 184キログラムぶんです。
たて1メートル よこ1メートルの ひろさに、おとなが 3人ほど のる おもさです。10へいほうメートルの へやなら、1.8トンぶん。これは つくる ときの かんがえで、「ここまで のって いい」と いう 数では ありません。
では、ほんとうの 家の かぐは どれくらいでしょう。むかしの しらべで、アパートの へやの かぐは 1へいほうメートルに 43キログラムでした[2]。みこむ おもさは、その 4ばいほどです。ただし、人の おもさを ふくむ 数と、かぐだけの 数を くらべた、おおざっぱな 4ばいです。
家の床板の上に立つとき、床は何キログラム分の重さを想定して作られているのでしょうか。建築基準法施行令の第85条は、住宅の居室の床を構造計算するとき、1平方メートルあたり1800ニュートンの積載荷重を見込むと決めています[1]。ニュートンは力の単位で、9.8で割ると重さ(キログラム)に直せるので、約184キログラム分です。
広さ10平方メートルの部屋なら、1800×10=18000ニュートン、約1.8トン分になります。体重60キログラムの人に置きかえると約30人分です。ただしこれは設計で見込む数字で、30人まで乗ってよいという意味ではありません。条文は、荷重は建物の実況に応じて計算するのが原則だとしていて、表の数字はその目安として使えます[1]。
では、この数字は実際の暮らしよりどれくらい重いのでしょうか。1968年の解説によると、昭和31〜33年ごろの調査で、アパートの居住室の家具など物品の重さは1平方メートルあたり33〜57キログラム、平均43キログラムでした[2]。184÷43で約4.3倍です。ただし、これは人の重さを含む設計の数字と、家具だけを測った1950年代の調査値との比較なので、大づかみの目安として受け取るのがよいでしょう。
それにしても、なぜそこまで重く見込むのでしょうか。
施行令第85条の表では、住宅の居室の積載荷重は、床の構造計算用が1800N/㎡、大ばり・柱・基礎用が1300、地震力用が600とされる[1]。1800Nは重力加速度9.8で割ると約184kgfで、10㎡の部屋なら18000N、約1.8トン分にあたる。体重60kgの人に直すと約30人分だが、これは設計で見込む値であって、乗せてよい上限ではない。条文は積載荷重を建物の実況に応じて計算することを原則とし、表の数値はそのときの目安に位置づけられている[1]。
この数字は、実態とどれほど離れているのか。1968年の解説が紹介する昭和31〜33年ごろの調査では、アパート居住室の物品荷重は33〜57kg/㎡、算術平均で43kg/㎡だった[2]。184÷43で約4.3倍になる。ただし、床用の数字は人の荷重を含み、調査値は家具などの物品だけである。しかも50年以上前のアパートの調査なので、現在の家庭にそのまま当てはまるとは限らない。
では、なぜ実態より重く見込むのか。その答えは、1800が「家具の重さ」ではなく、ある場所に重さが集まる場面を想定した数字であることにある。
2. おなじ へやでも、ばしょで みこむ おもさが ちがうの?
2. 同じ部屋でも、部材によって見込む重さが変わる
2. 集中係数と衝撃係数 ── 床・大ばり・地震力で数字が分かれる理由
ほうりつの 表には、おなじ 家の へやなのに、かずが 3つ ならんで います[1]。ゆかの ためは 1800、はりと 柱の ためは 1300、じしんの ためは 600です。
むかしの かいせつでは、こう せつめいして います[2]。せまい ところには、人や ものが ひとところに あつまりやすい。ひろく なるほど、まんべんなく ならされて ふつうの おもさに ちかづく、と。
ゆか板は せまい ところを うけもつので、おもさが あつまる ことを かんがえて、いちばん おおきい 数を つかいます。はりや 柱は ひろい ゆかを うけもつので、すこし ちいさい 数で よいのです。
きょうしつの ゆか用は 2300、じむしょは 2900です[1]。人が おおぜい あつまる ばしょほど、数は おおきく なります。
同じ住宅の居室でも、施行令の表には3つの数字が並びます。床の構造計算用が1800、大ばり・柱・基礎用が1300、地震力の計算用が600です[1]。同じ部屋なのに、なぜ使い分けるのでしょうか。
1968年の解説は、積載荷重を「物品の平均重量×集中係数+人間の平均重量×集中係数×衝撃係数(通常1.25)」で決めると説明しています[2]。小さい面積では荷重が一か所に集まりやすく、面積が広がるほど集中は減って平均に近づく、という考え方です。
この考え方を当てはめると、床板や根太のように狭い範囲を受け持つ部材では、人や物が集まる場面を考えて高い数字を使います。大ばりや柱は、支える面積が広いので、床より小さい数字でも足ります。地震力の計算用は600で、法令の表では最も小さい数字です[1]。1968年の解説は、階全体をまとめる地震用では平均重量に近い値をとる、と説明しています[2]。
用途が変わると数字も変わります。教室は2300/2100/1100、事務室は2900/1800/800で、教室の床用の数字は住宅の約1.3倍です[1]。さらに柱や基礎を計算するときは、支える床の数が増えるほど積載荷重を減らしてよく、2層で0.95倍、3層で0.9倍、9層以上で0.6倍になります。劇場の客席や集会室の床には、この減らし方は使えません[1]。
床は、実際に人が乗り続けたときの重さを、どう考えて計算されているのでしょうか。
同じ居室で数字が3つに分かれるのは、荷重が「どれだけの面積を受け持つ部材にかかるか」で変わるからだ。1968年の解説は、積載荷重を「物品の平均重量×集中係数+人間の平均重量×集中係数×衝撃係数(通常1.25)」で決めたと説明する[2]。小面積では荷重が大きく集中し、面積が広がると集中は減って平均重量に近づく。
そのため、床板や小梁のように受け持ち面積の小さい部材には高度の集中を見込み、1800を使う。支える面積が広い大ばり・柱は、床より小さい1300でよい。地震力用の数値は600である[1]。1968年の解説は、階全体をまとめる地震用では平均重量に近い値をとると説明する[2]。表の数字は、人の重さだけでなく、この集中の見方まで含んだ値だ[1]。
用途を変えると、数字は同じ向きにずれる。教室は2300/2100/1100、事務室は2900/1800/800、百貨店・店舗の売場は2900/2400/1300である[1]。教室の床用は住宅の約1.3倍(2300÷1800)になる。ただし表の数字は、条文のうえでは実況に応じた計算の目安という位置づけで、これを超えてはいけない壁とは限らない。
柱・基礎の圧縮力を計算するときには、支える床の数に応じた低減が認められ、2層0.95、3層0.9、9層以上で0.6倍となる。劇場などの客席・集会室の床にはこの低減は使えない[1]。では、これだけ割り増した荷重を、人が一時乗るだけという実態のまま扱ってよいのか。ここに、もう一つの仮定がある。
3. すこし のるだけなのに、ずっと のって いる ことに するの?
3. 人が乗るのは数時間なのに、設計では「ずっと乗っている」と考える
3. 臨時の荷重を常時の荷重として扱う ── 長期荷重で計算する理由
友だちが あそびに きて、いまに あつまった 日を おもいだして ください。人が いるのは、ほんの すうじかん。夜には みんな かえります。
ところが、1968ねんの かいせつに よると、そのころの きまりでは、ゆかを けいさんする とき「その おもさが ずっと のって いる」と かんがえて いました[2]。ゆかの うえに ある ものの おもさと、おなじ あつかいです。
わけは、けいさんを かんたんに する ためだと、むかしの かいせつには あります[2]。そのぶん、ゆかは ながい あいだ のせても だいじょうぶな ように なります。
では、木の ゆかを ながい あいだ おもく して おくと、なにが おきるのでしょう。
友だちが家に集まった日を思い出してください。居間に人が増えても、居るのは数時間で、夜になれば帰ります。
ところが1968年の解説によると、当時の規定は人の荷重を臨時のものとは扱っていませんでした。取り扱いを簡単にするため、積載荷重は床自身の重さ(固定荷重)と同じ常時の荷重として扱い、長期荷重に対する計算をすることになっていたのです[2]。人の分には衝撃係数(通常1.25)を掛けた割り増しもあります[2]。
つまり当時の床は、「人が一時乗る」よりずっと厳しい、「重さが長く乗り続ける」前提で確かめられていました。この前提は、木材の性質とかかわってきます。木の梁に一定の荷重が長期間かかると、たわみが少しずつ増えていくことが知られているからです[4]。
では、そのたわみは、どれくらいまでなら許されるのでしょうか。
友だちが集まった日の居間を考えると、荷重は本来、数時間で消える臨時のものだ。ところが1968年の解説によると、当時の規定は、取り扱いを簡単にするため、積載荷重を固定荷重と同様の常時荷重とみなし、長期荷重に対する計算をするものだった[2]。人の分には、集中係数に加えて衝撃係数(通常1.25)を掛ける[2]。
このため設計上の床は、実際の使われ方より厳しい条件で確かめられる。簡略化の代償として、安全側に倒れる設計になる、という読み方ができる。
長期荷重が意味をもつ材料が、木だ。曲げを受ける梁・桁に一定の荷重が長期に続くと、たわみが徐々に増える「クリープ」が起きる[4]。荷重を常時とみなす前提は、この現象を計算に入れる一つの見方になる。では、クリープを含めて、たわみはどのような式で制限されるのか。
4. ゆかの おもさは、どこを とおって じめんに いくの?
4. 床にかかった重さは、根太・梁・柱を通って地面へ流れる
4. 床組の荷重伝達 ── 束立て床と梁床
ゆかの うえに たつと、おもさは ゆか板から したへ、したへと わたされて いきます。
ゆか板の すぐ したには、「根太」と いう 細い 木が ならんで います[3]。根太は うけた おもさを、「はり」に つたえます。はりは おもさを 2か所で ささえる 横の 木です。
はりの おもさは、柱や 土台を とおって、さいごに じめんへ。リレーの バトンの ように、おもさが つぎつぎに わたって いきます。
ゆか板、根太、はり、柱。どこも おもさを うけとる 大切な やくわりを もって います。
床の上に立つと、重さはどこへ行くのでしょうか。木造住宅の床の骨組みは、1階では「根太」「大引」「床束」「土台」でできた束立て床、2階では「根太」「床梁」「胴差し」などの梁床が一般的です[3]。
床板のすぐ下に並ぶ根太は、床にかかる力を梁に伝えます。梁は、小屋組や床組の荷重を二点で支える横材です[3]。そこから柱を通って、重さは地面へ流れていきます。
前の章で見た3つの数字は、この順路に対応しています。床板と根太には1800、大梁や柱には1300を使うのは、重さがリレーされるうちに、一か所への集中がならされるからです[2]。
リレーの最初に重さを受ける根太や梁には、強いだけでなく、別の条件も求められます。それが「たわみ」です。
床の上の重さは、どの順で地面へ届くのか。木造住宅の1階は、根太・大引・床束・土台でつくる束立て床、2階は根太・床梁・胴差しなどの梁床が一般的だ[3](根太=ねだ、大引=おおびき、床束=ゆかづか、胴差し=どうざし)。根太は床にかかる力を梁へ伝え、梁は小屋組や床組の荷重を二点で支える横材、柱はそれを鉛直方向に流して地面へ力を伝える[3]。
この経路があるから、前の章の数字の使い分けも筋が通る。床板・根太は受け持つ面積が小さいので1800、梁・柱は面積が広く集中がならされるので1300、という説明は、荷重の伝わる順と重なる[2]。
ところが、経路のどこかが「折れない」だけでは、床は使いやすくならない。根太や床梁には、強さとは別に、使用上の支障を避ける条件がかかる。次章では、岩手県のスギ材スパン表の解説を例に、その条件を読む。
5. ゆかが こわれる まえに、なにを 気に するの?
5. 床は「折れない」だけでは足りず、「たわみすぎない」ことも条件になる
5. たわみ制限 ── δmax×2÷L≦1/250を満たす意味
ゆかの 木は、おもさが かかると すこし したに へこみます。これを「たわみ」と いいます。
たわみが おおきいと、ゆかが ぐらぐら して、つかいにくく なります。そこで、木が おれる まえに、たわみの 大きさにも きまりが あります[4]。
木の ゆかは、おもさを ながく うけて いると、すこしずつ よけいに たわみます[4]。だから、けいさんで 出た たわみを 2ばいに して(よく かわいた 木の ばあいです)、はりの ながさの 250ぶんの 1いかに なるか、たしかめます。
たとえば ながさが 2メートルなら、250ぶんの 1は 8ミリです。けいさんの たわみは、その はんぶんの 4ミリいかに します。
床が壊れる前に、何が問題になるのでしょうか。岩手県のスギ材スパン表の解説は、使用上の支障がないかを確かめる条件として、たわみの最大値に変形増大係数を掛け、梁の有効長さで割った値が250分の1以下になることを求めています[4]。このスパン表では、含水率20%以下の材は係数2、20%を超える未乾燥材は3です[4]。
係数を掛ける理由は、木の性質にあります。梁に一定の荷重が長く続くと、たわみが少しずつ増える「クリープ」が起きるからです[4]。
たとえば有効長さが2メートル(2000ミリ)の梁で、係数が2の場合を考えます。2000÷250=8ミリが上限で、2倍して8ミリ以下にするので、計算上のたわみは4ミリ以下にしなければなりません。これは筆者が条件式に当てはめた計算例で、実際の設計値ではありません。
この資料は、根太や床の小梁用の積載荷重に、施行令第85条にもとづく標準時の1800ニュートン/㎡を使い、事務室や教室向けにその2倍の3600ニュートン/㎡でも計算しています[4]。つまり梁の太さは、重さに耐えるかどうかに加えて、たわみの条件も満たすように決まります。
では、たわみを減らすには、梁をどう使えばよいのでしょうか。
床の部材には、強さの確認のほかに、使用上の支障を確かめる条件がある。岩手県のスギ材スパン表の解説は、その根拠を施行令第82条第4号と告示第1459号に置き、たわみの最大値δmaxに変形増大係数(木造は2)を掛けて梁の有効長さLで割った値が、1/250以下になることを求めている[4]。係数は、このスパン表では含水率20%以下の材で2、20%を超える未乾燥材で3とされる[4]。
なぜ1より大きい係数を掛けるのか。木の梁・桁に一定の荷重が長く続くと、たわみが徐々に増えるクリープが起きる。この増え分をあらかじめ織りこんだ係数が2や3だ[4]。
たとえば有効長さ2000mm、係数2の場合、2000÷250=8mm。δmax×2≦8mmなので、計算上のたわみは4mm以下になる。これは条件式に仮の長さを入れた計算例で、実際の設計値ではない。同資料は、根太・小梁用の積載荷重を標準時1800N/㎡とし、事務室・教室向けにはその2倍の3600N/㎡でも計算する[4]。
この条件を満たすために、スパン表は梁幅105・120・135mmに対し、梁せい(梁の高さ)を105mm以上で30mmずつ増やして計算している[4]。たわみを減らす主役は、幅より高さにある。それはなぜか、次の章で式から確かめる。
6. はりは、どうして たてに つかうの?
6. 同じ角材は、縦に使うと横に寝かせるより4倍たわみにくい
6. 断面二次モーメントI=bh³/12 ── 梁せいを2倍にすると
おなじ 木でも、ねかせて つかうか、たてて つかうかで、たわみ かたが ちがいます。
けいさんでは、たてた ほうが ずっと たわみにくく なります[5]。たかさを 2ばいに すると、たわみは 8ぶんの 1に なる けいさんです。木は ふしなどが あるので、ほんとうは けいさん どおりには ならない ことも あります。
だから 家の はりは、横に ひろい 形より、たてに ながい 形で つかわれます。
やってみよう かたい 紙の おびを 2つ つくります。1つは そのまま、もう1つは 両はしを 同じ はばで おりまげて たかさを つけます。2さつの 本の あいだに わたして、まんなかに 10円玉を 1まい ずつ のせて いきます。どちらが したに さがるか、くらべて みましょう。
梁の高さ(梁せい)が大事なのは、長方形の断面のたわみにくさを表す断面二次モーメントが、I=bh³/12(bは幅、hは高さ)で表されるからです[5]。たわみはIに反比例します。
梁せいを2倍にすると、Iは2³=8倍、同じ荷重・同じ長さならたわみは8分の1になる計算です。幅を2倍にしても、Iは2倍にしかなりません。たとえば105×210ミリの角材を縦に使うと、横に寝かせて使うより、Iは約4倍です(計算値)。ただし木は節などがあって、理論どおりにならないことがあります。
こうした理由で、梁は幅より高さを大きくとって使われます。前の章のスパン表が、梁せいを30ミリずつ増やして計算しているのも、この効きめが大きいからだと考えられます[4]。
やってみよう 厚紙で、長さ20センチ、はば3センチほどの帯を2本作ります。1本はそのまま、もう1本は両はしを同じ幅で折り曲げて高さをつけます。2冊の本の間に渡し、真ん中に10円玉を1枚ずつ載せていき、どちらが先に大きく下がるかを比べます。手を切らないよう、紙の端に注意してください。
梁せいを大きくすると、なぜたわみが急に減るのか。長方形断面の断面二次モーメントは I=bh³/12(bは幅、hは高さ=梁せい)で表され[5]、たわみはIに反比例する。梁せいを2倍にするとIは2³=8倍で、同じ荷重・同じスパンならたわみは1/8になる計算だ。幅を2倍にしても、Iは2倍にしかならない。
前章のスパン表が採る梁幅105・120・135mm、梁せい105mm以上という範囲も、この式で説明できる[4]。たとえば105×210mmの角材を、縦に使う場合と寝かせて使う場合で比べると、Iは105×210³/12と210×105³/12になり、比は(210/105)²=4になる。縦に使うほうが約4倍たわみにくい計算値だ。
注意したいのは、これが弾性範囲の理想的な計算だという点だ。強さ(曲げ応力)はh²に関係するので、梁せい2倍でも別の倍率になる。また実際の木材は節などがあり、計算どおりにはならない[5]。それでも、重さを長く受けるたわみ条件を満たすには、梁を縦に使うのが理にかなっていることは、この式から読み取れる。
確かめる道すじ 厚紙の帯を2本つくり、1本は平らなまま、もう1本は両端を同じ幅で折り曲げて高さをつける。2冊の本のあいだに渡し、真ん中に10円玉を1枚ずつ載せて、下がり方を比べる。紙の端で手を切らないよう注意する。
7. ゆかの したと、きょうしつの ゆかで さがして みよう
7. 床の下と、教室の床で見つけたいもの
7. 床下の部材と、条文の数字を自分で見る
家の ゆかの したを、見られる ところが あるかも しれません。台どころの ゆかに ある ふたが、その ひとつです。
ふたは、おとなに あけて もらって ください。のぞくだけで、中には 入りません。細い 木が ならんで いたら、それが 根太かも しれません。どの むきに ならんで いるかを 見て みましょう。家に よって、見える ものは ちがいます。
もう ひとつ。ほうりつの 表では、きょうしつは 2300、家の へやは 1800でした[1]。きょうしつの ゆかは、家より おおくの おもさを みこんで います。ほかの へやは、どうでしょう。
家に床下点検口があれば、大人にふたを開けてもらい、のぞいてみる方法があります。中には入らず、懐中電灯で照らして見ます。見えるものは家によって違いますが、細い材が並んでいれば根太かもしれません。その材が何の向きに並んでいるかを観察すると、前の章の「根太から梁へ」の流れを、自分の目で確かめられます。
もう一つは、条文そのものを見る方法です。e-Gov法令検索で施行令第85条を開くと、住宅の居室、事務室、教室、百貨店の売場といった用途ごとに、3つの数字が並んでいます[1]。それぞれの床用の数字を、1800ニュートンで割って、住宅の何倍かを自分で計算できます。
そこに並ぶ数字は、部屋の使い道によってちがいます。体育館や廊下の床のように、人が集まりやすい場所には、どんな数字があるのでしょうか。
確かめる方法は2つある。1つは床下点検口で、大人にふたを開けてもらい、中には入らず懐中電灯で照らして、根太や梁の並ぶ向きを観察する。見えるものは家によって違うので、見たままを記録する。
もう1つは条文の数字の比較だ。e-Gov法令検索で施行令第85条を開くと、住宅の居室・事務室・教室・百貨店の売場の積載荷重が3列で載っている[1]。床用の数字を、住宅の1800で割れば、教室が約1.3倍、事務室や売場が約1.6倍であることが自分で計算できる(2300÷1800、2900÷1800)。
岩手県の解説は、スギ材の梁についてたわみ条件の式や、梁せいごとの計算を丁寧に載せている[4]。式にどんな数字が入るかを読むと、床の設計の発想が見えてくる。では、体育館や廊下など、条文の表にある他の用途では、数字はどう並ぶのか。
しらべた もとの じょうほう
参考にした情報源
参考にした情報源と、その使い方
本文の数字は、次の資料から読み取りました。重さの換算(1800ニュートン=約184キログラム分など)や、2000ミリの梁の計算例は、筆者が計算したものです。
- 建築基準法施行令 第85条(積載荷重)。e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325CO0000000338 (用途ごとの積載荷重の数字と、支える床の数による低減)
- 筒井助幸「講座 積載荷重」『コンクリート・ジャーナル』6巻3号、1968年 https://www.jstage.jst.go.jp/article/coj1963/6/3/6_41/_pdf (積載荷重の決め方、家具の調査、常時荷重としての扱い)
- 床組(mec-h 用語解説) https://www.mec-h.com/words/detail?n=342 (根太・梁・床組の用語説明)
- 岩手県産スギ材 スパン表の解説(岩手県、2005年) https://www2.pref.iwate.jp/~hp1017/mokuzai/pdf/spankaisetsu.pdf (たわみの条件、クリープ、梁せいの扱い)
- 材料力学・同演習 第4回演習問題(近畿大学) https://archi.hiro.kindai.ac.jp/lecdocument/zairyo/enshu_4.pdf (断面二次モーメントの式)
なおした ところ
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