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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

足の うらは、ちゃくちで やわらかく、けるときに かたく なるの?

足のアーチは、着地でたわみ、蹴り出しで硬くなる

片足26個の骨でできた足のアーチは、着地でたわみ、蹴り出しで硬くなる

分野:からだ

かた足に、ほねが 26こ。りょう足で 52こ です。全身の ほねの 4ぶんの 1ほどが、足に あつまって います[1]。

こんなに ちいさな ところで、足は なにを して いるのでしょう。じつは、体を ささえる だけでは ありません。ちゃくちの ショックを やわらげ、はしる ときは ばねに なり、じめんの ようすを かんじとり、ふくらはぎは ちを もどす てつだいも します。それぞれ どんな しくみなのか、よむと わかります。

片足に骨が26個、両足で52個。成人の全身の骨はおよそ200個なので、足だけで全身の骨の約4分の1を占めます[1]。

そんなにたくさんの骨をもつ足は、立つこと以外に何をしているのでしょうか。足のアーチは、着地ではたわんで衝撃をやわらげ、蹴り出しでは硬いてこのようになります。走るときにはバネのようにも働き、足の裏は地面の様子を感じとり、ふくらはぎは血液を押し戻す手伝いをします。それぞれがどんな仕組みなのかが分かります。

片足に骨が26個、両足で52個。成人の全身の骨はおよそ200個なので、骨の約4分の1が足に集まっている計算になる。ただし種子骨を含めると28個とする資料もあり、数は数え方で変わる[1]。

これほど多くの骨をもつ足は、体を支える以外に何をしているのか。着地ではたわんで衝撃を弱め、蹴り出しでは足底腱膜を巻き上げて硬いてこになるアーチ、走行時のバネ、足裏の感覚、ふくらはぎの筋ポンプという5つの働きを、研究の条件と限界も含めて読むと、足が部品の集まりであることの意味が分かる。

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1. 足には、どんな ほねが いくつ あるの?

1. 足の骨は3つの部分に分かれる ── 26個が、立つ以外の仕事もこなす

1. 足根骨・中足骨・趾骨の26個 ── 足の骨は3つの部分に分かれる

足の ほねは、3つの ぶぶんに わかれます。かかとの ほうに ある ほねの かたまり、足の ま中の ながい ほね、そして 足の ゆびの ほねです[2]。ぜんぶで かた足に 26こ です。

ただし、かぞえかたで かわります。ごまつぶの ような ちいさな ほねを いれると、28こと する しりょうも あります。

この ほねを つかって、足は 5つの しごとを します。体を ささえる。ちゃくちを やわらげる。じめんを けって すすむ。じめんの ようすを かんじる。ちを もどす てつだいを する。まず、いちばん ふしぎな 土ふまずから、のぞいて みましょう。

足の骨は、足根骨(かかとから足の中ほどにかけての骨のかたまり)、中足骨(足の甲を支える長い骨)、趾骨(足の指の骨)の3つの部分に分けられます[2]。片足で26個ですから、両足で52個です。成人の全身の骨をおよそ200個とすると、52÷200で約26%、つまり4分の1ほどが足にある計算です[1]。

ただし、この数は数え方で変わります。種子骨という小さな骨を含めて、片足28個とする資料もあります[2]。

では、小さな骨が多いと、何ができるのでしょうか。これから見ていく足の働きは、大きく5つあります。体を支える、着地の衝撃をやわらげる、地面を蹴って進む、地面の様子を感じとる、血液を心臓へ戻す手伝いをする。この記事の前半は、そのうち「やわらげる」と「蹴る」を、足の裏の土踏まずから読んでいきます。

足の骨は、足根骨そくこんこつ・中足骨ちゅうそくこつ・趾骨しこつの3部に分けられる。足根骨には踵骨しょうこつや距骨きょこつなどが含まれ、全部で片足26個になる[1][2]。左右で52個、成人の全身の骨をおよそ200個と概算すれば52÷200=0.26で、約4分の1にあたる。ただし、種子骨を数えるかどうかで26個とも28個ともなるため、「片足でおよそ26個」と読むのが安全だ。

足は、地面に接する場面ごとに、たわんでやわらかくなったり、硬くなったりする。以下では、足の5つの働き(支持、衝撃の緩和、蹴り出し、感覚、血液の還流の補助)のうち、この切り替えにかかわる緩和と蹴り出しから順に見る。

まずは、骨のつくる「アーチ」が、着地の衝撃をどう受けとめているのかから入る。

2. 土ふまずは、なんの ために くぼんで いるの?

2. 土踏まずは、着地の衝撃を受けとめるクッションになる

2. 3つのアーチと足底腱膜 ── 荷重でたわむことが衝撃を弱める

足の うらを みると、まん中が くぼんで います。これが 土ふまずです。土ふまずのような、はしの ような まるい かたちを「アーチ」と いいます。足には、アーチが 3つ あります[3]。

立つと、体の おもさが かかります。すると、アーチは ほんの すこしだけ ひくく なります。つぶれる ことで、ちゃくちの ショックを やわらげて いるのです[3]。

土ふまずが いつ できるのかは、しりょうに よって ちがいます。3さいごろから 4さいごろに かけて できて くると する ものも あれば、もっと おおきく なるまで かかると する ものも あります[4]。「なんさいで できあがる」と、きめつける ことは できません。

では、つぶれて やわらかい 足が、じめんを けるときは どう なるのでしょう。

足の裏の真ん中がくぼんでいるところが、土踏まずです。足のアーチは土踏まずだけではなく、内側の縦アーチ(土踏まず)、外側の縦アーチ、足の幅方向の横アーチという3つがあります[3]。骨と、足の裏に張る腱膜(足底腱膜)が、三角形を組み合わせたトラスという構造で、アーチの形を保っています。

体重がかかると、足底腱膜が少し伸びて、アーチがわずかに低くなります。この「たわむ」動きが、着地の衝撃をやわらげるクッションの役目をします[3]。足は、形を少し変えることで着地を受けとめているわけです。

では、土踏まずはいつごろできるのでしょうか。東京都の資料では、足底アーチはほぼ4歳までに多くの幼児に認められたとされています。生まれたばかりの赤ちゃんの足にも低いアーチはあるそうです。一方、一般向けの解説には、6〜7歳や8〜10歳で大人に近づくとするものもあります[4]。発達の時期には諸説があり、定説はなく、「何歳で完成」とは言えません。

やわらかくたわむアーチは、地面を蹴るときにも役に立ちます。ところが、蹴るには硬さが要ります。やわらかさと硬さは、どう両立するのでしょうか。

足のアーチは、内側縦アーチ・外側縦アーチ・横アーチの3つからなる。骨が組み合わさって弓なりに並び、その下を足底腱膜そくていけんまくが弦のように張ることで、トラス構造と呼ばれる形を保っている[3]。

荷重がかかると、アーチは少し低くなる。この変形が、着地の衝撃を一度に伝えず、やわらげる緩衝の働きをする[3]。硬さを保つ構造が、あえて「たわむ」ことで衝撃を弱める点が、足の特徴である。

一方、アーチの発達時期は一定していない。東京都の資料は、アーチは新生児でも低いながら存在し、足底アーチはほぼ4歳までに多くの幼児に認められたとする。ところが一般向けの解説には、6〜7歳、8〜10歳で大人に近づくとするものもあり、資料によって幅がある[4]。時期には諸説あり定説はない、というのが資料自身の説明である。「何歳で完成」とは書けない。

では、たわんでやわらかくなった足が、蹴り出しのときには硬くなれるのはなぜか。同じ足底腱膜が、今度は逆の働きをする。

3. やわらかい 足が、けるとき かたく なれるのは どうして?

3. 親指が反ると、足は硬いてこに変わる

3. ウィンドラス機構 ── つま先の背屈が足底腱膜を巻き上げ、足を硬いてこにする

あるくとき、足は うしろに のこって、さいごに じめんを けります。この とき、足の おやゆびの さきが うえに そります。

すると、足の うらの ひらたい すじが まきあげられるように ひっぱられ、アーチが たかく なります。足が かたい ぼうのように なり、じめんを けって すすむ ちからに なります[5]。

この しくみは、「ウィンドラス」と よばれます。まきあげ きと いう いみです。ちゃくちの ときは やわらかく、けるときは かたく。おなじ アーチが、ばめんに あわせて すがたを かえます。

はしるときは、この はたらきが あるくときより すくない かもしれない、と いう けんきゅうも あります。9人の けんきゅうなので、たしかな ことは まだ いえません[5]。

歩くとき、足は最後に地面を蹴って体を前へ送り出します。このとき、足の親指(母趾)が上へ反ります。親指が反ると、足底腱膜が巻き上げられるように引かれ、アーチが高くなります。足全体が硬いてこのようになり、蹴り出しの力を生みます[5]。

この仕組みは「ウィンドラス機構」と呼ばれ、ウィンドラスとは巻き上げ機のことです。着地では、アーチがたわんで衝撃をやわらげ、蹴り出しでは、親指が反って足が硬くなります。同じ足が、場面によって性質を変えるわけです。

ただし、走るときの役割は、歩くときより限定的かもしれません。高林らの研究では、走るときの親指の反り角度のピークは、歩くときより有意に低い値でした。この研究は健康な男性9名を対象にしたもので、走行での役割が小さいと言い切れる段階ではありません[5]。

では、走るときの足は、何をしているのでしょうか。今度は、足のアーチが、バネのように働くという話です。

歩行の蹴り出しでは、足の母趾が背屈(上へ反る)する。母趾が背屈すると足底腱膜が巻き上げられ、アーチが高くなり、足が硬いてこになって推進力を生む。これがウィンドラス(巻き上げ機)機構である[5]。

着地では荷重で腱膜が伸びてアーチが低くなり、蹴り出しでは母趾の背屈で腱膜が巻かれてアーチが高くなる。同じ構造が、局面ごとに衝撃吸収と推進という逆向きの役割を担う。

高林らは、健康な男性9名で歩行と走行を比べた。走行は歩行に比べ、母趾背屈角度のピーク値が有意に低かったという[5]。これはウィンドラス機構の走行での役割が、歩行より限定的である可能性を示す。ただし対象は9名の小さな研究であり、「走るときはまったく使われない」という意味ではない。

では、走るとき、足のアーチは何をしているのか。別の研究が、アーチを縮みにくくして走ってみる実験をしている。

4. はしる とき、土ふまずは ばねに なるの?

4. 走るとき、アーチは縮んで戻るバネになる

4. アーチの縮みを約80%おさえると、走りのエネルギー消費は6.0%増えた

外国の けんきゅうに、こんな じっけんが あります。くつの なかに いれる かたい そこを つかい、土ふまずが ちぢむのを 8わりほど おさえて はしって もらう のです[6]。

すると、じそく 9.7キロメートル ほどで はしった とき、体の つかう エネルギーが 6.0%ふえました。アーチは、ちぢんで もとに もどる ばねのように はたらいて、はしるのを たすけて いる ようです[6]。

あるいた ときや、のぼりざかを はしった ときは、ふえませんでした。ただし、これは アーチを つよく おさえた じっけんです。ふつうの くつで はしると 6%そんを する、と いう いみでは ありません。

走るとき、足のアーチは縮んで戻る、バネのような働きをするとされています。これを確かめた研究があります。靴に入れる特別なインソールで、土踏まずの縮みをほぼ止めたのです[6]。

土踏まずの縮みを約80%おさえて、時速約9.7km(秒速2.7m)で走ると、体が使うエネルギーが6.0%増えました。バネの役目を果たしていた縮みを止められて、そのぶん体が余計に働いた、と読めます[6]。

注意したいのは、条件です。エネルギーが増えたのは、平らな場所を中くらいの速さで走ったときでした。歩いたときや、緩やかな上り坂を走ったときには、増えませんでした[6]。また6%は、縮みをほぼ止めた特別なインソールを使ったときの増え方で、ふつうの靴で走るだけで6%損をするという意味ではありません。

足には、ほかにも感じる仕事があります。次は、足の裏の皮膚が、地面から何を受けとっているのかです。

走行中のアーチは、縮んで戻るバネとして働くと考えられている。Stearneらは、土踏まずの縮みを約80%おさえるインソールを使い、水平な路面を秒速2.7m(時速にして約9.7km)で走ったとき、代謝コスト(体のエネルギー消費)が6.0%増えたと報告した[6]。

条件にも注意が要る。歩行や緩やかな上り坂(3度)での走行では、同様の差は見られなかった[6]。さらに6.0%は、縮みを80%おさえるという極端な条件での増加分である。通常の靴や足で、アーチの働きが6%のエネルギーに相当すると読むことはできない。

バネ役はアーチだけではない。アキレス腱などの長い腱に蓄えられた弾性エネルギーは、走る・跳ぶ動作で筋の仕事を助けるとされる。小田らの報告では、繰り返しのホッピングで、短縮局面の仕事のうち弾性エネルギーの寄与が約34%だった[7]。この34%はホッピング運動での値で、走行や歩行にそのまま当てはめることはできない。歩行での貢献は小さいとする研究が目立つ、とも整理されている。

ここまでは、足が「力を使う」側の話だった。足は同時に、地面の情報を受けとる側でもある。

5. 足の うらは、じめんの ようすを どうやって かんじて いるの?

5. 足の裏は、地面の様子を感じとるセンサーでもある

5. 足底の機械受容器 ── 足裏の感覚を下げると、立っているときの重心が揺れた

はだしで あるくと、ゆかの つめたさや、でこぼこが わかります。足の うらの ひふには、さわった ことを かんじる ちいさな しかけが たくさん あるからです[8]。

ある けんきゅうでは、13人の 足から 神けいの しんごうを きろくし、104この しかけを みつけました。ただし 104こは、きろくできた かずで、足の うらに ある ぜんぶの かずでは ありません[8]。

べつの けんきゅうでは、10人の 足の うらを つめたい みずで ひやして、かんじを にぶく しました。すると、立って いる とき、体の ゆれが おおきく なりました[9]。足の うらは、立つ とき、じめんの ようすを しらせる センサーの やくめを して います。

このように、足は 力を だすだけでは ありません。さいごに、ふくらはぎの はなしです。

はだしで歩くと、床の冷たさや、砂のざらざらが分かります。足の裏の皮膚には、触れた圧や接地を感じる機械受容器と呼ばれる感覚の仕組みがあるからです[8]。

Kennedy と Inglis の研究は、13人の脛骨神経から信号を記録し、足の裏の皮膚から104個の受容器を確認しました。そのうち約57%は、触れ方の変化に素早く反応するタイプでした。受容器は足の裏の広い範囲にあります。ただし104個は記録できた数で、足の裏にある受容器の総数ではありません[8]。

この感覚は、立つことに関わるといわれています。長崎大学の研究では、氷水で足の裏を冷やして感覚を下げると、立っているときの重心の揺れが有意に大きくなりました。健康な成人10名の結果です[9]。一方、歩行中の床からの反力には大きな変化がありませんでした。歩くときに足裏の感覚が要らないという意味ではありません。

足は、力を出すだけの部品ではなく、地面の情報を受けとる窓口でもあります。最後に、足の働きのうち、心臓と関わる話を見ます。

足底の無毛部の皮膚には、触圧や接地を検出する機械受容器がある。Kennedy と Inglis(2002)は、13人の脛骨神経から単一神経の活動を記録し、足底の皮膚から104個の受容器を確認した。内訳は、速順応のI型が59個(約57%)、遅順応のII型が16個、同じく遅順応のI型が15個、速順応のII型が14個である。手の受容器とは分布が異なり、立位バランスと関連しうると著者らは述べる[8]。104個は記録できた数であり、足底の受容器の総数ではない。

では、この感覚は実際に姿勢の保持に使われているのか。横山ら(長崎大学、1992)は、健常成人10名で足底を氷水で冷やして感覚を下げ、立位の重心動揺が有意に大きくなったと報告している。一方で歩行中の床反力には大きな変化がなかった[9]。立って姿勢を保つ場面で足裏の感覚が大切だと読めるが、「歩行では足裏感覚が要らない」と読むことはできない。

足は、力を出す器官であるだけでなく、地面の情報を受けとる器官でもある。最後に、足にたまった血液を戻すふくらはぎの働きを見る。

6. ふくらはぎは、どうして「だい2の しんぞう」と よばれるの?

6. ふくらはぎは、足にたまった血を戻すポンプの手伝いをする

6. 筋ポンプ ── ふくらはぎの筋肉の収縮が、足の血液を心臓へ押し戻す

足は、しんぞうから いちばん とおい ところに あります。たって いると、足に たまった ちを、おもさに さからって うえへ もどさなければ なりません。

この とき はたらくのが、ふくらはぎの きんにくです。あるくと、きんにくが ちぢんで、ちの とおる くだを おして、しんぞうの ほうへ ちを おし もどします[10]。

この はたらきから、ふくらはぎは「だい2の しんぞう」と よばれる ことも あります。ただし これは あだ名です[11]。しんぞうの かわりを するのでは なく、てつだう はたらきです。

足は、心臓から最も遠い場所にあります。立っているときは、足にたまった血液を、重力に逆らって心臓へ戻さなければなりません。

この戻りを助けるのが、ふくらはぎの筋肉です。歩くと、ふくらはぎの筋肉が縮んで足の静脈を押し、筋肉が縮むたびに、血液が心臓の方向へ押し戻されます[10]。これを筋ポンプ作用といいます。

ふくらはぎが「第二の心臓」と呼ばれるのは、この働きからです。ただし、これは通称です[11]。心臓の代わりをするのではなく、足にたまった血液を戻す補助の働きと考えるのがよいでしょう。

ここまでで、足の働きは、支える・やわらげる・蹴る・感じる・戻す手伝いをする、の5つがそろいました。次は、自分の足で、そのうちのいくつかを確かめてみます。

立っているとき、足にたまった血液は重力に逆らって心臓へ戻らなければならない。歩行でふくらはぎの筋肉が収縮して静脈を圧迫すると、血液が心臓方向へ押し戻される。これが筋ポンプ作用である[10]。静脈にかかる圧の具体的な値は、条件や個人で変わるため、ここでは数値を挙げない。

この働きから、ふくらはぎは「第二の心臓」と呼ばれる。これは通称である[11]。血液を送り出すのは心臓そのものであり、ふくらはぎの働きは、足にたまった血液の還流を補う補助と位置づけるのが妥当だろう。

なお、この節の説明は製薬会社の講演資料と一般向けの健康解説に拠っており、学会ガイドラインのような一次資料ではない。

以上、足の働きは「支える・やわらげる・蹴る・感じる・血液の戻りを補う」の5つである。足の骨が26個に分かれていることと、これらの切り替えがどう結びつくのかは、解剖学や理学療法の資料で、自分で確かめる価値がある。

7. 自分の 足で、たしかめて みよう

7. 自分の足で、親指とふくらはぎを確かめる

7. 自分の足で確かめる ── 親指の背屈とつま先立ち

やってみよう1:いすに すわって、はだしに なります。足の おやゆびを、手で ゆっくり うえに そらせて みましょう。いたいときは、すぐ やめます。土ふまずの ほうが ぴんと はる かんじや、くぼみが かわるか どうかを、みて、さわって みましょう。これが、まきあげて かたく する しくみです。

やってみよう2:かべに 手を ついて、つま先で たちます。もう ひとつの 手で ふくらはぎを さわり、きんにくが かたく なるのを かんじます。ころばない ように、ゆっくり やります。これが ちを おし もどす きんにくです。

足の ほねが 26こ ある わけを、もっと しりたく なったら、としょかんで ほねの ずかんを ひらいて みると、いろいろ おもしろい はっけんが ありますよ。

今日できること1:いすに座って、はだしになり、足の親指を手でゆっくり上へ反らせます。痛いときはすぐにやめてください。土踏まずの内側が張る感じや、くぼみの変化があるかどうかを、見たり触ったりしてみましょう。ウィンドラス機構を、自分の足で見ることになります。

今日できること2:壁に手をついて、つま先立ちをします。もう一方の手でふくらはぎを触り、筋肉が硬くなるのを感じます。この筋肉が、血液を戻す手伝いをしている部分です。

次の問いは、26個の骨がそれぞれ何をしているのか、です。足の骨の一つ一つの名前と位置は、解剖学の資料に載っています。この記事の数値のうち、受容器の数や静脈の圧は、1つの研究や講演資料の一例です。原典を読むときは、実験の条件も合わせて見ると、数字の意味が変わります。

自分で試す方法は2つある。1つめは、椅子に座って親指をゆっくり手で背屈させ、土踏まずの内側が硬く張って、アーチがわずかに高くなるかを観察することだ。痛みがあれば中止する。足底腱膜が巻き上げられるという説明を、自分の足で確かめる体験になる。

2つめは、壁に手をついてのつま先立ちである。ふくらはぎの筋肉が収縮して硬くなるのを手で感じられる。この筋肉の収縮は、筋ポンプ作用に関わる。

原典に当たる場合は、Stearneら(Scientific Reports, 2016)とKennedy & Inglis(J Physiol, 2002)が、本文の数値の出どころになる。ただし、両論文を本文の言葉で要約するときは、実験条件(アーチ縮みの80%抑制、記録できた受容器数)を必ず添えたい。数値を条件抜きで引用すると、読者に誤解を与える。

今回の題材には、土踏まずの発達時期や筋ポンプの数値のように、資料によって幅のある点もある。「何が定説で、何が一例か」を分けて読む練習の題材として、適している。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

本文で使った資料です。論文や公的機関の資料は題名と所属を書いています。一部の資料は、概要や要旨をもとに内容を読んでいます。

  1. 今治市「足の骨」(健康資料)。 https://www.city.imabari.ehime.jp/kenkou/barittogenki/siryo2_asi.pdf (足の骨の数)
  2. 東京都 資料(足の骨の解説)。 https://www.hikaku.metro.tokyo.lg.jp/Portals/0/images/shisho/shien/public_2/121_2.pdf (足の骨の3つの部分、数え方)
  3. 相馬正之「1ページ講座 理学療法関連用語」2019年。 https://webview.isho.jp/journal/detail/abs/10.11477/mf.1551201634 (足のアーチ、トラス構造)
  4. 東京都 資料(足底アーチの発育)。 https://www.hikaku.metro.tokyo.lg.jp/Portals/0/images/shisho/shien/public_2/141_2.pdf (土踏まずの発達時期)
  5. 高林ら「走行と歩行の動作様式の違いが足部ウィンドラス機構におよぼす影響」バイオメカニズム23、2016年。 https://www.jstage.jst.go.jp/article/biomechanisms/23/0/23_67/_article/-char/ja/ (ウィンドラス機構)
  6. Stearne et al. "The Foot's Arch and the Energetics of Human Locomotion" Scientific Reports, 2016. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4726102/ (アーチの縮みとエネルギー消費)
  7. 小田ら(大阪体育大学)の研究を引用した論文。 https://www.ouhs.jp/wp/wp-content/uploads/2019/05/2018_ronbun_z_oda01.pdf (腱の弾性エネルギー、ホッピング)
  8. Kennedy & Inglis "Distribution and behaviour of glabrous cutaneous receptors in the human foot sole" J Physiol 538(3), 2002. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/11826182/ (足裏の機械受容器)
  9. 横山ら(長崎大学)1992年の研究。 https://nagasaki-u.repo.nii.ac.jp/record/19204/files/iryou06_00_21_t.pdf (足裏の感覚と重心動揺)
  10. マルホ 皮膚科向け講演資料。 https://keiba.radionikkei.jp/maruho_hifuka/maruho_hifuka_pdf/maruho_hifuka-220221.pdf (ふくらはぎの筋ポンプ、静脈圧の一例)
  11. ジャフメイト(一般向け健康解説)。 https://jafmate.jp/lifestyle/exercise_20230322.html (「第二の心臓」という通称)

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