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ここに書いてあることは、誰かが実際に手を動かして調べ、考え、作り上げてきたものを拾い集めています。専門の本や論文、作品、そしてそれを生み出した人たち。気になったことがあれば、ぜひそのおおもとに直接ふれてみてください。このメモには書ききれない熱を、感じてもらえると思います。

パンダは どうして 中国から かりて くるの? しろくろの ひみつも しりたい

アメリカに来るパンダは、なぜ「借りもの」なのか ── 白黒のひみつと、動物園の工夫

パンダはなぜ中国から「借りる」のか ── 貸し出しの仕組みと、白黒の毛の理由、動物園での世話

分野:生きもの

「パンダが アメリカに くる」という ニュースを みた。くる、って どういう こと? かったの? もらったの?

しらべて みたら、どちらでも なかった。かして もらって いるのだ。どうして かりて くるのか。あの しろくろの もようは なんの ため? どうぶつえんでは どんな せわを して いるの? じゅんばんに しらべて みた。

「パンダ、アメリカに到着へ」というニュースを見て、ふと引っかかった。「来る」というのは、買ったのか、もらったのか。

調べてみると、どちらでもなかった。パンダは中国から「借りて」いる。なぜ借りるのか。あの白黒の毛には、どんな理由があるのか。動物園ではどんな世話をしているのか。順に調べた。

「パンダ、アメリカに到着へ」。2026年9月24日、中国の習近平国家主席が、つがいのパンダ2頭が数日のうちにアトランタの動物園に着くと述べた[1]。見出しを読んで、ふと引っかかった。「来る」というのは、買ったのか、もらったのか。

調べると、どちらでもなかった。貸し出しの決まり、貸し出し料の行き先、白黒の毛の理由、動物園での世話を、順に調べた。

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1. パンダが アメリカに やって くる

1. アトランタに、2頭のパンダが来る

1. 2026年9月、アトランタへ ── ピンピンとフーシュアン

2026年の 9月24日。中国の 習近平しゅうきんぺいしゅせきが、「パンダ2とうが、もうすぐ アメリカの アトランタの どうぶつえんに つきます」と いった[1]。

おすの ピンピンと、めすの フーシュアン。ふたりとも 中国の 成都せいとで うまれた。ピンピンは 6さい、フーシュアンは もうすぐ 6さいに なる[3]。

この どうぶつえんには、まえにも パンダが いた。25ねんくらい いっしょに くらして、7とうの あかちゃんが うまれた。でも 2024ねんの 10がつに、かぞく ぜんいんが 中国へ うつって いった[3][4]。

アトランタで うまれた あかちゃんまで、どうして 中国へ いったのだろう。

2026年9月24日、中国の習近平国家主席が、アメリカのホワイトハウスでの式典で話した。パンダ2頭が数日のうちに、南部ジョージア州アトランタの動物園に着くという[1]。名前は、オスのピンピンとメスのフーシュアン。どちらも中国の成都にあるジャイアントパンダの繁殖研究基地で生まれた。ピンピンは2020年3月17日、フーシュアンは同じ年の10月18日の生まれだ[3]。

習主席は、2頭を「中米両国人民の友情の使者」と呼んだ。貸し出しは、中国野生動物保護協会が4月に発表していた[2]。動物園も4月23日に、この協会との新しい取り決めを結んだと発表している[3]。

アトランタの動物園には、前にもパンダがいた。1999年に始まった前の取り決めは25年ほど続き、そのあいだに7頭の子が生まれた。ところが一家は、2024年10月に全員が中国へ移っている[3][4]。ニュースが流れた時点で、動物園は到着の日時をまだ発表していなかった[4]。

アトランタで生まれた子まで、なぜ中国へ行ったのか。「来る」の裏には、「貸す・借りる」の話がある。

発表があったのは、2026年9月24日のホワイトハウスでの歓迎式典。習近平国家主席は、つがいのパンダ2頭が数日のうちに、米南部ジョージア州アトランタの動物園に着くと述べた[1]。名前は、オスのピンピン(Ping Ping)とメスのフーシュアン(Fu Shuang)。どちらも中国・成都のジャイアントパンダ繁育研究基地の生まれで、ピンピンは2020年3月17日、フーシュアンは同年10月18日に生まれた[3]。

習主席は、2頭を「中米両国人民の友情の使者」と表現した。貸与は、中国野生動物保護協会が4月に公表していた[2]。動物園も4月23日に、この協会との新しい国際共同研究の取り決めを結んだと発表している[3]。

アトランタの動物園は、1999年に始まった前の取り決めで Yang Yang と Lun Lun を迎え、その関係は25年ほど続いた。2006年から2016年のあいだに7頭の子が生まれたが、2024年10月に一家は全員が中国へ移った[3][4]。報道の時点で、動物園は新しい2頭の到着の日時を確定して発表していなかった[4]。

引っかかったのは、そこだ。7頭の子はアトランタで生まれたのに、全員が中国へ移っている。「買った」でも「もらった」でもない、と考えると説明がつく。次の章で、その仕組みを見る。

2. どうして「かす」と いう ことに なったの?

2. パンダは「売る」でも「あげる」でもなく、貸し出される

2. 売買ではなく貸し出し ── 1972年の贈り物から、年100万ドルの取り決めへ

むかしは、パンダは プレゼントだった。1972ねん、アメリカにも 日本にも、中国から パンダが おくられた[5][6]。

それが 1984ねんごろから、「かす」に かわった。どうぶつえんは、かりる ねだんを はらう。あかちゃんが うまれても、あかちゃんは 中国の もの。だから 4さいくらいまでに 中国へ かえる[6][5]。

びじゅつかんが、よその 国の めずらしい えを かりて くるのと すこし にている。もちぬしは かわらない。かりた ほうは、だいじに あずかって、おれいを はらう。ただし ほんとうは、パンダは えと ちがって、あかちゃんが うまれる。

もうひとつ。パンダは 数が すくない。おかねもうけの ために うったり かったり する ことには、ほうりつで きまりが ある[7]。アメリカの どうぶつえんは、パンダを 「もって いる」のでは ない。まもる けいかくの ひとつとして 中国から 「かりて いる」[7]。

日本の うえの どうぶつえんで うまれた 4さいの ふたごも、2026ねんの 1月に 中国へ かえった。日本から パンダが いなく なったのは、およそ 50ねんぶりだ[9]。では、かりる おかねは、どこへ いくのだろう。

始まりは贈り物だった。1972年4月、ニクソン大統領が中国を訪れたあとに、つがいのパンダがアメリカのスミソニアン国立動物園へ贈られた[5]。日本にも、その年のうちにカンカンとランランが来た[6]。

それが1984年ごろから、長期の貸し出しに変わったと説明される[6]。動物園が払う料金は年50万〜100万ドルほどが目安だ[6]。スミソニアン国立動物園の2024年の取り決めでは、年100万ドルを中国野生動物保護協会に払い、動物園で生まれた子は4歳までに中国へ移ることになっている[5]。

たとえるなら、美術館が外国から珍しい絵を借りてくるのに近い。持ち主は変わらず、借りた側は大事に預かって料金を払う。ただし本当は、パンダには赤ちゃんが生まれるところが絵とちがう。

法律の面もある。アメリカでは、パンダは1984年に絶滅危惧種法(ESA)の対象になった。ワシントン条約(CITES)の附属書Iにも載っている。この二つは、主に商業目的の使用や国際取引を規制している。そのうえでアメリカ魚類野生生物局は、アメリカの動物園はパンダを所有せず、科学的な保全計画の一部として、許可を受けて中国から借りていると説明している[7]。

日本の例もある。上野動物園で生まれた4歳の双子(シャオシャオとレイレイ)は、2026年1月27日に中国へ向けて出発し、日本国内のパンダは約半世紀ぶりにゼロになった[9]。では、その料金はどこへ行くのだろう。

始まりは贈り物だった。1972年4月16日、ニクソン大統領の訪中を受けて、つがいのパンダ(Ling-Ling と Hsing-Hsing)がワシントンのスミソニアン国立動物園に着いた[5]。日本にもその年のうちに、カンカンとランランが来ている[6]。

1984年ごろ、鄧小平のもとで、パンダ外交は贈り物から長期の貸し出しに移ったと説明されている[6]。動物園が払う料金は、年50万〜100万ドルほどが目安とされる[6]。スミソニアン国立動物園の2024年の取り決めでは、年100万ドルを中国野生動物保護協会に払い、動物園で生まれた子は4歳までに中国へ移る[5]。

法律の面にも、商業取引への規制がある。アメリカでは、ジャイアントパンダは1984年に絶滅危惧種法(ESA)の対象になった。ワシントン条約(CITES)の附属書Iにも載っていて、この二つの枠組みは、主に商業目的の使用や国際取引を規制している。そのうえで魚類野生生物局(FWS)は、アメリカの動物園はパンダを所有しておらず、科学的な保全計画の一部として、許可を受けて中国から借りていると説明する[7]。輸入の許可を得るには、野生のパンダの回復に直接つながる研究、長期の貸与の約束、お金の使われ方の年次報告などを示す必要がある[8]。

生まれた場所は関係がない。上野動物園で生まれた4歳の双子(シャオシャオとレイレイ)は、2026年1月27日に成田空港から四川省へ向けて出発した。それに先立つ2025年6月に和歌山・アドベンチャーワールドの4頭も返還されていて、日本国内のパンダは約半世紀ぶりにゼロになった[9]。

貸し出しは「パンダ外交」とも呼ばれ、国どうしの関係と結びつけて語られてきた[6]。この記事では外交の評価には踏みこまず、動物と保全の面から調べる。では、貸し出し料はどこへ行くのか。

3. かりる おかねは、どこへ いくの?

3. 貸し出し料は、野生のパンダを守るために使う

3. 貸し出し料の行き先 ── 野生のパンダは、いま何頭いるのか

どうぶつえんが はらう おかねは、中国の 山で パンダを まもる ために つかう と きめられて いる[5][7]。

やまの なかに いる パンダは、2014ねんの しらべで 1864とうだった。その まえの 10ねんで、17パーセント ふえた[11]。

そこで 2016ねんの 9がつ、「あぶない」の ランクが 1つ さがった。でも、ランクが さがっても、まだ 「なくなる おそれが ある」 なかまだ。パンダの すむ 森は、こまかく わかれて しまって いるし、これからの 気候きこうの へんかも しんぱいされて いる[10][11]。

その 山の なかで、パンダは どんな ふうに 見えて いるのだろう。

スミソニアン国立動物園の説明では、年100万ドルは、中国での研究と保全を支えるために払われる[5]。アメリカの魚類野生生物局の方針も、輸入の許可の条件として、野生のパンダを守るのにどう役立つかと、お金が中国でどう使われたかの記録を求めている[8]。アトランタの動物園も、新しい取り決めで、生息地の回復や現場の管理員の支援を通じて、パンダの保全に関われるようになると説明している[3]。

では、野生のパンダは何頭いるのか。2014年の全国調査で、1,864頭が確認された。それまでの10年間で17%増えている[11]。これを受けて、国際自然保護連合(IUCN)は2016年9月に、パンダの区分を「絶滅危惧」から一段軽い「危急」に下げた[10]。

ただし、区分が下がっても、まだ絶滅のおそれがある仲間には入っている。WWFは、生息地が分断されていることや、無計画なインフラ計画、気候変動の影響が残っているとして、野生に残るのは1,864頭しかいないと注意をうながしている[11]。貸し出し料が実際にどう使われているかの細かい内訳は、公開された資料から読み取れなかった。

動物園にいる数頭のうしろに、山にいる約1,900頭がいる。その山の中で、パンダはどう見えているのだろう。

スミソニアン国立動物園の説明では、年100万ドルは、中国での研究と保全を支えるために払われる[5]。FWSの方針も、輸入許可の条件として、野生のパンダの保全への貢献と、資金が中国でどう使われたかの記録を求めている[8]。アトランタの動物園も、新しい取り決めのもとで、生息地の回復や現場の管理員の支援を通じて、パンダの保全に関われるようになると説明している[3]。貸し出し料の内訳を細かく示した公開資料は、今回は見つけられなかった。

では、野生のパンダはどのくらいいるのか。2014年の全国調査で、野生のジャイアントパンダは1,864頭。それまでの10年で17%増えていた[11]。これを受けて国際自然保護連合(IUCN)は、2016年9月にレッドリストの区分を「Endangered(絶滅危惧)」から「Vulnerable(危急)」に下げた[10]。

ただし、危急も、絶滅のおそれのある区分の内側にある。WWFは、生息地の分断、無計画なインフラ計画、気候変動の影響が残るとして、「野生に残るのは1,864頭しかいない」というWWF中国代表の言葉を伝えている[11]。サンディエゴ動物園野生生物同盟も、「完全に安全になったわけではない」としている[10]。

動物園の数頭のうしろに、山の約1,900頭がいる。その山の中で、パンダはどう見えているのか。次に、あの白黒の毛を調べる。

4. しろくろの もようは、なんの ため?

4. 動物園では目立つ白黒が、山ではかくれ色かもしれない

4. 白黒の理由 ── 雪と影にまぎれる説と、顔のサイン

パンダの しろくろは、どうぶつえんで 見ると、とても めだつ。でも 山では ちがうのかも しれない。

2017ねんに、アメリカの けんきゅうグループが、からだの ぶぶんごとに かんがえた。パンダは 冬でも ねむらず、ゆきの 山から 森まで あるきまわる[13]。

  • かおや おなかの しろは、ゆきの なかで まぎれる ため、かも しれない。
  • あしや かたの くろは、森の かげで まぎれる ため、かも しれない。
  • みみと 目の まわりの くろは、なかまに しらせる ため、かも しれない。

ふゆの ゆきの 日も、ゆうがたの くらい 森も、どちらでも かくれられる。ふたつの コートを いっぺんに きて いる みたい。ただし ほんとうは、パンダは きがえられない。けは うまれつきの いろだ。

2021ねんの べつの けんきゅうでは、山で とった パンダの しゃしん15まいを しらべた。くろい ところは 木の みきや かげに、しろい ところは ゆきや あかるい はっぱに、いろが にて いた。すこし はなれて 見ると、からだの かたちが とけて 見えると いう[14]。

ただし、しゃしんは 15まいだけ。これだけでは、かくれる はたらきが たしかめられたとは いえない。

山で くらす パンダは、たけを たくさん たべる。どうぶつえんでは、どう して いるのだろう。

パンダの白黒は、動物園で見るととても目立つ。けれども山では、話がちがうかもしれない。

2017年、アメリカのカリフォルニア大学デービス校のティム・カロさんたちは、体の部分ごとに理由を考えた。パンダの毛の色を、肉を食べる動物195種と、クマの39亜種の色や暮らしている環境と見比べたのだ[13]。パンダは冬眠をせず、雪の山から森まで、いろいろな環境を歩きまわって暮らしている[13]。

  • 顔・首・腹・尻の白は、雪の多い環境にまぎれるはたらきがあるようだ。
  • 肩や脚の黒は、暗い森の影にまぎれるはたらきがあるようだ。
  • 耳や目のまわりの黒は、隠れるためというより、仲間や相手への合図かもしれないとされた。耳は「手ごわいぞ」、目のまわりは仲間の見分けなど、という説が検討された[12][13]。

雪の日も、夕方の暗い森でも、どちらでも隠れられる。二つの上着を一度に着ているようなものだ。ただし本当は、パンダは着替えられない。毛の色は生まれつきだ。

2021年には、別の方法の研究が出た。中国の陝西省の保護区で撮った野生のパンダの写真15枚を、人・イヌ・ネコの見え方に近づけて分析した。黒い毛は暗い木の幹や影に、白い毛は雪や明るい葉に近い色だった。距離が約50mを超えると、体の輪郭が背景にとけやすくなったという[14]。

ただし、写真は15枚で、場所も1か所だけ。目や耳が合図として使われている可能性も、この研究では否定できないとされている[14]。決着はまだついていない。

山のパンダは、竹をたくさん食べて暮らしている。動物園では、どうしているのだろう。

動物園で見るパンダの白黒は、とても目立つ。だが山の中では、そうでもないのかもしれない。

2017年、カリフォルニア大学デービス校のティム・カロらは、体の部分ごとに機能を考える方法で、この問いに答えを出そうとした。パンダの毛の各部位の色を、食肉目195種とクマの39亜種の色や生息環境と比べ、どの部位がどんな環境と結びつくかを調べた[13]。パンダは冬眠せず、雪の山から森まで、さまざまな環境を移動して暮らす[13]。

  • 顔・首・腹・尻などの白:雪の多い環境にまぎれる隠蔽いんぺいに、適応していると考えられる。
  • 肩と脚の黒:暗い森の影にまぎれる隠蔽に、適応していると考えられる。
  • 耳と目のまわりの黒:顔の暗い模様に、隠蔽としての強い裏づけは得られなかった。耳は手ごわさの合図、目のまわりは個体の見分けなど、顔を使った合図の可能性が検討された[12][13]。

体温の調節、輪郭をこわして目立たなくする効果、まぶしさを減らす効果は、裏づけが弱かったと論文の要旨にある[12]。結論は、白黒は「複数のはたらきの組み合わせ」で、いろいろな背景にまぎれることと、顔での合図の両方を支えている、というものだ[12]。

2021年には、別の方法の研究が出た。ノケライネンらは、陝西省の保護区で撮られた野生のパンダの写真15枚を、人・イヌ・ネコの見え方(視力と色の見え方)に近づけて分析した。黒い毛の色は暗い木の幹や影に、白い毛の色は雪や明るい葉に近かった。距離が約50mを超えると、体の輪郭が背景にとけやすくなった[14]。

この研究には限界も書かれている。個体数は15、調べた地域は1か所だけで、目や耳の模様が合図として働いている可能性も除けない[14]。ここまでの2本は、方法もちがえば範囲もちがう。どちらも、パンダの白黒が山の背景にまぎれうることを示唆している。ただし2本目は、写真を視覚モデルで分析したもので、野外で隠れる効果を直接確かめたものではない。

山のパンダは竹を大量に食べて暮らす。動物園は、その食事をどうまかなっているのか。

5. どうぶつえんは、たけを たくさん ようい する

5. 動物園は、竹を1日約45キロ用意する

5. 1頭に1日約45キロの竹を用意する ── 食事と暮らしの工夫

山の パンダは 1日の うち 10じかん いじょう、たけを たべて すごす[15]。

パンダの おなかは、くさを たべる どうぶつより、にくを たべる どうぶつに ちかい。たべても ほとんど きゅうしゅうされないので、たくさん たべる ひつようが ある[15]。

アメリカの スミソニアン こくりつ どうぶつえんでは、1とうに 1日 およそ 45キロの たけを ようい する。1しゅうかんに 3〜4かい、まわりの たけばやしで かって くる。あらって、みずの きりで ひやして とっておく[16]。

でも パンダは えらびぐい。すきな ところしか たべない ことも ある。ようい する りょうと、たべる りょうは ちがう。のこった たけは、ゾウや ゴリラが たべる[16]。

ほかにも くふうが ある。けずった こおりで ゆきの つもった ところを つくったり、スパイスを いれた ふくろで においあそびを させたり[17]。あきないように するためだ。たべる ことの ほかに、からだを まもる くふうも ある。

山のパンダは、1日のうち10時間以上を竹を食べて過ごす[15]。おなかのつくりは草食動物よりも肉食動物に近く、食べたものの多くが吸収されずに出てしまう。だから、たくさん食べる必要がある[15]。

スミソニアン国立動物園は、パンダ1頭に1日約45キロの竹を出す。園の職員が週に3〜4回、ワシントン周辺の管理された竹林で刈り取り、洗って、水のミストで冷やして保管する。竹は少なくとも2種類を出して、選べるようにしている[16]。

ただ、パンダは選り好みをする。葉だけを食べる日もあれば、何本も茎を食べる日もあり、好物の竹でも断ることがある。食べ残された竹はアジアゾウやゴリラに回される[16]。出す量と食べる量は、同じではない。竹のほかに、ニンジン・サツマイモ・リンゴ・ナシと、大豆・米・トウモロコシの粉で作った「パンダパン」も少し与える[16]。

食べもの以外にも工夫がある。削った氷で雪の吹きだまりをまねたり、丸太や消防ホースで作った登り台、ロープ、水場、スパイスの袋、ボールを置いたりする[17]。パンダにも性格があり、慎重に近づく子もいれば、すぐ飛びこむ子もいる。飼育員は、それを見ながら選ぶ[17]。食べる以外に、体を守る工夫もある。

野生のパンダは、1日に10〜16時間を採食に使う。消化管の構造は草食動物より肉食動物に近く、食べたものの多くが吸収されないまま排出されるため、大量の竹が必要になる[15]。サンディエゴ動物園によれば、野生のパンダが竹を食べるのに1日約12時間かかる[18]。

スミソニアン国立動物園は、1頭に1日約45キロの竹を出す。園の栄養部門の職員が週に3〜4回、ワシントン周辺の管理された竹林で刈り取り、洗い、水のミストで冷やして保管する。少なくとも2種類を出して選べるようにしている[16]。

出す量と食べる量はちがう。パンダは日によって、葉だけを食べたり、茎を何本も食べたりする。好物の竹でさえ断ることがあり、食べ残された竹はアジアゾウやニシローランドゴリラに回される[16]。竹のほかに、ニンジン・サツマイモ・リンゴ・ナシと、大豆・米・トウモロコシの粉で作る「パンダパン」を少量足す[16]。

食事以外にも工夫がある。氷の削りくずで自然の雪の吹きだまりをまねる、丸太と消防ホースの登り台、ロープ、水場、スパイスの袋、ボールなどだ[17]。個体ごとの性格も見る。2024年に来たQing Baoは新しいものに慎重に近づき、Bao Liはすぐ飛びこむ、と飼育員は話している[17]。食べる以外に、体を守る工夫もある。

6. からだの けんさを、パンダが 自分で うける

6. 1年に2〜3日の繁殖のチャンスと、パンダが自分から腕を出す検査

6. 年に2〜3日の受け入れ期間と、起きたまま受ける健康診断

めすの パンダが あかちゃんを つくる じゅんびが できるのは、1年の うちの、ほんの 2〜3日[15][18]。うまれた ばかりの あかちゃんは、85〜142グラム。ピンクいろで、けが なくて、目も 見えない。おかあさんの およそ 900ぶんの 1の 大きさだ[15]。

どうぶつえんの ひとは、パンダの ようすと おしっこの ホルモンを 見て、その 日を さがす[15]。

からだの けんさも、パンダが 自分から うける。おやつを もらいながら、まず はなを 木の ぼうの さきに ちょんと つける れんしゅうから はじめる。つぎに、うでを まどから だして、ぼうを にぎる。7かいくらいの れんしゅうで、ちを とる けんさが できた パンダも いる[19]。

パンダは「きょうは やらない」と えらぶ こともできる[17]。だから、おやつを もらえる ように して、やりたく なる ように くふうして いる。

メスのパンダが交尾を受け入れるのは、1年のうちの2〜3日ほどしかない。しかも、産むのは多くても2年に1度だ[15][18]。生まれたばかりの赤ちゃんは85〜142グラムで、ピンク色で毛がなく、目も見えない。母親の900〜1000分の1ほどの大きさだ[15][18]。

飼育員は、行動の変化と尿に出るホルモンを見て、その日を探す[15]。アトランタの動物園では、25年ほどのあいだに7頭が生まれた[4]。

体の検査も工夫されている。スミソニアン国立動物園では、パンダが自分の意思で検査に参加する。血圧の測定、心臓や腹部の超音波検査、レントゲン、ワクチンの接種、採血などを、起きたまま受けられるようにしている[19]。

始まりは「ターゲット」。棒の先のボールに鼻をつけると、サツマイモやリンゴがもらえる。若いオスのパンダは、生後9か月ごろから練習した。採血のときは、通路に入って窓から腕を出し、バーをにぎる。この練習は7回ほどでできるようになった[19]。参加するかどうかは、パンダが選べる[17]。

起きたままの検査のほうが、健康状態の値が正確になるという[19]。

パンダの繁殖は難しい。メスの排卵は年1回、春で、交尾を受け入れるのは排卵前後の2〜3日ほどだ。産むのは多くても2年に1度[15][18]。新生児は85〜142グラム(3〜5オンス)で、ピンク色、無毛、目も開いていない。母親の体重の約900〜1000分の1で、有袋類を除けば、母親に対していちばん小さい新生児とされる[15][18]。

飼育員は、行動の変化と尿中のホルモンを見て、その時期を探る[15]。アトランタの動物園では、1999年から2024年までの取り決めのあいだに、7頭が生まれた[4]。

健康管理も、パンダ自身の参加を前提にしている。スミソニアン国立動物園は、オペラント条件づけと正の強化(ほうびを使う方法)で、血圧測定、心臓や腹部の超音波検査、レントゲン、ワクチン、採血などを、起きたまま受けられるようにし、麻酔の必要を減らしている[19]。

手順はこうだ。まず「ターゲット」を教える。棒の先のボールに鼻をつけるとサツマイモやリンゴがもらえる。若いオスのパンダは、生後約9か月からこれを始めた。採血のときは、通路に入り、窓から腕を出し、バーをにぎる。この動作は合計7回ほどの練習で身についた[19]。起きたままのほうが、健康状態の値がより正確になり、判断しやすいという[19]。飼育員によれば、パンダは参加しないことも選べる[17]。

7. じぶんでも しらべて みたく なったら

7. 自分でも調べてみたくなったら

7. 自分でも調べてみたくなったら

パンダの しゃしんを、ずかんや どうぶつえんの ホームページで さがして みよう。ぬいぐるみでも いい。かみに 「しろい ところ」「くろい ところ」と かいて、ゆきの 山と くらい 森の どちらで かくれやすそうか、よそうを かきこむ。

そのあとで、この メモの 4の しょうと くらべて みよう。あたった ところ、はずれた ところが 見つかる。

ピンピンと フーシュアンが いつ つくのか、いつから 見られるのかは、どうぶつえんの ホームページで おしらせが でるかも しれない。

パンダの写真を、図鑑や動物園の公式サイトで探してみよう。ぬいぐるみでもいい。紙に「白い部分」「黒い部分」と書き分けて、それぞれ雪の山と暗い森のどちらでまぎれやすそうかを、予想として書きこむ。そのあとで、この記事の4章と見比べて、当たったところと外れたところを見つける。

シマウマやシャチなど、ほかの白黒の動物にも同じ理由が当てはまるのかは、この記事では調べていない。パンダの答えをそのまま持ちこまずに、別の動物として調べる入口になる。

アトランタの2頭の到着とお披露目の日は、この記事を書いた時点では発表を待つ状態だった。動物園の公式ページで、あとから確かめられる。

白黒の理由は、4章で紹介した2本の論文の要旨を読み比べると、自分で追える。Caro ら(2017年、Behavioral Ecology 28巻3号)は他の動物との比較、Nokelainen ら(2021年、Scientific Reports)は野生の写真と動物の見え方の分析で、同じ問いに別の道具で答えている。標本数(15枚)、調べた場所(陝西省の保護区)、書かれた限界を、自分の目で確かめられる。2本の結論がどこまで重なるかは、読み手が判断する部分になる。

読む前に、動物園の公式サイトや図鑑の写真を見ながら、紙に部位ごとの白黒を書き出し、雪の山と暗い森のどちらにまぎれやすいかを予想しておくと、論文が「部位ごとに理由がちがう」と言う意味が実感できる。シマウマやシャチなど、ほかの白黒の動物に同じ説明が使えるのかは、この記事では調べていない。別の動物として調べ直す入口になる。

アトランタの2頭の到着と公開の時期は、書いた時点では発表を待つ状態だった。動物園の公式ページで、あとから確かめられる。

しらべた ところ

参考にした情報源

参考にした情報源

出典について:時事ドットコム・東京新聞・Fox 5 Atlanta は日本と米国の報道、Zoo Atlanta・スミソニアン国立動物園・サンディエゴ動物園・WWF は動物園や保全団体の公式情報です。米国魚類野生生物局は米政府機関、UWA(西オーストラリア大学)の記事は大学の研究者が The Conversation に書いた解説、Caro ら(2017)と Nokelainen ら(2021)は英語の学術論文で、要旨と解説を読んで使いました。UC Davis は研究成果の大学のニュース記事です。

  1. 時事ドットコム「パンダ、数日中に米到着 中国が貸与、習氏表明」(2026年9月25日)。 https://www.jiji.com/jc/article?k=2026092500033&g=int&m=rss (習近平主席が2026年9月24日、ホワイトハウスの式典で、パンダ2頭が数日のうちにアトランタの動物園に着くと述べたこと)
  2. 東京新聞「米にパンダ2頭が近く到着と習氏 アトランタの動物園」(2026年9月)。 https://www.tokyo-np.co.jp/article/517523 (「中米両国人民の友情の使者」という表現、中国野生動物保護協会が4月に貸与を発表していたこと)
  3. Zoo Atlanta(アトランタ動物園)「FAQs: Giant Panda Program at Zoo Atlanta」。 https://zooatlanta.org/panda-cam/faqs-giant-panda/ (2026年4月23日の新しい取り決め、前の一家が2024年10月12日に出発したこと、ピンピンとフーシュアンの生年月日、生息地の回復と現場管理員の支援を通じた保全)
  4. Fox 5 Atlanta「Zoo Atlanta to receive two new giant pandas Ping Ping and Fu Shuang」(英語の地元テレビ局のニュース)。 https://www.fox5atlanta.com/news/zoo-atlanta-receive-two-new-giant-pandas-ping-ping-fu-shuang (前の取り決めが1999〜2024年で7頭の子が2006〜2016年に生まれたこと、動物園が到着日と公開時期を確定して発表していなかったこと)
  5. Smithsonian's National Zoo and Conservation Biology Institute「The History of Giant Pandas at the Smithsonian's National Zoo and Conservation Biology Institute」(スミソニアン国立動物園、英語の公式ページ)。 https://nationalzoo.si.edu/animals/history-giant-pandas-zoo (1972年4月16日の贈り物、貸し出しの形への変化、2024年の取り決めの年100万ドルと4歳までの子の移動、研究と保全への使い道)
  6. Yu Tao「China's long history of panda diplomacy」、University of Western Australia(西オーストラリア大学)、2024年6月17日(The Conversation の記事)。 https://www.uwa.edu.au/news/article/2024/june/chinas-long-history-of-panda-diplomacy (1972年の米国・日本への贈り物、1984年ごろの貸し出しへの移行、年50万〜100万ドルの料金の目安、パンダ外交という見方)
  7. U.S. Fish & Wildlife Service「Giant Panda」(CITESのページ)。 https://www.fws.gov/cites/species/giant-panda (ESAの対象とワシントン条約附属書Iの指定、主に商業目的の使用と国際取引の規制、米国の動物園は所有せず中国から貸与を受けていること)
  8. U.S. Fish & Wildlife Service「Panda Policy FAQs」。 https://www.fws.gov/question-answer/panda-policy-faqs (輸入許可の条件:野生のパンダの回復に直接つながる研究、長期の貸与の約束、資金の使われ方の記録)
  9. 時事ドットコム「パンダ出発、国内ゼロに 半世紀ぶり、長期化の恐れ」(2026年1月27日)。 https://www.jiji.com/jc/article?k=2026012700141&g=soc (上野動物園の4歳の双子が2026年1月27日に中国へ出発したこと、アドベンチャーワールドの4頭が2025年に返還されていたこと、国内のパンダがおよそ半世紀ぶりにゼロになったこと)
  10. San Diego Zoo Wildlife Alliance「Endangered No More: Giant Pandas Are Now "Vulnerable"」(2016年9月5日、英語の動物園団体の記事)。 https://sandiegozoowildlifealliance.org/story-hub/2016/09/05/endangered-no-more-giant-pandas-are-now-vulnerable (2016年9月4日の区分変更、「完全に安全ではない」という説明)
  11. WWF Canada「Giant panda no longer endangered but iconic species still at risk」(英語)。 https://www.wwfca.org/en/panda_no_longer_endangered/ (2014年の調査で1,864頭、10年で17%増、残る脅威と WWF 中国代表の言葉)
  12. Caro T.、Walker H.、Rossman Z.、Hendrix M.、Stankowich T.「Why is the giant panda black and white?」、Behavioral Ecology 28(3)、657–667、2017年(英語の学術論文)。 https://academic.oup.com/beheco/article/28/3/657/3058530 (部位ごとの仮説、白は雪、黒は影への隠蔽、顔の暗い模様に隠蔽の裏づけが弱いこと、複数のはたらきの組み合わせという結論)
  13. UC Davis「Why Pandas Are Black and White」(カリフォルニア大学デービス校のニュース、2017年、英語)。 https://www.ucdavis.edu/news/why-pandas-are-black-and-white-answered (195種の食肉目と39のクマの亜種との比較、部位ごとの解釈、パンダが冬眠しないこと)
  14. Nokelainen O.、Scott-Samuel N. E.、Nie Y.、Wei F.、Caro T.「The giant panda is cryptic」、Scientific Reports、2021年(英語の学術論文)。 https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC8553760/ (野生のパンダの写真15枚、人・イヌ・ネコの見え方での分析、約50mを超えると輪郭がとけやすいこと、標本と地域の限界)
  15. Smithsonian's National Zoo and Conservation Biology Institute「Giant Panda」(公式の動物紹介ページ、英語)。 https://nationalzoo.si.edu/animals/giant-panda (採食時間、肉食動物に近い消化管、繁殖の時期、新生児の大きさ、飼育員が行動とホルモンを見ること)
  16. Smithsonian's National Zoo and Conservation Biology Institute「To Keep the National Zoo's Pandas Satisfied, Staff Prepare an Endless Supply of Bamboo」(英語)。 https://www.nationalzoo.si.edu/animals/news/keep-national-zoos-pandas-satisfied-staff-prepare-endless-supply-bamboo (1頭1日約45キロの竹、週3〜4回の刈り取り、保管、選り好み、食べ残しの行き先、補う食べもの)
  17. Smithsonian's National Zoo and Conservation Biology Institute「How Keepers at Smithsonian's National Zoo Help Giant Pandas Feel at Home」(英語)。 https://nationalzoo.si.edu/news/news/how-keepers-smithsonians-national-zoo-help-giant-pandas-feel-home (氷の削りくずなどの環境の工夫、パンダごとの性格、訓練に参加しないことも選べること)
  18. San Diego Zoo Wildlife Alliance「Giant Panda」(動物紹介ページ、英語)。 https://animals.sandiegozoo.org/animals/giant-panda (野生のパンダが竹を食べるのに約12時間かかること、繁殖の受け入れ期間が年2〜3日ほどであること、新生児の大きさ)
  19. Smithsonian's National Zoo and Conservation Biology Institute「The Science Behind Giant Panda Veterinary Care」(英語)。 https://nationalzoo.si.edu/animals/news/science-behind-giant-panda-veterinary-care (正の強化による訓練、起きたままの採血・超音波検査など、麻酔の必要を減らすこと、ターゲット訓練と採血の手順、起きたままの検査の利点)

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