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イチョウは、なぜ 町に 多いの?

イチョウは、なぜ街に多いのか

イチョウは、なぜ街に多いのか

分野:自然

秋に なると、道に おちた ぎんなんの においが、鼻に つく ことが ある。町を 見わたすと、イチョウの 木は とても 多い。

イチョウは、なぜ こんなに 町の 木として えらばれて いるのだろう。そのわけを さぐって みよう。

秋になると、道に落ちた銀杏(ぎんなん)のにおいが、鼻につくことがある。街を見わたすと、イチョウの木はとても多い。

イチョウは、なぜこんなに街路樹として選ばれているのだろう。そのわけをさぐってみよう。

秋になると、道に落ちた銀杏(ぎんなん)のにおいが鼻をつく。見わたせば、イチョウは日本の街路樹の中でもっとも本数が多い樹種の一つだ。

なぜ、これほどまでにイチョウが選ばれてきたのか。その背景には、恐竜時代から生き延びてきた生命力と、1923年の関東大震災で燃え残った1本の木がもたらした信頼が深く関わっている。

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1. イチョウは、きょうりゅうの 時代から いきて いる

1. イチョウは、恐竜の時代から生きている

1. イチョウは、恐竜時代の仲間がほぼ絶滅した「生きた化石」

イチョウの なかまは、きょうりゅうが いた、とても むかしの 時代から あった。でも、その ほとんどの なかまは、今では ぜつめつして しまい、イチョウだけが のこって いる[1]

イチョウが のこれた りゆうの 1つは、人間が たすけたからだと いわれて いる。むかしの 人が、ぎんなんを 食べる ために、イチョウの 木を 大切に そだてつづけたのだ[1]

イチョウの仲間は、恐竜がいた、とても昔の時代からあった。でも、そのほとんどの仲間は、今では絶滅してしまい、イチョウだけが残っている[1]

イチョウが残れた理由の1つは、人間が助けたからだといわれている。昔の人が、ぎんなんを食べるために、イチョウの木を大切に育てつづけたのだ[1]

イチョウ属の仲間は恐竜が繁栄していた中生代に多様化し、世界各地に分布していたとされる。しかし気候変動などを経て、現在まで生き残ったのはイチョウ(Ginkgo biloba)ただ1種のみである[1]

イチョウが唯一生き延びた理由は、はっきりとは分かっていない。病害虫や大気汚染への耐性が高いことに加え、中国で種子(ぎんなん)を食用や信仰の対象として人が植え育て続けたことも、生き残りや分布の広がりに寄与した可能性があるという説の一つとして挙げられている[1]

2. まわりが やけても、のこった 1本の イチョウ

2. まわりが焼けても、残った1本のイチョウ

2. 「震災イチョウ」が、関東大震災の火から生き残った

東京の 大手町(おおてまち)に、「しんさいイチョウ」と よばれる 木が ある。1860年ごろに うえられた、この 木に、大きな できごとが おきた[2]

1923年、かんとうだいしんさいと いう 大きな じしんが 起きた とき、まわりの 木は みな もえて しまった。でも この イチョウだけは、もえずに のこった[2]

東京の大手町(おおてまち)に、「震災(しんさい)イチョウ」と呼ばれる木がある。1860年ごろに植えられた、この木に、大きなできごとが起きた[2]

1923年、関東大震災という大きな地震が起きたとき、まわりの木はみな燃えてしまった。でもこのイチョウだけは、燃えずに残った[2]

東京都千代田区大手町には、1860年ごろに植えられたとされる1本のイチョウがある。1923年9月1日の関東大震災による大火災で、東京市中は猛火に包まれ、周囲の樹木はこの木を除いてほぼすべて焼失した[2]

この木も幹の表面が炎と高熱で変質したが、焼失は免れた。「震災イチョウ」と呼ばれるようになったこの木は、区画整理にともない伐採される予定だったが、当時の中央気象台長・岡田武松の申し入れを受けて現在の場所へ移植され、帝都復興のシンボルとして今も大手濠緑地に立っている[2]

3. 火に つよいから、まちの 木に えらばれた

3. 火に強いから、街路樹に選ばれた

3. 火に強い性質が、街路樹としての普及を後押しした

イチョウの 葉や みきには、水分が おおく ふくまれて いる。水を たっぷり すった スポンジの ような もので、火が つきにくい(ただし ほんとうは スポンジでは なく、木の 中に 水分が おおいと いう ことだ)。そのため、ほかの 木に くらべて、火に つよいと いわれて いる[3]

しんさいイチョウが 火事に つよかった ことも あり、かんとうだいしんさいの あと、町の 木として イチョウが たくさん うえられる ように なった。今では、日本の まちの 木の 中で、イチョウが いちばん 多い[3]

イチョウの葉や幹には、水分が多く含まれている。そのため、ほかの木に比べて、火に強いといわれている[3]

震災イチョウが火事に強かったこともあり、関東大震災のあと、街路樹としてイチョウがたくさん植えられるようになった。今では、日本の街路樹の中で、イチョウがいちばん多い[3]

イチョウは葉や幹の水分量が多く、他の樹種に比べて燃えにくいとされる。震災イチョウのように延焼を防いだ実例があったことも、耐火性が街路樹に選ばれてきた理由の一つとして語られる背景なのだろう。あわせて、大気汚染や病害虫への耐性が高く、都市の環境でも育ちやすいことも普及を後押しした[3]

2007年の国土交通省の調査では、街路樹として全国に約57万本のイチョウが植えられており、樹種別で最も多い結果となっている[3]

4. 東京都の マークは、じつは イチョウでは ない

4. 東京都のマークは、実はイチョウではない

4. 東京都のシンボルマークは、公式にはイチョウの葉ではない

東京都の 木は、1966年に イチョウに きめられた。だから、東京都の マークも イチョウの 葉だと おもって いる 人が おおい[4]

でも、1989年に できた 東京都の マークに ついて、東京都は「これは イチョウでは なく、東京の 「T」の 文字を デザインした ものです」と せつめいして いる[4]

東京都の木は、1966年にイチョウに決められた。だから、東京都のマークもイチョウの葉だと思っている人が多い[4]

でも、1989年にできた東京都のマークについて、東京都は「これはイチョウではなく、東京の『T』の文字をデザインしたものです」と説明している[4]

東京都の木は昭和41年(1966年)にイチョウと制定された。そのため、平成元年(1989年)に制定された東京都シンボルマークも、イチョウの葉をかたどったものだと広く思われている[4]

しかし東京都の公式見解では、このマークはイチョウの葉ではなく、「東京」の頭文字である「T」をデザインしたものとされている。選考に関わったデザイナーは「イチョウのようでイチョウではない、その曖昧さもポイントだった」と語っており、意図的にイチョウを連想させる形にしたことがうかがえる[4]

5. ぎんなんが くさいのは、たねを まもる ため

5. ぎんなんが臭いのは、種を守るため

5. 銀杏特有のにおいは、種子を守る生存戦略とされる

ぎんなんの、あの きつい においは、たねの まわりを つつむ、オレンジいろの かわの ぶぶんから 出て いる。この かわは、「がいしゅひ」と よばれる[5]

この においには、いやな どうぶつを ちかづけない やくわりが あると いわれて いる。ぎゃくに、この においを このむ どうぶつに 食べられる ことで、たねが 遠くへ はこばれる ため、と いう せつも ある[5]

ぎんなんの、あのきついにおいは、種のまわりを包む、オレンジ色の皮の部分から出ている。この皮は、「外種皮(がいしゅひ)」と呼ばれる[5]

このにおいには、いやな動物を近づけない役割があるといわれている。逆に、このにおいを好む動物に食べられることで、種が遠くへ運ばれるため、という説もある[5]

銀杏の独特のにおいは、種子を包むオレンジ色の外種皮(がいしゅひ)から発せられる。このにおいの機能については、複数の説がある[5]

一つは、強いにおいによって食害する動物を遠ざけ、種子を守るためとする説。もう一つは逆に、このにおいを好む特定の動物に食べさせることで、種子を遠方まで運ばせ、生息域を広げるためとする説である。どちらも、生存戦略として意味があるようだ[5]

6. ぎんなんは、食べすぎると からだに 悪い

6. ぎんなんは、食べすぎると体に悪い

6. 銀杏の食べ過ぎは、痙攣などの中毒症状を引き起こす

ちゃわんむしや、やいた ぎんなんは おいしいが、ぎんなんは、いちどに たくさん 食べては いけない。とくに 小さな 子どもは、少しの りょうでも、ぐあいが わるく なる ことが ある[6]

これは ぎんなんに ふくまれる せいぶんが、体の 中の ビタミンの はたらきを じゃまして しまう ためだと いわれて いる。この せいぶんは、やいても にても なくならないので、りょうに 気を つける ひつようが ある[6]

茶碗蒸しや、焼いたぎんなんはおいしいが、ぎんなんは、一度にたくさん食べてはいけない。とくに小さな子どもは、少しの量でも、具合が悪くなることがある[6]

これはぎんなんに含まれる成分が、体の中のビタミンの働きをじゃましてしまうためだといわれている。この成分は、焼いても煮てもなくならないので、量に気をつける必要がある[6]

銀杏には4'-O-メチルピリドキシンという成分が含まれ、これがビタミンB6の働きを妨げる拮抗物質として作用する。ビタミンB6は抑制性神経伝達物質GABAの合成に必要であり、その働きが妨げられることで中枢神経系が過興奮し、嘔吐や痙攣などの中毒症状を引き起こすことがある[6]

経口摂取による中毒量には個人差が大きく、小児では7〜150個程度、成人でも40〜300個程度と、報告によって幅がある。少ない例では5個程度での発症も記録されている。この成分は熱に強く、加熱調理をしても食べ過ぎれば中毒が起こりうるとされ、5歳以下の子どもには食べさせないなどの注意が呼びかけられている[6]

まちの イチョウに、さわって みる

街のイチョウに、ふれてみる

街のイチョウに、ふれてみる

もし 近くの 道で イチョウを 見かけたら、みきに さわって みて ほしい。ほかの 木より、太くて どっしりと して いるはずだ。

もし近くの道でイチョウを見かけたら、幹にさわってみてほしい。ほかの木より、太くてどっしりとしているはずだ。東京都千代田区には、「震災イチョウ」が今も立っている。

街路樹のイチョウを見かけたら、葉の形や幹の太さを、ほかの樹種と見比べてみてほしい。東京都千代田区大手町の大手濠緑地には、100年前の大火を生き延びた「震災イチョウ」が今も立っている。その姿は、この記事でたどってきた歴史を、実物として感じさせてくれる。

しらべた ところ

参考にした情報源

参考にした情報源

  1. ナショナルジオグラフィック日本版「実は絶滅危惧種のイチョウ、こうして生き延びた」、日本経済新聞「生きた化石イチョウ 絶滅逃れた復活理由は人との共存」。 https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/20/120200705/ https://www.nikkei.com/article/DGXMZO67065720X01C20A2000000/ (イチョウ属が恐竜時代の中生代に多様化していたが現在はイチョウ1種のみが現存すること、病害虫や大気汚染への耐性の高さ、中国で種子を食用にするため人が植え育て続けたことが生存に寄与したとする説があること)
  2. 国民公園協会「震災復興希望のシンボル『震災いちょう』」、フリー百科事典『ウィキペディア』「震災イチョウ」。 https://fng.or.jp/koukyo/2015/09/24/post_81/ https://ja.wikipedia.org/wiki/震災イチョウ (1860年ごろに植えられたとされるイチョウが1923年9月1日の関東大震災の大火の中で周囲の樹木がほぼ全焼するなか焼失を免れたこと、区画整理での伐採予定を中央気象台長・岡田武松の申し入れで回避し現在の大手濠緑地へ移植されたこと)
  3. 雑学ネタ帳「街路樹にイチョウが多い理由」、科学者の卵養成講座「街路樹にイチョウがなぜ多いのか」、国土技術政策総合研究所資料。 https://zatsuneta.com/archives/006228.html https://mirai-eggs.org/science_blog/街路樹にイチョウがなぜ多いのか/ https://www.nilim.go.jp/lab/bcg/siryou/tnn/tnn1050pdf/ks105006.pdf (イチョウの葉や幹の水分量が多く燃えにくいとされること、関東大震災後の復興で街路樹として広く採用されるようになったとされること、大気汚染や病害虫への耐性の高さ、2007年時点で街路樹のイチョウが全国57万2千本〈約57万本〉で樹種別最多だったことは国土技術政策総合研究所資料による)
  4. 東京都「都の紋章・花・木・鳥・歌」、東京木材問屋協同組合「東京都のシンボルマークは銀杏ですよね?」、フリー百科事典『ウィキペディア』「東京都シンボルマーク」。 https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/tokyoto/profile/gaiyo/monsho https://www.mokuzai-tonya.jp/blog/type/107.html https://ja.wikipedia.org/wiki/東京都シンボルマーク (東京都の木が昭和41年〈1966年〉11月14日にイチョウと発表されたこと、東京都シンボルマークが平成元年〈1989年〉に制定されたこと、東京都の公式見解ではこのマークがイチョウの葉ではなく「東京」の頭文字「T」のデザインとされていること、選考委員会副委員長のデザイナーのコメント)
  5. grape「銀杏はなぜ臭い?理由や臭いの消し方を徹底解説」。 https://grapee.jp/food/cooking/2066658 (銀杏の独特のにおいが種子を包む外種皮から発せられること、動物を遠ざけて種子を守るためとする説と、においを好む動物に食べさせ種子を遠方まで運ばせるためとする説の両方があること)
  6. 国立精神・神経医療研究センター病院「銀杏中毒にご用心」、日経メディカル「銀杏の食べ過ぎで小児が痙攣を起こす理由とは」、母子栄養協会「子どもは銀杏(ぎんなん)にご注意を」。 https://www.ncnp.go.jp/hospital/patient/special/epilepsy-column_21.html https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/di/column/matsumoto/201807/557104.html https://boshieiyou.org/ginnan_for_child/ (銀杏に含まれる4'-O-メチルピリドキシンがビタミンB6の拮抗物質として作用しGABA合成を阻害すること、過剰摂取で嘔吐や痙攣などの中毒症状を引き起こすこと、経口摂取による中毒量が小児で7〜150個・成人で40〜300個程度と報告によって幅があり5個程度での発症例もあること、この成分が熱に強く加熱調理をしても中毒が起こりうること〈母子栄養協会による〉、5歳以下の子どもへの注意喚起がされていること)

なおした ところ

更新履歴

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