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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

ロボットが ダンスを すると、ミツバチは どうしたの?

ロボットがミツバチのダンスを踊ると、本物のハチはどうしたのか ── 暗い巣の中の合図を、機械で確かめる

ミツバチのダンスを再現するロボット ── 1992年の機械ミツバチからRoboBee(2018年)まで

分野:生きもの

ミツバチの すの 中で、ロボットが ダンスを おどりました。すると、ほんものの ミツバチが それを おいかけて、とんで いきました。

どうして ロボットの おどりで、ハチが うごくのでしょう。この 研究で わかった ことと、まだ わからない ことが わかります。

ミツバチの巣の中で、ロボットが8の字ダンスを踊りました。すると本物のハチが、そのダンスを追いかけました。追跡できた飛行は、示された方向に合っていました。3回以上追った踊りに限ると、追った尻振りの回数は、本物の踊り手より多かったと報告されています。

なぜ、機械の踊りで働きバチが動くのでしょうか。暗い巣の中で何が伝わっているのか、ロボットで確かめる研究の流れと、成功と同じくらい大切な「まだ分からないこと」が分かります。

2018年にarXivで公開された論文は、ミツバチを模したロボットの踊りを本物のハチが追い、その後の飛行まで確認した初めての報告だと自称している[1]。しかも、ダンスを3回以上追った場合に限ると、1回の踊りで追った尻振りランの数はロボットのほうが本物より有意に多かった。

ではなぜ、ダンスの意味を読み取るかどうかを、わざわざロボットで調べる必要があるのか。そして成功の裏で、研究者自身が「未解決」と書いた点は何か。1992年の機械ミツバチ、2018年のRoboBee、2022年の応用までを通して、何が分かり何が分かっていないかが分かる。

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1. ロボットの ダンスを、ハチは おいかけたの?

1. ロボットの踊りを、本物のハチは追ったのか

1. RoboBeeの実験 ── 13日中8日、80回のダンスフォロー

ドイツの 研究者たちは、ミツバチの ダンスを まねる ロボットを つくりました。ロボットは、ミツバチの すの 中で、ほんものと おなじように おどります[1]。

すると、ロボットの おどりを おいかける ハチが あらわれました。13日の うち 8日で、あわせて 80回 です[1]。

おいかけた あと、とんで いった ハチも います。ただし、まいにち あつまった わけでは ありません。ロボットが ほんものより じょうずだ とも いえません。ここから、ふしぎな 話が はじまります。

実験を行ったのは、ドイツのベルリン自由大学などの研究者たちです。ミツバチの巣の中に、本物そっくりに8の字ダンスを踊るロボット「RoboBee」を入れました[1]。

結果、13日の実験のうち8日で、ロボットの踊りを追う行動が見られました。合計で80回です[1]。13日のうち8日、およそ6割で追う行動が見られました。

3回以上追った踊りだけを数えると、1回の踊りで追った尻振りの回数は、ロボットで平均7.19回、本物の踊り手で5.45回でした[1]。7.19÷5.45は約1.3倍です。ただし、これは「ロボットのほうが上手」という意味ではありません。なぜ長く追ったのかは、この結果だけでは分かりません。

この記事では、なぜ機械で調べるのか、ロボットはどう作られたのかを順に見ていきます。そもそも、ダンスは何を伝えているのでしょうか。

RoboBeeの実験では、13日のうち8日でダンスフォロー(ダンスを追う行動)が観察され、合計80回だった[1]。13日のうち8日は約62%で、毎日集まったわけではない。

3回以上追った踊りだけを比べると、1回の踊りで追った尻振りランの数は、ロボット7.19±3.73、本物5.45±2.77で、ロボットのほうが有意に多かった(P=0.004)[1]。比は7.19÷5.45で約1.3倍だが、3回以上追った踊りに限った比較であり、ロボットが本物より優れているとは読めない。なぜ長く追ったのかも、この数字だけでは説明できない。

では、そもそもダンスは何を伝え、なぜその意味を確かめるのにロボットが要るのか。次の章からその順に読む。

2. ダンスは、なにを つたえて いるの?

2. 8の字ダンスは、何を伝えているのか

2. 尻振りランと戻りラン ── 距離と方向の符号化

ミツバチは、おいしい 花の ばしょを、ダンスで なかまに おしえます[1]。ばしょは すから とおい ことも あります。

ダンスは 2つの 動きで できて います。1つめは、からだを ぷるぷる ふりながら まっすぐ すすむ 動き。2つめは、ぐるっと まわって もとの ところへ もどる 動きです[1]。くりかえすと、8の字に なります。

ぷるぷるが 長いほど、花は とおく です[2]。むきは、太陽に たいする 体の 角度で つたえます[2]。

この ダンスの いみを とき あかしたのは、フォン・フリッシュと いう 人です。1973年に ノーベルしょうを もらいました[3]。

ミツバチは、食べ物や水、巣の場所などを、ダンスで仲間に伝えます。100メートルより遠い場所を伝えるときの踊りには、2つの段階があります。体を横に振りながら前へ進む「尻振りラン」と、ぐるっと回って元の位置へ戻る「戻りラン」です[1]。2つをくり返すと、8の字になります。

距離は尻振りランの長さで伝わります。長く振るほど遠い場所です[2]。方向は、垂直な巣板の上で、真上を太陽の向きに見立てて伝えます。体が真上から何度ずれているかが、太陽の方位から何度ずれた方向に餌場があるかを表します[2]。近い場所のときは、円を描くようなダンスになるとされます[2]。

この意味を解いたのは、オーストリアのカール・フォン・フリッシュ(1886〜1982)です。ダンスが距離と方向の情報を含むことを示しました。1973年には、ティンバーゲン、ローレンツとともにノーベル生理学・医学賞を受けています[3]。

ここまでは、人が外から見て分かった話です。巣の中の暗闇で、ハチは何を頼りにダンスを読むのでしょうか。

遠い場所(100m超)を伝えるダンスは、体を横に振りながら前進する尻振りランと、円を描いて元の位置へ戻る戻りランからなる[1]。距離は尻振りランの持続時間が長いほど遠い[2]。方向は、垂直な巣板で真上(重力の向き)を太陽の方位に見立てる。尻振りランの向きが、餌場の方向を表す[2]。近い場所では円形ダンスになるとされる[2]。

この符号化を解読したのがカール・フォン・フリッシュ(1886〜1982)で、ダンスが距離と方向の情報を含むことを示し、1973年にティンバーゲン、ローレンツとともにノーベル生理学・医学賞を受けた[3]。

ただし、ダンスの意味が人に分かることと、巣の中のハチが何を手がかりにそれを読み取っているかは別の問いだ。暗い巣の中では、ハチは人と同じ見方ができない。次章で、その手がかりの多さを見る。

3. まっ暗な すの 中で、なにが ききめを もつの?

3. 暗い巣の中の手がかりは多すぎて、絞りきれない

3. 多重の手がかり ── 振動・気流・電場・におい・体温

すの 中は まっ暗です。ダンスを おいかける ハチは、目で 見るのでは なく、おどる ハチの 体の 動きを おいかけます。しょっかくで さわる こと も あります[1]。

ぷるぷるの とき、むねと はねも ふるえます。その ふるえは、空気の ゆれや、すの いたの ふるえに なります。ほかにも においや みつの あじ、おどる ハチの 体の あつさも あります[1]。

手がかりが たくさん ありすぎて、どれが ほんとうに 大じなのかは、数十年 しらべても わかって いません[1]。だから ロボットの 出番です。

暗やみで読み取る合図

巣の中は暗く、ダンスを追うハチ(ダンスフォロワー)は目で見て追うことができません。踊るハチの体の動きを追い、触角で触れることもあります[1]。

尻振りの最中は、胸と翅が震えます。この震えは、空気の細かな揺れ、巣板の振動、空気の流れ、電場の変化を生みます。そのほかにも、においや蜜の味、踊り手の高い体温といった手がかりがあります[1]。

どれが本当に大切か

数十年の研究を経ても、これらのうち、どれが追うハチを引きつけ、やる気にさせ、道を教えているのかは、まだ分かっていません[1]。人がハチの体を1つずつ調整して試すのは難しいので、踊り手を決まった踊りをする機械に置きかえる、という調べ方が考えられました[1]。

巣の中は暗く、ダンスフォロワーは視覚ではなく、踊り手の体の動きの追従と触角による接触で情報を得る[1]。尻振りランでの胸と翅の振動は、空気粒子の振動、巣板の振動、連続的な気流、変調する電場を生む。さらに、においや蜜の味、踊り手の高い体温も手がかりになりうる[1]。

2018年論文によれば、数十年の研究後も、これらのうちどれが追う個体を引きつけ、動機づけ、方向を教えるのに本質的かは未解明である[1]。本物の踊り手では、これらが同時に出てしまい、1つだけを変える実験が難しい。そこで、踊りを固定した機械に踊り手を置きかえる方法が使われる。その土台を築いた1つが、同じ著者らが2011年に出した設計の論文だ[5]。

では、最初に機械の踊り手を試した人たちは、何をどこまで確かめたのか。

4. さいしょの きかい ミツバチは、なにを した?

4. 1992年の「機械ミツバチ」は、どこまで確かめたのか

4. Michelsenらの機械の踊り手(1992年)と、その限界

1992年にも、きかいの ミツバチを つかった 研究が ありました。からだは ろうを ぬった どう、小さな モーターで 8の字を えがく ように 動き、電じしゃくで はねを ふるわせた とされます[4]。さとうみずも 出せました。

ハチたちは、きかいが しめした ばしょの ちかくで、えさを さがす ことが ふえました[1]。

でも、この 研究では、ダンスを おいかける ようすは ほうこくされて いません。すの 中の やりとりも、ビデオに とって いませんでした[1]。

最初に機械の踊り手を試したのは、ミヒェルゼンらの研究グループです。1992年の論文で、機械ミツバチが示した場所の近くで、ハチの食べ物探しが増えたと報告されました[1]。

解説記事によると、体は蝋でおおった銅でできていて、小型モーターで8の字を描くように動き、電磁石で翅を震わせて音を出し、小さなポンプで砂糖水を出したとされます。伝わり方は本物ほど正確ではないものの、伝達は起きたと説明されています[4]。

ただし、2018年の論文は、この研究ではダンスを追う行動が報告されておらず、巣の中のやりとりも撮影されていなかったと述べています[1]。「ハチは動いた」けれど、「どう読み取ったか」は見えなかったのです。

では、その見えなかった部分を、どうすれば見えるようにできるのでしょうか。

機械の踊り手の先駆けとされるのが、Michelsenらの研究(1992年)だ。ハチは機械の踊り手が示した場所の近くで食べ物探しを増やした。ただし2018年論文によれば、この研究ではダンスを追う行動が報告されず、巣内のやりとりも撮影されていない[1]。

この機械は、蝋でおおった銅の体、8の字を描く小型モーター、電磁石による翅の振動と音、砂糖水を出す小さなポンプで作られたと紹介されている。伝達の正確さは本物に及ばないが、伝達は起きたという[4]。

なお、2018年論文が「初めて」と名乗るのは、ロボットのダンスの追従と、その後の飛行までを確認した報告であって、機械の踊り手そのものの最初ではない[1]。見えなかった巣の中のやりとりと飛行を記録するため、RoboBeeはどう設計されたのか。

5. ロボットは、どうやって ほんものに にせたの?

5. 本物そっくりに、でも静かに踊る設計

5. RoboBeeの設計 ── プロッター改造・13Hz・40%遅い戻りラン

ベルリンの 研究者たちは、ペンで かく きかい(プロッター)を かいぞうして、ロボットの 体を うごかしました。先に つけたのは、スポンジで できた ミツバチの もけいです[1]。

はねの かわりに、うすい プラスチックを スピーカーで ふるわせました。あたまの 先からは、さとうみずを ちいさな つぶで 出します。すの においが つくよう、もけいは 何日も まえから すの かごに 入れて おきました[1]。

ぷるぷるの はやさは、1びょうに 13回です。ところが、もどる 動きの はやさは、ほんものは 1びょうに 20ミリ ですが、ロボットは 12ミリに して、4わり おそく しました。きかいの 音を へらす ためです[1]。

ほんものを まねるだけでは なく、ハチが こわがらないように、そっと おどらせて いたのです。

RoboBeeの土台は、市販のペンプロッターを改造したものです。平面を動き、回転もできます。先端には、実物大のミツバチの模型がついています。模型は柔らかいスポンジを薄いフィルムで包んだもので、翅の代わりに多層のプラスチック片をスピーカーで震わせ、頭の先から砂糖水を小さな滴で出します[1]。巣のにおいをつけるために、模型は数日前から巣のワイヤー籠に入れられました[1]。

尻振りは毎秒13回です。騒音を減らすため、回転モーター1つだけで震わせ、模型を回転軸から約20ミリずらして取りつけ、角度の振れと体の横移動を連動させました[1]。

戻りランは、本物の毎秒20ミリから、毎秒12ミリへ、40%遅くしました。機械の音を減らすためです[1]。20から12は8の減少で、8÷20=0.4です。

踊りの設計値は、約230メートル先の餌場を知らせる本物の踊りの記録から作られました。実験では、巣から200メートル離れた2つの人工の餌場(砂糖水を置いた場所)で、ハチを訓練しました[1]。完全なコピーではなく、「静かさ」とのかねあいで作った踊りです。

RoboBeeは、ペンプロッター(Roland DXY-1300)を改造した位置決め装置で、平面移動と回転を行う。回転軸に取りつけたプラスチックの棒の先に、実物大の模型(柔らかいスポンジをPEフィルムで包んだもの)をつける。翅の代わりに多層プラスチック片をスピーカーで振動させ、頭部から砂糖水を小さな滴で出す。巣のにおいをつけるため、模型は数日前から巣のワイヤー籠に入れられた[1]。

尻振りの13Hzは回転モーターだけで作り、模型を回転軸から約20mmずらして取りつけることで、角度の振れと横移動を連動させた。戻りランの速度は、本物の20mm/sに対し12mm/sへ40%下げた(機械音を減らすため)[1]。本物を忠実に写すより、ハチを警戒させないことを優先した設計といえる。

踊りの設計値は約230mの餌場を知らせる本物の記録に基づき、実験は巣から200m離れた2つの人工餌場(2M砂糖水)で訓練したハチを対象にした[1]。では、これだけ作り込んだロボットを、ハチは本当に「読んだ」のか。

6. ロボットを おいかけた ハチは、ほんとうに とんだの?

6. 追いかけた先で、ハチは示された方向へ飛んだのか

6. 調和レーダーによる飛行の追跡と、論文自身が挙げる課題

ハチの せなかに ちいさな はっしんきを つけて、レーダーで とんだ みちを しらべました。みちが わかった とんだ ようすは、どれも ロボットが しめした ほうこうに あって いました。研究者たちは、ほうこうの 合図が つたわったのだと 考えて います[1]。

あるハチは、まえの日に えさを もらった ばしょとは べつの、ダンスが しめした ほうこうの ばしょへ とびました。べつの ハチは、まえの ばしょへ とびました[1]。

ただし、しらべられた 数は ごく 少ないです。研究者たちも、「数としては わずか」と 書いて います[1]。

ロボットの まわりに、いちどに 2ひきが あつまった ことは、80回の うち 2回だけ でした。13日の うち 8日しか あつまらなかった ことも、これから の 宿だいだと しています[1]。

ダンスを追ったハチの飛行は、調和レーダーで記録されました。小さなトランスポンダー(電波に反応する小さな部品)を背負わせて、飛んだ道筋を追う方法です。追跡できた飛行の道筋は、どれもロボットが示した方向に合っていました。論文は、方向の情報が伝わったと解釈しています[1]。ただし、目印をつけたダンスフォロワー6匹のうち、レーダーの記録があるのは4匹です。論文自身も、数としては「逸話的」だと述べています[1]。

ある個体は、前の日に餌をもらった場所とは別の、ダンスが示した方向の場所へ飛びました。別の個体は、前の場所へ飛んでいます[1]。これは1匹ずつの例で、すべてのハチがそうするとはいえません。

研究者が挙げた課題

本物の踊り手のまわりには、同時に多くのハチが集まります。ロボットで、2匹が同時に読み取った例は、80回のうち2回だけでした。2÷80は2.5%です。13日のうち8日しか集まらなかった点も含め、もっと引きつけるための改良は、論文が「未解決の研究課題」としています[1]。

つまり、ロボットは「ハチを自由に呼べる」ところまでは来ていません。それでも、暗い巣の中のどの合図が効くのかを調べるための、はっきりした一歩になりました。

同じ考え方は、ほかにも広がっています。次のページで、その例と、自分で試せるダンスの実験を紹介します。

ダンスフォロー後の飛行は、調和レーダーで追跡された。追跡できた飛行の道筋はいずれもロボットの示した方向に合致し、論文はこれを方向情報が伝わった初めての証拠と解釈する。ただし数は「逸話的」で、標識したフォロワー6匹のうちレーダー記録があるのは4匹だ[1]。したがって「ロボットでハチを自由に呼べる」とは言えず、少数の飛行から方向情報が伝わったと解釈した、という位置づけになる。

個体の例として、ny18は前日に餌を得た場所とは別に、ダンスが示した方向の場所を訪れた。ny47は前の場所へ飛んだ[1]。どちらも個体の例で、選択の理由や一般的な傾向までは示さない。少数の例だけで一般化せず、80回のフォローと2匹の同時追従という全体の数字と合わせて読む必要がある。

著者自身が挙げた課題

ロボットに2匹が同時に追った例は80回中2回(2.5%)にとどまり、本物の踊り手には同時に多くのハチが集まる点と異なる。ロボットが追従者を引きつけたのは13日中8日だけで、引きつけを高める改良は「未解決の研究課題」とされる[1]。

なお、この論文はarXivで2018年3月に公開されたプレプリントだ。成功の報告であると同時に、「どの手がかりが効くか」を特定したというより、その検証の道具を示した段階とみるのが妥当だ。

この道具としての考え方は、ミツバチの外へも広がっている。

7. ダンスだけで、たからものの ばしょを つたえよう

7. ダンスだけで、宝のありかを伝えてみる

7. 出口 ── ダンスの考え方をロボットの連携へ。資料の読みどころ

ミツバチの ダンスを まねる ロボットの 研究も あります。インドと アメリカの 研究者たちは、ロボットが ゆかに かいた かたちの むきで ほうこうを、かく 時間で きょりを、べつの ロボットに つたえる 方ほうを しらべました[6]。電波が つかえない ばしょでも、れんけいできる ように する ためです。

おうちの 人と、やって みましょう。0. はじめに、からだの むきと ふる 時間が なにを あらわすか、2人で きめます。1. 1人が、へやの なかの どこかに、小さな ものを かくします。2. かくした 人は、ことばを 使わず、からだを ふって 見せます。むきで ほうこう、ふる 時間の 長さで 遠さを つたえます。3. もう 1人は、それを 見て さがします。

ことばなしで つたわる ことも、つたわらない ことも あるでしょう。ミツバチの ダンスが、いかに ふしぎな 道ぐか、すこし わかるはずです。

ダンスをまねる考え方は、ロボットどうしの連携にも使われています。インド理科大学院とメリーランド大学の研究(2022年)は、ロボットが床になぞった図形の向きで進む方向を、なぞる時間で距離を、別のロボットに伝える方法を調べました。通信網が使えない場所での連携が狙いです[6]。

家で試せる「ダンスで宝さがし」

家族か友だちと2人で、ミツバチになったつもりで遊んでみましょう。先に、体の向きと振る時間が何を表すかを二人で決めます。次に、1人が、部屋のどこかに小さな物を隠します。隠した人は、言葉を使わずに、体を振って見せます。体の向きで方向を、振る時間の長さで遠さを伝えます。もう1人は、それを見て探します。

ふつうは、約束事を決めないと伝わりません。まず「体の向きは何を表すか」を決めておくとよいでしょう。ミツバチは、巣板の真上を太陽の向きに見立てることで、その約束事を持っています[2]。

ミツバチが、暗い巣の中で、もっと多くの合図も同時に使っていることを思うと、ロボットが追いかけられたことの重みが少し感じられるはずです。次は、元の論文のグラフや図を、どのように読んでみるか、考えてみるのもよいでしょう。

ダンスの考え方は、ロボット工学へも応用されている。インド理科大学院とメリーランド大学の研究(2022年)は、床に描いた図形の向きで進行方向を、描く時間で距離を、別のロボットに伝える方式を示した。通信網が使えない環境での連携が狙いだ[6]。

家で試すなら、2人で「ダンスで宝さがし」ができる。1人が部屋のどこかに小物を隠し、言葉を使わず体の向きと振る時間だけで場所を伝える。もう1人が探す。約束事(体の向きが何を表すか)を決めないと伝わらない点は、ミツバチが巣板の真上を太陽の向きに見立てる約束事を持つこと[2]と比べると面白い。

資料を読むなら、RoboBeeの設計と結果はLandgrafらのarXiv論文[1]に、数値と図が載っている。2011年の設計の論文[5]も参考になる。ただし、どちらも英語で、前者はプレプリントである。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

出典について:Landgrafらの論文(arXiv)を中心に、公的な解説や科学雑誌の記事、大学・財団の発表を使った。何に使ったかは、それぞれの項目の最後に書いている。

  1. Landgraf, Bierbach, Kirbach, Cusing, Oertel, Lehmann, Greggers, Menzel, Rojas, "Dancing Honey bee Robot Elicits Dance-Following and Recruits Foragers" (2018, arXiv:1803.07126). https://arxiv.org/abs/1803.07126 (ロボットの設計・結果・課題、機械ミツバチ1992年の引用部)
  2. NC State Extension "Honey Bee Dance Language". https://content.ces.ncsu.edu/honey-bee-dance-language (距離と方向の伝え方)
  3. Linda Hall Library "Karl von Frisch". https://www.lindahall.org/about/news/scientist-of-the-day/karl-von-frisch/ (フォン・フリッシュとノーベル賞)
  4. Elhuyar "Dialogue with bees". https://zientzia.eus/artikuluak/erleekin-elkarrizketan/en/ (1992年の機械ミツバチの作り)
  5. Landgraf et al. (2011) PLoS ONE. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC3153927 (ロボットの設計の前段の論文)
  6. Frontiers news (2022) "Robots watch human gestures, communicate with honeybee dance to deliver packages". https://www.frontiersin.org/news/2022/07/07/frontiers-robotics-ai-robots-watch-human-gestures-communicate-with-honeybee-dance-to-deliver-packages (ダンスをまねたロボットどうしの連携)

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