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たけのこは、どうやって たけに なるの?

たけのこは、どうやって竹になるのか ── 1日に1m伸びた記録の、その先

タケノコはどのように竹へ育つのか ── 急成長の期間、太らない稈、地下茎、一斉開花

分野:自然

たけのこが、24時間で 1メートル20センチ ちかくも のびた という きろくが あります。ただし これは いちばん すごかった ときの きろくで、いつもの はやさでは ありません。

たけのこは、ほんとうに すぐ たけに なるのでしょうか。のびきった あとは、どう なるのでしょうか。この きじを よむと、たけが そだつ ようすと、たけの はなの ふしぎが わかります。

マダケでは、24時間で121cm伸びたという記録があります。ただし、これは最大級の記録で、いつもの速さではありません。

では、タケノコはどのくらいの期間で竹になるのでしょうか。伸びきった竹は、そのあと太るのでしょうか。この記事を読むと、竹の育ち方と、数十年に一度という竹の花の話が分かります。

マダケで24時間に121cm、モウソウチクで119cm伸びた記録がある[1]。ただし、これは最大級の記録であって、日常の速さではない。

では、タケノコはどれだけの期間で竹になり、伸びきったあとの稈(かん)はどうなるのか。この記事では、急成長の期間、太らない理由、地下茎による竹林の維持、そして一斉開花の周期までが分かる。

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1. 1日に 1メートル、まいにち のびるの?

1. 「1日に1m伸びる」は、竹のいつもの速さなのか

1. 1日に1m超の記録と、急成長が続く45〜60日

1日で 1メートル20センチ ちかく のびた たけが いた という きろくは、ほんとうに あります[1]。けれども、これは いちばん のびた ときの きろくです。まいにち 1メートル のびる わけでは ありません。

はやく のびる じかんは、そんなに ながくは ありません。ある けんきゅうの かいせつでは、はやく のびる きかんは 45日から 60日くらいと されて います[2]。

たけのこは、じめんから でて 2か月から 3か月で、1ぽんの たけとして のびきると いわれます[3]。ひと夏も たたないうちに、せいちょうが おわって しまう のです。

たけのこを あらわす かんじには、「10日」を いみする ことばが はいって います。10日で たけに なるほど はやい、という いみだと いわれて います[3]。

最大級の記録をふつうの速さと思ってしまうと、竹の育ち方を読みちがえます。林野庁の資料には、24時間でマダケが121cm、モウソウチクが119cm伸びた記録がのっています[1]。ここで大事なのは、「記録」という言葉です。毎日1mずつ伸びるわけではありません。

モウソウチクを論じた2026年の解説記事では、1日に最大114.5cm伸びるとされています。ただし、こうした急成長が続くのは、節のあいだの成長する部分が働く45〜60日ほどの間です[2]。

全体の期間はどうでしょうか。百科事典によると、タケノコは地上に出てから2〜3か月で、1本の竹としての成長を完成します[3]。つまり、答えは「数か月」です。その数か月のうち、特に速い時期が1〜2か月ほどある、という見方になります。

「筍」の字にこめられた速さ

「筍」という字は、「竹」に「旬」と書きます。旬は10日のことで、10日ほどで竹になるくらい速い、という意味だともいわれます[3]。昔の人も、この速さにおどろいていたのかもしれません。

数か月で背が伸びきるなら、そのあと竹はどうなるのでしょうか。

「竹は1日に1m伸びる」という話は、数値としては誤りではない。だが、この数値の位置づけを誤ると育ち方を読みちがえる。林野庁によれば、24時間の最大の伸びはマダケで121cm、モウソウチクで119cmであり[1]、いずれも記録であって通常の速さではない。

モウソウチクを論じた2026年の解説記事も、1日の伸びは最大114.5cmとしつつ、こうした急成長が続くのは節のあいだの成長部分が働く45〜60日ほどの期間だとする[2]。最大値が毎日続くわけではないので、平均的な速さをここから計算することはできない。

では、成長全体はどれくらいの期間か。『日本大百科全書』などによる説明では、タケノコは地上に出てから2〜3か月で1本の竹としての成長を完成する[3]。そのため、急成長の45〜60日は、この2〜3か月の中の特に速い時期にあたると読める。

なお、「筍」の字は竹冠に「旬」と書き、一旬(いちじゅん、10日)で竹になるほど速いことを表す、ともいわれる[3]。字源の説明は一つに決まっているわけではないが、成長の速さが古くから注目されていたことは読み取れる。

ところで、数か月で伸びきった稈は、そのあとどうなるのか。

2. のびきった たけは、そのあと ふとるの?

2. 伸びきった竹は、そのあと太っていくのか

2. 形成層がない稈は、伸びきったあと何年たっても太らない

きの みきは、まいとし すこしずつ ふとく なります。では、たけは どうでしょう。

たけは、のびきった あとは、なんねん たっても ふとく なりません[3]。りんやちょうの しりょうでも、たけには「けいせいそう」と いう ふとらせる ところが ない ため、きの ように まいとし ふとく なる ことは ない と せつめいされて います[1]。

つまり たけは、ひと夏ほどで のびきると、そのあとは ふとさが かわらないまま たちつづけます。

では、たけばやしは どうして ずっと つづくのでしょう。

木の幹は、毎年少しずつ太ります。幹の中に「形成層」という、新しい部分をつくって太らせる層があるからです。ところが竹には、この形成層がありません。そのため、樹木のように毎年太くなることはない、と林野庁は説明しています[1]。

百科事典にも、竹の稈(かん)には形成層がないので、何年たっても少しも太らない、と書かれています[3]。

つまり竹は、数か月で背を伸ばしきると、そのあとは同じ太さのまま立ち続けます。木のように毎年幅を増やして育つのではなく、ひと夏の成長で完成した形を、何年も保つ育ち方です。

とすると、1本1本の竹が完成品なら、竹林の中では、次の竹はどこから出てくるのでしょうか。

樹木の幹が毎年太るのは、形成層があり、その分裂で新しい組織が内側と外側に足されていくためである。林野庁は、竹には形成層がないため、樹木のように毎年太くなることはないと説明する[1]。『日本大百科全書』も、稈には形成層がないので何年たっても少しも太らない、とする[3]。

この性質には条件がある。ここで言う「太らない」は、稈が伸びきったあとの話である。伸びている最中の太り方まで、これらの資料が述べているわけではない。したがって「竹は太れない植物だ」と言い切るのは、資料の範囲を超える。確かに言えるのは、伸びきった稈は、その後何年たっても樹木のようには太らない、という点である。

こうして数か月で完成した稈は、そのまま何年も立ち続ける。では、完成品である1本1本の稈が毎年増えていく竹林は、どこから次の竹を得ているのか。

3. たけばやしは、どこから あたらしい たけが でてくるの?

3. 竹林を保つのは、地面の下の茎

3. 地下茎が毎年つくる新しい竹と、地下茎のつながる竹林

たけばやしの じめんの したには、「ちかけい」と いう くきが のびて います。まいとし この ちかけいの ふしに ある めから、あたらしい たけのこが でてきます[1]。

ちかけいは、1ねんで 5メートルも のびた きろくが あります[1]。しかも、ちかけいが 3ねんめから 4ねんめの ころに、いちばん たくさん たけのこを だすと いわれます[1]。

1ぽんの たけの いのちは、ふとい ものほど ながく、20ねんほどです[1]。それでも、たけばやしは なくなりません。じめんの したで つながった ちかけいが、あたらしい たけを うみ つづけるからです[4]。

竹林の地面の下には、「地下茎」という茎がのびています。林野庁によると、竹は毎年、この地下茎の節にある芽から新しい竹を出します。地下茎は1年で5m伸びた記録もあります[1]。

地下茎にも「働き盛り」があるようです。3〜4年目の地下茎が、もっともタケノコを出すとされています[1]。

一方、地上の竹の寿命は、太いものほど長く、20年ほどです[1]。個々の竹の寿命を5〜20年ほどと紹介する資料もあります[4]。ところが竹林は、竹が入れかわっても保たれます。地下数十センチのところで地下茎がつながり、竹林を保っているからです[4]。

地上の竹は、数か月で完成して数年から20年ほど立つ「1回きりの形」です。それに対して、地下茎は新しい竹を生み続ける「元」になっています。

では、この地下の仕組みをもつ竹が、花を咲かせるのはいつなのでしょう。

林野庁によれば、竹は毎年、地下茎の節にある芽(芽子)から新しい竹を発生させ、それがわずか数か月で立派な竹に育つ。地下茎は1年で5m伸びた記録がある。また、3〜4年目の地下茎がもっとも多くタケノコを出す[1]。一方、地上の稈の寿命は太いものほど長く、20年ほどである[1]。

寿命の数字は資料で幅がある。nippon.comの記事は、個々の竹の寿命を5〜20年ほどとする[4]。上の20年は太い竹の目安なので、細い竹や種類によって差が出ると考えれば、この食いちがいは説明がつく。ただし、資料はそこまで比べていないため、推測であることは断っておく。

いずれにしても、個々の稈より地下茎のほうが長く続く。竹林は地下数十センチの地下茎でつながっており、稈が入れかわっても地下茎が竹林を保つ、という説明が示されている[4]。地上の稈は「ひと夏で完成して立つ」もの、地下茎は「毎年、次の稈を出す」ものと、役割が分かれている。

この仕組みで続いてきた竹林に、数十年〜百年以上に一度、特別なことが起きるといわれる。

4. たけの はなは、いつ さくの?

4. 数十年〜百年以上に一度、竹の花が咲く

4. 一斉開花の周期は30・60・120年説で幅があり、開花した株は枯れる

たけの はなは、ほとんど みる ことが できません。たけは、すうじゅうねんから ひゃくすうじゅうねんに 1かい、いっせいに はなを さかせる しゅるいが 多いと いわれます[3]。

いつ さくのかは、しゅるいや せつによって ちがいます。30ねん、60ねん、120ねんと いう せつが あります[3]。マダケは およそ 120ねんに 1かい さくと されます[3]。

にほんの ハチクは、めいじの おわりごろ いらい、いっせいに はなが さく じきに はいって いると よそうされて います。それは 10ねんから 20ねんほど つづく そうです[4]。はなが さいた かぶは かれます[4]。

ただし、これは おもに ハチクなどの はなしです。すべての たけが こうなると いいきる ことは できません。

竹の花は、めったに見られません。多くの種類の竹は、数十年から百数十年に一度、いっせいに花を咲かせます[3]。

その周期は、はっきり一つには決まっていません。百科事典には、30年説、60年説、120年説があると紹介されています。マダケは約120年を周期として、全面的に開花し、枯れるとされています[3]。

日本のハチクについて、nippon.comの記事は、明治後期以来の一斉開花期にあたり、10〜20年ほど続くと予想されている、と紹介しています。花が咲いた株は枯れます[4]。ただし、これは主にハチクなどの話で、竹の全種類に当てはまると言い切ることはできません。

なお、竹林は地下茎でつながっているので、地下茎が竹林を保つ「司令塔」のような働きをする、という説明もあります[4]。花の話も、地上の竹と地下の茎を合わせて見ると、読み方が変わってきます。

竹の花は、種類によっては数十年〜百数十年に一度、いっせいに咲く。周期には説があり、『日本大百科全書』は30年説・60年説・120年説を挙げ、マダケは約120年を周期として全面的に一斉開花し、枯死するとする[3]。周期を固定の値として言い切ることはできない。

日本のハチクについては、nippon.comの記事が、明治後期以来の一斉開花期にあたり、10〜20年ほど続くと予想されていると紹介している。開花した株は枯れる[4]。ただし、これはハチクなどの話であり、すべての竹に当てはまるとは言えない。

ここまでの話をまとめると、完成した稈は何年も同じ姿で立ち、地下茎が毎年次の稈を出し、ずっとのちに花がまとめて咲く。長い時間にわたる、役割分担のようなものが見える。

5. ひもで、たけの ふとさを はかって みよう

5. 同じ竹の太さを、ひもと定規で記録してみる

5. 同じ稈の太さを、期間をおいて記録する

今日できること

こうえんや みちばたに たけが あれば、ひもを 1ぽんの たけに まいて、ひもの ながさに しるしを つけましょう。ひもを ものさしで はかると、まわりの ながさが わかります。たけに ひもで しるしを つけたり、きずを つけたりは しないで ください。

ノートに ひづけと ながさを かいて おいて、1ねんごに もう1かい はかって みましょう。ふとく なって いないか、くらべて みます。ただし、よその うちの たけは、かってに さわらないで ください。

おおやけの しりょう

りんやちょうの ホームページに、たけの せいしつが のって います[1]。

今日できること

公園や道ばたに竹があれば、ひもを1本の竹に巻いて、ひもの長さに印をつけます。ひもを定規で測ると、まわりの長さが分かります。測った日と長さをノートに書き、1年後に同じ場所を測りなおしてみましょう。竹が太るのかどうか、自分の目で比べられます。

竹を傷つけたり、他人の土地に入ったりはしないでください。同じ竹を毎回測るため、測った高さ(地面から何cmか)もメモしておきます。

公式情報

林野庁のページに、竹の性質がまとまっています[1]。

今日できること

身近な竹について、地面から一定の高さでの周囲の長さをひもと定規で測り、日付とともに記録する。1年後に同じ高さで測りなおすと、稈が太らないという説明[1][3]を、自分の測定と照らして確かめられる。測定の誤差は数mm出るので、「変わらなかった」と言うには、同じ高さ・同じ方法で測ることが条件になる。竹を傷つけたり、私有地に入ったりしないこと。

資料を読むなら

林野庁の「竹の性質」には、24時間の最大の伸び、地下茎、寿命の数値がまとまっている[1]。急成長の期間は、2026年の解説記事[2]が、2025年のPNAS論文を論じる形で扱っている。この解説記事は英語である。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

本文の各記述は、下の資料を突き合わせて書いた。

  1. 林野庁「竹の性質」 https://www.rinya.maff.go.jp/j/tokuyou/take/seisitu.html (24時間の最大の伸び、形成層がないこと、地下茎、寿命)
  2. Forestry Research 2026 の解説記事 https://www.maxapress.com/article/doi/10.48130/forres-0026-0012 (1日の最大の伸びと、急成長の期間)
  3. コトバンク「タケ」(世界大百科事典・日本大百科全書) https://kotobank.jp/word/タケ-720137 (成長の期間、太らないこと、「筍」の字、開花周期の諸説)
  4. nippon.com「竹の一斉開花」 https://www.nippon.com/ja/in-depth/d00784/ (ハチクの開花期、地下茎のはたらき、竹の寿命)

なおした ところ

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