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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

はさみは、刃はの どこで 紙を 切って いるの?

はさみは刃のどこで紙を切っているのか ── 刃が交わる場所で起きていること

はさみは刃のどこで紙を切るのか ── せん断・ひねり・てこから見る、2枚の刃の使い方

分野:技術

はさみで 紙を 切る とき、刃はの ぜんぶで ギュッと おして いる ように 見えます。ところが しりょうでは、力が 集まって いるのは、2まいの 刃はが 交わる 1つの 点だと 説明せつめいされて います[2]。

どうして 1つの 点で 紙が 切れるのでしょう。その 点は どう 動き、どんな 工夫くふうで 力が 集まるのかが 分かります。

はさみの刃は長いのに、紙を切っているのは、刃のすべてではありません。資料によると、2枚の刃で挟み込む「1点」に力を集めて切っています[2]。

なぜ、たった1点で紙が切れるのでしょうか。その点がどう動くのか、力を集めるためにどんな工夫があるのか、形が昔からどれほど変わっていないのかが分かります。

はさみで紙を切るとき、力がかかっているのは刃の全長ではなく、2枚の刃が交わる1点である。企業の技術解説は、この1点に力を集中して対象を引き裂いていると述べる[2]。

では、その1点はどう動いて切り進み、刃のひねりや支点はなぜ必要なのか。さらに、この形は約2000年前の遺物と同じ型なのに、刃を閉じる間の力の変化を説明する理論が示されたのは、2005年の論文だった。この約2000年の時間差も、順に読んで確かめる。

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1. 紙を 切って いるのは、刃はの どこ?

1. 紙を切っているのは、刃全体ではなく「交わる1点」

1. 刃の全長ではなく、2枚が交わる点が切っている

はさみで 紙を 切る ところを、ゆっくり 見て みましょう。切れ目の いちばん 先に、2まいの 刃はが 交わって いる 小さな 点が あります。

はさみは、2まいの 刃はが すれちがう ときに、ものを 「ずらす 力」で 切る どうぐです[1]。刃はを とじて いくと、交わる 点が 刃はの 上を 動いて いき、通った あとの 紙が 切れて いきます[1]。

ファスナーを 上げる とき、かみ合う ところが 1か所ずつ 動いて いきますね。あれに 少し にて います。ただし ファスナーは つなぐ もので、はさみは 紙を 2つに わける ものです。

では、どうして 1つの 点に 力が 集まると、紙は 切れるのでしょう。

はさみで紙を切る手元を、ゆっくり見てみます。切れ目のいちばん先には、2枚の刃が交わる小さな点があります。刃は長いのに、紙に力がかかっているのは、その点のあたりです。

はさみは、2枚の刃がすれ違うときに生じる「せん断力」、つまり物を両側から逆向きにずらす力で切る道具です[1]。洋ばさみ(ローマ型)では、2枚の刃が交わった部分が閉じていくことで、間に挟んだ紙や布が切れていきます[1]。

刃を閉じるにつれて、交わる点は刃の上を動いていきます。その点が通ったあとが切れ目になるので、切れ目が少しずつ前へ進むのです。閉まっていくファスナーのかみ合う位置が、1か所ずつ動いていくのに少し似ています。ただしファスナーはつなぐもの、はさみは分けるものです。

では、なぜ1点に力が集まると、紙は切れるのでしょうか。

はさみは、2枚の平行な刃がすれ違う際に生じるせん断力(剪断=せんだん)で物を切る道具である[1]。洋ばさみ(ローマ型)では、2枚の刃が交わった部分が閉じていくことで、間に挟まれた紙や布が切断される[1]。

ここで大事なのは、切断が刃の全長で同時に起きるのではない点である。刃が閉じるにつれて、2枚の刃が交わる位置が刃に沿って移動し、その位置を通った部分から順に切れていく。洋ばさみでは、刃が交わる部分に力が集まり、その部分が移動して切れ目が進む[2]。

この点は紙にどう働くのか。刃はどんな形で、そこに力を集めるのか。次の章で見ていく。

2. 力が 1点に 集まると、どうなるの?

2. 「ずらす」と「引き裂く」── 2つの説明は同じ場所の話

2. せん断と「引き裂き」── 1点に力が集まる意味

紙は、とても 細い すじが たくさん 集まって できて います。1点に 力が 集まると、そこで 紙が 引きさかれる ように 切れる、と 説明せつめいされて います[2]。

ここまでに 2つの 言い方が 出ました。「ずらす 力で 切る」と、「1点に 力を 集めて 引きさく」です。べつの しりょうの 言い方ですが、どちらも 刃はが 交わる 同じ 場所の はなしです。

この 1点で どれだけ 切れるかは、持つ ところ、2まいを つなぐ 支点してんの 作りの こまかさ、力を つたえる 刃はの 形で かわる と いわれます[2]。

刃はの 形には、どんな 工夫くふうが あるのでしょう。

NTT東日本のコラムは、はさみが2枚の刃で挟み込む1点に力を集中し、対象物を「引き裂いている」と説明します[2]。ここまで読んだ「せん断力で切る」という言い方は、百科事典の説明です[1]。言葉は違いますが、どちらも刃が交わる1点で起きることを説明していると読めます。

紙は、細い繊維がたくさん集まってできています。1点に集まった力で繊維が次々に切れ、その点が動くことで切れ目が続いていく、と考えるとつながりやすくなります。

同じコラムによれば、はさみの切れ味は、グリップ、2枚の刃をつなぐ支点の加工精度、てこで力を伝える刃の形に左右されます[2]。力を1点に集めるための刃の形と、握る力を刃先に送るてこ。この2つを順に見ていきます。

「せん断」と「引き裂き」は、別々の説明に見えるかもしれない。しかし日本語版の百科事典は2枚の刃のすれ違いで生じるせん断力を挙げ[1]、NTT東日本の技術コラムは、2枚の刃で挟み込む1点に力を集中して対象を引き裂くと述べる[2]。後者は「せん断」の語を使っていないので、表現の違いと考えるのが自然であり、どちらも刃が交わる1点の話である。

紙は繊維の集まりなので、力が1点に集まれば、その点で繊維が次々に切れる。はさみは、押しつぶすのではなく、1点に集めた力で繊維を切り進む道具だと言える(紙の繊維の切れ方そのものについては、ここでは一般的な説明にとどめる)。

同じコラムによれば、はさみの切れ味は、グリップ、2枚の刃をつなぐ支点の加工精度、てこで力を伝える刃の形の3つに左右される[2]。つまり「1点に力を集める」ことは、握る力を送る構造と、刃そのものの形との両方で支えられている。まず刃の形から見る。

3. 刃はは、まっすぐ じゃ ない?

3. 刃はわずかにひねってある ── 1点に力を集める工夫

3. 「ひねり」と「スキ」── 接触点に力を集める刃の形

はさみの 刃はは、まっすぐに 見えますが、ほんの すこし ひねって ある と いわれます[1]。2まいが 交わる 点に、力が 集まりやすく する ためです。

刃はの うらがわには、切る ものに 合わせて、刃はの 当たり 方を かえる すき間も あると 説明せつめいされて います[1]。

ひねりは わずかなので、見た だけでは なかなか 分かりません。でも、紙を 切る 力を 1か所に あつめる ための 大事な 工夫くふうです。

では、手で にぎる 力は、どうやって 刃はまで とどくのでしょう。

日本語版の百科事典によると、洋ばさみの刃は、刃の接触点にせん断する力が集中するよう、わずかにひねられています[1]。ひねりは、2枚の刃が触れ合う点に力を集めるための形だと説明されています。

刃の裏側には、切る相手に合わせて刃の当たり方を変える隙間(スキ)もあります[1]。1点に力を集めるといっても、紙と布、厚い紙と薄い紙では、当たり方に求められるものが少しずつ違うのでしょう。

ただし、ひねりの説明は、百科事典とその派生サイトに見られるものです。メーカーの設計資料での裏づけはないので、「そう説明されている」という強さで受け取るのがよさそうです。

刃の形が整っても、力が刃先まで届かなければ切れません。次は握る力の行き先を見ます。

洋ばさみの刃は、接触点にせん断する力が集中するよう、わずかにひねられている(「ひねり」)[1]。ひねりは、接触点に力を集めるための形状、と説明される。

また、刃の裏側には、切る対象に合わせて刃の当たり方を変える隙間(スキ)がある[1]。紙と布のように性質の違う相手を同じ道具で切るには、当たり方の調整が必要になる、というのがこの構造の意味である。

ただし注意がある。ひねりの角度などの数値は、参照した資料に載っていない。この説明も、日本語版の百科事典とその派生サイトにしか見られず、メーカーの設計資料や規格では裏づけていない。したがって「そう説明されている」という強さで読むのが適切である。

刃の形で接触点が決まっても、そこに十分な力を送る仕組みがなければ紙は切れない。握った手の力は、どのように刃先へ運ばれるのか。

4. にぎる 力は、どうやって 刃はに とどくの?

4. 支点のてこが、握る力を刃先へ送る

4. 支点とてこ ── 作用点を支点に近づけるほど力が伝わりやすい

はさみの 2まいの 刃はは、まん中あたりの 支点してんで とめられて います。手で にぎる 力は、支点してんを はさんだ てこの はたらきで、刃はの 先に つたわります。この しくみが 「てこ」です[2]。

紙を 切る ところを 支点してんに 近づけると、おなじ 手の 力でも 切りやすく なると 説明せつめいされます[2]。

これを はさみに あてはめると、あつい 紙は、刃はの 根もとに 近い ほうで 切ると 楽に なるはずです。あとで ためして みましょう。

この X字の 形は、いつ ごろから あるのでしょうか。

洋ばさみ(ローマ型)は、支点が刃と持ち手の間にあります。持ち手を握ると、その力が支点を挟んで反対側の刃先へ伝わる、てこの形です[2]。

てこでは、力が働く点(作用点)をできるだけ支点に近づけると、力が伝わりやすくなります[2]。つまり、紙を切る位置を支点に近づけると、同じ手の力でも切りやすくなります。はさみに当てはめれば、厚い紙や固い物を切るときは、刃の先のほうより、支点に近い根もとのほうが楽になるはずです。

ここまでで、はさみで紙が切れる流れを一度まとめられます。刃の形(ひねり)で、2枚が接触する点を1点にする。握る力は、支点のてこで刃先へ送る。刃を閉じるにつれて、その点が動いて切れ目が進む。

ところで、この形をしたはさみは、いつからあるのでしょうか。

洋ばさみ(ローマ型)では、支点が刃と持ち手の間にある。握る力は、この支点を境にした、てこで刃先へ伝わる。てこの原理では、力が働く点(作用点)を支点に近づけるほど力が伝わりやすく、NTT東日本のコラムも、切るときは作用点をなるべく支点に近づけることが必要だと説明する[2]。紙を切る位置を支点に近づければ、同じ手の力でも切りやすくなる。

これを使うと、はさみの使い方についての予想が立つ。厚い紙や固い物は、先端より根もとに近い位置で切るほうが、同じ握りの力で楽に切れるはずである。刃が開いているか閉じているかで力がどう変わるかは、第6章で見る。

ここまでを整理すると、紙を切る流れは三段になる。ひねりで接触を1点にし、てこで握る力を送り、刃が閉じて点が動くことで切れ目が進む。では、この形は新しいものなのか、古くからあるものなのか。

5. 正倉院しょうそういんにも、同じ 形の はさみが あるの?

5. ローマ時代の遺物と同じX字の形は、正倉院にも伝わる

5. X字のローマ型と、U字の和ばさみ ── 古くからある2つの形

2まいを X字に とめた はさみは、ローマ時代の 紀元前きげんぜん27年の 鉄の ものが のこって います。今の 洋ばさみと 同じ 形です[3]。

日本の 正倉院しょうそういんにも、同じ X字の 形の はさみが つたわって いると されます[3]。

いっぽう、江戸時代えどじだいまでの 日本では、U字の ばねで とめた にぎり ばさみが ふつうでした[3]。X字の 洋ばさみが たくさん 作られる ように なったのは、明治めいじの 時代から だと いわれます[1]。

今の 形の はさみは、140年より 前から、きほんの 作りが かわって いない と いう 記事も あります[4]。

こんなに 古い 形の どうぐなのに、まだ 研究されて いるのでしょうか。

X字に2枚を留める、中間に支点のあるはさみ(ローマ型)の鉄製の遺物には、ローマ時代の紀元前27年のものがあります[3]。中国では唐代以後に現れ、日本の正倉院に伝わる金銅剪子も、この型だとされています[3]。

はさみの最古の遺物としては、紀元前1000年ごろギリシアでつくられた鉄製のものが挙げられています。こちらはU字の部分が支点になる型で、羊毛を刈るのに使われたとされます[3]。青銅器時代にはすでにあったといわれますが、発明者や年代を言い切ることはできません。

日本では、6世紀ごろ中国を経て伝わったとされ、日本最古のはさみは7世紀の古墳から出土しています[3]。江戸時代までは、U字のばねが支点の握り鋏(和鋏)が主でした[3]。洋ばさみが大量に輸入・生産されるようになったのは、明治時代からとされます[1]。

いま私たちが手にする、2枚の刃を交差させてハンドルで操作する形は、1880年ごろにフィスカース社がつくったとされ、基本構造は140年以上変わっていない、と報じられています[4]。ただしこれは現代型の話で、ローマ型の遺物の年代とは別の数字です。

はさみの最古の遺物として、紀元前1000年ごろギリシアでつくられた鉄製のものが挙げられる。U字の元支点型で、羊毛刈り用とされる。青銅器時代にはすでに使われていたといわれるが、これは資料の言い方であり、発明者・年代は断定できない[3]。

一方、X字に2枚を留める中間支点型(ローマ型)の鉄製の遺物は、ローマ時代の紀元前27年のものがある[3]。中国では唐代以後に現れ、日本の正倉院に伝わる金銅剪子もこの型である[3]。つまり、第4章で見た「支点が刃と持ち手の間にある」形は、少なくとも約2000年前の遺物にさかのぼる。

日本には6世紀ごろ中国を経て伝わったとされ、最古のはさみは7世紀の古墳から出土している[3]。江戸時代までの主流は、U字のばねが支点の握り鋏(和鋏)だった。洋ばさみは15世紀以降にヨーロッパ人が持ちこんだが、江戸時代は外科手術などの特別な用途に限られ、大量に輸入・生産されるようになったのは明治時代からとされる[1]。

現代のはさみについては、基本構造は140年以上変わっておらず、2枚の刃が交差しハンドルで操作する形は1880年ごろフィスカース社がつくったとされる(報道の記述)[4]。これは現代型の起点の話で、ローマ型の遺物(紀元前27年)とは別の数字であり、混同してはならない。

6. こんなに 古い どうぐなのに、まだ 研究されて いるの?

6. 形は古いのに、「力の変わり方」の理論は2005年の論文で示された

6. 刃の開きと力の変化 ── 2005年の理論と、残る問い

はさみで 力を はかる やりかたは、ざいりょうの 「ねばり強さ」を しらべる ために 広く つかわれて います[5]。

けれど、刃はを とじて いく あいだに 力が どう かわるのかを 説明せつめいする ものは、それまで なく、2005年の 論文ろんぶんが はじめて その 理論りろんを しめした と 書かれて います[5]。

どうぐは 古くても、しくみを ていねいに 説明せつめいする 研究けんきゅうは、まだ あたらしい のです。

さて、ここまでの ことを、じぶんの はさみで たしかめて みましょう。

はさみには、荷重と変位を測る装置をつけて、材料の「ねばり強さ」(破壊靭性)を調べる方法があり、広く使われています[5]。

ところが、2005年のAtkinsとXuの論文には、刃の開き具合によって力がどう変わるかを説明する分析はそれまでなく、この論文がその理論を示す、という趣旨が書かれています[5]。形は約2000年前から基本が同じでも、刃の開きに伴う力の変化を説明する理論が示されたのは、2005年の論文でした。

どんな式でどれだけ力が変わるのか、この記事では数値を載せていません。ただ「刃の開き具合で力が変わる」こと自体が、研究の出発点になっています。

身近な道具は分かりきっているようで、細かく測るとまだ問いが残っている。はさみは、そのよい例です。

はさみに荷重と変位を測る装置をつけ、材料の「ねばり強さ」(破壊靭性)を調べる方法は、広く使われている。ただし、2005年のAtkinsとXuの論文には、刃の開き具合による力の変化を説明する分析はそれまでなかったと書かれており、この論文がその理論を示した[5]。つまり、形が約2000年前から基本的に同じでも、刃を閉じる間に力がどう変わるかを説明する理論が示されたのは、2005年の論文である。

この論文の式や数値は、ここでは扱っていない。力が刃の開きとともに変わる、という点だけを押さえておきたい。

関連して、Atkinsの別の論文(2016年)は、刃を押しこむだけでなく刃に沿う向きにも動かすと切るのに必要な力が小さくなること、摩擦が必要な力を増やすことを報告している[6]。ただしこの論文ははさみを扱っていないので、はさみの刃のすべりに当てはまるかどうかは言い切れない。

形は古く、機構の説明は新しい。身近な道具でも、力の変化を説明する理論が整うまでには時間がかかった。

7. はさみを 持って、交わる 点を さがそう

7. 手元のはさみで「交わる点」と「根もと」を試す

7. 3つの観察 ── 交わる点・根もと・紙の回し方

はさみと、いらない 紙を よういします。すわって、まわりに 人が いない ところで やります。刃はの 先を 人に 向けては いけません。

ひとつめ。ゆっくり 切りながら、切れ目の 先を 見ます。刃はが 交わる 点が 動いて いく ようすが 見えるでしょうか。

ふたつめ。あつめの 紙を、刃はの 先の ほうと、根もとの ほうで 切って、手ごたえを くらべます。根もとの ほうが 楽なら、てこの はなしと つながります。

はさみは 紙に 対して まっすぐ 立てて、刃はを ねかせません。まがった 線を 切る ときは、はさみを 回さず 紙を 回す やりかたが あります[7]。

手元のはさみと、いらない紙を用意します。座って、周りに人がいない場所で行い、刃先を人に向けないようにします。

まず、ゆっくり切りながら、切れ目の先を見ます。2枚の刃が交わる点が、切り進むにつれて動いていく様子が見えるでしょうか。

次に、厚めの紙を、刃の先に近いところと、支点に近い根もとで切り比べます。手ごたえが違えば、てこの説明[2]と重なります。同じに感じたら、紙の種類や刃の状態など、ほかの要素も考えられます。

切り方については、文部科学省の図工の資料に、はさみを紙に対して垂直に立てて、刃をねかせないようにすること、曲線を切るときは、はさみを回さず紙を回す方法があることが書かれています[7]。

観察は三つある。①ゆっくり切りながら、切れ目の先端を見る。2枚の刃が交わる位置が、閉じるにつれて動く様子を確かめる[1]。②厚めの紙を、刃の先のほうと根もとで切り比べる。作用点を支点に近づけるほど力が伝わりやすいという説明[2]と合うか、自分の手ごたえで確かめる。③紙に対して垂直に立て、刃をねかせないように切る。曲線を切るときは、はさみを回さず紙を回す方法がある。これは文部科学省の図工の指導資料の使い方である[7]。

安全のため、座って行い、刃先を人に向けない。結果が予想と違ったら、紙の種類や刃の状態など、資料にない要因も考えられる。そのこと自体が、観察の出発点になる。

資料の読みどころは二つある。刃の形(ひねり・スキ)は日本語版の百科事典[1]、力の集中と切れ味を左右する要素は企業の技術コラム[2]、刃の開きと力の理論は2005年の論文[5]に当たれる。論文は英語で、出典欄に示した。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

出典について:百科事典・事典項目、企業の技術コラム、報道記事、論文、文部科学省の資料を使った。何に使ったかは、それぞれの項目の最後に書いている。

  1. はさみ(Wikipedia日本語版)。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%AF%E3%81%95%E3%81%BF (せん断で切るしくみ、ひねり、洋ばさみが日本で広まった時期について)
  2. NTT東日本 BizDriveコラム「紙も段ボールもサクッと切れる!新設計のはさみ」(2026年)。https://business.ntt-east.co.jp/column/bizdrive/scissors-paper-cardboard.html (1点に力を集中して切ること、切れ味を左右する要素、てこについて。企業のコラム)
  3. コトバンク「鋏」(日本大百科全書・世界大百科事典など)。https://kotobank.jp/word/%E9%8B%8F (最古の遺物、ローマ型の遺物、日本への伝来と和鋏について)
  4. ITmedia NEWS「コクヨの『HASA』」(2022年10月5日)。https://www.itmedia.co.jp/news/article/2210/05/1221005102/ (現代のはさみの基本構造が変わっていないことについて。報道記事)
  5. Atkins, A. G. and Xu, X. (2005) Slicing of soft, flexible solids with industrial applications. International Journal of Mechanical Sciences 47. https://reading-pure-test.eprints-hosting.org/11761/ (刃の開き具合による力の変化の理論について。論文・英語)
  6. Atkins, A. G. (2016) Slice–push, formation of grooves and the scale effect in cutting. Interface Focus 6(3). https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC4843631 (刃を刃に沿う向きにも動かすと必要な力が小さくなることについて。論文・英語。はさみは扱っていない)
  7. 文部科学省「はさみのつかい方」(図工の指導資料)。https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zukou/hasami/inclass/index.htm (はさみの持ち方と切り方について)

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