1. 生まれたての 赤ちゃんは、どうして 頭が うしろに おちるの?
1. 手を引いて起こすと、頭が後ろに遅れるのはなぜか
1. 引き起こしで頭が後ろに遅れる:大きな頭と弱い首の後ろの筋肉
赤ちゃんの りょう手を そっと もって、すわる ほうへ 引き起こすと、生まれたばかりの ころは 頭が うしろに おくれて ついて きます。
理由は、体に くらべて 頭が 大きく、首の 後ろの 筋肉が まだ よわいから、と いわれています[1]。
ボールを 細い ぼうの 先に のせた ところを 思いうかべて ください。ぐらぐらして、ささえるのが たいへんですね。赤ちゃんの 首も、大きな 頭を のせて いるので、にた ことが おきます。ただし 本当の 首は ぼうでは なく、ほねや 筋肉が 組みあわさった ものです。
この 「おくれ」は、3〜4か月までに みられなくなるのが ふつう、と されています[1]。では、首が すわるのは、何か月ごろでしょうか。
2. 首が すわるのは、何か月ごろ?
2. 首がすわるのは、4か月ちょうどではない
2. 通過率で見る首のすわり:2〜3か月未満13.1%から4〜5か月未満96.5%まで
厚生労働省が 2000ねんに 赤ちゃんの 発育を しらべた 調査には、首が すわった 赤ちゃんの わりあいが 月れいごとに のっています。
2〜3か月みまんでは 13.1パーセント。3〜4か月みまんで 60.3パーセント。4〜5か月みまんで 96.5パーセント。5〜6か月みまんで 99.6パーセントです[2]。
9わりを こえるのは、4〜5か月みまん。つまり、4か月に なった その日に みんなが すわる わけでは ありません。じわじわと ふえていきます。
京都府の 子育てQ&Aでも、首の すわりは 4か月ごろが 目安と されています[3]。
では、すわるまでの 数か月、赤ちゃんは ただ 待っているだけなのでしょうか。
厚生労働省の乳幼児身体発育調査(平成12年=2000年)には、「首のすわり」ができる赤ちゃんの割合が、月齢の区間ごとに載っています。2〜3か月未満で13.1%、3〜4か月未満で60.3%、4〜5か月未満で96.5%、5〜6か月未満で99.6%です[2]。
この表で9割を超えるのは4〜5か月未満の区間です。3〜4か月未満の区間では、約6割の子ができる一方で、まだの子が約4割います。4か月になったらみんな同時にすわる、という話ではなく、数か月かけて少しずつ割合が増えていきます。
京都府の子育てQ&Aでも、首のすわりは4か月ごろが目安とされています[3]。米国のCDC(疾病対策予防センター)が示す4か月の発達の目安にも、「抱いたときに支えなしで頭をしっかり保つ」という項目があり、4か月までに75%以上の子ができる項目として整理されています[4]。
日本と米国で同じ4か月前後に目安が置かれていますが、ここでの割合は「できる子の割合」です。個人差については、あとの章で見ていきます。では、すわる前の数か月、赤ちゃんは何をしているのでしょうか。
厚生労働省の乳幼児身体発育調査(運動機能通過率の表、平成12年=2000年)によれば、首のすわりの通過率は、2〜3か月未満13.1%、3〜4か月未満60.3%、4〜5か月未満96.5%、5〜6か月未満99.6%であり、90%を超えるのは4〜5か月未満の区間である[2]。通過率は「できる子の割合」を指すので、60.3%という値は、3〜4か月未満でもおよそ4割の子がまだ通過していないことを意味する。4か月になった時点で全員が通過するという読み方は、この表からは成り立たない。
だからこそ、目安は幅を持って示される。京都府の子育てQ&Aは、首のすわりを4か月ごろが目安としている[3]。CDCの「Learn the Signs. Act Early」の4か月の項目にも、抱いたとき支えなしで頭をしっかり保つことが挙げられ、4か月までに75%以上の子ができる行動として整理されている[4]。国は違っても、目安が4か月前後に置かれている点は共通している。ただし、日本の通過率の表と、CDCの「75%」の基準とは調べ方が異なるため、数字を直接比べることはしない。
通過率が数か月かけて上がるということは、その間の赤ちゃんの側にも、段階的な変化があるはずだ。首がすわる前の時期に、赤ちゃんは何をしているのか。
3. すわる 前から、もう 練習が はじまっているの?
3. 首がすわる前から、腹ばいで頭を上げる練習が始まる
3. 腹ばいで頭を上げる動き:2か月・3か月・4か月の目安
じつは、首が すわる 前から、赤ちゃんは 頭を もちあげる ことを やっています。
2か月ごろの 赤ちゃんを うつぶせに すると、うでの 下の ぶぶんで 体を ささえて、頭を もちあげられるように なって くると、京都府の 子育てQ&Aに あります[5]。アメリカの CDCも、2か月の 目安に 「うつぶせで 頭を あげる」を のせています[6]。
3か月ごろには、頭を 45〜90度 もちあげて、うでで 体の 重さを うけるようすが しめされています[7]。4か月ごろには、ひじや うでで 上半身を おしあげます[4]。
首が すわるまでの 数か月、赤ちゃんは ねているだけでは なく、少しずつ 頭を もちあげる 練習を 重ねているように 見えます。
では、どうなれば 「首が すわった」と いえるのでしょうか。
首がすわる前の赤ちゃんも、ただ寝ているだけではありません。京都府の子育てQ&Aには、2か月ごろの赤ちゃんを腹ばいにすると、前腕で支えて頭を持ち上げられるようになってくる、と説明されています[5]。CDCの2か月の目安にも「腹ばいで頭を上げる」が挙げられています[6]。
3か月になると、ユタ大学の小児神経学の検査資料では、腹ばいで頭を45〜90度ほど持ち上げ、前腕で体重を支える様子が示されています[7]。4か月の目安では、腹ばいで肘と前腕で上体を押し上げる、という項目に進みます[4]。
CDCは、起きているときに腹ばいにして、目の高さにおもちゃを置くと、頭を上げる練習になると紹介しています[6]。京都府の資料は、腹ばいで遊ばせるときは、体が沈んだり顔が埋もれたりしない敷物を使い、必ず誰かが見ているようにと注意しています[5]。
つまり、「首がすわる」という出来事の前に、頭を持ち上げる動きが2か月ごろから段階的に進んでいます。では、どうなったら「首がすわった」といえるのでしょうか。
首のすわりは、ある日突然できるようになる出来事というより、その前の数か月に頭を上げる動きが段階的に整っていく過程の終点に見える。京都府の子育てQ&A(腹ばいのページ)は、2か月ごろの赤ちゃんを腹ばいにすると、前腕で支えて頭を持ち上げることができるようになってくる、と説明する[5]。CDCの2か月の目安にも、腹ばいで頭を上げることが含まれる[6]。
3か月の段階を、ユタ大学の小児神経学的診察の資料は、腹ばいで頭がマットから45〜90度離れ、体重が前腕にかかる、と記述する[7]。4か月の目安では、腹ばいで肘・前腕を使って上体を押し上げる項目が加わる[4]。2か月は前腕で頭を持ち上げ、3か月は45〜90度、4か月は上体全体を押し上げるという流れで、頭を持ち上げる動きが月ごとに大きくなっていく。
腹ばいで頭を上げる動きが首のすわりを直接つくるかどうかは、ここで挙げた資料では述べられていない。CDCは、起きているときに腹ばいにして目の高さにおもちゃを置くと、頭を上げる練習になると紹介している[6]。京都府の資料は、下に敷くものは体が沈み込んだり顔が埋もれたりしないものにし、必ず誰かが見ているよう求めている[5]。練習の機会と安全の両方がセットで示されている。
腹ばいでの頭上げと、首のすわりの判定は別の見方である。では、首がすわったかどうかは、どんな姿勢で何を見て判断するのか。
4. どうなれば 「首が すわった」と いえるの?
4. 「首がすわった」は、どんな様子を指すのか
4. 首のすわりの見分け方:引き起こし、座位、立て抱きでの頭の保持
3か月ごろの 赤ちゃんは、引き起こしても 頭の おくれが 少しだけ。すわらせると 頭は おきて いますが、少し ぐらつく ことが あります[7]。
4か月ごろの 目安は、だっこで 立てたとき、ささえ なしで 頭を しっかり たもてる ことです[4]。
ここで 大事なのは、すこし ぐらぐらしても、すぐに 心配しなくて よい という こと。京都府の ページでは、立てに だっこして ちょっと ぐらぐらする くらいなら、おくれて いるとは 考えなくて よいと 書かれています[3]。
首の すわりは、「ある日、パッと かわる」というより、「すこしずつ しっかりしていく」ものと 考えると 分かりやすいです。では、4か月を すぎても すわらない ときは、どう 考えれば いいのでしょうか。
首がすわった状態は、抱いたとき支えなしで頭をしっかり保てることだと、CDCの4か月の目安に示されています[4]。
そこへ至る途中の3か月は、ユタ大学の資料によると、引き起こしても頭の遅れは少しで、座らせると頭は起きているものの、少しぐらつくことがあります[7]。つまり、「ぐらぐらしている状態」から「しっかり保てる状態」まで、数週間かけてなだらかにつながっています。
京都府の子育てQ&Aは、立て抱きにしたときに少しグラグラする程度なら、特に遅れているとは考えなくてよい、と説明しています[3]。見た目が少し不安定でも、すぐに遅れと決めつけなくてよいという目安です。
では、4か月を過ぎてもまだ頭が安定しないときは、どう考えればよいのでしょうか。
首のすわりは、複数の場面での頭の保持によって見分けられている。CDCの4か月の目安は、抱いたとき支えなしで頭をしっかり保つ(Holds head steady without support)ことと、腹ばいで肘・前腕を使って上体を押し上げることの2項目を挙げる[4]。
その途中の3か月を、ユタ大学の資料は、引き起こしても頭の遅れは少しにとどまり、座位では頭が起きているがまだ少しぐらつくことがある、と記述している[7]。ここから、首のすわりは「できない」と「できる」の二値というより、遅れが減り、ぐらつきが減っていく連続的な変化として観察されていることが分かる。
京都府の子育てQ&Aは、立て抱きでちょっとグラグラする程度なら、特に遅れているとは考えなくてよい、としている[3]。連続的な変化であるため、わずかな不安定さは遅れの根拠にはならない、という整理になる。
では、4か月を過ぎても頭が安定しない場合、あるいは周りの子より遅く見える場合は、どう考えればよいのか。
5. 4か月を すぎても すわらない ときは?
5. 4か月を過ぎても安定しないとき、個人差はどこまで幅があるのか
5. 個人差の幅と、相談が勧められる極端な場合
前の 章で 見た とおり、3〜4か月みまんでも、10人に 4人ほどの 赤ちゃんは まだ すわって いませんでした[2]。すわる 時期には はばが あります。
京都府の ページは、こんな ときに 小児科に 相談するように すすめています。りょう手を もって 引き起こすと、頭が うしろへ だらんと たれる。うつぶせに しても、まったく 頭が あがらない[3]。
ちょっとした おくれは、人による ちがいと して 書かれています。ほかの 子と くらべて 心配になる ときは、小児科の 先生に 聞いて みましょう。
ちなみに、5つの 国の 816人の 赤ちゃんを しらべた、WHOという せかいの ほけんの きかんの 研究が あります。「ひとりで すわれる」ように なる 月れいは、早い 子から おそい 子まで 3.8〜9.2か月と、大きな はばが ありました[8]。げんきな 子どもの あいだでも、これだけ ばらつきが あります。
時期には幅があります。日本の通過率の表でも、3〜4か月未満の区間で約4割、4〜5か月未満の区間でも約3.5%の子が、まだ首のすわりに到達していません[2]。4か月を過ぎても安定しないとき、どう考えればよいのでしょうか。気になる様子があるときの相談の目安になる例を、次に見ます。
京都府の子育てQ&Aは、小児科医に相談するとよい例として、手を持って引き起こすと頭が後ろにだらんと垂れてしまう場合や、腹ばいにしても全く頭が上がらない場合を挙げています。少しの遅れは個人差と説明されています[3]。
人の運動発達の幅の広さを示す例として、世界保健機関(WHO)の運動発達研究があります。5か国の816人を対象にした研究で、「支えなしでひとりで座れる」ようになる月齢は、1〜99パーセンタイルで3.8〜9.2か月と、健康な子どもの正常なばらつきの幅として示されています[8]。この研究の6項目に首のすわりは含まれませんが、運動の目安には幅があることが分かる例です。
日本の通過率の表では、3〜4か月未満で60.3%、4〜5か月未満で96.5%、5〜6か月未満で99.6%であり、時期には幅があることが数字に表れている[2]。4〜5か月未満の区間でも約3.5%、5〜6か月未満でも約0.4%がまだ通過していないという読み方になるが、これは通過率の補数にすぎず、遅れの有無とは別の話である。
京都府の子育てQ&Aは、小児科医に相談する例として、手を持って引き起こすと頭が後ろにだらんと垂れてしまう場合、腹ばいにして全く頭が上がらない場合を挙げ、少しの遅れは個人差と説明している[3]。これは京都府が挙げる相談の例であり、ほかにも気になることがあれば、小児科や自治体の相談窓口などに相談できる。
運動発達全体のばらつきの目安としては、WHO運動発達研究が参考になる。5か国816人(4〜24か月)を対象にし、「支えなしでひとりで座る」達成月齢は、1〜99パーセンタイルで3.8〜9.2か月だった。この幅は、健康な子どもの正常なばらつきとして示されている[8]。ただしこの研究が扱う6項目には首のすわりは含まれないため、首のすわりの個人差の根拠としてではなく、運動発達の幅の例として引いている。
6. まわりの 赤ちゃんの 頭の あげかたを 見てみよう
6. 頭を上げる様子を観察するには
6. 赤ちゃんの頭の上がり方を観察し、原典の表を読む
近くに 赤ちゃんが いる ときは、おとなの 人と いっしょに、うつぶせの ときに 頭を どのくらい あげるか 見て みましょう。
まず、おとなが ずっと そばで 見ている ことが 大切です。下に しく ものは、体が しずんだり、顔が うまったり しない ものに します[5]。赤ちゃんが 起きて いる ときに、目の 高さに おもちゃを おくと、頭を あげやすく なります[6]。
何日か おいて 見ると、頭が あがる 高さや つづく 時間が、すこしずつ ちがって くるかも しれません。ほかの 子と くらべず、その 子の ようすの かわりかたを 見るのが ポイントです。
身近に赤ちゃんがいるときは、大人が一緒にいる場で、腹ばいにしたときの頭の上がり方を見てみるのも一つの方法です。大人が必ずそばで見守り、敷物は体が沈んだり顔が埋もれたりしないものにします[5]。起きているときに、目の高さにおもちゃを置くと、頭を上げやすくなります[6]。
数日おいて見ると、頭の上がる高さや続く時間が少しずつ変わっていくかもしれません。月齢ごとの目安は、この記事で見たように、2か月は前腕で頭を持ち上げ、3か月は45〜90度、4か月は肘・前腕で上体を押し上げる、という流れです。ほかの子と比べるより、その子自身の変化を見るほうが、目安の使い方に合っています。
日を変えて何度か見るときは、高さだけでなく、頭を上げていられる時間にも目を向けてみましょう。数字を読むときは、通過率が「できる子の割合」だという点を思い出してください。
身近に乳児がいる場合は、大人が付き添ったうえで、腹ばいにしたときの頭の上がり方(高さ、保つ時間)を、日をかえて見る方法がある。敷物は体が沈んだり顔が埋もれたりしないものにし、必ず見守る[5]。起きているときに、目の高さにおもちゃを置くと、頭を上げる機会になる[6]。他の子との比較でなく、同じ子の変化を見るのが、目安の読み方に合っている。
原典にあたるなら、厚生労働省の乳幼児身体発育調査の運動機能通過率の表(出典[2])で、「できる子の割合」と月齢区間の関係を、自分で再計算しながら読むとよい。CDCの月齢別ページ(出典[4][6])は英語だが、2か月と4か月の目安の違いが短い項目で並び、記事の流れを確かめやすい。
しらべた もとの じょうほう
参考にした情報源
参考にした情報源と、その使い方
通過率の値は平成12年(2000年)調査の列のものです。
- StatPearls「Neonatal Reflexes」(頭と首の筋肉、頭の遅れが3〜4か月でみられなくなること) https://www.statpearls.com/ArticleLibrary/viewarticle/113239 (頭が遅れる理由)
- 厚生労働省「乳幼児身体発育調査 一般調査 運動機能通過率」(表9-1) https://www.wam.go.jp/gyoseiShiryou-files/documents/2010/18147/20100420_5sankou2_3.pdf (首のすわりの通過率)
- 京都府 子育てQ&A「首のすわりが遅い」 https://www.pref.kyoto.jp/kosodateqa/karada_16.html (目安と、相談する場合)
- CDC「Learn the Signs. Act Early」4か月 https://www.cdc.gov/act-early/milestones/4-months.html (4か月の目安)
- 京都府 子育てQ&A「腹ばいで遊ばせるのはいつから」 https://www.pref.kyoto.jp/kosodateqa/jyoucho_08.html (2か月ごろの腹ばいと安全)
- CDC「Learn the Signs. Act Early」2か月 https://www.cdc.gov/act-early/milestones/2-months.html (2か月の目安と腹ばいの練習)
- University of Utah「Pediatric Neurologic Examination」3か月 https://neurologicexam.med.utah.edu/pediatric/html/03month.html (3か月の様子)
- RTI「Motor Development Study: Windows of Achievement for Six Gross Motor Development Milestones」 https://www.rti.org/publication/motor-development-study-windows-achievement-six-gross-motor-development-milestones (ひとりすわりの月齢の幅)
なおした ところ
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