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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

たんさき ジュノーは、木星の あつい くもの 下で なにを 見つけたの?

ジュノーが木星で見つけた、北極の8つと南極の5つの渦、雲の下の風

探査機ジュノーが木星で見つけた、北極の8つと南極の5つの渦 ── 重力と電波で測った雲の下

分野:宇宙・天文

木星の きたの 極きょくでは、まん中の うず 1つを、8つの うずが かこんで います。みなみの 極きょくでは、1つを 5つが かこんで います。この ならびを 見た けんきゅうしゃは、いままで 見た ことが ないと おどろいたそうです。

木星は 雲で ぜんぶ おおわれて いて、中は 見えません。どうして 雲の 下の ことが 分かったのでしょうか。この 記事では、探査機たんさきジュノーが 見つけた ことと、その しらべ方が 分かります。

木星の北極では、中心の渦1つを8つの渦がかこみ、南極では中心の1つを5つがかこんでいます。研究者が最初の画像を見て、こんなものは見たことがないと驚いた並びです。

木星は厚い雲におおわれていて、中は目では見えません。探査機ジュノーはどうやって雲の下を測り、何を見つけたのでしょうか。この記事では、重力とマイクロ波で雲の下を測る方法と、極の渦、約3000km深くまで届く風、赤道の水、変わる磁場が分かります。

木星の北極では中心の渦1つを8つの渦が、南極では中心の1つを5つの渦がかこむ。2018年に報告されたこの配置は、画像を最初に見た研究者を驚かせた。厚い雲におおわれた惑星の中を、人はどう測ったのか。

この記事では、探査機ジュノーが電波のごくわずかなずれとマイクロ波で雲の下を測った方法と、それによって分かった極の渦、約3000kmに及ぶ風、赤道付近の水、時間で変わる磁場の根拠と限界が分かる。

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1. 見えない 木星の 中を、どう のぞくの?

1. 雲の下は見えない。ジュノーは何で「のぞく」のか

1. 見えない雲の下を、どの道具で測るのか

木星は、あつい 雲に すっぽり おおわれて います。ふつうの カメラで 見えるのは、雲の いちばん 上だけです。

探査機たんさきジュノーは、2011年8月に うちあげられ、2016年7月4日に 木星の まわりを まわり はじめました[1]。カメラの ほかに、雲の 下を 見とおす マイクロ波の きかいや、電波の ずれで 木星の 中の 重さの ならびを はかる しくみ、磁石じしゃくの ちからを はかる きかいを のせて います[1]。

では、この きかいで なにが 見えたのでしょうか。まず、いちばん 目を ひいた 極きょくの うずから 見て いきましょう。

木星は厚い雲に全体をおおわれていて、望遠鏡や普通のカメラで見えるのは雲の頂上だけです。その下で何が起きているかを知るには、目に見える光以外のものを使うしかありません。

ジュノーは2011年8月5日に打ち上げられ、2016年7月4日に木星の周回軌道に入りました[1]。載っている装置のうち、この記事の主役は3つです。雲の下を見通すマイクロ波放射計、電波への影響から木星内部の質量の分布を測る重力科学、磁場を測る磁力計です。極のオーロラを赤外線で撮るJIRAMもあります。可視光のカメラJunoCamは、雲の動きの研究にも使われています[1]。

では、これらの道具で何が見えたのか。まず、研究者がいちばん驚いた極の渦から見ていきます。

木星は全体が厚い雲におおわれ、望遠鏡や可視光のカメラで見えるのは雲の頂上だけである。したがって、内部の構造や雲の下の風を知るには、光以外の手段が必要になる。

ジュノーは2011年8月5日に打ち上げられ、2016年7月4日に木星の周回軌道に入った[1]。そのうえで使われた道具は、役割がはっきり分かれている。雲の下を見通すマイクロ波放射計、電波が受ける影響から内部の質量の分布を測る重力科学、磁場を測る磁力計、極のオーロラを撮る赤外線カメラJIRAMである。可視光カメラのJunoCamは、一般の人も参加する広報用の位置づけで、雲の動きの研究にも使われる[1]。

では、これらの道具で何が見えたのか。まず、研究者がいちばん驚いた極の渦から順に見る。

2. 北の 極きょくに 8つ、南の 極きょくに 5つ。うずの ならび

2. 北極に8つ、南極に5つ。渦が規則正しく並んでいた

2. 極の渦はなぜ「見たことがない」と言われたのか

ジュノーは 木星の きたの 極きょくと みなみの 極きょくの 上を 通り、うずの 形を うつしました。きたでは、まん中に 1つの うずが あり、そのまわりを 8つの うずが かこんで いました。みなみでは、まん中の 1つを 5つが かこんで います。2018年3月に、科学の ざっしネイチャーで 報告ほうこくされました[2]。

まん中の うずも 数えて、9つと 6つと 書く 記事も あります。数え方が ちがうだけです。

はじめの しゃしんを 見た けんきゅうしゃは、いままで 見た ことの ない ものだと おどろいたと 伝つたえられて います。土星の きたの 極きょくに ある 六角形のような 形を 思って いた 人も いたそうです[2]。

この うずたちは、せきがいせんの かんそくでは、とても どっしりして いて、同じ 場所に とどまって いると、NASAは 説明せつめいして います[3]。では、縞模様しまもようの 風は、雲の 下で どこまで つづくのでしょうか。

中心に1つ、まわりに8つ

ジュノーは木星の両極の上空を通り、極の渦の並びを撮影しました。北極では中心に1つの渦があり、そのまわりを8つの渦がかこんでいます。南極でも同じ作りで、中心の1つを5つがかこんでいました。2018年3月8日に、科学雑誌Natureで報告されました[2]。

中心の渦を数に入れて、北は9つ、南は6つと書く報道もあります。数え方が違うだけで、同じ並びを指しています。

研究者は何に驚いたのか

最初の画像を見た研究者は、見たことのないものだと驚いたと伝えられています。土星の北極にある六角形のような形を想像していた研究者もいた、という話もあります[2]。

この渦の並びは、赤外線の観測では非常に安定していて、同じ場所にとどまっていると、NASAは述べています[3]。渦は一瞬の姿ではなく、長いあいだ同じ場所にあるようです。では、雲の頂上に見える縞模様は、雲の下でどこまでつながっているのでしょうか。

両極の画像で目を引いたのは、渦の数より、並び方の規則性だった。北極には中心の渦が1つあり、それを8つの渦がかこむ。南極でも中心の1つを5つがかこむ。この配置は、2018年3月8日にNatureで報告されて話題になった[2]。なお報道には、中心の渦を含めて北9つ・南6つと書くものもあるが、数え方が違うだけで同じ並びを指す。

画像を最初に見た研究者は、見たことのないものだと驚いたと伝えられる。土星の北極の六角形のような形を想像していた研究者もいたというが、これは報道で伝えられた話で、研究者全体の予想とまでは言えない[2]。

では、この配置は一時の姿なのか。赤外線カメラJIRAMの観測を踏まえ、NASAは2021年の発表で、極の渦は非常に安定していて同じ場所にとどまっていると述べている。そのため、渦は長いあいだ同じ場所にあると読める。振動と安定性についてはGeophysical Research Lettersの論文がある[3]。ただし、なぜ8つと5つなのかという配置の理由までは、この資料からは分からない。極の渦は雲の頂上の姿である。では、その下の風はどこまで続くのか。

3. 縞模様しまもようの 風は、雲の 下 どこまで とどくの?

3. 縞模様の風は、雲の下どこまで届くのか

3. 帯状の風は雲の頂上から約3000km下まで及ぶ

木星の 縞模様しまもようは、風の ながれる 帯おびです。この 風は、雲の おもてだけを ふいて いるのでしょうか。

ジュノーの 重力の はかり方から、風は 雲の いちばん 上から 約やく3000キロメートルの 下まで とどいて いると 分かりました[4]。3000キロメートルは、日本列島の 北から 南までの 長さに 近い ほどです。

うごいて いる ぶぶんの 重さは、木星 ぜんたいの 約やく1%に あたります[4]。1%と 聞くと 少なそうです。でも 地球の 空気は、地球の 重さの 100万分の 1より 少ないのです。木星の 風は、その 1万倍 以上いじょうに なります。

雲の 上だけの 風では ありません。木星の 風は、雲の 下の ぶあつい そうを まるごと うごかして いる ようです。それを、どうやって はかったのでしょうか。

風は表面だけの話ではなかった

木星の縞模様は、東向きと西向きの強い風の帯が並んだものです。この風が、雲の頂上近くだけの現象なのか、深くまで続いているのかが問いでした。ジュノーの重力の測定から、帯状の風は雲の頂上から約3000km下まで届くことが分かりました[4]。3000kmは、日本列島を北から南までたどった長さに近い距離です。

1%という数字の大きさ

風が動いている部分の質量は、木星全体の約1%にあたります[4]。一方、地球の大気は地球の質量の100万分の1より小さいので、割合で比べると木星の風が動かす部分は1万倍以上です。雲の下の厚い層を、まるごと動かしているということになります。

縞模様の風の話は、木星の縞模様の記事でも読めます。では、その深さはどうやって、6億km以上はなれた場所から分かったのでしょうか。

縞模様は東西に吹く強い風の帯であり、問題はこの風が雲の頂上近くの薄い層の現象なのか、深くまで続く現象なのかだった。ジュノーの重力測定により、帯状の風は雲の頂上から約3000km下まで届くことが示された[4]。約3000kmは、日本列島の北端から南端までの長さに近い。

この深さが重要なのは、動いている質量が大きいからである。風が流れる部分は木星の質量の約1%にあたる[4]。ところが地球の大気は、地球の質量の100万分の1より小さい。そのため、割合で比べると木星のほうが1万倍以上大きい。この割合は一見小さいが、木星全体の質量が大きいため、絶対量では地球の数個分にあたる計算になる。

風の深さの値は3000kmちょうどと読むより、「およそ3000km」という見積もりとして受け取る方がよい。縞模様や風そのものは木星の縞模様の記事で扱った。次の問いは、雲の下の風を、遠い地球からどう測ったのか、である。

4. 6億おくキロメートル はなれて、どうやって はかったの?

4. 6億km以上はなれた場所から、どう測ったのか

4. 秒速0.01mmの変化を電波で読む ── 重力とマイクロ波の限界

木星の 中の 重さの ならびを 知るには、重力を はかります。重い ところの 近くを 通ると、探査機たんさきは ほんの 少し ひっぱられ、地球に とどく 電波が ほんの 少し ずれます[4]。

そこから 分かる 速さの かわり方は、1秒に 0.01ミリメートルほど。1ミリメートルを 100秒 かけて 動く 速さです。これを、6億おくキロメートルより 遠い 地球の アンテナで はかりました[3]。

北と 南の 重力の ちがいを くらべると、風の ながれの あとが 読み とれます[4]。

雲の 下は、マイクロ波でも のぞきます。雲の 下 約やく150キロメートル、気圧きあつが 33ぐらいの ところまで 見とおせます[6]。うずの 深さも これで はかり、ある あらしは 雲の 上から 約やく100キロメートル、大赤斑だいせきはんは 約やく500キロメートルまで とどいて いるとされます[3]。大赤斑だいせきはんの くわしい 話は、大赤斑だいせきはんの 記事に あります。

電波が語る「重さの並び」

探査機が木星に近づくと、木星の質量の分布に引かれて、速度がほんの少し変わります。その変化は、地球に届く電波のずれとして現れます[4]。測られたのは、毎秒0.01mmほどという小さな速度の変化です。1mm進むのに100秒かかる速さの変化にあたります。それを、4億マイル(約6億4000万km)以上はなれた地球で、NASAの深宇宙ネットワークのアンテナが捉えました[3]。

北半球と南半球の重力の差を調べると、そこから風の流れの痕跡が読み取れます[4]。重さの並びのわずかなずれが、風の深さの手がかりになったのです。

マイクロ波は、雲の下を見通す

マイクロ波放射計は、雲の下約150km、気圧が約33気圧になる深さまでを調べられます[6]。渦の深さも測れ、一部の嵐は雲の頂上から約100km、大赤斑は350km以上に達しました。複数の測定を合わせた見積もりでは、大赤斑は約500kmまでとされています[3]。大赤斑の深さは大赤斑の記事で詳しく読めます。

重力の測定は、探査機の運動を電波で追うことで成り立つ。木星の質量の分布が内部で偏っていると、近くを通る探査機の速度がわずかに変わり、地球で受ける電波にずれが生じる。NASAの2021年の発表によれば、検出された速度変化は毎秒0.01mmほどで、4億マイル(約6億4000万km)以上はなれた地球の深宇宙ネットワークのアンテナで測られた[3]。つまり、探査機の速度が「1mm動くのに100秒かかる」ほどの小ささで変わると、受信する電波の周波数がわずかにずれる。そのずれから速度の変化を、6億kmの彼方で読み取ったことになる。

ここから風の深さが分かるのは、風の流れ自体が重力に痕跡を残すからである。北と南の重力の差を比べると、流れそのものの痕跡が読み取れるとされる[4]。

重力とは別に、雲の下を見通す道具がマイクロ波放射計である。雲の下約150km、気圧約33気圧の深さまで見通せ、ガリレオ探査機の降下プローブより深くまで水を調べられた[6]。渦の深さも測れ、一部の嵐は雲の頂上から約100km、大赤斑は350km以上に達した。複数の測定を合わせた見積もりでは、大赤斑は約500kmまでとされる(2021年、Science)[3]。大赤斑の深さは大赤斑の記事に詳しく、ここでは「別々の測り方が同じ深さの範囲に収まった」点だけを覚えておけば足りる。

5. 木星の 水は、なぜ 少なく 見えたの?

5. 乾いて見えた木星に、水はどれだけあったのか

5. ガリレオの「水が少ない」を、ジュノーはどう更新したか

1995年、ガリレオ探査機たんさきが、木星の 雲の 中へ 小さな きかいを 落としました。そこで はかった 水は、よそうの 約やく10分の 1しか ありませんでした[6]。

ジュノーは 赤道せきどうの あたりを 調べ、水は 分子の 約やく0.25%、太陽の わりあいの およそ 3ばいと 分かりました[6]。ガリレオの きかいは、たまたま かわいた 場所に 入った かのうせいが あります[6]。

水は、場所に よって まざり方が ちがいました。深い 大気は、思ったより 場所ごとの かわり方が 大きいのです[6]。これは 赤道せきどうの 数字で、木星 ぜんたいの 数字とは かぎりません。

木星の まん中に ある かくは、予想より 大きく、重い ざいりょうが まん中に あつまりきらず、まわりの 水素すいそにも ひろがって いる らしいと 考えられて います[5]。これは 計算に よる 見つもりで、決まった わけでは ありません。

ガリレオの測った水は、少なすぎた

1995年、ガリレオ探査機の降下プローブが木星の雲に突入し、水を測りました。結果は予想の約10分の1しかありませんでした[6]。木星の成り立ちを考えるうえで、水の量は大事な手がかりなのに、この少なさは謎として残りました。

ジュノーは赤道付近を、より深く調べた

2020年2月にNature Astronomyで報告されたジュノーの結果では、赤道付近の水は分子の約0.25%で、太陽の割合のおよそ3倍でした[6]。ガリレオのプローブは、たまたま乾いた場所に入ったのかもしれない、と説明されています。マイクロ波放射計は雲の下約150kmまで見通せ、水は場所によって混ざり方がちがい、深い大気は緯度によって変化に富んでいることも分かりました[6]。これは赤道付近の値で、木星全体の値とは限りません。

中心の核は、はっきりした塊ではないらしい

重力の精密な測定をもとにしたモデルでは、木星の核は予想より大きく、重い材料が中心に集まりきらず、まわりの水素にも広がっている「薄まった核」らしいとされています[5]。ただし、状態方程式の選び方に強く左右されるモデルの結果で、決まったものではありません。

木星の水には、ジュノー以前からの謎があった。ガリレオ探査機の降下プローブが1995年に測った水は、予想の約10分の1しかなかったのである[6]。なぜそこまで少なかったのか。原因として、プローブがたまたま乾いた場所に入った可能性が考えられた。そこでジュノーのマイクロ波放射計は、プローブより深い、雲の下約150km・気圧約33気圧の所まで調べ、この疑問に答えを出そうとした[6]。

2020年2月にNature Astronomyで報告された結果では、赤道付近の水は分子の約0.25%で、太陽の割合のおよそ3倍だった[6]。重要なのは、値が1つに決まらなかったことだ。水は場所によって混ざり方が違い、深い大気は緯度によって変化に富む。「ガリレオが乾いた場所に入った」という説明は、この不均一さと整合するが、この値は赤道付近に限られ、木星全体の水の量を決めたことにはならない[6]。

重力のデータは、内部の核にも手がかりを与えた。Wahlら(2017年)は、ジュノーの低次の重力の成分(J2〜J8)を精度よく測り、核は予想より大きく、重い材料が中心に集まりきらずまわりの水素にも広がった、薄まった核(希薄コア)らしいと報告した。重元素の量は地球の約7〜25個分と見積もられたが、状態方程式の選び方に強く依存するモデルの結果で、1つの値には決まらない[5]。内部の構造の全体は木星の内部の記事が詳しい。

6. 木星の 磁石じしゃくの ちからは、時間で かわるの?

6. 木星の磁場は、時間とともに変わっていた

6. 内部の磁場の時間変化 ── 地球以外で初めて検出された

磁石じしゃくの ちからは 目に 見えませんが、ジュノーの 磁石じしゃくを はかる きかいで はかれます。2019年、木星の 中に ある 磁石じしゃくの ちからが、時間と ともに かわって いる ことが、地球の ほかでは はじめて、はっきり 見つかりました[7]。

かわりかたの 大部分は、赤道せきどうの 近くの、磁石じしゃくの ちからが 強い 場所で 起きます。研究者は、この 場所を「グレートブルースポット」と 呼よびます[7]。

げんいんは、雲の 下の 深い 大気の 風と 考えられて います[7]。雲の 下で 風が うごく 話と、磁石じしゃくの ちからが かわる 話は、つながって いるのかも しれません。

地球以外で、初めてはっきり検出された

木星は強い磁場をもちます。ジュノーの磁力計は、その磁場が内部から時間とともに変わっていることを、2019年5月にNature Astronomyで報告しました。地球以外の天体では、これが初めてのはっきりした検出です[7]。

変化の中心は「グレートブルースポット」

変化の大部分は、赤道付近にある強い磁場の部分が担っています。この部分は「グレートブルースポット」と呼ばれています[7]。

原因は、雲の下の深い大気の風と考えられています[7]。風の深さを測った3章と、磁場が変わるという6章は、雲の下で風が内部を動かしているという見方で結ばれています。ただし、これは原因についての見方であり、確定した結論ではありません。

磁場が時間とともに変わることは、地球では長く知られているが、地球以外の天体で内部の磁場の時間変化がはっきり検出されたのは、ジュノーの結果が初めてだ。2019年5月にNature Astronomyで報告された[7]。

変化の大部分を担うのは、赤道付近にある強い磁場の部分で、この部分は「グレートブルースポット」と呼ばれる[7]。

原因には、深い大気の風が関係すると考えられている[7]。3章の約3000kmの風との対応は、示されていない。雲の下の動きが磁場に表れているという見方がある、というところまでである。

7. 0.01ミリメートルの 速さを、じぶんで 見て みよう

7. 0.01mmの速さと、コインの並びを確かめてみる

7. 0.01mm/秒と8つの並びを、手元で確かめる

えんぴつの 先を、じょうぎの 1ミリメートルの 長さに そって、100秒 かけて ゆっくり 動かして みましょう。ほとんど 止まって いるように 見えます。ジュノーは、この ような 速さの かわり方を、6億おくキロメートル はなれた ところから はかりました。

もう 1つ。1円玉を 1まい おき、まわりに 同じ 1円玉を ならべます。くっつけて ならべられるのは、何まいですか。答えは 6まいです。木星の きたの 極きょくは 8つなので、同じ 大きさの コインを くっつけて ならべる やり方では、木星の うずの ならびは まねできません。実さいの うずは、同じ 大きさとは かぎらないからです。

今日できること

  • 鉛筆の先を、定規の1mmの目盛りに沿って100秒かけて動かしてみましょう。ほとんど止まって見えるこの遅さが、ジュノーが測った毎秒0.01mmという変化の大きさの目安です。
  • 1円玉を1枚置き、そのまわりに同じ1円玉をすきまなく並べてみましょう。中心に接して並べられるのは何枚でしょうか。答えは6枚です。北極の渦は8つなので、同じ大きさの円を中心に接して並べる模型では、木星の渦の並びは再現できません。実際の渦は、同じ大きさとは限らないからです。

今日できること

毎秒0.01mmは、1mmを100秒かけて動く速さで、1時間なら3.6cmである。鉛筆の先を定規に沿って100秒かけて1mm動かし、この遅さを体感するとよい。極の渦の並び方も、手元の硬貨で確かめられる。1枚の1円玉に同じ大きさの1円玉を接して並べると、並べられるのは6枚までで、8枚は入らない。北極の中心の渦を囲む8つの渦が、同じ大きさで接した配置ではないことが分かる。ただし、渦の大きさや間隔の実際の値は、この資料からは読み取れない。

公式の情報・原典

NASA Scienceのジュノー計画のページ[1]、2021年のNASAの発表[3]、水についてのJPLの記事[6]、磁場についてのJPLの記事[7](いずれも英語)で、数字の出どころを確かめられる。核については、Wahlらの論文[5]が原典である。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

数字・年は、NASA・JPLの公式発表と、研究機関の記事・論文の要旨を突き合わせて使った。値は測る年や方法で変わる。

  1. NASA Science「Juno」. https://science.nasa.gov/mission/juno/ (打ち上げ・周回軌道入り・観測装置)
  2. University of Chicago News「First look at Jupiter's poles shows strange geometric arrays of storms」(2018). https://news.uchicago.edu/story/first-look-jupiters-poles-show-strange-geometric-arrays-storms (極の渦の配置、研究者の反応)
  3. NASA「NASA's Juno Science Results Offer First 3D View of Jupiter Atmosphere」(2021). https://www.nasa.gov/news-release/nasas-juno-science-results-offer-first-3d-view-of-jupiter-atmosphere/ (極の渦の安定性、速度変化の大きさ、渦の深さ)
  4. Weizmann Institute of Science「Unveiling the depths of Jupiter's winds」. https://wis-wander.weizmann.ac.il/node/9292 (風の深さ約3000km、質量の約1%、重力の測り方)
  5. Wahl et al.「Comparing Jupiter interior structure models to Juno gravity measurements and the role of a dilute core」(2017). https://arxiv.org/abs/1707.01997 (薄まった核)
  6. NASA JPL「Findings From NASA's Juno Update Jupiter Water Mystery」(2020). https://www.jpl.nasa.gov/news/findings-from-nasas-juno-update-jupiter-water-mystery/ (赤道付近の水の割合、マイクロ波放射計の深さ)
  7. NASA JPL「NASA's Juno Finds Changes in Jupiter's Magnetic Field」(2019). https://www.jpl.nasa.gov/news/nasas-juno-finds-changes-in-jupiters-magnetic-field/ (磁場の時間変化、グレートブルースポット)

なおした ところ

更新履歴

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