1. ようちゅうは なにを たべているの?
1. 幼虫は4回、皮を脱ぎながらアブラムシを食べる
1. 幼虫は4齢まで育ち、齢が進むほど捕食数が増える
ナナホシテントウは、おとなの 虫も ようちゅうも、アブラムシを たべます。ようちゅうは 4回 かわを ぬぎながら 大きく なります。大きく なるほど、1日に たべる アブラムシの 数も ふえると いわれます。
ようちゅうの 時間は 2〜3しゅうかん ほどです。そのあと、はの うらなどで さなぎに なります。さなぎの 時間は 4日 ぐらいと いわれます。
ちいさな 虫が、みじかい あいだに 体を 何ばいにも 大きく します。たくさん たべる わけが、すこし 見えて きましたね。
2. あたたかいと、もっと たべるの?
2. 25℃では103匹、15℃では約21匹
2. 4齢幼虫の捕食数は、25℃で103匹、15℃で約21匹だった
ナナホシテントウの ようちゅうと おとなを、15度と 25度の 部屋で くらべた じっけんが あります。この じっけんでは、どちらも あたたかい ほうが よく たべました[5]。
いちばん 大きい 4れいの ようちゅうは、アブラムシが 128ひき いる 25度の 部屋で、24じかんに へいきん 103びきを たべました。15度の 部屋では、同じ 128ひきの 中から およそ 21ひきでした。
虫は 自分で 体を あたためられません。あたたかいと よく うごく ように なる ためだと 考えられて います。ただし これは 部屋の 中の じっけんで、外の 1日の 数では ありません。
ナナホシテントウの幼虫と成虫を15℃と25℃で比べた室内実験では、15℃より25℃のほうが、アブラムシを攻撃する割合が上がり、24時間に食べる数も増えたと報告されています[5]。
いちばん多かったのは、25℃の4齢幼虫で、餌のアブラムシが128匹いる条件で平均103匹でした。同じ条件で15℃にすると約21匹です。この実験の餌は、ナナホシがふだん食べるアブラムシとは別の種類(Lipaphis erysimi)です。
昆虫は自分で体温を保てないので、気温が下がると動きがにぶくなります。この実験でも、温度が攻撃の頻度に影響していました。
ここで大切なのは、これが部屋の中で決めた条件の数字だという点です。野外で1日に食べる数は、天気や餌の見つけやすさでも変わるはずです。「1日に100匹」と一般化はできません。
この実験では、ナナホシテントウの幼虫と成虫を15℃と25℃に置いて比較している。結果は、15℃と25℃を比べると、温度が高い条件で攻撃率が上がり、24時間の捕食数も増えた[5]。
最大値は25℃の4齢幼虫で、餌(Lipaphis erysimi)128匹の条件で平均103匹、つまり餌の約8割を食べた。15℃では同じ条件で約21匹である。昆虫は外温動物で、体温が環境に左右されるため、行動の頻度が温度に応じて変わると考えられる。
ただし、この値は室内の小さな容器で測ったもので[5]、野外の1日あたりの量ではない。また、数値は条件をそろえた1つの論文のもので、日本の野外での捕食数とは同一視できない。
3. えさが たくさん あると、ずっと ふえるの?
3. 餌が多くても、食べる数は頭打ちになる
3. 機能的反応のⅡ型:餌が増えても捕食数は飽和する
アブラムシが たくさん いるほど、てんとうむしは たくさん たべます。でも いつまでも ふえるわけでは ありません。おなかが いっぱいに なると、たべる 速さが ゆっくりに なります。
たべる 数は、はじめは ぐんと ふえて、そのうち ふえかたが ゆっくりに なります。ジュースを のむときに、はじめは すいすい のめても、おなかが いっぱいに なると のむ 速さが おちるのと にています。
4. えさが たりないと、どうなるの?
4. 餌が足りないとき、ナミテントウは仲間も食べる
4. 餌が不足すると、幼虫や蛹の共食いが起きることがある
ナミテントウと いう しゅるいは、えさの アブラムシが すくない ときに、ほかの ようちゅうや さなぎを たべる ことが あります[2]。
ようちゅうは さなぎの まえに たくさん たべないと、体が 大きく なれません。だから えさが たりないと、とても きびしい ときが きます。
アブラムシが すくないと、ナミテントウの ようちゅうは なかまを たべる ことが あります。
ナミテントウも、幼虫・成虫ともアブラムシを食べる肉食性です。ところが餌が足りなくなると、ほかの幼虫や蛹を食べる共食いをすることがあると説明されています[2]。
短い期間に多くの餌が必要な幼虫にとって、アブラムシが減ることは大きな問題です。アブラムシが少ないと、幼虫どうしの食い合いも起こりうるのです。
ナミテントウも幼虫・成虫とも肉食性で、餌が不足するとほかの幼虫や蛹を共食いすることがある[2]。幼虫期間が数週間と短く、各齢で必要な餌が大きく増えるため、餌の不足は生存に直結する。
この資料は、共食いが起きることを示しているが、どのくらいの頻度で、どんな条件で起きるのかまでは示していない。野外での割合を、実験室の観察から推測しないほうがよい。
5. アブラムシの ほかにも たべるの?
5. アブラムシ以外を食べるテントウムシもいる
5. テントウムシ類の食性の3タイプと、「テントウムシダマシ」という名前
ナミテントウは、アブラムシの ほかに ヨトウガと いう ちょうの なかまの たまごも たべます[3]。
ほかにも、てんとうむしには 3つの 食べかたの なかまが います。ナナホシや ナミの ように 虫を たべる なかま、キイロテントウの ように かびの なかまを たべる なかま、ニジュウヤホシテントウの ように 野さいの はを たべる なかまです。
ニジュウヤホシテントウは、てんとうむしに にているので 「テントウムシダマシ」と よばれます[4]。
6. はっぱの うえの ごはんを さがしてみよう
6. 葉の上で「だれが何を食べているか」を観察する
6. 野外で確かめられること、資料を読むときの注意
あたたかい 日に、アブラムシの いる 草を さがして みましょう。ナナホシの ようちゅうが いれば、アブラムシに 近づく ところが 見られるかも しれません。
虫に さわらず、10ぷんだけ 見て、見つけた ようちゅうの 数、食べた 数、気温を メモします。10ぷんの あいだに 食べる ところが 見られない ことも あります。べつの 日と くらべても、記事の じっけんと 同じかどうかは わかりませんが、見た ことの メモに なります。
手で さわると 虫が 弱るので、見るだけに しましょう。
あたたかい日に、アブラムシのついた草や庭木のそばで、てんとう虫の幼虫を探してみましょう。見つかったら、触らずに10分だけ観察して、見つけた幼虫の数、アブラムシを食べる回数、そのときの気温を記録します。10分の間に食べる場面が見られないこともあります。
日を変えて、涼しい日と暖かい日で記録を並べても、この記事の実験の確かめにはなりません。野外では、風や餌の数も変わるからです。あくまで、自分の目で見た観察記録です。
この記事の数字は、外国の室内実験のものが中心です。自分の観察で、幼虫がどんなふうにアブラムシを食べるかを見てみましょう。
この記事の数値は、室内実験(1つの論文)に基づく。野外での1日の捕食数は、温度のほか、餌の見つけやすさ、天敵、天気などでも変わるはずで、日本の野外で幼虫が1日に何匹食べるかは、この資料の範囲では確かな数がない。
自分で観察するなら、アブラムシのついた植物の近くで、テントウムシ幼虫を触らずに10分間観察し、幼虫の数・捕食回数・気温を記録する方法がある。10分では捕食が見られないこともある。別の日の記録と並べても、温度の効果の検証にはならないが、論文の傾向と見比べる材料にはなる。
次の疑問としては、「ナミ・ナナホシの幼虫では、齢ごとの捕食数はどう違うのか」「日本の研究機関の報告ではどうか」などが挙げられる。論文の原典にあたると、実験条件を確かめられる。
しらべた もとの じょうほう
参考にした情報源
参考にした情報源と、その使い方
本文の数値は、条件を決めた実験の報告です。野外の1日の量を示すものではありません。
- コトバンク「ナナホシテントウ」(小学館 図鑑NEO ほか) https://kotobank.jp/ (幼虫の齢・期間)
- Honda 生きもの図鑑「ナミテントウ」 https://www.honda.co.jp/outdoor/adventure/namitentou.html (肉食と共食い)
- 島根県「ナス テントウムシダマシ」 https://www.pref.shimane.lg.jp/ (ニジュウヤホシテントウ)
- Altaf ら(2025)Biology 14(3):245 https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC11939570/ (温度と捕食数の実験)
- 三重県農業研究所 試験要旨 https://www.pref.mie.lg.jp/nougi/hp/29146026999.htm (イチゴでの放飼試験)
なおした ところ
更新履歴
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