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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

むかでは なにを たべて いるの?

ムカデは何を食べているのか ── 日本の投稿記録に残る、意外な食べ物

ムカデは何を食べているのか ── 投稿記録で見る獲物と記録の偏り

分野:生きもの

むかでは、ほかの むかでも たべます。きの しるを のんだり、しんだ どうぶつを たべたり する こと も あります[2]。

どくの ある こわい むしが、いったい なにを たべて いるのでしょう。いちばん おおい たべものと、びっくりする たべものと、きろくの よみかたが わかります。

毒をもつ、こわい虫。そう思われているムカデは、日本の投稿記録を集めた研究で、ほかのムカデを食べる例が約8%、木の樹液を食べる例まで見つかっています[2]。

では、ふだんの食べ物の中心は何で、どこまで広いのでしょうか。昆虫を中心に、毒牙の使い方、毒をもつ獲物やヘビまで食べる例、そして記録に偏りがあるかもしれない理由が分かります。

日本のSNSや市民科学の投稿8,684件から、ムカデが獲物や食べ物を口にしている場面を1,130件取り出した研究がある[2]。獲物の約65%は昆虫だが、ほかのムカデ類が約8%、樹液を飲む例や、毒で身を守るイモリの仲間を食べた例まで含まれていた。

肉食の捕食者として知られる動物の食べ物が、なぜここまで広く見えるのか。中心になる獲物、毒の使い方、昆虫以外の例、そして市民投稿という集め方が結果に与える偏りが分かる。

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1. むかでの ごはんは、なにが いちばん おおいの?

1. ムカデの食べ物でいちばん多いのは昆虫

1. 1,130件の捕食記録 ── いちばん多い獲物は昆虫

むかでは、昼間は石の下などに かくれて います。夜に なると うごきまわって、ちいさな どうぶつを つかまえて たべます。にくを たべる いきものです[1]。

では、いったい なにを いちばん たべて いるのでしょう。にほんの ひとたちが とうこうした きろく 8684 こから、むかでが ものを たべて いる ところを 1130 こ えらんで しらべた けんきゅうが あります[2]。

いちばん おおかったのは、こんちゅうです。およそ 3分の2 でした[2]。(この わりあいは、たべている ばめんを かぞえなおした かずを もとに しています。)セミのような むしや、チョウや ガの なかまが よく たべられて いました。

でも、むしだけでは ありません。ほかにも いろいろな ものを たべて います。まずは、どうやって つかまえるのかを みて みましょう。

ムカデは、昼間は石の下などにひそみ、おもに夜に活動する肉食の虫です。昆虫などの小動物を捕らえて食べます[1]。では実際に、何をどれくらい食べているのでしょうか。

それを数えた研究が2026年に発表されています。日本のSNSや市民科学の投稿8,684件の中から、ムカデが何かを食べている場面の記録1,130件を取り出して調べたものです[2]。

獲物でいちばん多かったのは昆虫で、約65%、およそ3分の2を占めました[2]。なお、この記事のパーセントは、1,130件そのものを100%にした割合ではなく、論文が「捕食の場面」として数えた件数を100%にした割合です。昆虫のうち、セミなどカメムシの仲間(半翅目)が約30%、チョウ・ガの仲間が約26%です。半翅目の約80%がセミでした。これを掛け合わせると、昆虫の約4分の1がセミという計算になります。

つまり答えの要点は、「ムカデは肉食で、中心は昆虫。なかでもセミやチョウ・ガの仲間が目立つ」です。ただし、記録に残るのは虫だけではありません。それは第3章で見るとして、まず、毒牙でどう押さえこむのかを見ましょう。

日本の投稿記録を調べた研究の出発点は、SNSと市民科学の投稿8,684件である。ここから、ムカデが食べている場面の記録1,130件(投稿の約13%)が取り出されている[2]。この集め方では、研究者が野外で追いかけたのではなく、たまたま人の目に触れた場面が材料になる。

その結果、獲物の割合(母数は1,130件ではなく、捕食の場面として数えられた件数)は、昆虫が約65%(64.94%)で最も多く、ほかのムカデ類が約8%、エビ・カニの仲間(軟甲類)が約8%、は虫類が約6%と続いた[2]。ムカデは昼間は石の下などにひそみ、おもに夜に活動する肉食性である[1]。夜に動く捕食者の食事が昆虫中心だったことは、題名の問いに対する大枠の答えになる。

昆虫の内訳では、カメムシ類を含む半翅目が約30%、チョウ・ガ類が約26%で、半翅目のうち約80%がセミだった[2]。注意したいのは、この80%が「半翅目の中の割合」である点だ。0.30×0.80を計算すると、セミは昆虫の約4分の1(約24%)になり、記録全体の80%がセミだったわけではない。

では、これほど多くの獲物を、ムカデはどうやって手に入れるのか。次に、毒をもつ前脚の使い方を見る。

2. むかでは、どうやって むしを おさえるの?

2. 体のいちばん前の脚が、毒牙になっている

2. 前脚が変形した顎肢(がくし)で、毒を入れて獲物を動けなくする

むかでの からだの いちばん まえの あしは、どくの きばに なって います。「がくし」と いいます[1]。

おおきな むかでは、この きばで えものに どくを いれて、うごけなく します。そして、からだの そとで しょうかを はじめます[3]。

じぶんの たいじゅうより おもい えものを おさえこめる、おおきな むかでも います[3]。

ちなみに、名古屋の まわりでは、トビズムカデが 15センチに なり、アオズムカデは 10センチ ぐらいです[1]。どくが あるので、みつけても さわらず、おとなに しらせましょう。

むしの ほかには、なにを たべるのでしょうか。

ムカデの体の一番前の脚は、顎肢(がくし)という毒牙に変わっています。体の第1節にあたる部分で、腹側に1対ついています[1]。

大型のムカデは、この前脚で獲物に毒を注入して動けなくし、体の外で消化を始めるとされます。自分の体重を超える獲物を押さえこめる大型種もいます[3]。

ちなみに、名古屋市周辺で普通に見られるトビズムカデは体長15cmに達し、アオズムカデは10cm前後です[1]。毒があるので、野外で見つけても手を出さず、近づきすぎないことが大切です。

毒牙があるから、獲物は動物だけだと思いたくなります。けれど記録には、意外な食べ物も並んでいました。

ムカデは、獲物を素早く動けなくする手段をもつ。体の第1節は顎肢節となり、腹面に1対の顎肢(毒牙)をもつ[1]。大型のムカデ類は、この変形した前脚で毒を注入して獲物を動けなくし、体外消化を始める。自分の体重を超える獲物を押さえこめる大型種もいる[3]。

毒の成分は種によって少しずつ異なるが、溶血性の毒やヒスタミン様物質を含み、ヒスタミン、セロトニン、タンパク質分解酵素などが検出されている[1]。ただし、体外消化に使われる酵素が毒そのものに由来するかどうかは、資料によって書き方がそろっておらず、ここでは書けない。

体の大きさにも幅がある。名古屋市周辺ではトビズムカデ(体長15cmに達する)もアオズムカデ(10cm前後)も普通に見られる[1]。小さな虫から大きな獲物まで幅があることは、資料から読み取れる。

では、肉食の捕食者が口にするのは、動物だけなのか。記録の内訳を、昆虫以外に広げて見る。

3. むしの ほかにも、たべるの?

3. ほかのムカデ、エビ・カニの仲間、樹液まで食べる記録がある

3. 昆虫以外の記録 ── 同じムカデ類、甲殻類、樹液、死んだ動物

きろくを みると、むかでは ほかの むかでも たべて います。たべものの きろくの 12こに 1こ ぐらいです[2]。エビや カニの なかまを たべた きろくも、おなじ ぐらい ありました。

きの しるも のみます。しょくぶつを たべた きろくは 69 こで、その うち およそ 87 ぱーせんとが、きの しるでした[2]。しんだ どうぶつを たべる きろくも、100 こ ほど ありました。

しょくぶつを たべる きろくは、ぜんたいの 7ぱーせんとほどです。むかでは、ふだんは どうぶつを たべて、ときどき きの しるも のむ、と かんがえると よさそうです。

では、どくを もって いる あいてや、おおきな いきものは どうでしょう。

ほかのムカデ類を食べる記録は、全体の約8%ありました。エビ・カニの仲間(軟甲類)も約8%です[2]。ムカデが同じなかまを食べることがある、というのは意外ではないでしょうか。

動物だけでもありません。果実や花、樹液を食べる記録もあり、植物の記録69件のうち約87%(およそ60件)は樹液でした。死んだ動物を食べる記録も約100件あります[2]。

植物の記録は、捕食の場面の約7%です。ですから「ムカデは樹液も飲む」とはいえますが、主食のように書くと言いすぎになります。肉食の虫が、ときどき別の食べ物にも口をつける、という見方が近いでしょう。

では、相手が毒をもっていたり、ずっと大きかったりしたら、ムカデはどうするのでしょうか。

昆虫以外にも目を向けると、同じムカデ類を食べる例が約8%(8.33%)、エビ・カニの仲間(軟甲類)が約8%(7.90%)を占める[2]。肉食であることは変わらないが、獲物が「虫」という枠におさまらないことが数字から読み取れる。

植物と死肉の記録も目を引く。果実・花・樹液といった植物質の記録は69件(約7%)で、その86.96%、つまり約60件が樹液だった。死んだ動物を食べる記録は100件で、約10%にあたる[2]。

ここで注意が要る。死肉100件が10.85%、植物69件が7.48%という数字から逆算すると、これらの割合の母数は記録1,130件ではなく、約920件の「捕食の場面」だと分かる。数字を言いかえるときは、何を100%にした割合なのかをそろえる必要がある。

また、植物の記録は少数にとどまる。したがって「樹液も食べる」ことは言えても、主な食べ物かどうかは、この記録からは決められない。では、獲物側が毒をもつ場合はどうか。次に、食べられにくい相手を見る。

4. どくの ある あいてや、ヘビも たべるの?

4. 毒をもつイモリや、ヘビまで獲物になる

4. 防御の毒をもつ獲物と、小型脊椎動物 ── 食べられる相手の幅

どくを もつ あいてを たべた きろくも あります。からだを まもる つよい どくを もつ イモリの なかまを、むかでが たべた こと が ありました[2]。ヤスデや ウデムシの なかまを たべた きろくも あります。

くもの すに かかった えものを とったり、すの もちぬしの クモを おそったり した ところも みられました[2]。

おおきな むかでは、ヘビや ヤモリ、コウモリ、カエルなどの ちいさな どうぶつも たべます[3]。ただし これは、ふだんの ごはんと いうより、チャンスが あった ときの はなしです。

むかでは たべる がわですが、たべられる がわでも あるのでしょうか。

毒をもつ獲物を食べた例もあります。強い防御の毒をもつイモリの仲間や、一部のヤスデ、ウデムシの仲間です[2]。クモの巣にかかった獲物を横取りする例や、巣の主のクモを襲う例も記録されています。

体の大きいムカデは、ヘビ、ヤモリ、コウモリ、カエルなどの小さな脊椎動物も食べます。脊椎動物を食べる記録がある種は16種にのぼり、トビズムカデに近い種がヘビを捕らえた都市での記録もあります[3]。

ただし、これを「ムカデの食事の中心はヘビ」と読むのは言いすぎです。日本の投稿記録でも、は虫類は約6%にとどまります[2]。機会があれば食べる例、と考えるのが近いでしょう。

ここまで、ムカデは食べる側として登場しました。では、ムカデ自身が食べられることはないのでしょうか。

毒をもつ相手を獲物にする点も、食性の幅を示している。日本の記録には、強い防御毒をもつイモリの仲間(資料の英名は sword-tail newt)を捕食した例や、一部のヤスデ・ウデムシ類を捕食した例がある。さらに、クモの巣にかかった獲物を取る、または巣の主のクモを襲う場面も見られた[2]。

大型のムカデは、ヘビ・ヤモリ・コウモリ・カエルなどの小型脊椎動物も食べる。脊椎動物の捕食が記録された種は16種で、トビズムカデに近いScolopendra subspinipesには、都市でヘビを捕らえた記録がある[3]。日本の記録でも、は虫類は約6%(5.75%)を占める[2]。

この割合をどう読むか。毒のある獲物や脊椎動物は、数としては少なく、だからこそ「機会があれば食べる例」として扱うのが安全である。記録の多数は昆虫で、日常の食事の中心はそちらにあると考えられる。

捕食者の食べ物を調べると、同じ種が獲物と天敵の両方になる例が出てくる。それが次の章の問いである。

5. たべる ほうが、たべられる ほうでも あるの?

5. ムカデを食べる動物が、ムカデに食べられることもある

5. 獲物であり、同時に捕食者でもある ── 3つの綱にまたがる9種

この けんきゅうでは、むかでに たべられる ほうでも あり、むかでを たべる ほうでも ある どうぶつが、9しゅるい みつかりました[2]。

アシダカグモや ニホンカナヘビなどです。いろいろな なかまの どうぶつに またがって いました。

むかでは、いえに はいって くる こと も あります[1]。いえの なかの ちいさな どうぶつを たべる ことが あるのです。

では、この きろくは、ぜんぶの むかでの ごはんを あらわして いるのでしょうか。

同じ調査で、獲物であると同時にムカデを食べる側でもある動物が、3つの綱にまたがって9種見つかりました。アシダカグモやニホンカナヘビなどです[2]。

だれが強い、弱いという話ではありません。ムカデを食べる相手も、ムカデに食べられる相手になる、ということです。ムカデどうしが食べ合う例(約8%)も、この食べ合いの鎖の一部です。

ムカデは家に入ることもあり、家の中の小さな動物を獲物にすることがあるとされます[1]。食べる・食べられるの関係は、人の暮らしのそばにも近づいているのかもしれません。

こうした記録は、だれが、どんな場面で残したものでしょうか。次は、記録のかたよりを考えます。

この調査には、獲物であると同時にムカデ類を食べる側でもある動物が、3つの綱にまたがって9種あった(アシダカグモ、ニホンカナヘビなど)[2]。ムカデ類どうしの捕食(約8%)と合わせると、ムカデは食物連鎖の「上」だけにいるのではないことが分かる。

ムカデは家に入ることがあり、家の中の小動物を獲物にする[1]。野外だけでなく、人の生活圏の近くでも同じ関係が成り立っている可能性があるが、家の中での捕食の種類や頻度を数えた資料は、今回の材料にはない。

ここで1つの疑問が残る。投稿記録の昆虫中心という結果は、ムカデ全体を代表するのか。それとも、目につきやすい場面ほど投稿されたせいなのか。

6. この きろくは、ぜんぶの むかでを あらわして いるの?

6. 目立つ場面や種に、記録がかたよっているかもしれない

6. 市民投稿と論文の比較 ── 目立つ例ほど記録されやすい

この きろくでは、むかでの なかまの うち、トビズムカデが およそ 72ぱーせんとを しめて いました[2]。しゃしんに とられやすい むかでに、かたよって いるかも しれません。

ろんぶんにも、かたよりが あります。これまでに ろんぶんに のった むかでの たべものの きろく 102 この うち、77 こは、ヘビや カエルなどの せぼねの ある どうぶつでした[2]。およそ 4ぶんの 3 です。

ところが、にほんの ひとたちの きろくでは、せぼねの ある どうぶつは 55 こ、せぼねの ない どうぶつは 641 こでした。せぼねの ある どうぶつは、1わりに みたない ぐらいです。

めだつ ばめんほど、きろくに のこりやすいのです。

ここまでの割合には、注意したい点があります。記録されたムカデの約72%(71.98%)はトビズムカデで、写真に撮られやすい種に偏る可能性があります[2]。

もう一つは、論文との差です。これまでの文献にある捕食例102件のうち、脊椎動物が77件ありました。割合にすると約4分の3で、目立つ例ほど報告されやすい傾向がうかがえます[2]。

一方、日本の投稿記録は、脊椎動物55件、無脊椎動物641件です。この2つの数だけで比べると、脊椎動物は約8%と1割に届きません。つまり、同じムカデでも、論文を読んだときと投稿を数えたときでは、食べ物の顔ぶれがずいぶん違って見えます。

この差は、どちらかが間違っているという意味ではありません。何を、だれが、どこで記録したかで、見える食べ物が変わる、ということです。

この研究の結果を読むときは、記録の集まり方を先に疑う必要がある。記録されたムカデの約72%(71.98%)はトビズムカデで、写真に撮られやすい種に偏る可能性がある[2]。なお、トビズムカデの学名はScolopendra mutilansだが、資料によってはsubspinipesの亜種として扱うものもある。

さらに、文献との食い違いが大きい。論文に載っている捕食例102件のうち、脊椎動物が77件で、約75%を占める。ところが日本の投稿記録では、脊椎動物55件に対して無脊椎動物が641件で、脊椎動物の割合は約8%(55÷696)にすぎない[2]。

この差の原因を、資料は「文献では目立つ脊椎動物の捕食が書かれやすい」ことに求めている。ただし、投稿のほうも「人の目に触れた場面」の集まりなので、どちらが実態に近いかは、この数字だけでは決められない。確かなのは、集め方が結果の見え方を変える、という点である。

だとすれば、私たちが目にする1つの食事場面も、記録として意味をもつ。それを自分でも確かめるには、どうすればよいか。

7. かみに「たべる・たべられる」を かいて みよう

7. ムカデの「食べる・食べられる」を紙に描いてみる

7. 食べ合いの関係を図にして、原典で数字の母数を確かめる

かみと えんぴつを よういして、まんなかに「むかで」と かきます。ひだりに「むかでを たべる もの」、みぎに「むかでが たべる もの」を かきます。

みぎには、セミ、ほかの むかで、イモリ、ヘビなどを かけます。ひだりには、アシダカグモや ニホンカナヘビを かけます。

この ふたつは、むかでを たべるだけでなく、むかでに たべられる こと も ある、と ありました。りょうほうに やじるしを かいて みましょう。

ほんものの むかでを さがしに いく ひつようは ありません。みつけても、さわらず、おとなに しらせましょう。

紙と鉛筆で、記事に出てきた「食べる・食べられる」を図にしてみましょう。真ん中に「ムカデ」を書き、右側にムカデが食べるもの(昆虫、ほかのムカデ、樹液、イモリ、ヘビなど)、左側にムカデを食べるものを書きます。

アシダカグモやニホンカナヘビは、獲物でもあり、ムカデを食べる側でもありました[2]。矢印を両方向に描くと、一方通行ではない様子が見えてきます。

図ができたら、投稿記録の割合を矢印の太さで表すのもよい方法です。昆虫の矢印をいちばん太くすると、記事の数字が一目で見えます。実物のムカデは毒があるので、探しに行かず、見つけても触らないようにしましょう。

もう一つ、数字の比べ方も試せます。記事の「昆虫約65%」「植物約7%」「死んだ動物約10%」を紙に書き、それぞれ何を100%にした割合かを横に書き足します。投稿全体の8,684件、記録1,130件、捕食の場面の数を並べてみると、パーセントの数字をそのまま比べてよいかどうかが見えてきます。

食べ合いの関係を、紙に図にしてみるとよい。中央にムカデを置き、獲物側と捕食者側を左右に分け、両方に出てくる動物(アシダカグモ、ニホンカナヘビなど)には矢印を両方向に引く[2]。昆虫約65%、ほかのムカデ約8%といった割合を矢印の太さにすると、図から「何を100%にした割合か」が気になってくる。

そこで、本文の数字を紙に書き並べ、割合ごとに母数を書き添えてみる。投稿8,684件、記録1,130件、約920の捕食の場面という3つの数と、昆虫約65%・植物約7%・死肉約10%を矢印で結ぶと、分母が同じ割合どうしだけを比べられることが分かる。

もう1つ試せるのは、論文の例と投稿の例の比較である。脊椎動物は論文では102件中77件(約75%)、投稿では696件中55件(約8%)だった[2]。この2つの割合を並べ、「論文に載りやすい例」と「投稿に写りやすい例」がなぜ違って見えるのかを、自分の言葉で1行書いてみるとよい。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

出典について:公的機関の解説と、2本の学術論文を使った。何に使ったかは、それぞれの項目に書いている。

  1. 名古屋市 ムカデ類の解説。https://www.city.nagoya.jp/kenkofukushi/eisei/1015269/1034848/1015298/1034491/1015370.html (肉食性・夜行性、顎肢、毒の成分、体長、家に入ることについて)
  2. Uno (2026) Feeding ecology of scolopendromorphs, PeerJ 14:e20482。https://peerj.com/articles/20482 (日本の投稿記録にもとづく獲物の割合、樹液・死肉、毒をもつ獲物、食べ合い、記録の偏りについて。英語の論文)
  3. Frontiers in Ecology and Evolution (2025) ムカデ類による脊椎動物の捕食についての総説。https://www.frontiersin.org/journals/ecology-and-evolution/articles/10.3389/fevo.2025.1634037/full (毒の注入と体外消化、小型脊椎動物の捕食について。英語の論文)

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