1. 朝、くもって いるのは 外がわ? 内がわ?
1. 窓の曇りは、内側か外側かで別の現象になる
1. 室内結露と室外結露 ── 曇る面によって水蒸気の出どころが違う
さむい 朝、窓が しろく くもって いる ことが あります。ふつうは 家の 中の あたたかい 空気が ガラスに ふれて、内がわが ぬれる ところを おもい うかべますね。
でも、ぬれて いるのが 外がわの ことも あります。AGCは、この 外がわの くもりは こしょうでは なく、ガラスの あたたかさを にがさない 力が 高い ために おきる ことだと せつめいして います[1]。
あたたかさを にがさない ガラスの 外がわが、どうして つめたく なるのでしょう。
冷え込んだ朝、窓が白く曇っていることがあります。冬の窓の曇りといえば、部屋の暖かい空気がガラスで冷やされて、内側に水滴がつく場面を思い浮かべる人が多いでしょう。
AGCは窓の結露を、室内側のガラスで起きる「室内結露」と、室外側のガラスで起きる「室外結露」に分けています[1]。今回の話は、あとの室外結露です。ぬれているのは外の空気に触れる面で、曇りには外の空気が関わっています。
ここで首をかしげたくなります。AGCは室外結露を、製品の不良や品質の低下ではなく、ガラスの断熱性が高いために生じる現象だと説明しているからです[1]。熱を逃がしにくいはずの窓が、どうして外側を冷やすのでしょうか。まず、曇る条件をはっきりさせます。
窓の結露は、冬に室内側のガラスで起きる室内結露と、室外側のガラスで起きる室外結露(しつがいけつろ)に分けられる[1]。前者は暖かい室内の空気がガラスで冷やされる場面で、後者は、外気に触れるガラス面が曇る場面である。曇る面が違えば、問題にすべき空気も変わる。
ところが、室外結露は不思議な性質をもつ。AGCは、これを製品の不良や品質の低下の印ではなく、ガラスの断熱性が高いがゆえに生じる現象だと説明している[1]。英国のガラスメーカーPilkingtonも、高性能なLow-E窓の外側に結露が出るのは、ガラスが熱を室内にとどめる役目を果たしている印だという[2]。
では、熱を逃がさない窓の外側が、なぜ冷えるのか。答えは、曇りの条件と、ガラスの温度を決める熱の出入りの中にある。まず条件から確かめる。
2. くもるのは、ガラスが 空気より つめたい とき
2. 曇りの条件は、ガラスが露点より冷たいこと
2. 露点温度 ── 外側ガラスが外気より冷えている証拠になる
空気の 中には、目に 見えない 水が まざって います。空気が ひやされると、もちきれなく なった 水が、ガラスの 上で 水てきに なります。これが くもりです。
AGCの れいでは、20度で しっけが 60%の 空気は、12度まで ひえると 水てきを つくりはじめます。ガラスの 表面が 12度か それより ひくいと、くもります[1]。
外がわが くもる 朝は、外の ガラスが、ふれて いる 外の 空気より つめたく なって います。20度の 空気なら、20ひく 12で、8度か それより もっと つめたい ことに なります。空気より つめたく なるのは、どこかへ あたたかさが にげて いるからです。
結露は、空気の露点温度より、物の表面温度が低いときに起きます。露点とは、空気にふくまれる水蒸気が水滴になりはじめる温度のことです。AGCの例では、温度20℃・相対湿度60%の空気の露点は12℃で、ガラスの面が12℃以下になると結露します[1]。
室外結露は、これを外側に当てはめたものです。外の空気の露点温度を、室外側のガラスの表面温度が下回ると起きます[1]。
露点は、その空気自身の温度より高くはなりません。20℃の空気で露点が12℃なら、ガラスが12℃以下ということは、空気より8℃以上冷たいということです(20−12=8)。外側が曇った朝は、外側のガラスが、触れている外の空気より冷えていたことになります。空気より冷たくなるには、どこかへ熱が逃げているはずです。逃げ先は、夜空です。
結露は、空気の露点温度よりも物体の表面温度が低いと起きる。AGCの例では、温度20℃・相対湿度60%の空気の露点は12℃で、ガラス面が12℃以下になれば結露する[1]。室外結露は、この関係が外側で成り立った場合で、室外空気の露点温度を室外側ガラスの表面温度が下回ったときに生じる[1]。
ここから一つ、推論できることがある。露点は、湿度が高くなっても空気の温度を超えない。したがって、外側ガラスが外気の露点以下に冷えているなら、そのガラスは接している外気そのものより冷たい。上の例で言えば、ガラス面が12℃以下なら、20℃の外気より8℃以上低い(20−12=8)計算になる。これは例の数字を使った算術であり、実際の朝の気温や湿度がこの組み合わせだったという意味ではない。
ガラスが外気より冷えるには、外気以外のどこかへ熱が出ていく必要がある。その行き先が夜空だと、気象庁と AGC の資料が示している。次に、その熱の出方を見る。
3. ガラスは 夜に、空へ あたたかさを にがして いる
3. 晴れて風の弱い夜、ガラスは夜空へ熱を逃がしている
3. 放射冷却 ── 空に開けた面ほど表面温度が下がる
よく はれて 風が よわい 夜は、ものの 表面が とても ひえます。気象庁の しりょうには、そんな 夜の つぎの 朝、車の フロントガラスや 屋根、草に 霜が おりる と かいて あります[4]。
この とき ものは、あたたかさを 空へ にがして ひえて います。窓の ガラスも おなじです。AGCに よると、雲が 少なくて、窓から 見える 空が 大きい ほど、外がわの ガラスから 空へ にげる あたたかさが ふえて、ガラスが ひえます[1]。風が よわいと、外の 空気から もらえる あたたかさも 少なく なります[1]。
外に とめた 車の ガラスが くもったり、霜で しろく なったり するのと おなじ ことだと、AGCは かいて います[1]。では、窓には 家の 中の あたたかさが あるのに、どうして ひえるのでしょう。
夜によく晴れて風が弱いと、放射冷却によって、地面や地物の表面温度が0℃以下まで下がることがあります。冷え込んだ朝に、車のフロントガラスや屋根、草に霜がおりるのは、この現象です。気象庁の資料はそう説明し、気温が3〜4℃まで下がると霜がおりやすくなるとも書いています[4]。気温がまだ0℃より高くても、物の表面は0℃以下に冷えうるということです。
窓のガラスも、同じ夜空の下にあります。AGCによると、雲が少なく、窓から見える景色に占める空の割合が大きいほど、室外側のガラス表面から空へ放射で失われる熱が増えて、表面温度が下がります[1]。庇や周りの建物が少ない窓は、空に開けているので冷えやすいわけです。風が弱いと、外気から運ばれてくる熱も減り、ガラスは温まりにくくなります[1]。
AGCは、室外に停めた自動車の窓に生じる結露や霜と同じ現象だと述べています[1]。朝のフロントガラスが白くなるのは、見慣れた光景です。窓も同じ夜を過ごしているのに、家の窓には内側に暖かい部屋があります。その熱は、外側のガラスにどう届くのでしょうか。
気象庁福岡管区気象台の資料によれば、夜間によく晴れて風が弱いときは、放射冷却によって地面や地物の表面温度が0℃以下まで下がる。冷え込んだ朝に、車のフロントガラスや屋根、草に霜がおりるのはそのためで、霜は気温が3〜4℃まで下がると降りやすくなる[4]。気温が0℃を上回っていても、物の表面は0℃以下に達しうる、ということである。
窓ガラスの外側も、同じ条件に置かれる。AGCは、室外側ガラスの表面温度を下げる要因として、雲が少ないこと、窓から見える景色に占める空の割合が大きいこと(庇や周辺建物が少ない、窓が上向きに傾いているなど)を挙げる。これらは室外側ガラス表面から空に向かって放射で失われる熱を増やす[1]。さらに風が弱いと、外気から対流で与えられる熱が減って、ガラスは温まりにくい[1]。
AGCは、室内気温が室外気温に近い部屋では単板ガラスでも室外結露が生じるとし、これを屋外に駐車した自動車の窓の結露・霜と同じ現象だと述べる[1]。つまり、夜空への放熱だけなら、車の窓でも家の窓でも起きる。
そこで問題が残る。家の窓には、暖房した室内という熱源がある。それでも外側が冷えるのは、室内の熱がそこまで届かないからではないか。この点で、断熱性能が効いてくる。
4. よい ガラスほど、外がわは あたたまれない
4. 断熱がよいと、室内の熱は外側のガラスまで届きにくい
4. 外側ガラスの温度の収支 ── 断熱性能が高いと室内側から補えない
「Low-E」の ガラスは、2まいの ガラスの あいだに すきまが ある ものです。うちがわに 金属の うすい まくが ついて いて、あたたかさを つたえにくく します[5]。
この ため 家の 中の あたたかさは にげにくく、外の つめたい 空気も 中へ つたわりにくいと、AGCの カタログに かいて あります[6]。
でも、これは 外がわの ガラスから 見ると、中の あたたかさを もらえない ことでも あります。空へ あたたかさを にがして ひえても、中から あまり とどかないので、あたたまれません。イギリスの ガラス会社 Pilkingtonも、外がわの ガラスが つめたく なって くもるのは、ガラスが あたたかさを 中に とどめて いる しるしだと せつめいして います[2]。
うちがわは どうでしょう。AGCの けいさんでは、外が 0度、中が 20度の とき、うちがわの ガラスは、ふつうの 1まい ガラスで 6度、Low-Eの ガラスで 15.5度です。12度より ひくい 1まい ガラスは くもり、Low-Eは くもりません[1]。これは ひとつの 場合の けいさん れいです。
熱を逃がしにくくする膜
Low-Eは Low Emissivity(低放射)の略です。複層ガラスの内面に特殊な金属膜を付けたもので、銀などの膜が赤外線を反射して、熱を伝えにくくします[5]。AGCの製品資料でも、Low-E膜と中空層(2枚のガラスのすきま)のはたらきで、室内の熱が逃げにくく、室外の冷気も室内に伝えにくいと説明されています[6]。膜をどちらのガラスに付けるかは、製品の型によって違います[6]。
外側は、室内から温めてもらえない
夜空へ熱を失う外側のガラスは、室内から熱が届くあいだは、失った分をいくらか補えます。断熱がよいと、その補いが少なくなります。英国のガラスメーカーPilkingtonは、高性能なLow-E窓では室内の熱が保たれるぶん外側のガラスが冷たくなり、とくに春と秋は夜間に外側の温度が下がり、露点が比較的高いので結露しやすいと説明しています[2]。外側の結露は、ガラスが熱を室内にとどめる役目を果たしている印だとも述べています[2]。
単板ガラスと比べると
AGCによると、暖房している部屋の窓では、断熱の低い単板ガラス(1枚ガラス)は室内の熱が伝わりやすいので、室外結露が生じにくくなります。反対に、室内の気温が外気に近い部屋では、単板ガラスでも室外結露が起きることがあります[1]。
同じ資料の計算例(室外0℃・室内20℃・相対湿度60%)では、室内側のガラス表面温度は透明単板ガラスで6.0℃、Low-E複層ガラスで15.5℃です。露点は12℃なので、単板は室内側が曇り、Low-E複層は曇りません[1]。これは一つの条件での計算例で、どの家にも当てはまる値ではありません。室内側を曇らせないはたらきと、外側を冷えたままにするはたらきは、熱を室内にとどめるという同じ性質の表と裏として読めます。
室外側ガラスの表面温度は、おおまかに三つの出入りで決まると読める。夜空へ放射で失う熱、外気から対流で受ける熱、室内から伝わってくる熱である。前の二つはガラスの置かれた夜の環境で決まり、三つ目は窓の断熱性能と室内の状態で決まる。以下は、AGCとPilkingtonの説明を、この三つに整理して読んだものである。
Low-Eは Low Emissivity(低放射)の略で、複層ガラスの内面に特殊な金属膜を設けたものをいう。銀などの膜が赤外線を反射し、熱を伝えにくくする[5]。AGCの製品資料では、Low-E膜と中空層のはたらきで室内の熱が逃げにくく、室外の冷気も室内に伝えにくい。ただし膜は室外側のガラスに付く型にも室内側のガラスに付く型にもあり、位置は製品で異なる[6]。
断熱が高いほど、室内の熱は外側ガラスへ届きにくい。AGCも、ガラスの断熱性が高い、厚手のカーテンやハニカムシェードを使う、家具を窓際に置く、室内気温が低い(無人・暖房なし)といった条件では、室内から室外側ガラス表面に伝わる熱が減り、表面温度が高くなりにくいと述べる[1]。Pilkingtonは、高性能なLow-E窓では室内の熱が保たれるため外側のガラスが冷たく、とくに春と秋は夜間に外側ガラスの温度が下がり、露点が比較的高いので外側に結露しやすいとする[2]。
単板ガラスとの比較が、この向きを確かめる。AGCによれば、暖房している部屋の単板ガラスは室内の熱が伝わりやすいので室外結露は生じにくい。逆に室内気温が外気に近い部屋では、単板でも室外結露が起きる[1]。計算例(室外0℃・室内20℃・相対湿度60%)では、室内側ガラスの表面温度は透明単板で6.0℃、Low-E複層で15.5℃になる。露点12℃との差は、単板が6.0−12=−6.0℃で室内結露、Low-E複層が15.5−12=+3.5℃で室内結露なしである。両者の差は9.5℃になる[1]。
この室内側の計算例は、室内側の曇りにくさを示す一つの条件の数字であり、外側ガラスの温度を直接示すものではない。ただ、室内側ガラスが保てる温度差の大きさは、室内の熱が外へ漏れにくい度合いと対応している。同じ性質が、外側を冷たいままにする。ここまでで原因はそろった。次は、曇りがどこに出て、いつ消えるかである。
5. くもりは まん中から。そして 日が のぼると きえる
5. 曇りは中央から出て、日が昇ると短時間で消える
5. 中央部から曇り、日射で解消する ── 一時的な現象としての室外結露
くもりは、ガラスの ふちより、まん中の ほうが できやすいと いわれます。ふちの ほうは、2まいの ガラスの すきまを たもつ 部品が あって、中の あたたかさが つたわりやすいからです[1]。
そして、この くもりは ながく つづきません。AGCは、雨の ふった つぎの 朝などに おきやすく、太陽が のぼって 外がわの ガラスが あたたまると、みじかい 時間で なくなると かいて います[1]。「雨の つぎの 朝」は れいで、いつも そうとは かぎりません。
カナダの 役所も、すずしくて しずかな 夜で 空気が しめって いると、日の 出の ころに ガラスの 外がわが くもる ことが あると のべて います[3]。
複層ガラスの室外結露は、周辺部より中央部で生じやすいとされます。周辺部にはスペーサー(2枚のガラスの間隔を保つ部材)があって室内側から熱が伝わり、外側が温まりやすいのに対し、中央部は熱が伝わりにくいためです[1]。窓を見るときは、ふちより真ん中のほうが曇りやすい、と考えてよいことになります。
この曇りは長く続きません。AGCは、冬の室外結露は降雨のあった翌日の早朝などに生じやすく、室外の環境で決まるので対策しにくいが一時的なもので、太陽が昇って室外側ガラスの表面温度が上がると短時間で解消される、と述べています[1]。「降雨の翌日の早朝」は例で、いつもそうなるわけではありません。
ほかの国の資料も、似た場面を描いています。カナダ天然資源省は、低放射コーティングの窓について、涼しく穏やかな夜で空気が湿っていると、日の出のころにガラスの外側の表面に結露することがあると説明しています[3]。日本、英国、カナダの資料が、夜に冷えたガラスが朝に曇るという、同じ筋書きを別々に示しています。
何℃・湿度何%から起きるといった境目の数字は、これらの資料に一般値としては示されていません。
複層ガラスの室外結露は、周辺部より中央部で生じやすい。周辺部にはスペーサーがあり、そこを通って室内側から熱が伝わって外側が温まりやすい。中央部にはスペーサーがないので熱が伝わりにくく、室外側の表面温度が高くなりにくい[1]。ここでも、室内の熱が届くかどうかが曇る場所を分けている。
曇りは、日が昇れば消える。AGCは、冬の室外結露は降雨のあった翌日の早朝などに生じやすく、室外の環境で決まるため対策しにくいが、一時的なもので、太陽が昇り室外側ガラスの表面温度が上がることで短時間で解消されると述べる[1]。夜空への放熱が止まり、日射が温めるので、表面温度が露点を上回るからだと読める。ただし「降雨の翌日の早朝」は例示であり、条件を限るものではない。
独立した資料も、同じ筋書きを示す。カナダ天然資源省は、低放射コーティングの窓について、涼しく穏やかな夜で空気が湿っていると、日の出のころにガラスの外側表面に結露することがあると注意している[3]。日本のAGC、英国のPilkington、カナダの政府機関が別々に同じ現象を扱っている点は、この現象が特定の製品の癖ではないことを支える。
一方で、何℃・湿度何%のときに起きるかという一般的な境目は、これらの資料に示されていない。「晴れて風が弱く、湿った朝に起きやすい」という言い方までが、資料から言える範囲である。
6. 家の 中の ようすでも、ガラスの ひえ方は かわる
6. 厚手のカーテンや家具も、外側の温まりやすさを変える
6. 室内側の条件 ── カーテン・家具・室温が外側ガラスに与える向き
AGCは、あつい カーテンを つかう、家具を 窓の そばに おく、へやの 気温が ひくいと、中から 外がわの ガラスに つたわる あたたかさが へって、外がわが あたたまりにくく なると かいて います[1]。
おなじ 窓でも、その 夜の 空の ようすと、へやの ようすで、くもる 日と くもらない 日が あります。AGCは、この くもりは 外の ようすで きまる ので ふせぎにくいけれど、ふぐあいでは ない、と せつめいして います[1]。
外側の温度は、部屋の使い方でも変わります。AGCによると、厚手のカーテンやハニカムシェード(空気の層をつくる断熱用のカーテン)を使う、家具を窓際に置く、室内気温が低い(無人・暖房なし)といった条件では、室内から室外側ガラス表面に伝わる熱が減り、表面温度が高くなりにくくなります[1]。
この向きは、外側が温まりにくい側にはたらく、ということです。同じ窓でも、よく晴れて風の弱い夜と、雲が出た夜では空へ逃げる熱が違いますし、部屋の様子でも外側の温度が変わります。曇る朝と曇らない朝があるのは、そのためだと読めます。
AGCは、室外結露は室外の環境で決まるので対策しにくい一方、製品の不良ではないと説明しています[1]。曇りを見かけたら、窓が壊れたのではなく、その夜の空と家の様子が重なった合図だと考えてよさそうです。
三つの出入りのうち、室内から届く熱は、暮らし方でも変わる。AGCは、断熱性の高いガラス、厚手のカーテンやハニカムシェード、窓際の家具、低い室内気温(無人・暖房なし)が、いずれも室内から室外側ガラス表面に伝わる熱を減らし、表面温度を高くなりにくくすると述べる[1]。外側ガラスが温まる助けが減る、という向きの話である。
ここから、曇る朝と曇らない朝が分かれる理由を、読み取れる。夜空へ失う熱は、雲の量と風で変わる。室内から届く熱は、断熱・カーテン・家具・室温で変わる。露点は、その朝の外気の湿り具合で変わる。三つが同じ方向にそろった朝に、外側が露点を下回る。AGCが室外結露を「室外の環境で決まるため対策しにくい」と述べる[1]のは、露点が大気の状態で変わり、夜空への放熱とあわせて、持ち主には変えられない条件があるからだと読める。
三つの出入りという言い方は、資料を合わせたこの記事の整理である。数値の境目は示されていないので、「そろったときに起きうる」という強さにとどめる。
7. 晴れた つぎの 朝、窓を 見くらべて みよう
7. 朝の窓を、内側から観察してみる
7. 窓の結露を観察し、資料を読み比べる
やってみよう。窓は あけずに、家の 中から 見ます。よく はれて 風が よわかった 夜の つぎの 朝に、窓の 外がわが くもって いるか、見て みましょう。
くもって いたら、まん中と ふち、どちらが くもって いるかを 見ます。日が あたりはじめて、どれくらいで きえるか、時計で はかっても おもしろいです。内がわを ゆびで さわって、ぬれて いなければ、くもりは 外がわに あるのかも しれません。
くもらない 朝も あります。空に 雲が あった 夜や、風が 強かった 夜と くらべて みましょう。窓から 身を のりだしたり、高い ところの 窓の 外がわに さわったり しては いけません。
晴れて風が弱かった夜の翌朝、窓を開けずに、家の中から観察してみましょう。外側が曇っていたら、見るところは三つあります。
一つめは、曇っている面です。内側を指で触れてみて、ぬれていなければ、曇りは外側にあるのかもしれません。二つめは、場所です。ふちと真ん中で、どちらが先に、どちらが濃く曇っているかを見ます[1]。三つめは、消えるまでの時間です。日が当たりはじめてから消えるまでを、時計で測ってみます[1]。
曇らない朝があっても、それは観察の大事な結果です。雲があった夜、風が強かった夜、部屋を暖めていた夜と見比べると、空へ逃げる熱と室内から届く熱のどちらが効いたのかを考える材料になります。家の窓がどんなガラスなのかは、家の人に聞いてみてください。窓から身を乗り出したり、高い窓の外側に触れたりするのは危険なのでやめましょう。
もっと詳しく読みたいときは、AGCの「板ガラスと光と熱」の結露の項[1]が日本語で読めます。室内結露の計算例も載っています。
観察は、窓を開けず、室内から行う。晴れて風が弱かった夜の翌朝に、曇っている面(内側を指で触れて、ぬれていなければ外側の曇りの可能性がある)、曇る場所(周辺部と中央部)、日が当たってから消えるまでの時間を記録する[1]。曇らない朝も記録し、雲量や風、暖房の有無を並べると、前章の三つの出入りのどれが効いたかを考える材料になる。窓から身を乗り出す、高い窓の外側に触れるといった行動は危険なので行わない。
資料の読みどころは三つある。①AGCの「板ガラスと光と熱 4-7 板ガラスと結露」[1]は、室内結露と室外結露を同じ露点の考え方で説明し、計算例まで載せている。②英国のPilkington[2]とカナダ天然資源省[3]は英語だが、別の国の機関が同じ現象を述べている点が確認できる。③気象庁福岡管区気象台の資料[4]は、放射冷却と霜の関係を、天気の側から説明している。
残る問いも、資料に書かれていないぶん、調べる価値がある。膜をどのガラスに付けるかによって、外側ガラスの冷え方は実際にどう変わるのか。何℃・湿度何%のあたりから曇りやすくなるのか。
しらべた もとの じょうほう
参考にした情報源
参考にした情報源と、その使い方
出典について:ガラスメーカーの技術資料と製品資料、海外のガラスメーカーとカナダ政府の説明、気象庁の資料を使った。何に使ったかは、それぞれの項目の最後に書いている。
- AGC「板ガラスと光と熱 4-7 板ガラスと結露」(ガラスワンダーランド)。https://glass-wonderland.jp/cms/wp-content/uploads/2020/10/2024_g04_037-.pdf (結露の条件、室外結露が起きる場面・場所・消える理由、単板ガラスとの比較、計算例について。メーカーの技術資料)
- Pilkington「Autumn and condensation: the dew point」。https://www.pilkington.com/en/gbl/news/articles/autumn-and-condensation-the-dew-point (外側結露が断熱のはたらきの印であること、春と秋の夜間について。英国のガラスメーカーの説明)
- Natural Resources Canada「Condensation」。https://natural-resources.canada.ca/energy-efficiency/product-energy-ratings/condensation (日の出ごろのガラス外側の結露について。カナダ政府の説明)
- 気象庁 福岡管区気象台「はれるんマガジン 第17号」(2020年11月)。https://www.data.jma.go.jp/fukuoka/chosa/files/harerun0080.pdf (放射冷却と霜について。公的機関の資料)
- 三芝硝材「複層ガラス」(ガラスの基礎知識)。https://www.sanshiba-g.co.jp/column/kisochisiki/pairglass.html (Low-Eの意味と金属膜について。ガラス会社の解説)
- AGC「ペアマルチレイボーグ」(Low-E複層ガラス住宅用)カタログ。https://glass-wonderland.jp/cms/wp-content/uploads/2019/05/2023_s02-042-043.pdf (Low-E膜と中空層の断熱のはたらき、膜の位置が型で違うことについて。メーカーの製品資料)
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