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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

みそは、なにから どうやって つくるの? カビを つかうって ほんとう?

みそは、何からどうやって作るのか ── ご飯や大豆にカビ(麹)を育てるところから

みそ作りは、大豆と塩を混ぜる前に、何を育てることから始まるのか

分野:歴史・文化

みそを つくる ひとが さいしょに する しごとは、みそを つくる ことでは ありません。ふかした おこめに カビを はやして、2日ほど そだてる ことも あります。

カビを そだてて、どうして おいしい みそに なるのでしょう。この メモでは、みその つくりかたと、麹こうじと 塩しおの かげんで しろい みそも あかい みそも できる わけが わかります。

みそを作る人が最初に取りかかるのは、みそそのものではありません。蒸した米にカビの仲間をつけ、麹を育てる仕事です。約2日かかる例があります。大豆と塩を混ぜるのは、そのあとです。

材料は大豆・麹・塩の3つだけなのに、なぜ数日で食べられる白いみそと、何年も寝かせる赤いみそに分かれるのでしょうか。この記事では、麹づくりから仕込み、熟成、名前の由来までが分かります。

みそ50kg分の仕込みには、大豆15kgと米麹15kg、塩6.5kgを使う例がある。大豆と麹が同じ重さという配合だが、この麹は買ってくる粉ではなく、蒸した米にカビの一種を生やして、人が手をかけて育てたものだ(神奈川県の資料では約2日)。大豆と塩を混ぜる前に、何をしているのか。

この記事では、麹づくりの手順、麹の種類によるみその分類、麹と塩の配合による白から赤への分かれ方、「みそ」という名の由来が分かる。

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1. ざいりょうは 3つだけなのに、どうして たいへんなの?

1. 材料は3つだけ。それなのに、仕込みの前に何が必要なのか

1. 材料は大豆・麹・塩の3つだけ:それでも仕込みが「手間のかかる仕事」になる理由

みその ざいりょうは、大豆だいずと、麹こうじと、塩しお。たった 3つです。つくりかたも、むして つぶした 大豆だいずに、麹こうじと 塩しおを まぜるだけ、と いわれます。

かながわけんの しりょうに、みそ 50キロぶんの れいが のって います。大豆だいずが 15キロ、こめの 麹こうじが 15キロ、塩しおが 6.5キロです。

おどろくのは 大豆だいずです。みずに つけて むすと、15キロが 33キロに なります。水を すって、2ばいより 大きく ふくらむのです。これは この しりょうの れいで、どの みそも おなじ ではありません。

では、まぜる もとに なる 麹こうじは、どこから くるのでしょう。じつは、みそを つくる ひとが じぶんで そだてます。

みその仕込みは、蒸すか煮た大豆をつぶし、麹と塩を混ぜるという、書けば短い作業です。大豆と麹と塩が揃えば、あとは容器に詰めて待つだけに見えます[1]。

神奈川県の資料に、米みそ50kg分の材料の一例があります。大豆15kg、米麹15kg、塩6.5kgです。ここで目を引くのは大豆の変化で、15kgの大豆は水に浸して蒸し煮にすると33kgになります。計算すると2.2倍で、水を吸って大きくふくらんでいます。米15kgからは、約16kgの米麹ができるとも書かれています[2]。ただし、これは一つの配合の例で、すべてのみそに共通する比率ではありません。

大豆と麹がほぼ同じ重さという配合を見ると、麹は少し混ぜる薬味ではなく、みその半分近くを占める主役級の材料だと分かります。その麹は、材料を買ってきて混ぜるものではなく、作る人が前もって育てます。どのように育てるのでしょうか。

みその仕込みの基本は、蒸すか煮た大豆をつぶし、麹と塩を混ぜることである。作業だけを書くと短く、材料も3つしかない。ところが、実際にはこの3つのうち麹が、仕込みの前に別の工程を必要とする[1]。

神奈川県の資料は、米みそ50kg分の材料の例として、大豆15kg、米麹15kg、塩6.5kgを挙げる。大豆は水に浸して蒸煮すると33kgになる。15kgが33kgになるのだから、約2.2倍に増える計算で、吸水によるものだろう。一方、米15kgを原料にして、できる米麹は約16kgとされ、米のほうは約1.07倍にしかならない[2]。この配合は一例であり、みそ全般の比率ではない。

つまりこの例では、蒸した後の大豆の約33kgに対して、麹は約16kgで、重さにして3分の1強を占める。麹は少量の添加物ではなく、みその骨格を作る材料の一つである。その麹は、蒸した米にカビの一種を生やして人が作る。では、そのカビはどのように育てられるのか。

2. おこめに カビを はやす、2日かんの しごと

2. 蒸した米にカビを生やす、約2日間の手入れ

2. 蒸した米にカビを生やす約2日間:温度と時間をどう管理するのか

麹こうじづくりは、むした おこめを さます ところから はじまります。さめたら、麹菌こうじきんを まぜて、あたたかい へやに おきます。

20じかんほど たつと、おこめが かたまって きます。そこで、ひとの 手で ほぐして、うえと したを いれかえます。それから またすこし おいて、ぜんぶで 42〜44じかん。およそ 2日で 麹こうじが できる、という れいです。これは かながわけんの しりょうに ある、きかいを つかう ばあいで、ほかの やりかたでは もっと かかる ことも あります。

たとえば、パンに はえる カビを おもいだして みましょう。麹菌こうじきんも、カビの なかまです。ただし 麹菌こうじきんは、みそや おさけに つかう とくべつな カビで、パンに はえる カビとは ちがいます。たべものに はえた カビは、たべないでください。

麹菌こうじきんは、にほん ならではの カビと いわれ、2006ねんに 「国菌こっきん」と きめられました。麹こうじが できあがった おこめは、ほそい いとの ような ものが、つぶの なかまで のびて います。

でも、麹こうじは こめだけの ものでは ありません。

米麹づくりの一例が、神奈川県の資料にあります。蒸した米を35〜40℃ほどに冷まし、種こうじを混ぜて発酵機に入れます。約20時間たつと米が塊になるので、ほぐして上下を入れ替えます(切り返し)。その後も手入れを続け、42〜44時間でこうじができあがります[3]。これは発酵機を使う手順の一例で、蔵の麹室では進め方が違います。

このカビは麹菌(学名はアスペルギルス・オリゼー)で、日本固有の菌とされ、2006年に日本醸造学会が「国菌」と認定しました。日本酒、みそ、しょうゆ、酢づくりに使われます。できあがった米麹は、菌糸が米粒の外に伸びるだけでなく、粒の中にまで入りこんでいるそうです[5]。

パンやもちに生えるカビを思い浮かべると近いのですが、麹菌はみそや酒づくり用に使われてきた菌で、台所で偶然生えたカビとは別のものです。食べ物に生えたカビは、まねして食べないでください。

ところで、麹には米を使うものだけではないのでしょうか。

米麹づくりの手順の一例として、神奈川県の資料は次のように説明している。蒸した米を35〜40℃に冷まして種こうじを混ぜ、発酵機に入れる。約20時間後に、固まった米をほぐして上下を混ぜ(切り返し)、さらに手入れを続けると、取り込みから42〜44時間でこうじができる[3]。発酵機を使う県の手順であり、蔵の麹室とは異なる。

時間は、使う菌でも変わる。福島県の研究報告では、精白米を水に浸して約50分蒸したあと、麹室でみそ用の黄麹(アスペルギルス・オリゼー)は48時間、焼酎用の白麹(アスペルギルス・カワチ)は72時間で出麹とした[4]。42〜44時間と48時間の差は、機械か麹室か、といった条件の違いと見るのが自然で、「約2日」は条件つきの目安にとどまる。

この菌は、日本固有とされ、2006年に日本醸造学会が国菌と認定した。日本酒、みそ、しょうゆ、酢づくりに使われ、完成した米麹では、菌糸が米粒の表面だけでなく内部まで入りこんでいる[5]。ただし、食べ物に生えるカビ全般が同じように利用できるわけではない。麹菌は、みそや酒づくり用に用いられてきた菌で、家庭で偶然生えたカビを食べてよいことにはならない。

ここまでは米で作る麹だった。では、麹を作る材料は、米でなければいけないのか。

3. こめの かわりに、まめに カビを つけた みそも ある

3. 米でも麦でもなく、大豆そのものに麹をつける豆みそ

3. 麹を作る材料を米・麦・大豆で使い分ける:みその3つの分け方と、豆みその原形

みそは、麹こうじの ちがいで 3つに わけられます。こめの 麹こうじを つかう「こめみそ」、むぎの 麹こうじの「むぎみそ」、まめの 麹こうじの「まめみそ」です。

ここで ひとつ、まちがえやすい ことが あります。「こめみそは、こめが おもな ざいりょう」と おもいがちですが、どの みそも、おもな ざいりょうは 大豆だいずです。ちがうのは 麹こうじだけです。

こめみそは ぜんこくの みそのうち 8わりほどを しめると いわれます。まめみそは おもに とうかいちほう、むぎみそは きゅうしゅうなどで つくられます。

まめみその 麹こうじは、こめも むぎも つかいません。大豆だいずを むして かためた「みそだま」を つくり、それに カビを つけて 麹こうじに します。このやりかたは、むかし たいりくから つたわった つくりかたに ちかいと かんがえられています。

おなじ みそでも、つくり方が ずいぶん ちがいます。では、できあがる いろや あじは、どう かわるのでしょう。

みそは、使う麹によって米みそ・麦みそ・豆みその3つに大きく分けられます。ここで勘違いされやすいのが、「米みそは米が主原料」という思いこみです。どれも主原料は大豆で、米や麦を大豆の代わりに使うわけではありません。違うのは麹だけです[1]。

米みそは全国の生産量の約8割とされる、いちばん多い種類です。豆みそは主に東海地方、麦みそは九州と四国・中国地方の一部で作られます。8割という数字は目安です[1]。

豆みその麹は、米も麦も使いません。大豆を蒸して固めた「みそ玉」を作り、これにコウジカビをつけて麹にします。できた麹をつぶし、塩水を加えて仕込みます。この製法は、大陸から伝わったものの原形に近いと考えられています[6]。

同じ大豆を使いながら、麹の育て方まで違うと、できあがる味はずいぶん違いそうです。では、色や味の差は、何で決まるのでしょうか。

みそは、使う麹の種類によって米みそ・麦みそ・豆みそに大別される。ここで注意したいのは、「米みそ=米が主原料」ではないことである。どれも主原料は大豆で、米や麦を大豆の代わりに使うのではなく、麹を作る材料が違うだけだ[1]。

米みそは全国生産量の約8割(目安)を占め、豆みそは主に東海地方、麦みそは九州と四国・中国地方の一部で作られる[1]。地域ごとに主役の麹が違うのは、その土地で手に入りやすい穀物や気候に合わせて作られてきたためだろうが、この点は資料で直接確かめられる範囲を超えるので、推測にとどめる。

豆みそでは、米も麦も使わない。蒸した大豆を固めた「みそ玉」にコウジカビをつけて麹にし、これをつぶして塩水を加えて仕込む。この製法は、大陸から渡ってきた製法の原形に近いと考えられている[6]。米や麦を蒸す工程が要らない代わりに、大豆だけで麹を作る、独特の手間がかかるやり方といえる。

では、麹の種類が決まったとして、そのあとの色や味は何によって分かれるのか。

4. おなじ ざいりょうで、すうじつの みそと すうねんの みそが できるのは?

4. 同じ大豆でも、数日の白みそと数年の赤みそに分かれる理由

4. 麹の量と塩の量が、熟成期間と色を左右する:白みそ・赤みそ・仙台みそ

みその しこみは、ふつう はるの おわりから なつの はじめに おこない、ひとなつ すごして 1ねんで できあがり、と される ことが おおいです。でも、みんな 1ねんでは ありません。

しろい みそは、麹こうじが おおくて 塩しおが すくない つくりです。すうじつから すうじゅうにちで できて、もとの 大豆だいずに ちかい、まろやかな あじです。

あかい みそは、塩しおを おおめに して、ながく ねかせます。すうねん かけて、あじが ふくざつに なり、いろも こく なります。

つまり、つくる ひとが 麹こうじと 塩しおの りょうを きめる ところから、いろと あじの ちがいは はじまって います。ただし、しろい みそが あまくち、あかい みそが からくち、というのは、れいがいも ある めやすです。

みその いろは、麹こうじや 塩しおだけでなく、おんどなどでも かわります。

米みそと麦みそは、容器にもろみをきっちり詰めて、ゆっくり発酵させます。仕込みは晩春から初夏に行い、一夏を過ごした約1年でできあがりとするのが普通ですが、麹の量や塩の量で、できあがる時期には長短ができます[6]。

ここに、作り手の選び方が出ます。麹の割合が多くて塩分が低い白みそは、数日から数十日で熟成させるので、元の大豆に近く、そのまま口にできるほどまろやかです。反対に塩分を高めにすると、長く熟成できます。数年かけて複雑な味になり、色も濃くなります。例外はありますが、白みそは甘口、赤みそは辛口というのが目安です[1]。

色を決めるのは熟成の長さだけではありません。神奈川県の資料は、成分、加工の工程、熟成期間、温度などで色がさまざまに変わると説明し、京都の白甘みそ、信州みそなどの淡色みそ、仙台みそや江戸みそなどの赤みそを例に挙げています[2]。

仙台みそは米みその赤みそで、大豆の比率が他より高く、濃い山吹色でつやがあるのが特徴とされます[8]。同じ大豆・麹・塩でも、割合と寝かせ方で、色も味もここまで広がります。

米みそと麦みその仕込みは、容器にもろみをきっちり詰めて、ゆっくり発酵させる。普通は晩春から初夏に仕込み、一夏を越して約1年でできあがりとする。ただし、麹の量や塩の量によって、できあがるまでの時期には長短が出る[6]。ここが、作り手が配合で選べる部分である。

麹の割合が多く塩分が低い白みそは、数日から数十日で熟成させるため、元の大豆に近く、そのまま口にできるほどまろやかな味になる。それに対して、塩分を高めにすると長期熟成が可能になり、数年かけて複雑な味に変わり、色も濃くなる。白みそは甘口、赤みそは辛口が目安だが、例外はある[1]。短い熟成と塩の少なさは、セットの配合といえる。

色の差は熟成だけでは説明できない。神奈川県の資料は、成分、加工工程、熟成期間、温度などによって色が変わるとして、京都の白甘みそ、信州みそなどの淡色みそ、仙台みそや江戸みそなどの赤みそを例に挙げる[2]。工程の中には、大豆の蒸し煮も含まれる。福島県の試験では、褐変しやすい特定の大豆品種を0.5%のクエン酸水に浸して加圧煮にすると、加圧蒸しより色調が明るく、味も良いみそになった[4]。一つの品種での結果であり、すべての大豆に当てはまるとは限らない。

赤みその例として、仙台みそは米みその赤みそで、大豆の比率が他より高く、濃い山吹色で光沢があるのが特徴とされる。2007年に地域団体商標として登録された[8]。同じ3つの材料が、配合・工程・熟成の組み合わせによって、これだけ違う色と味になる。

5. 「みそ」と いう なまえは、どこから きたの?

5. 「みそ」という名前と、「手前みそ」という自慢の言葉

5. 「未醤」から「みそ」へ:名前の由来の諸説と、家ごとの味

「みそ」の なまえの もとには、いろいろな せつが あります。ひとつは、「まだ 醤ひしおに なって いない」と いう いみの ことばが、「みそ」に かわった、と いう はなしです。

この ことばが ほんに でて くるのは、701ねんの 「大宝律令たいほうりつりょう」という きまりの ほんが さいしょと いわれます。1300ねんいじょう まえです。

むかしは、いえごとに じぶんで みそを つくる ことが おおく、「うちの みそが いちばん おいしい」と じまん しあいました。ここから、じぶんの ことを じまんする ことを 「手前てまえみそ」と いうように なった、と いわれます。

みそは、まいにち のむ みそしるの もとです。つくる ひとの 手の ひとつひとつが、いえの あじに なって きました。

「みそ」という名前には諸説あります。中国の「醤(ひしお)」が朝鮮半島を経て伝わったとする説が有力で、文献に初めて出てくるのは701年に定められた『大宝律令』だとされます。「まだ醤になっていない」という意味の「未醤(みしょう)」が、「みしょ」「みそ」と変わったという説明です[1]。

日本大百科全書によると、『大宝律令』には醤・豉(くき)とともに未醤という調味料がみえ、大膳職の醤院で、主醤という役人がその製造を担当しました。高句麗の方言で醤を「密祖(みそ)」といったことに由来するともいい、語源は一つに決まっていません[6]。

もう一つ、みその名がついた言葉に「手前みそ」があります。家ごとに自分で作ったみそを「うちのがいちばんうまい」と自慢し合ったことに由来するそうです[1]。みそを自分の家で仕込むのが身近だったことが、そのまま言葉に残っているといえそうです。

鎌倉時代には、僧の覚心が1249年に中国の径山寺で製法を学んで持ち帰り、和歌山の湯浅一帯に伝えたと、農林水産省の郷土料理のページが紹介しています。径山寺(金山寺)みそは、米・麦・大豆の麹に、塩漬けの野菜を混ぜるみそで、1か月で食べられ、1年熟成させるとさらによいとされます[7]。これは、金山寺みその伝来の伝承で、みそ全体の起源の話ではありません。

「みそ」という語の由来には諸説ある。中国の醤(ひしお)が朝鮮半島を経て伝わったとする説が有力で、文献への初出は701年制定の大宝律令だとされる。「まだ醤になっていない」という意の未醤(みしょう)が、「みしょ」「みそ」と転じた、という説明である[1]。日本大百科全書は、大宝律令に醤・豉(くき)とともに未醤がみえ、大膳職の醤院で主醤が製造をつかさどったと記す。一方で、高句麗の方言で醤を密祖(みそ)といったことに由来する、とする説も併記しており、語源は一つに定まっていない[6]。

では、作り方の工夫は名前より後に始まったのか。鎌倉時代の1249年、僧の覚心(法燈国師)が中国の径山寺で学んだ製法を持ち帰り、和歌山の湯浅一帯に伝えたと、農林水産省の郷土料理のページは紹介する。径山寺(金山寺)みそは、米・麦・大豆の麹に塩漬けの野菜を混ぜ、1か月で食べられ、1年熟成するとさらによいとされる[7]。ただしこれは金山寺みその伝来の伝承であり、みその起源そのものを示す記述ではない。

家庭で作る習慣は、言葉にも残った。「手前みそ」は、手前(自分)の造ったみそがいちばんうまいと自慢し合ったことが由来とされる[1]。自家製のみそなら、麹の量も塩の量も寝かせる年数も家ごとに違うので、味が違って当然であり、自慢の言葉が生まれる素地はあった、と読める。この解釈は資料に直接書かれたものではなく、本記事の読みである。

6. スーパーで、みその ふくろを ひっくりかえして みよう

6. みその袋を裏返して、麹と色を読みとる

6. パッケージの原材料名と色から、麹の種類を読む:資料の読み方

きょう できる こと

おうちに ある みその ふくろや パックの うらを みて みましょう。「げんざいりょうめい」の ところに、「こめ」「むぎ」「大豆だいず」などの ことばが ならんで います。

「こめこうじ」や「むぎこうじ」と かいて あれば、こめみそや むぎみその てがかりです。りょうほう つかった みそも あります。みその なまえも みて、かいてある ものを ノートに うつして みましょう。

お店で、いろが ちがう みそが ならんで いたら、ふくろの ことばも くらべて みてください。ふくろから わかる ことと、わからない ことを、さがして みましょう。

しらべる とき

かながわけんの ホームページに、麹こうじづくりの ようすが のって います。おうちの ひとと いっしょに よんで みましょう。

今日できること

家にあるみその袋かパックを裏返して、原材料名を読みます。「米」「麦」「大豆」が並んでいます。「米麹」とあれば米みそ、「麦麹」とあれば麦みその手がかりです。両方を使った商品もあるので、商品名も見ます。見つけた材料を、ノートに写しておきます。

店で色の違うみそを見かけたら、原材料名も見比べてみてください。袋から分かることと分からないことを探してみてください。塩分や熟成期間が書いてあれば、それも写しておくと、本文の話と照らし合わせられます。

資料を読むなら

神奈川県の「農産物の上手な利用法」に、米みその材料と、米こうじの作り方が載っています。この記事で出した数字は、このページのものです。

今日できること

家にあるみそのパッケージの原材料名を読み、「大豆」のほかに何があるかを見る。米麹とあれば米みそ、麦麹とあれば麦みその手がかりになる(複数の麹を使う商品もあるので、商品名も見る)。複数のみそを比べるなら、色・原材料名・熟成期間を並べて記録し、表示から分かることと分からないことを整理できる。ただし、色は熟成期間・温度・大豆の煮方にも左右されるので、麹の割合だけで決まるとは限らない。

資料の読み方

この記事の中心の数字(米みそ50kg分の材料、米こうじの42〜44時間)は、神奈川県の資料に、発酵機を使う一例として載っている。蔵の麹室では手順が違うため、「約2日」を決まった値と読まないことが大切だ。福島県の研究報告(出麹までの時間が黄麹48時間・白麹72時間)と比べると、条件によって時間が動くことが分かる。

なお、名前の由来は諸説あり、金山寺みその伝来は伝承の紹介にとどまる。資料の書き方に沿って、断定と推測の区別を読み取ってほしい。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

本文の数字・手順は、次の公的機関・百科事典・解説記事から使った範囲に限る。みその配合や熟成期間は、地域や蔵、家庭で異なる。

  1. nippon.com「知ればもっとおいしくなる にっぽん食べ物図鑑(味噌)」 https://www.nippon.com/ja/japan-topics/c15321/ (仕込みの基本、3つの分類、白みそ・赤みそ、名前の由来、手前みそ)
  2. 神奈川県「農産物の上手な利用法(米味噌・材料)」 https://www.pref.kanagawa.jp/docs/cf7/cnt/f450009/p593319.html (材料の配合例、大豆の増え方、色の違い)
  3. 神奈川県「農産物の上手な利用法(米こうじ・作り方)」 https://www.pref.kanagawa.jp/docs/cf7/cnt/f450009/p580939.html (米こうじ作りの手順の一例)
  4. 福島県ハイテクプラザ会津若松技術支援センター「県産味噌の色調向上に関する加工方法及び微生物技術の開発」 https://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/744136.pdf (黄麹と白麹の時間、大豆の煮方と色)
  5. nippon.com「麹造り(而今・木屋正酒造)」 https://www.nippon.com/ja/guide-to-japan/gu002012/ (麹菌と国菌、米麹の菌糸)
  6. 小学館『日本大百科全書(ニッポニカ)』「みそ」(コトバンク) https://kotobank.jp/word/%E3%81%BF%E3%81%9D (豆みそ、仕込みの時期、大宝律令の記述)
  7. 農林水産省「うちの郷土料理(金山寺味噌 和歌山県)」 https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/kinzanji_miso_wakayama.html (金山寺みその伝来の伝承)
  8. 農林水産省「農山漁村の郷土料理・伝統食(仙台味噌)」 https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/traditional-foods/menu/sendaimiso.html (仙台みその色と特徴)

なおした ところ

更新履歴

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