1. きずが つくか どうかで、かたさを くらべる
1. 硬さは「ひっかいて傷がつくか」で比べる
1. 決め方 ── 傷をつけたほうが硬い
2つの 石を、こすりあわせます。きずが ついた ほうが、やわらかい 石です。きずを つけた ほうが、かたい 石です。
たとえば、じゃんけんで かった ほうが 上、と きめる ような ものです。ただし、じゃんけんと ちがって、どちらが かつかは、いつも おなじです。
この きめ方を つかって、石の かたさを 1から 10までの 番号に した ものが、「モースこうど」です[3]。
2. むかしから、石の かたさは くらべられて いた
2. 昔から比べられていた硬さを、数字にした人
2. 前史とモースの整理 ── 1773〜1839年
石の かたさを くらべる ことは、とても むかしから ありました。二千三百年ぐらい 前にも、くらべて いたと いわれます[1]。
ドイツの 石の 学者、フリードリヒ・モースは、その くらべ方を 番号に まとめました。1812年の ことと いわれます[2]。
「やわらかい 石から じゅんに ならべて、番号を つける」。この 思いつきが、いまでも つかわれて います。
3. ものさしに なる 10この 石
3. 物差しになる10種類の石
3. 基準の10鉱物
ものさしに なる 石は、10しゅるい あります。いちばん やわらかい 石が 1番、いちばん かたい 石が 10番です。
1番は、滑石。ひとつ 上の 2番は、石膏。そして 10番が、ダイヤモンドです[1]。
あいだの 石も 順番に ならびます。3番は 方解石、4番は 蛍石、5番は アパタイト、6番は 正長石、7番は 石英、8番は トパーズ、9番は コランダムです[1]。
基準になる10種類の石は、やわらかいほうから順に、次のとおりです[1]。
1 滑石、2 石膏、3 方解石、4 蛍石、5 燐灰石(アパタイト)、6 正長石、7 石英、8 黄玉(トパーズ)、9 コランダム、10 ダイヤモンド。
やわらかい滑石が1番で、いちばん硬いダイヤモンドが10番。この両端のあいだに、8つの石が並んでいます。
基準の10鉱物は、硬さの低いほうから、1滑石(かっせき)、2石膏(せっこう)、3方解石(ほうかいせき)、4蛍石(ほたるいし)、5燐灰石(りんかいせき、アパタイト)、6正長石(せいちょうせき)、7石英、8黄玉(おうぎょく、トパーズ)、9コランダム、10ダイヤモンドである[1]。
実際に岩石や鉱物の硬さを調べるときは、この10種類のどれに傷がつくか、どれで傷がつくかを確かめて、間の値を見当づける。
4. みぢかな ものは、何番ぐらい?
4. 爪やガラスは何番くらい?
4. 身近なものの硬さの目安
みぢかな ものにも、モースこうどの 番号が あります。つめは 2.5ぐらいです[1]。
コインは 3から 3.5ぐらい、ガラスや ナイフは 5から 6ぐらい、はがねの くぎは 6.5ぐらいと いわれます[1][4]。
だから、つめでは、5番の アパタイトには きずが つきません。
ただし、この 番号は、しりょうに よって すこしずつ ちがいます。「だいたいの 目安」と おぼえて ください。
5. 番号の あいだは、おなじ 大きさじゃない
5. 数字の間隔は、等しくない
5. 順位尺度としてのモース硬度 ── 間隔の不均等
1、2、3と いう 番号は、かいだんの 1だん ずつ みたいに、おなじ 高さで ならんで いると おもうかも しれません。
でも、ほんとうは ちがいます。9番の コランダムは、8番の トパーズの やく 2ばい かたく、10番の ダイヤモンドは、9番の コランダムの やく 4ばい かたい と いわれます[5]。
トパーズを 1と すると、コランダムは やく 2、ダイヤモンドは やく 8です。9番と 10番の あいだは、とても ひらいて います。かいだんで いえば、さいごの 1だんだけ、とても 高いのです。
1から10まで並んでいると、1段ごとに同じだけ硬くなるように見えます。けれど、実際には間隔が等しくありません。
絶対的な硬さで比べると、コランダム(9)はトパーズ(8)の約2倍、ダイヤモンド(10)はコランダムの約4倍とされています[5]。トパーズを1とすると、コランダムは約2、ダイヤモンドは2×4で約8になります。
階段にたとえるなら、8段目から9段目まではふつうの段差なのに、最後の10段目だけ、ぐんと高い階段です。「モース硬度が1違う」ことの意味は、段によって違います。
モース硬度は順位を表す尺度(順序尺度)であり、段階間の差は等しくない。絶対硬度の比で見ると、コランダム(9)はトパーズ(8)の約2倍、ダイヤモンド(10)はコランダムの約4倍とされる[5]。トパーズを1とすれば、コランダム約2、ダイヤモンド約2×4=8になる。この例では、トパーズからコランダム、ダイヤモンドへと、段ごとの間隔が大きくなる。
この4倍は絶対硬度での比であり、モース硬度の数字そのものの比ではない。「モース硬度10は5の2倍」のような読み方は成り立たない。
6. かたいのと、われにくいのは べつの こと
6. 「硬い」と「割れにくい」は別のこと
6. 測っているのは引っかき硬度 ── もろさとの区別と拡張尺度
モースこうどが はかって いるのは、「きずの つきにくさ」だけです。「われにくさ」では ありません[6]。
ダイヤモンドは、ひっかいても きずが つきにくい 石です。でも、「かたい」ことと「われにくい」ことは、べつの 話です。
また、ダイヤモンドより かたい ものが あるかも しれないと、けんきゅうされて いる ものも あります[2]。ただし、とても めずらしい ものです。
7. つめで、きずが つくか ためして みよう
7. 爪で、傷がつくものとつかないものを分けてみる
7. 出口 ── 爪で確かめる/原典を読む
つめを つかって、家の 中の ものを ためして みましょう。
つめで そっと こすって、「きずが つくもの」と「つかないもの」に わけます。たとえば、けしゴムや ろうそくの ろうなどです。
つめが かたいと いえるのは、「つめより やわらかい ものに きずが つく」ときだけです。つかなかった ものは、つめより かたいか、おなじぐらいの ものです。
ためす ときは、つめだけを つかいます。ナイフや とがった ものは つかいません。きれいな ものや だいじな ものは、こすらない ように しましょう。
しらべた もとの じょうほう
参考にした情報源
参考にした情報源と、その使い方
出典について:米国国立公園局、geology.com、ウィキペディア(英語版・日本語版)、倉敷市立自然史博物館の解説ページを使った。数値は資料により幅がある。トパーズを1としたときの換算値は、筆者が計算した。
- National Park Service "Mohs Hardness Scale"。 https://www.nps.gov/articles/mohs-hardness-scale.htm (10種類の基準、身近なものの目安、野外での使い方、古い比較について)
- geology.com "Mohs Hardness Scale"。 https://geology.com/minerals/mohs-hardness-scale.shtml (モースが1812年に作った経緯、ダイヤモンドより硬い可能性のある物質について)
- Wikipedia "Friedrich Mohs"。 https://en.wikipedia.org/wiki/Friedrich_Mohs (ひっかいて決める原則、モースの生没年、古代の学者の比較について)
- 倉敷市立自然史博物館「鉱物の硬度」。 https://www2.city.kurashiki.okayama.jp/musnat/geology/mineral-rock-sirabekata/mineral44/mineral-koudo/mineral-koudo.html (身近なものの硬さの目安について)
- Wikipedia "Mohs scale of mineral hardness"。 https://en.wikipedia.org/wiki/Mohs_scale_of_mineral_hardness (数字の間隔が等しくないことについて)
- 日本語版ウィキペディア「モース硬度」。 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A2%E3%83%BC%E3%82%B9%E7%A1%AC%E5%BA%A6 (引っかき硬度であって割れにくさではないことについて)
- Wikipedia "Scratch hardness"。 https://en.wikipedia.org/wiki/Scratch_hardness (高い側を細かく分けた拡張尺度について)
なおした ところ
更新履歴
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