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からしの こなは、みずを まぜると どうして からく なるの?

乾いたからしの粉に水を混ぜると、なぜツンと辛くなるのか:種から練りからし、チューブまで

からしの辛味は、粉に水を加えたときになぜ生まれるのか:シニグリンと酵素、熱湯とチューブの条件

分野:自然

おでんに つける からしは、ツンと はなに ぬけます。ところが、かわいた からしの こなや たねには、からさが ほとんど ないと いわれます。からさは、いつ できるのでしょう。

この メモでは、たねから ねりからし、チューブまでを 見て、からさが できる ひみつと、日本の からしが どこから 来るかが わかります。

おでんに添える練りからしは、鼻にツンと抜ける辛さが特徴です。ところが、乾いた状態の種や粉には、辛味がほとんどないといわれます。ツンと感じる辛さの成分は、粉に水を加えると作られるようです。しかも熱湯でこねると、辛くなりにくいといいます。では、いつ、何が辛さを作るのでしょうか。

この記事では、種が粉になり、練りからしやチューブ入りになるまでの道すじから、辛味が生まれる条件と、日本のからしの原料の産地が分かります。

おでんに添える練りからしの辛味は、乾いた種や粉の状態ではほとんど感じられないとされる。ツンとくる辛味成分は、材料にそのままあるのではなく、水を加えた時点から作られる。いつ、何が辛味を作り、熱湯でこねるとなぜ失敗するのか。

この記事では、種子から粉、練りからし、チューブ入りに至る過程から、辛味が生じる条件と、日本で使われるからしの原料の産地が分かる。

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1. かわいた こなに みずを いれると、なにが おこるの?

1. 辛さのもとは、水を加えたときに動き出す

1. 辛味成分は、水を加えた粉の中でどのように作られるのか

からしは、からしなと いう 野さいの たねから 作ります。からしなは、あぶらなの なかまです。たねを こなに した ものが、こなからしです。[1]

この たねには、しにぐりんと いう からさの もとに なる ものが 入って います。でも、そのままでは からく ありません。こなに して、ぬるい みずを くわえて こねると、こうそと いう はたらきものが 動き出します。こうそが しにぐりんを こわすと、つんと する においと からさが 生まれます。[2]

からさは、たね そのものに あるのでは ありません。すりつぶして みずで といた ときに、できると いわれます。[3]

ざいりょうと こうそが、べつべつの ふくろに 入って いて、水で ふくろが とけると まざる。そんな すがたを、思いうかべて みて ください。ただし、これは わかりやすくする ための たとえで、ほんとうの すがたでは ありません。

からしは、アブラナ科のからし菜の種子から作る香辛料です。粉からしは、その種子を粉末にしたものです[1]。

種子の中には、シニグリンという成分が入っています。粉にして温かい水を加えてこねると、ミロシナーゼという酵素が働いてシニグリンを分解し、特有の香りと辛味が生まれます[2]。辛味をになう成分の一つは、アリルイソチオシアネートという物質だとされます。

つまり、ツンとくる辛味は種子の中にそのまま入っているのではありません。すりつぶして水で溶いたときの酵素反応で、はじめて生じるといわれます[3]。乾いた状態では、辛みはほとんどないとされます。

これは、材料と酵素が別々に入った袋を、水で混ぜ合わせるようなものです。ただし、これはわかりやすくするためのたとえで、実際の細胞の中の様子を描いたものではありません。

では、水の温度は何でもよいのでしょうか。

からしは、アブラナ科のカラシナの種子を原料とする香辛料で、粉からしはその種子を粉末にしたものである[1]。種子は配糖体のシニグリンを含み、粉末に温水を加えてこねると、酵素ミロシナーゼの作用でシニグリンが分解して、特有の香りと辛味が生じる。辛味成分の一つは、アリルイソチオシアネート(イソチオシアン酸アリル)とされる[2]。

このため、ツンとくる辛味は種子の中にそのまま入っているのではない。すりつぶして水で溶いた際の酵素反応で生じ、乾燥した状態では辛みはほとんどない[3]。材料(シニグリン)と、それを変える酵素(ミロシナーゼ)が別々に入っていて、水を加えると反応が始まる、と整理できる。

ただし、ここで引いた資料は反応の細かい条件(温度や時間ごとの辛味の量)までは述べていない。辛味が最大になる条件を断定することは避ける。

では、水の温度はどこまで自由なのか。

2. あつい おゆで こねると、どうして だめなの?

2. 熱湯でこねると、辛くならないのはなぜか

2. 熱湯でこねると辛味が出なくなるのは、酵素の何が変わるからか

こなからしは、みずか ぬるま湯で こねます。あつい おゆを かけると、からく ならなく なる ことが あると いわれます。[4]

わけは、こうそが ねつに よわいからです。あつい おゆで はたらきが なくなって しまうと、からさが できません。[4]

こねた あとは、ふたを して 5分ほど おくと、ふうみが 引き出されると いいます。[4]

粉からしは、水かぬるま湯でこねるのが基本です。酵素は熱に非常に弱いため、熱湯を使うと働きが失われて辛味が出なくなる、と説明されています[4]。

こねたあと、ふたをして5分ほど置くと、風味が引き出されるともいいます[4]。辛味ができあがるまでに、少し時間がかかるのかもしれません。

辛さの材料はそろっているのに、お湯が熱すぎると辛くならない。ここが、からしのいちばん意外なところです。材料ではなく、それを変える酵素のほうが先にだめになるからです。

では、粉は、種からどうやって作られているのでしょうか。

粉からしは水か温水で練るのが基本で、酵素は熱に非常に弱いため、熱湯を使うと働きが失われて辛味が出なくなるとされる[4]。練ったあとにふたをして約5分置くと風味が引き出される、とする説明もある。

前章の整理に当てはめると、シニグリンは熱湯でそのまま壊れるわけではなく、先に酵素が働けなくなるため、辛味成分が作られなくなる、という筋道になる。だから、辛味を出したいときは、熱湯ではなく水かぬるま湯が適している。

では、そもそも粉はどのように作られるのか。

3. たねは、どうやって こなに なるの?

3. 種子が粉になるまでに、油はどうなるのか

3. 搾油するかしないかで、からし粉の呼び名はどう分かれるのか

こなからしは、からしなの たねから 作ります。たねの あぶらを しぼって、こなに する ことが 多いと いわれます。[5]

あぶらを とる ことを、だつしと いいます。たねから あぶらを ぬいた ものを こなに すると、サラサラした こなからしに なります。

あぶらを しぼらずに こなに した ものは、ひきがらしと いいます。[5]

こうじょうで どんな きかいを つかい、なん分 かけて こなに するのかは、しりょうに 書いて ありません。だから、大づかみに しか 書けません。

粉からしの主な原料は、種子の油を搾って取りのぞき(脱脂)、粉にした(製粉)ものです。一方、搾油せずにつくる粉は「挽からし」と呼ばれます[5]。つまり、同じからし菜の種でも、油を取るかどうかで呼び名が分かれます。

工場での搾油や製粉、乾燥の細かい手順や条件は、使った資料には書かれていません。ここでは大づかみな流れだけを紹介します。

さて、粉を水でこねるだけでよかったからしですが、チューブ入りは少しちがいます。何が足されているのでしょうか。

粉からしの主な原料は、種子を脱脂(搾油)して製粉した粉末である。搾油せずに作る粉は「挽からし」と呼ばれ、油を取るかどうかで呼称が分かれる[5]。

工場での搾油、製粉、乾燥の詳しい工程や条件は、使った資料に記述がなく、ここでは大づかみに留める。呼び名の区別が資料で確認できるのは、日本からし協同組合の製品知識の説明である。

粉の段階までは、辛味を作る酵素の材料と酵素が同居している。そのうえで、保存性や使いやすさを求めてチューブ入りにすると、何が変わるのか。

4. チューブの からしは、なにが ちがうの?

4. チューブ入りのからしは、辛味を逃がさないために何を足しているのか

4. チューブ入りに油脂と食塩が加えられるのは、辛味のどんな弱点を補うためか

チューブの からしには、食べられる あぶらと しおが 入って います。ながく とっておく ためです。[5]

それだけでは ありません。何回か つかっても、からさが とんで しまわない ように ひつようが あった、と、からしを 作る 人たちの あつまりは せつめい して います。[5]

あぶらや しおを 入れる くふうが ある、というところを おぼえて おきましょう。

チューブ入りなどの製品には、保存性を高めるために、食用油脂や食塩が加えられています。何度か使っても辛味が飛んでしまわないようにする必要があった、と業界団体は説明しています[5]。

粉を使うときは、食べる分だけ水でこねれば、辛味はそのつど作られます。けれどチューブは、1回で使い切るとは限りません。何日にもわたって、開け閉めを繰り返すものです。辛味の飛びやすさと保存性は、チューブにとって課題だったと読み取れます。

ところで、からしによく似た名前に「マスタード」がありますが、同じものなのでしょうか。

チューブ製品などには、保存性の確保のために食用油脂や食塩が加えられる。複数回の使用でも辛味が飛散しないようにする必要があった、と日本からし協同組合は説明している[5]。

粉を水で練る場面では、辛味は使う直前に作られる。ところがチューブは、開け閉めを繰り返しながら長く使う前提の製品なので、辛味の飛散と保存性が課題になる。油脂と食塩の添加は、この二つに対する対応と読み取れる。

油脂が辛味をどう保つのか、その機構は一般には説明されていない。

ここでは、チューブの工夫が「辛味を飛ばさないため」と説明されている点を、団体の言葉として紹介するにとどめる。

では、日本の練りからしと、洋食に使うマスタードは何がちがうのか。

5. からしと マスタードは、おなじ ものなの?

5. からしとマスタードは、原料と味がどう違うのか

5. 和がらしと洋風マスタードは、原料と味の方向でどう分かれるのか

日本の からしは、からしなの こなを 水や ぬるま湯で ねった ものです。ツンと はなに ぬける、つよい からさが あります。[6]

ようしょくの マスタードは、おもに しろからしと いう 草の たねを 使います。そこに すなどを くわえて います。からさは おだやかで、すっぱさが あります。[6]

おなじ「からし」と よばれても、ざいりょうも、あじの むきも ちがうのです。

日本で「からし」と呼ぶものの原料は、カラシナ(オリエンタルマスタード)です。その粉末を水やぬるま湯で練ったものが、練りからしです[6]。

洋風のマスタードは、おもにシロガラシ(イエローマスタード)という別の種類を使い、酢などを加えて作ります。味は、鼻に抜ける強い辛みの和がらしに対して、穏やかで酸味があるとされます[6]。

見た目は似ていても、種類も作り方も味の方向も違います。ただし、資料によっては呼び名に少しゆれがあり、和がらしにセイヨウカラシナを使うかどうかなど、細かい点は一つにまとめられません。

では、日本で食べているからしの種は、どこで育てられているのでしょうか。

和がらしの原料はカラシナ(オリエンタルマスタード)で、その粉末を水やぬるま湯で練ったものが練りからしである。洋風マスタードは、おもにシロガラシ(イエローマスタード)を使い、酢などを加える。味は、和がらしが鼻に抜ける強い辛みなのに対し、マスタードは穏やかで酸味がある[6]。

ここでは、原料の種類と味の違いを紹介するにとどめる。資料によっては和がらしの原料の呼称にもゆれがあり、セイヨウカラシナなどが使われるかどうかは一つにまとまらない。

辛味が酵素の反応で生まれるなら、種そのものはどこで作られるのか。

6. 日本の からしの たねは、どこで そだつの?

6. 日本で使うからしの種は、どこで育っているのか

6. 日本で消費されるからしの種子は、どこで作られているのか

日本で たべられている からしの たねの 多くは、カナダの ものだと いわれます。日本で そだった ものは、0.5%ほどです。[7]

これは、たべられている ぜんぶの うち、日本で そだった ものの わり合いです。

からしなは、中国で そだち、日本には むかし、中国から わたって 来たと いわれます。いつかは、はっきり しません。[2]

日本で消費されているからしは、その多くをカナダ産に頼っています。国産が消費量に占める割合は、0.5%ほどとされます[7]。

0.5%は消費量全体に占める割合で、ごくわずかです。

からし菜自体は、中央アジアから中国にかけての地域が原産とされ、日本には奈良時代末から平安時代初めにかけて、中国から渡ってきたと考えられています。ただし、伝わった年までは決まっていません[2]。

長い歴史を持つ作物なのに、いまは多くを海外の畑に頼っているのは、少し意外な話です。

日本で消費されるからしは、その多くをカナダ産に頼っており、国産が消費量に占める割合は0.5%ほどとごくわずかとされる[7]。これは消費量全体に占める割合で、1つの業界紙の特集に書かれた数字であり、年によって変わる可能性がある。

一方、カラシナは中央アジアから中国にかけての地域が原産とされ、日本には奈良時代末から平安時代初めに中国から渡来したとされる。伝来時期は「とされる」であり、年号は特定できない[2]。

長い歴史を持つ作物でありながら、現在の消費の大半を輸入に頼っている。その背景にある事情は、使った資料に述べられていない。

粉に水を加えるだけで辛味が生まれ、熱湯では失われ、チューブでは飛散を抑える工夫が必要になる。この条件の重なりが、からしの扱いの難しさを物語る。

7. おうちの こなからしで、ためして みよう

7. 家の粉からしで、水の温度とにおいを比べる

7. 粉からしを使って、練り方の条件を自分で比べる

きょう できる こと

おうちの 人と いっしょに、こなからしを 少しだけ つかいます。まず、水で こねた ものと、ぬるま湯で こねた ものを ならべて、においを くらべます。つんと する においの つよさに ちがいが あるでしょうか。

こねた あと、ふたを して 5分 おいた ものと、すぐ かいだ ものも くらべて みましょう。

あつい おゆは やけどの もとです。ぜったいに 使いません。目に はいると いたいので、さわった 手で 目を こすらないで ください。

しらべる とき

「にほんからしきょうどうくみあい」の ホームページに、からしの 作りかたや しゅるいの せつめいが のって います。

今日できること

家の人と一緒に、粉からしを少しだけ使って確かめます。水でこねたものとぬるま湯でこねたものを並べ、においの強さに違いがあるか比べます。さらに、こねてすぐのものと、ふたをして5分置いたものも比べてみましょう。

熱湯は火傷の危険があるので使いません。粉や練ったものが目に入ると痛いので、触った手で目をこすらないようにしてください。1回の結果は、水の量や粉の量でも変わりうる一例にすぎません。

資料を読むなら

日本からし協同組合の「からしの製品知識とQ&A」[5]に、粉からしの種類やチューブ製品の説明があります。エスビー食品のお客様相談センターの「粉からし」[1]は、日本語で原料を確かめるのに向いています。

今日できること

粉からしを少量使い、水とぬるま湯で練ったものを並べてにおいを比べ、さらに、練った直後と、ふたをして約5分置いたあとを比べる。差があれば、酵素の働きと温度、時間の関係の手がかりになる。熱湯は火傷の危険があるので使わない。また粉や練りからしが目に入らないよう気をつける。1回の比較は一例であり、水や粉の量でも変わるため、一般化はできない。

資料を読むなら

日本からし協同組合の製品知識[5]は、脱脂と製粉、挽からし、チューブ製品の油脂・食塩について一次的な説明を含む。辛味の化学的な部分は[2][3]、和がらしとマスタードの比較は[6]、産地の割合は[7]で読める。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

本文で使った資料です。

  1. エスビー食品 お客様相談センター「粉からし」. https://www.sbfoods.co.jp/customer/detail/00348.html (原料)
  2. コトバンク「カラシナ」(日本大百科全書・世界大百科事典ほか). https://kotobank.jp/word/%E3%82%AB%E3%83%A9%E3%82%B7%E3%83%8A-763369 (辛味の生じ方・原産と伝来)
  3. 大崎市 学校給食だより. https://www.city.osaki.miyagi.jp/material/files/group/45/koramu_r701.pdf (乾燥した種子の辛味)
  4. カロリーSlism「練りからしの作り方」. https://calorie.slism.jp/117057/ (熱湯と練り方)
  5. 日本からし協同組合 からしの製品知識とQ&A. https://karashikumiai.com/products/ (脱脂・製粉、チューブ製品)
  6. All About「からしとマスタードの違い」. https://news.allabout.co.jp/articles/o/46091/ (和がらしとマスタード)
  7. 日本食糧新聞 からし・マスタード特集. https://news.nissyoku.co.jp/archives/news-keyword/mustard-special (国産の割合)

なおした ところ

更新履歴

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