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オリンピックの あたらしい きょうぎは、だれが きめたの?

オリンピックの新しい競技は、どう決まる? ── 東京2020からパリ2024へ

開催都市は五輪の追加種目をどう提案する? ── アジェンダ2020、東京2020の5競技、パリ2024のブレイキン

分野:歴史・文化

オリンピックには、むかしは なかった きょうぎが あります。かべを のぼる クライミング、なみに のる サーフィン、おんがくに あわせて おどる ブレイキンです。

この きょうぎは、いつ、だれが はいる ことを きめたのでしょう。はじめて ぶたいに たった せんしゅたちの おはなしと いっしょに、その こたえが わかります。

近年のオリンピックには、壁を登るスポーツクライミング、海の波に乗るサーフィン、音楽に合わせて踊るブレイキンのように、昔はなかった競技が入っています。

こうした競技は、誰がどうやって決めたのでしょうか。東京2020とパリ2024を中心に、決め方の変化と、初めての舞台に立った選手たちの話から分かります。

2010年代後半以降の夏季五輪には、スポーツクライミング、サーフィン、スケートボード、空手、ブレイキンなどの新しい競技が加わった。その背景には、2014年のオリンピック・アジェンダ2020による、追加種目の決め方の変更がある[1]。

この記事では、東京2020とパリ2024で何が追加されたか、決め方がどう変わったか、そして各競技の最初の舞台で起きたことが分かる。

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1. きょうぎは、だれが きめるの?

1. 種目を決める人が変わった ── アジェンダ2020

1. アジェンダ2020と開催都市提案

オリンピックで どんな きょうぎを やるかは、むかしは ほとんど、オリンピックの きまりを きめる IOCが きめて いました。

2014ねんに、あたらしい きまりが できました。オリンピックを ひらく まちの ひとたちが、「この たいかいだけ、この きょうぎも やりたい」と、IOCに おねがいできるように なったのです[1]。これを はじめて つかったのが、東京の たいかいでした。

ただし、それは その たいかいだけの こと。ずっと つづくと きまった わけでは ありません。

以前は、どの競技をオリンピックに入れるかは、国際オリンピック委員会(IOC)が主に決めていました。

2014年12月に採択された「オリンピック・アジェンダ2020」で、これが変わりました。開催都市の組織委員会が、その大会に限って追加種目をIOCに提案できるようになったのです[1]。

この仕組みを最初に使ったのが東京2020です。組織委員会は、2015年9月28日に、5競技18種目を提案すると決めました[1]。地元で人気のある競技を選べる仕組みでした。ただし、追加はその大会限りで、次の大会に続くとは限りません。

2014年12月のIOC総会で採択されたオリンピック・アジェンダ2020により、開催都市の組織委員会が、その大会に限り追加種目をIOCへ提案することが初めて認められた[1]。恒久的な採用とは区別される。

この仕組みの最初の利用者が東京2020で、組織委員会は2015年9月28日、5競技18種目を提案すると決定した[1]。開催都市が自国で盛んな種目を提案できる点が、従来の枠組みとの違いである。

2. どの きょうぎが、はじめてだったの?

2. 2016年、5競技が承認された

2. 第129回IOC総会の承認(2016年8月)

2016ねんの 8がつ、IOCは 5つの きょうぎを 東京の たいかいに くわえると きめました。やきゅうと ソフトボール、からて、スケートボード、クライミング、サーフィンです[2]。

この うち、からて、スケートボード、クライミング、サーフィンは、オリンピックで はじめて。やきゅうと ソフトボールは、むかしも あって、また もどって きました[3]。

ぜんぶで 18しゅもく、せんしゅは およそ 474にんが ふえました。

2016年8月、リオデジャネイロで開かれた第129回IOC総会は、野球・ソフトボール、空手、スケートボード、スポーツクライミング、サーフィンの5競技を、東京2020に加えることを承認しました[2]。この5競技で、18種目、約474人の選手枠が加わりました。

このうち空手、スケートボード、スポーツクライミング、サーフィンはオリンピック初登場です。野球・ソフトボールは過去の大会にあり、復活した競技です[3]。3x3バスケットボール、BMXフリースタイル、男女混合の種目も、この大会で加わりました[3]。これらは、もとからある競技の中の新しい種目で、上の5競技とは別の追加です。

2016年8月、リオデジャネイロの第129回IOC総会は、野球・ソフトボール、空手、スケートボード、スポーツクライミング、サーフィンの5競技(この5競技で18種目、約474人)を東京2020に加えることを承認した[2]。IOC自身が、近代五輪史上で最も包括的なプログラムの変更と位置づけている。

初採用は空手・スケートボード・スポーツクライミング・サーフィン。野球・ソフトボールは2008年北京まで実施されており、復活にあたる。3x3バスケットボール、BMXフリースタイル、男女混合種目も東京2020で加わった[3]。

3. クライミングは、なぜ 3つを 1つに したの?

3. 金メダル1個に3種目 ── スポーツクライミングの工夫

3. スポーツクライミングの複合方式と日本の選手

クライミングには、とくいな わざが ちがう 3つの しゅもくが あります。たかい かべを はやく のぼる。ひくい かべの むずかしい もんだいを とく。ながい かべを どこまで のぼれるか。

ところが、東京の たいかいでは、きんメダルが おとこの ひとと おんなの ひと、1つずつしか もらえませんでした[5]。それに、せかいの クライミングを まとめる ところは、スピードを はずしたく ありませんでした。そこで、3つを あわせて、1つの しあいに したのです[4]。

3つの しゅもくの じゅんいを あわせて、せいせきが よい ひとが かちます。とくいな わざが ちがうので、クライミングの せかいからは、ひはんの こえも ありました[5]。

スポーツクライミングには、ボルダー(低い壁で難しい課題を解く)、リード(長い壁をどこまで登れるか)、スピード(15mの壁を2人で並んで登る)という、性格の違う3種目があります[4]。

東京2020では、クライミングに金メダルが男女各1個しか割り当てられませんでした。国際連盟はスピードを外したくもなかったため、3種目を組み合わせた「複合」を1つの種目にしました[5]。3種目の順位を掛け合わせ、数字が小さい選手が上に立つ方式です。専門が違うため、競技界から批判も出ました[5]。

日本の選手

女子では野口啓代選手が銅メダルを獲得しました。男子では野中生萌選手が銅、楢崎智亜選手が4位でした[5]。3種目すべてに挑んだ選手たちの姿は、この方式だから見られたものです。

パリ2024では、スピードと、ボルダー&リードの複合に分かれました[5]。

スポーツクライミングは東京2020で五輪初採用となった。ボルダー、リード、スピードの3種目を組み合わせた「複合」を男女各1種目として実施した。スピードは、高さ15m、95度前傾した壁に同一の2ルートを設け、2人が並んで登って速さを競う[4]。

金メダルの割り当てが男女各1個であり、国際連盟もスピードを外したくなかったため、3種目を1つに統合した。3種目の順位の積が小さい選手が上位になる方式で、専門種目が異なることから、競技界から批判も出た[5]。

女子複合では野口啓代が銅、男子では野中生萌が銅、楢崎智亜が4位。競技会場は東京・青海アーバンスポーツパークだった[5]。パリ2024では、スピードと、ボルダー&リードの複合の2種目に分かれた[5]。

4. いちばん わかい メダリストは、いくつ?

4. 13歳と12歳 ── スケートボードの若い表彰台

4. スケートボードの低年齢メダリスト

スケートボードの おんなの ひとの しあいで、13さいの にしや もみじさんが、きんメダルを とりました[8]。

13さいと 330にちで、にほんの せんしゅの きんメダリストでは、いちばん わかいです。でも、むかしの オリンピックには、もっと わかい ひとが いました。1936ねんの 大会で、13さい 268にちで かった せんしゅです。あと 62にち、たりませんでした[8]。

パークと いう しゅもくでは、12さいの ひらき ここなさんが ぎんメダルを とりました[9]。

スケートボード女子ストリートでは、西矢椛選手が13歳330日で金メダルを獲得しました。日本選手の金メダリストとして最年少です[8]。

ただ、近代オリンピックの最年少記録は、1936年ベルリン大会のマージョリー・ゲストリング選手の13歳268日で、西矢選手は62日及びませんでした[8]。

女子パークでは、開心那選手が12歳で銀メダルを獲得しました[9]。新しく入った競技で、10代前半の選手が世界の舞台に立った大会でもありました。

スケートボード女子ストリートで西矢椛が13歳330日で金メダルを獲得した。日本選手の金メダリストとして最年少だが、IOCによると近代五輪史上最年少記録(1936年ベルリン大会、マージョリー・ゲストリング、13歳268日)には62日及ばなかった[8]。(330日−268日=62日)

女子パークでは、開心那(ひらき ここな、英語表記Cocona Hiraki)が、大会時12歳9か月で銀メダルを獲得している[9]。読みは英語版の表記から確かめたもので、日本語の一次資料での照合は済んでいない。

5. サーフィンは、なみを まって きめた?

5. 台風の波を待つ ── サーフィンの決勝

5. サーフィン ── 釣ヶ崎海岸と決勝の前倒し

サーフィンは、ちばの つりがさきかいがんで ひらかれました。なみが ないと、しあいが できません。

たいふうが やって きて、おおきな なみが 来る ことが わかりました。そこで、けっしょうを 1にち はやめて、7がつ 27にちに しました[6]。

おとこの ひとでは、いがらし カノアさんが ぎんメダルを とりました[7]。

サーフィンは、千葉県の釣ヶ崎海岸で開かれました。波が主役の競技なので、天気しだいで試合の日が変わることもあります。

台風による波を生かすため、決勝は7月28日から27日に前倒しされました[6]。17か国の選手が出場しました[6]。

男子では五十嵐カノア選手が銀メダル、女子では都筑有夢路選手が銅メダルを獲得しました[7][6]。

サーフィンは千葉・釣ヶ崎海岸で実施され、台風の波を生かすため、決勝が7月28日から27日に前倒しされた[6]。出場したのは17か国の選手。

男子ショートボードで五十嵐カノアが銀メダル(JOC選手ページ、1997年10月1日生まれ)[7]、女子では都筑有夢路が銅メダルを獲得した[6]。

サーフィンは従来、内陸の会場や溺水リスクの懸念から採用しにくかったとされるが、東京は海に面していた[6]。これは採用の障害として挙げられる理由の1つである。

6. ブレイキンは、どうして オリンピックに はいれたの?

6. ブレイキン ── ユース五輪からパリへ

6. ブレイキンの採用経緯とパリ2024

ブレイキンは、おんがくに あわせて おどり、ふたりで たいけつします。2018ねんに ひらかれた わかい ひとの オリンピックで つかわれて、こうひょうでした[10]。

パリの たいかいに あう きょうぎとして ていあんされ、2020ねん12がつに、はいる ことが きまりました[10]。

おんなの ひとで はじめての きんメダルは、ゆあさ あみさんでした[11]。

ブレイキンは、2018年のブエノスアイレス・ユース五輪で採用され、好評を得ました。その後、パリ2024の大会構想に合う競技として組織委員会が正式採用を提案し、IOCが2020年12月7日に承認しました[10]。

試合は1対1のバトル形式で、技術・語彙・実行・音楽性・独創性の5つの基準で審査されました[10]。33人、16か国が出場しました。

女子の初代金メダルは湯浅亜実選手(ダンサー名AMI)です[11]。

パリ2024では、ブレイキン、BMXフリースタイル、スケートボード、3x3バスケットボールが、コンコルド広場の都市公園にまとめて開かれました[12]。

ブレイキンは2018年ブエノスアイレス・ユース五輪で採用されて好評を得た。その後、パリ2024の大会構想に合う競技として組織委員会が正式採用を提案し、IOCが2020年12月7日に承認した[10]。開催都市提案の流れに位置づけられる。

パリ2024では1対1のバトル形式で、技術・語彙・実行・音楽性・独創性の5基準で審査された。33人(b-boy 16・b-girl 17)・16か国が出場。男子の金はフィリップ・キム(カナダ)[10]。審査基準は2024年の実施要項で、将来変わりうる。

女子は湯浅亜実(AMI、埼玉県川口市出身)が初代金メダルを獲得し、「まだ夢のよう。ふわふわしているが、ちょっとずつ本当に取れたんだなと実感している」と語った[11]。

パリ2024は、ブレイキン、BMXフリースタイル、スケートボード、3x3バスケットボールを、パリ中心部のコンコルド広場の都市公園にまとめて開いた。IOCはこれをアジェンダ2020の「若者と関わる」方針の実現と説明している[12]。

ブレイキンは、2028年ロサンゼルス大会の競技には含まれていない。湯浅は「発祥の国でやってほしかった」と話した[11]。将来の追加は決まっていない。

自分でも しらべて みたく なったら

自分でも調べてみたくなったら

自分でも調べてみたくなったら

今日できること

おうちの ひとと、JOCの ウェブサイトで、すきな きょうぎを 1つ えらびます。その きょうぎの ルールを 1つ、みつけて みましょう。

出かけてできること

ちかくの こうえんや スポーツかんで、スケートボードや クライミングを している ひとを、とおくから みて みましょう。

こうしきの じょうほう

オリンピックの きょうぎは、これからも かわって いきます。つぎの たいかいで なにが はいるかは、まだ わかりません。

今日できること

JOCのウェブサイトの競技紹介で、気になる競技を1つ選んで、基本のルールと、オリンピックに入った年を調べてみます。同じ年に入った競技を並べると、共通点が見つかるかもしれません。

出かけてできること

近くのスポーツ施設やスケートパークで、競技をしている人の動きを、離れた場所から観察してみましょう。

公式情報

次の大会でどの競技が入るかは、その大会の開催都市の提案とIOCの承認で決まります。ブレイキンのように、ある大会だけで終わる競技もあります。

今日できること

JOCの競技紹介ページで、気になる競技を1つ選び、採用された大会と、そのときの決め方(開催都市提案か、既存の枠か)を調べる。

出かけてできること

近くのスポーツ施設やスケートパークで、競技の動きを離れた場所から観察する。

公式情報

採用経緯はIOC公式サイトのニュースで確認できる。次の大会の追加競技は、IOC公式サイトのニュースで最新の発表を確かめられる。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

大会の公式な発表はJOC・IOCのページ、経緯や結果の整理はWikipediaなどの二次資料、と使い分けている。

  1. 訪日ラボ「東京2020組織委発表の解説」 https://honichi.com/news/2019/07/09/tokyoolympicnew/ (アジェンダ2020と追加種目の提案)
  2. IOC「IOC approves five new sports for Olympic Games Tokyo 2020」 https://www.olympics.com/ioc/news/ioc-approves-five-new-sports-for-olympic-games-tokyo-2020 (2016年の承認)
  3. Wikipedia「2020 Summer Olympics」 https://en.wikipedia.org/wiki/2020_Summer_Olympics (初登場と復活の区別)
  4. JOC スポーツクライミング https://www.joc.or.jp/sports/sport_climbing/index.html (競技の形式)
  5. Wikipedia「Sport climbing at the 2020 Summer Olympics」 https://en.wikipedia.org/wiki/Sport_climbing_at_the_2020_Summer_Olympics (複合方式の理由・結果)
  6. Wikipedia「Surfing at the 2020 Summer Olympics」 https://en.wikipedia.org/wiki/Surfing_at_the_2020_Summer_Olympics (決勝の前倒し・参加者数)
  7. JOC 五輪選手ページ 五十嵐カノア https://www.joc.or.jp/athletes/igarashikanoa/index.html (銀メダル・生年月日)
  8. JOC ニュース(西矢椛の最年少記録) https://www.joc.or.jp/news/013678.html (年齢と記録との差)
  9. Wikipedia「Cocona Hiraki」 https://en.wikipedia.org/wiki/Cocona_Hiraki (年齢・銀メダル)
  10. Wikipedia「Breaking at the 2024 Summer Olympics」 https://en.wikipedia.org/wiki/Breaking_at_the_2024_Summer_Olympics (採用経緯・形式・出場数)
  11. JOC ニュース 2024-08-10 https://www.joc.or.jp/news/20240810035488.html (湯浅亜実の言葉、LA大会)
  12. IOC「Paris 2024 youthful Games」 https://www.olympics.com/ioc/paris-2024-youthful-games (都市公園での開催)

なおした ところ

更新履歴

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