1. 119ばんの あと、どの 救急車が 走るの?
1. 119番のあと、指令室はどの救急車を走らせるのか
1. 出動の判断 ── 指令室が「早く着ける隊」を選ぶ
119ばんに 電話すると、つながる 先は 町の 指令室です。ここで、出られる 救急隊の 中から、いちばん 近い 救急隊か、いちばん 早く 着ける 救急隊を えらんで、出発を つたえます[2]。
救急車には GPSと いう、場所が 分かる しくみが のって います。今 どこに いるか、指令室で 分かります[2]。
出発した 車の 中でも、しごとは 始まって います。電話を かけた 人に れんらくして、たおれた 人の ようすを 聞きます。そばに いる 人に、手当の しかたを 口で 教える ことも あります[2]。
119番にかけると、つながる先は地域の指令室です。指令室は、出られる救急隊のうち、現場に近い隊や、早く着ける隊を選んで出動を命じます[2]。救急車にはGPSが積まれていて、各車の位置がリアルタイムでつかまれています[2]。
走りながら聞き取る
隊員の仕事は、現場に着く前から始まっています。出動の途中、車内から通報した人に連絡して傷病者の様子を聞き、必要なら応急手当のやり方を口で伝えます[2]。
東京消防庁の案内では、通報の際には救急であること、住所、症状、年齢、名前と連絡先などを聞かれるとされています[3]。
搬送の数も見ておきます。2023年の搬送人員は664万1,420人で、国民の延べ約19人に1人にあたります[7]。延べ人数なので、同じ人が複数回運ばれた場合も含みます。
119番通報は、地域の指令室につながる。指令室は、出場できる隊のうち、現場に最も近いか、最も早く到着できる隊を選んで出場を指令し、救急車に積まれたGPSで各車の位置をリアルタイムに把握している[2]。現場までの距離だけでなく、早く到着できるかも見て隊を選ぶ。
出場後も、隊員は待っているだけではない。出動途中の車内から通報者に連絡して傷病者の状態を聞き、必要なら応急手当を口頭で指導する[2]。東京消防庁の案内では、通報時には救急であること、住所、症状、年齢、名前と連絡先などが聞かれる[3]。
これだけ出動が多いと、救急車を利用する人の割合はどうなるのか。2023年の搬送人員は664万1,420人で、国民の延べ約19人に1人にあたる。延べ人数であり、同じ人が複数回搬送された場合を含む。高齢者の割合は61.6%である[7]。
では、出動した車には誰が乗り、どう役割を分けているのか。
2. 車に のる 3人の 中に、国の 資格を もつ 人が いる
2. 救急車の3人には、どんな役割があるのか
2. 3人編成と国家資格 ── 東京消防庁の例で数える
東京消防庁では、救急車に のるのは 3人です。救急隊長と、手当を する 人と、車を 運転する 人です[4]。
救急隊長と、手当を する 人の うち、少なくとも 1人は、国の 資格を もつ 救急救命士です[4]。
東京消防庁では、救急隊員が 2,800人 います。その うち 救急救命士は 2,182人で、10人に 8人 ちかく です[4]。
これは 東京の 数で、日本じゅうの 数では ありません。
東京消防庁の救急車には、救急隊長・救急員・救急機関員(運転担当)の3人が乗ります[4]。隊長と救急員のうち、少なくとも1人は国家資格の救急救命士です[4]。
東京の例で数えると
2024年4月1日現在、東京消防庁の救急隊員は2,800名で、そのうち救急救命士は2,182名です[4]。2,182を2,800で割ると約0.78で、10人のうち8人近くになります。ただし東京消防庁の数字で、全国の数字ではありません。
運転を受け持つ人がいるから、残りの2人は傷病者の様子を見たり、手当をしたりすることに集中できる、とも読み取れます。これは資料の言葉ではなく、役割の分け方からの推測です。
東京消防庁の救急車の乗員は、救急隊長・救急員・救急機関員(運行担当)の3名で構成され、隊長と救急員のうち最低1名は国家資格の救急救命士である[4]。運行担当が車を動かす分、残る2名が傷病者への対応に当たれる、という分担が考えられる(役割からの推測であり、資料の説明文ではない)。
2024年(令和6年)4月1日現在、救急隊員2,800名のうち救急救命士は2,182名で、2,182÷2,800≒0.78、約78%にあたる[4]。これは東京消防庁の数字であり、全国の救急隊員に占める割合を示すものではない。
では、その救急救命士には、病院へ運ぶまでの間にどこまでの処置が認められているのか。制度が始まったのは1991年である。
3. 現場で、病院に つく 前に 何を するの?
3. 現場に着いてから病院に引き継ぐまで、何をしているのか
3. 現場から引き継ぎまで ── 約10分と約45.6分のあいだ
現場に 着くと、救急隊員は まず 様子を よく 観察して、その 場で できる 手当を します[2]。
つぎに、その 人の 具合に 合う 病院を えらんで、「うけいれて もらえますか」と 聞きます。返事を もらって から 運びます[2]。
2023年の 全国の へいきんでは、119ばんの 電話から おいしゃさんに わたす までが およそ 45.6分でした。そのうち、救急車が 現場に 着くまでが およそ 10分です[1]。
ひき算すると、着いてから わたす までは およそ 36分です。へいきん どうしの ひき算なので、1回 1回の 時間は ちがいます。
現場に着くと、隊員は傷病者を観察して、必要な救急処置を行います。そのうえで、症状に合う医療機関を選び、受け入れてもらえるかを確かめ、返事をもらってから搬送します。選ぶ病院は、原則として現場に近い医療機関です[2]。
10分と45.6分のあいだ
2023年の全国平均で、通報から現場到着までは約10.0分、医師に引き継ぐまでの病院収容所要時間は約45.6分でした[1]。ここでいう収容は、病院に着いた時刻ではなく、医師へ引き継ぐまでの時間です。
45.6から10.0を引くと約35.6分です。到着から引き継ぎまでに、およそ36分あることになります。2つの平均の差で、1件ごとの時間ではありませんが、この間に観察、処置、病院選び、受け入れの確認、搬送が入っています。
現場での手順は、観察と救急処置、搬送先の選定、受け入れの確認、搬送の順である。傷病者の症状に合う医療機関を選び、受け入れの可否の回答を得てから搬送し、選ぶ先は原則として現場に近い医療機関とされる[2]。「いちばん近い病院に運ぶ」だけでは足りず、症状と受け入れ体制を確かめる手順が組み込まれている。
時間の面では、2023年の全国平均で、通報から現場到着までが約10.0分、通報から医師に引き継ぐまでの病院収容所要時間が約45.6分だった[1]。収容は病院に着いた時刻ではなく、医師への引き継ぎまでの時間である。差の約35.6分は、到着から引き継ぎまでの平均的な長さで、観察・処置・病院選び・搬送などを含む。ただし平均どうしの差であり、同じ件の内訳ではない。
2019年(令和元年)と比べると、現場到着は約1.3分、病院収容は約6.1分延びている[1]。延びた理由は、ここで使った資料からは分からない。
この間の処置を、誰がどこまで行えるのか。次に、その制度を見る。
4. 救急救命士が できる ことは、どう ふえたの?
4. 救急救命士にできる処置は、どう増えてきたのか
4. 創設時の3処置から ── 資格の制度と、広がった範囲
救急救命士の 資格が できたのは、1991年です。そのころ できる 手当は 3つだけでした。心臓の うごきを ととのえる きかいを つかう こと、水分や くすりを 体に 入れる みちを つくる こと、息の 通り道を 開ける ことです[5]。
その あと、できる ことは 少しずつ ふえました。2025年4月の 時点で、アドレナリンと いう くすりを 入れられる 人は 31,484人、のどから 細い くだを 入れて 息の 通り道を たもつ 手当が できる 人は 17,103人です[5]。
どれも、おいしゃさんからの 指示の もとで 行います。自分の 考えだけで 何でも できる わけでは ありません[5]。
消防の しごとを している 人の 場合、資格を とるには、救急の しごとを 5年 または 2,000時間 いじょう して、6か月 いじょう 学び、国の 試験に 合格します[5]。
救急救命士の資格は、救急救命士法が施行された1991年にできました。救急隊員が傷病者を病院などへ運ぶまでの間、医師の指示のもとで一定の救急救命処置を行う仕組みです[5]。
3つから増えた処置
創設当時の処置は3つに限られていました。心臓に電気を流して動きを整える除細動、血管に細い管を入れて水分や薬の通り道をつくること、息の通り道を確保することです[5]。
その後、できる処置は段階的に広がりました。2025年4月1日現在、薬剤のアドレナリンを投与できる救急救命士は31,484人、拡大された処置として気管挿管ができる救急救命士は17,103人です[5]。どれも医師の指示のもとで行うもので、救急救命士の判断だけで何でもできるわけではありません。
なるには
消防職員が救急救命士になるには、救急業務の講習を終え、救急業務に5年または2,000時間以上たずさわり、6か月以上の養成課程を修了し、国家試験に合格します[5]。これは消防職員の場合の道すじで、ほかの道すじもありますが、ここでは書いていません。
救急救命士法が1991年(平成3年)に施行され、救急隊員が傷病者を病院などへ搬送するまでの間、医師の指示の下で一定の救急救命処置を行う資格制度ができた[5]。創設当時の処置は、半自動式除細動器による除細動(心臓に電気を流して動きを整える)、乳酸リンゲル液を用いた静脈路確保のための輸液、食道閉鎖式エアウェイまたはラリンゲアルマスクによる気道確保の3種類に限られていた[5]。
以後、処置の範囲は段階的に広がった。2025年(令和7年)4月1日現在、薬剤(アドレナリン)の投与ができる者は31,484人、拡大された処置範囲で気管挿管ができる者は17,103人である[5]。いずれも医師の指示の下で行う処置であり、単独の判断で何でも行えるわけではない。数字は「その処置ができる者」の数で、救急救命士の総数に対する割合は、ここで使った資料からは出せない。
消防職員が救急救命士になる道すじは、救急業務の講習を修了し、救急業務に5年または2,000時間以上従事し、6か月以上の養成課程を修了し、国家試験に合格する形である[5]。5年と2,000時間は、どちらかを満たせばよい。これは消防職員の場合で、ほかの道すじもあるが、ここでは扱わない。
資格を得て現場に出た隊員の仕事は、病院に引き継いだ時点で終わるのか。
5. わたした あとも、救急隊の しごとは つづく
5. 引き継いだあと、救急隊は何をしているのか
5. 引き継ぎの後 ── 資器材の整備と24時間の勤務
おいしゃさんに 引きわたした あとは、使った 道具を 整備して、たりない ものを 足して、消毒します[2]。
じゅんびが できれば、病院や 帰る とちゅうから、また 出動できます[2]。
救急隊の 人は、24時間 つづけて はたらく 日を、グループで 交代しながら 受け持ちます。出動の れんらくが ない 時間は、訓練や 体力づくりを して います[6]。
6. 家の 住所を、声に 出して 言って みよう
6. 自分の家の住所を、声に出して言えるか
6. 出口 ── 通報で聞かれることと、資料の読み方
119ばんでは、救急で あること、住所、様子、年、名前と れんらく先などを 聞かれる と 書かれて います[3]。この 中に、住所が 入って います。
家の 人と いっしょに、自分の 家の 住所を 声に 出して 言って みましょう。すらすら 言えるでしょうか。つっかえた ところは、紙に 書いて 見える ところに はって おくと、思い出しやすく なります。
れんしゅうの ために、ほんとうの 119ばんに 電話を かけては いけません。
町で 救急車を 見かけたら、中に 3人 いて、運びながら 手当を して いる ことを 思い出して みましょう。
119番では、救急であること、住所、症状、年齢、名前と連絡先などを聞かれる、と案内されています[3]。このうち住所は、救急車に来てほしい場所を伝える内容です。
家の人と一緒に、自分の家の住所を声に出して言ってみましょう。つかえるところがあれば、紙に書いて、見える場所に貼っておくのも一案です。練習のために、実際の119番へ電話をかけてはいけません。
町で救急車を見かけたら、中に3人いて、運びながら手当を続けていることを思い出してみましょう。もっと詳しく知りたいときは、消防庁の消防白書や、東京消防庁の救急活動の説明が日本語で読めます。
しらべた もとの じょうほう
参考にした情報源
参考にした情報源と、その使い方
出典について:消防庁の消防白書と公表資料、東京消防庁の公式ページを使いました。何に使ったかは、それぞれの項目の最後に書いています。
- 消防庁「令和6年版 消防白書 救急体制」。https://www.fdma.go.jp/publication/hakusho/r6/chapter2/section5/68130.html (2023年の出動件数、現場到着と病院収容の所要時間について)
- 東京消防庁「救急活動体制(救急活動)」。https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/learning/elib/kyukyukatudojittai/katudoutaisei_katudou.html (出動の指令、現場での活動、引き継ぎ後の整備について)
- 東京消防庁「救急車の呼び方」。https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/kouhyou/kts/kts_54/kts04.html (119番通報で聞かれること。検索結果の要約にもとづく)
- 東京消防庁「救急活動体制(救急隊員)」。https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/learning/elib/kyukyukatudojittai/katudoutaisei_taiin.html (救急隊の人数と救急救命士の数について。東京の例)
- 消防庁「令和7年版 消防白書 救急救命士」。https://www.fdma.go.jp/publication/hakusho/r7/chapter2/section5/69373.html (資格制度の創設、処置の拡大、資格を得る道すじについて)
- 消防庁「消防職員 勤務形態」。https://www.fdma.go.jp/relocation/josei_shokuin/workstyle/workstyle.html (24時間体制の勤務と、出動のないときの活動について)
- 消防庁「令和6年版 消防白書 特集:救急・救助」。https://www.fdma.go.jp/publication/hakusho/r6/report4/68081.html (搬送人員について)
なおした ところ
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