このサイトは、ほんの入り口です

ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

「パレートの ほうそく」は、パレートが つくったの?

「パレートの法則」は、本当にパレートの言葉なのか ── 名づけ親ジュランの告白と、優先順位の道具

パレートの法則とアイゼンハワーの言葉 ── ジュランの「名前をまちがえた」という告白と、1954年の演説の引用

分野:歴史・文化

「パレートの ほうそく」の 名前を つけた 人は、あとで「名前を まちがえた」と 自分で 言いました。

「アイゼンハワーの 言葉」も、本人が 考えた ものでは ありませんでした。どうして そんな ことに なったのでしょう。ふたつの 道具の 生い立ちと、何から やるかを 決める ヒントが 分かります。

「成果の大半は、ほんの少数から生まれる」という「パレートの法則」。その名前をつけたジュランは、のちに「名前をまちがえた」と自分で認めています。さらに、「緊急なことは重要でなく、重要なことは緊急でない」という有名な言葉も、アイゼンハワー自身の考えではなく、ある人からの引用でした。

では、名前の持ち主が作ったのでないなら、この二つはなぜ今も使われるのでしょうか。生い立ちを知ると、何を先にやるかを選ぶときの使い方が分かります。

「パレートの法則」の名づけ親、ジョセフ・ジュランは、1970年代半ばの文章で、この名前は誤りだったと認めた[1]。アイゼンハワーの「緊急と重要」の言葉も、1954年の演説では「元大学学長」からの引用として語られており、本人の発案とは言いきれない[3][4]。

では、名前の由来がずれていても、この二つの道具は何の役に立っているのか。名前をつけた本人が、あとで誤りだと認めた。なぜその名が広まり、今は何の役に立つのか。本人の文章と演説の記録を手がかりに、使いどころと限界まで見ていく。

読み方を切り替えられます。画面の上にある「よみかた」のボタンで、小学校低学年むけ・小学校高学年むけ・中学生むけの3つの書き方に切り替わります。むずかしいと思ったら、いつでもやさしい方に戻ってください。選んだ読み方はブラウザが覚えているので、次に別の記事を開いたときも同じ読み方で始まります。

1. しゅくだいが 5つ。どれから やる?

1. 宿題が5つあるとき、時間を食うのはどれか

1. 少数が大半を占めるという考えは、どこから来たか

きょうの しゅくだいが 5つ あります。かんじの れんしゅう、けいさん、さくぶん、ノートの まとめ、じゆうけんきゅう。ぜんぶ おなじ 時間が かかる わけでは ありません。

やって みると、さくぶん ひとつで 半分くらい 使って しまう ことが あります。こんなふうに、「ほんの すこしの ことが、大はんを しめる」ことは、いろいろな ところで 見つかります。

この 考え方に つけられた 名前が「パレートの ほうそく」です。ところが、名前を つけた 人は、あとで「この 名前は まちがいだった」と 言いました。

宿題が5つあるのに、遊ぶ時間は限られている。やってみると、作文ひとつで全体の半分の時間を使ってしまった、という経験はないでしょうか。仕事でも、売り上げの大半がごく一部の商品から来ている、ということはよく語られます。

このように、ほんの少数の原因や貢献者が、結果の大半を占める現象は「パレートの法則」と呼ばれます。「80対20の法則」とも言われます。ところがこの名前を広めたジュランは、のちに「名前をつけたのは誤りだった」と書き残しました[1]。

何がまちがいだったのか。それを知るには、まず、この現象に最初に気づいた若い技術者の場面から始めるのがよさそうです。

作業の時間、売り上げ、不良の件数。ある集まりの中で、ごく一部の項目が全体の大半を占める、という偏りは、多くの分野で語られてきた。この偏りを指す言葉が「パレートの法則」で、「80対20の法則」とも呼ばれる。ただし、後で見るとおり、80対20という比は目安であって、きっかり8対2になるという意味ではない[7]。

この名前を広めたのは、品質管理の研究者ジュランだった。彼は1970年代半ばの文章で、この名前は誤りだったと認めている[1]。名前の持ち主ではない人が、どういう経緯で名前を借りる形になったのか。まず、ジュラン自身が書いた経緯から追う。

2. わかい ぎじゅつしゃが 見つけた ふしぎな かたより

2. 若い技術者は、不良の一覧に偏りを見つけた

2. 1920年代半ば ── 不良の一覧が示した偏り

ジュランは、1920年代の なかごろ、わかい ぎじゅつしゃでした。工場で できた しなものの わるいところ(ふりょう)が、たくさん 集まって いました。

ふりょうの しゅるいを、多い じゅんに ならべて みると、すこしの しゅるいが、ふりょうの 大はんを しめて いました[1]。ほかの しゅるいは、ぜんぶ あわせても すこしでした。

やすむ 人の わけや、じどう車の じこの げんいんを 調べても、にた かたよりが 見つかった と、ジュランは 書いて います[1]。

多い順に並べただけで見えたこと

ジュランは1920年代の半ば、若い技術者として工場で働いていました。製品の不良の種類がずらりと並んだ表を、多い順に並べ替えたところ、少数の種類が、不良全体の大半を占めていることに気づきます[1]。

同じ偏りは、欠勤の理由や、自動車事故の原因を調べたときにも見えたと、本人は書いています[1]。多い順に並べる、というごく簡単な作業が、「どこから先に調べればよいか」の手がかりをくれたのです。

気づいたのは、ジュランだけではなかった

ジュラン自身、この「少数が大半」という現象は、昔から多くの人が自分の分野で気づいてきたと述べています[1]。自分が最初だったのは、それを誰にでも当てはまる原理として文章にしたことだ、という考えです[1]。

ジュランは1920年代半ば、若い技術者として工場にいた。不良の種類を発生頻度の多い順に並べ替えると、比較的少数の種類が不良の大半を占めていた。欠勤の理由や自動車事故の原因でも、同じ偏りを観察したという[1]。多い順に並べ替えるだけで、先に調べる候補が見える、というのがこの発見の要点だ。

ただし、偏りそのものはジュランの発明ではない。彼自身、この現象に何世紀も前から多くの人が自分の分野で気づいてきたと書き、自分の貢献は、それを普遍的な原理として文章にした最初の人物だったと思う、という点にとどめている[1]。ここで注意したいのは、「最初だと思う」という控えめな言い方だ。本人の言い方より強く、「ジュランが発見した」と書く説明は、出典から離れてしまう。

では、この偏りに、なぜ経済学者パレートの名前がついたのか。

3. なぜ「パレート」の 名前が ついたの?

3. なぜパレートの名前がついたのか ── ジュランの告白

3. 名づけの経緯 ── 1930年代末の驚きから「名前の誤り」の告白まで

1930ねんだいの おわりごろ、ジュランは アメリカの 大きな 会社で、えらい 人たちの きゅうりょうの わけかたを 見ました。むかし パレートと いう 人が 作った けいさんの 式と くらべると、おどろく ほど よく あって いました[1]。

そこで 1951ねんの 本で、この かたよりに「パレートの げんり」と 名前を つけました。みじかい 名前が ほしかった からです[1]。

けれど 1970年代の なかごろ、ジュランは「名前を まちがえた」と 書きました。パレートの しごとは、お金や とちを だれが どれだけ もつかと いう、けいざいの 話でした。ほかの ことに つかう つもりは なかった はずだ と いうのです[1]。

パレートは、イタリアの 人です。お金や 土地が どう 分かれて いるかを しらべた 学者で、「きっかり 8わりと 2わり」と 言った わけでは ありません[7]。

給与の分布が、数式にぴったり合った

ジュランは1930年代の終わり、ゼネラル・モーターズの幹部の給与の分布を、イタリアの経済学者パレートが昔に作った数式と見比べました。想像以上によく合っていて、驚いて記憶にとどめたそうです[1]。のちの1951年、『品質管理ハンドブック』の初版で、図の説明に「パレートの原理」と書きました。短い呼び名がほしく、パレートの名前に抵抗はなかった、と本人は述べています[1]。

ここで、インターネットなどで広く見かける「1941年にジュランがパレートに出会った」という説明と、本人の文章が食いちがいます。本人は「1930年代末」と書いているので、この記事では本人の説明に合わせます[1]。

「名前を誤用した」と本人が書いた

1970年代半ば、ジュランは「パレートの名前を誤って当てはめた」と書きました。パレートの仕事は経済、つまり富の分配の分野のもので、そのモデルを他の分野に使うことは意図されていなかった、という理由です[1]。ジュランは、「重要な少数と、取るに足らない多数」という言い方も広めた人で、最初に印刷されたのは1954年11月の論文とされます。のちに「役に立つ多数」と言い換えました[1][2]。

パレート自身は、所得や富の分配が国や時代をこえて似た型になる、と論じた経済学者です。「80対20」はあくまで後から広まった目安で、パレートが「きっかり8対2」と言ったわけではありません[7]。

ジュランの回想によれば、きっかけは1930年代末、ゼネラル・モーターズの幹部の給与の分布を、パレートがかつて作った数式モデルと比べたことだった。そのモデルによく合っていたので、驚いて記憶にとどめた。そして1951年の『品質管理ハンドブック』初版で、図の説明に「パレートの原理」と記した。短い呼称が必要で、パレートの名前に抵抗はなかったからだという[1]。なお、ジュランが1941年にパレートに出会ったとする説明が広く見られるが、本人の文章は1930年代末と書いているので、本稿は本人の記述に従う[1]。

ところが1970年代半ば、ジュランは「その名前の当て方は誤りだった」と書く。パレートの仕事は経済、とくに富の分配の分野にあり、モデルを他分野に適用する意図はなかったからだ[1]。「重要な少数と些細な多数」という言い方もジュランが広めたもので、印刷物での初出は1954年11月の論文とされる。のちに「役に立つ多数」へ言い換えた[1][2]。

パレート自身は、1896〜97年の『経済学講義』で、所得や富の分配が国や時代をこえて似た型(冪乗則)になると論じた。この型の比は国や年で異なり、「80対20」は後から広まった目安にすぎない。パレート自身が「きっかり8対2」と述べたわけではない[7]。

4. 少ない ところから 手を つける ずひょう

4. 現場の道具になった「パレート図」

4. パレート図 ── 棒と累積の折れ線で「重点」を選ぶ

この かんがえ方を つかう 道具が「パレートず」です。ふりょうなどを 多い じゅんに ぼうで ならべ、足した わりあいを おれせんで かさねます[5]。

たとえば、ふりょうが 100こ あって、しゅるいごとの かずが 40、25、15、12、8 だった と します。これは 数字を こしらえた れいです。足すと、40、65、80、92、100。いちばん 多い 3つで 80わりに なります。

やる 人が すくない ときは、よく 出る 3つを 先に しらべると、どこから 手を つけるか 見えて きます[5]。なおす じゅんばんは、こまる 大きさや なおしやすさも 見て 決めます。ただし、いつも ぴったり 2わりと 8わりに なるとは かぎりません。

大きい順の棒と、足し算の折れ線

パレート図は、不良などの項目を大きい順に棒で並べ、そこへ累積の割合の折れ線を重ねたグラフです。担当者の人数が限られているとき、重点を絞り込むと効率よく問題解決に取り組める、という使い方が品質管理の解説で紹介されています[5]。

数字で試すと

たとえば、不良が全部で100個あり、種類別の数が多い順に40、25、15、12、8個だったとします(これは仕組みを見るために作った数字です)。足していくと、累積は40、65、80、92、100個。上位2種類で65%、3種類で80%です。

5種類のうち2種類(40%)で65%、3種類(60%)で80%です。きっかり「2割で8割」ではないのが分かります。実際の現場でも、きれいな80対20になるとは限りません[7]。それでも、多い順に並べると「どこから先に調べるか」の候補が見えてくる、ということは変わりません。ただ、実際に何から直すかは、損害の大きさや直しやすさも見て決めます。

パレート図は、不良などの項目を件数の多い順に棒で並べ、累積の割合の折れ線を重ねたグラフだ。担当者が限られる条件で、重点を絞り込み、効率よく問題解決に取り組むための道具として説明される[5]。ジュランが若いころに手で作った「多い順の一覧」を、見やすい形に整えたものと考えてよい。この記事は図の成立史ではなく、使い方を説明する。

仕組みを数字で見る。不良100個の内訳が、種類ごとに40、25、15、12、8個だったとする(理解のために作った例)。累積は40、65、80、92、100個で、上位2種類(全体の40%)で65%、上位3種類(60%)で80%に届く。「上位2割の項目が成果の8割」という標語が、そのまま当てはまるわけではない。標語の比は目安にすぎず、実際の比は現場や年で変わる[7]。

この道具の価値は、80対20が成り立つかどうかを確かめることより、項目を大きい順に並べて、先に調べる候補を見えるようにする点にある。実際に何から直すかは、損失の大きさ、原因、対策の効果も見て決める。ここまでは「重要な少数」を選ぶ話だった。では、重要かどうかを、どう見分けるのか。

5. アイゼンハワーの 言葉は、だれの 言葉?

5. アイゼンハワーの有名な言葉は、引用だった

5. 1954年8月19日、エバンストンの演説 ── 「元大学学長」の言葉

つぎは、アメリカの だいとうりょう だった アイゼンハワーの 話です。「いそぎの ことは たいせつじゃ なく、たいせつな ことは いそがない」という 言葉が 有名です。

この 言葉は、1954年8月19日の えんぜつで 出て きます[3]。でも アイゼンハワーは、むかし 大学の 学長を して いた 人の 言葉として しょうかい しました。

その 人の 名前は、えんぜつでは 言って いません[4]。つまり、アイゼンハワー本人の 考えと 言いきる ことは できないのです。

演説の中で語られた言葉

1954年8月19日、アメリカ大統領アイゼンハワーは、イリノイ州エバンストンで開かれた世界教会協議会の第2回総会で演説しました。その中で、「私には2種類の問題がある。緊急なものと重要なもの。緊急なものは重要でなく、重要なものは決して緊急ではない」という言葉を紹介しています[3]。

ただし、アイゼンハワーはこれを「元大学学長」から聞いた言葉として話しています[3]。名言の出どころを調べるサイト「Quote Investigator」によれば、その人物の名前は演説では示されておらず、本人の考えと言いきることはできません[4]。

広まるうちに言い回しが変わった

のちに広く出回った「重要なことは、めったに緊急でない」という形は、演説の原文とは違います。原文は「決して緊急でない」と、もっと強い言い方でした[3][4]。言葉が広まるうちに少しずつ変わるのは、よくあることです。

アイゼンハワーは1954年8月19日、イリノイ州エバンストンでの世界教会協議会第2回総会で演説し、「元大学学長」の言葉として、次のように紹介した。「私には2種類の問題がある。緊急なものと重要なものだ。緊急なものは重要ではなく、重要なものは決して緊急ではない」(原文は “not important”, “never urgent”)[3]。

この「元大学学長」が誰かは、演説の中で示されていない。ノースウエスタン大学の学長の言葉とする日本語記事もあるが、Quote Investigator は引用元をそう断定しておらず、本稿も断定しない[4]。のちに広く流布した「めったに緊急でない」(seldom)の形は、演説の原文とは異なる。原文の “never” のほうが、実はずっと強い断定だった[3][4]。

強い断定ほど、現実とは細かくずれる。たとえば、重要で、しかも今日が締め切り、という仕事は現実にある。それでも言葉が長く残ったのは、重要なことは放っておくと後回しになりがちだ、という実感を一言で言い当てたからだろう。ただし、これは筆者の推測で、資料が述べている因果ではない。

6. 4つの はこで 分けて みる

6. 「アイゼンハワー・マトリクス」は、本人が作ったものか

6. 4つの区分 ── 名前の由来は言葉であって、発明ではない

この 言葉から、4つの はこの 図が 作られました。「たいせつ」か どうかと、「いそぎ」か どうかで 分けます[6]。

たいせつで いそぎなら「すぐ やる」。たいせつで いそぎでは ないなら「よていを 立てる」。たいせつでは ないが いそぎなら「ほかの 人に たのむ」。どちらでも ないなら「やめる」です。

この 図に アイゼンハワーの 名前が ついて いるのは、言葉が 有名だからです。本人が 作って 使って いたかは、はっきり しません[4][6]。

4つに分けると

日本語の解説では、「重要で緊急」は「すぐやる」、「重要だが緊急でない」は「予定を立てる」、「重要でないが緊急」は「人に任せる」、「どちらでもない」は「やめる」と整理されます[6]。ふつう、緊急なものに目が向きがちです。そこで「重要だが緊急でない」ものを意識して予定に入れる、というのが、この図の使いどころとして語られます。

名前の由来は、言葉のほう

「アイゼンハワー・マトリクス」という呼び名は、彼の言葉に由来します。ただ、本人がこの4つの箱の方法を使っていたかどうかは分からない、とQuote Investigatorは述べています[4]。日本語の解説も、本人の発明だと確認できるものではありません[6]。パレートの法則と同じで、名前の持ち主が作ったとは限らない道具です。

この言葉をもとにした整理が、4象限の図だ。日本語の解説では、重要で緊急なら「すぐやる」、重要だが緊急でないなら「予定する」、重要でないが緊急なら「人に任せる」、どちらでもなければ「やめる」と説明される[6]。緊急なものには意識が向きやすいので、重要だが緊急でない領域に時間を残す、というのが使い方の核である。

ただし、「アイゼンハワー・マトリクス」という呼称は、彼の言葉に由来するだけで、本人の発明を示す資料はない。Quote Investigator は、本人がこの4象限の技法を使ったかは分からないとする[4]。

二つの道具に共通するのは、どちらも「名前の持ち主」から少しずれた場所で育った、という点だ。パレートは富の分配を論じ、アイゼンハワーは他人の言葉を引いた。それでも道具として働くかどうかは、名前ではなく、実際に手を動かして確かめられるかで決まる。

7. じぶんの 一日を 4つに わけて みよう

7. 自分の宿題を、書き出して分けてみる

7. 出口 ── 自分の一日で、二つの道具を試す

かみに、きょう やる ことを ぜんぶ 書きます。かんじの れんしゅうや 手つだい、あそびの よていも かまいません。

つぎに、かかりそうな 時間を よこに 書き、いちばん 多い ものに ◎を つけます。これが、きょうの「すこしで 大はん」です。

さいごに「たいせつ」と「いそぎ」で 4つに わけて みましょう。「たいせつだけど、いそぎでは ない」ものが 1つ 見つかれば、それを あすの よていに 入れて みます。

おうちの 人の 分は 書かなくて いいです。自分の ことだけで 大じょうぶです。

紙に、今日やることを全部書き出します。宿題、手伝い、習い事、遊びの予定でも構いません。次に、かかりそうな時間を横に書き、いちばん時間を食うものに印を付けます。それが今日の「少数で大半」の候補です。

そのうえで「重要」と「緊急」の2つの軸で4つに分けます。「重要だが緊急でない」ものが見つかったら、明日の予定のどこに入れるかを決めておきます。たとえば、苦手な教科の復習や、読みたかった本などです。

時間の見積もりが外れても構いません。1週間続けて書くと、自分の「時間を食うもの」の癖が見えてきます。

家族や友だちを分類する必要はありません。自分の予定だけで試してください。

試すなら、自分の一日を材料にする。やることを全部書き出し、各項目の所要時間の見積もりを横に添えて、大きい順に並べる。累積の割合を計算すれば、小さなパレート図になる。そのうえで、重要度と緊急度で4象限に分ける。「重要だが緊急でない」項目が1つ見つかったら、翌日の予定に具体的な時間帯をつけて入れる。見積もりは外れて構わないので、数日続けて、見積もりと実際の差を見ると、自分の癖が分かる。家族や友人を分類する必要はなく、自分の予定だけを対象にする。

原典に当たるなら、ジュランの “The Non-Pareto Principle; Mea Culpa”(Juran Institute 公開のPDF、英語)[1]と、アイゼンハワーの演説(American Presidency Project、英語)[3]がある。どちらも、広く流れている説明と細部がずれている。そのずれを自分で見つけることが、資料を読む楽しみになる。パレートが『経済学講義』のどこで何を書いたかは、次に調べる価値のある問いだ。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

出典について:ジュランの文章、ジュラン・インスティテュートの歴史ページ、アメリカ大統領文書のサイト、名言調査サイト、日本語の解説を使った。何に使ったかは、各項目の最後に書いている。

  1. Joseph M. Juran, “The Non-Pareto Principle; Mea Culpa”(Juran Institute)。https://www.juran.com/wp-content/uploads/2021/03/The-Non-Pareto-Principle-1974.pdf (不良の観察、名づけの経緯、誤りを認めた文について)
  2. Juran Institute, Dr. Juran's History。https://www.juran.com/about-us/dr-jurans-history (「重要な少数と些細な多数」の言い方について)
  3. The American Presidency Project (UCSB), Address at the Second Assembly of the World Council of Churches, Evanston, Illinois。https://www.presidency.ucsb.edu/documents/address-the-second-assembly-the-world-council-churches-evanston-illinois (1954年の演説で「元大学学長」の言葉を引いたことについて。英語)
  4. Quote Investigator, What Is Important Is Seldom Urgent。https://quoteinvestigator.com/?p=8866 (言葉の出どころと、言い回しの変化について。二次資料、英語)
  5. MONOist「IE:現場視点の品質管理(9)」。https://monoist.itmedia.co.jp/mn/articles/1112/20/news006_3.html (パレート図の使い方について。二次資料)
  6. ライフハッカー[日本版]「アイゼンハワーの生産性術」。https://www.lifehacker.jp/2014/06/140601eisenhower.html (4つの区分の日本語での説明について。二次資料)
  7. Wikipedia, Pareto principle。https://en.wikipedia.org/wiki/Pareto_principle (パレート本人の仕事と、80対20の例について。二次資料、英語)

なおした ところ

更新履歴

更新履歴(改版の記録)

  •  初版を公開。

このサイトでは、公開した記事の本文は原則として書き直しません。誤りが見つかったときや、内容が古くなったときだけ手を入れ、その理由をこの欄に残します。