1. とった ばかりの ようなしは、どんな あじ?
1. もぎたての洋なしは、かたくて酸っぱい
1. 収穫したての洋なしは、まだ食べ頃ではない ── 樹上で完熟しない性質
ようなしは、10月ごろに みが とれます。でも とった ばかりの ようなしは、かたくて すっぱくて、かおりも あまり しません[1]。
「それなら、きに つけた まま もっと まてば いいのでは?」と おもいますよね。ところが ようなしは、きの うえでは おいしく なりきらないと いわれて います[2]。
とろけるような あじと あまい かおりは、きから とった あとに うまれます[1]。ふつうの くだものと、じゅんばんが ぎゃくです。では、その まえの きの うえでは、なにが おきて いるのでしょう。はるに もどって みましょう。
秋田県の資料によると、収穫したての西洋なし(洋なし)は硬くて酸っぱく、香りもほとんどありません。とろけるような食感や甘い香りは、実を取ったあとに起きる「追熟」を経て初めて生まれます[1]。
岩手県の試験研究成果でも、洋なしは樹上で完熟しないため、収穫の時期を決めるのが難しく、収穫後に追熟の操作を行って初めて食べられる果実になるとされています[2]。多くの果物は、木の上で熟してから食べます。洋なしは、その順番が逆です。
木の上では何が進み、いつ実を取ればよいのでしょうか。まず、春の花から順に見ていきます。
秋田県の資料は、収穫直後の西洋なしを、硬く、酸っぱく、香りがないと述べる。とろけるような食感や甘い香りは、収穫後の「追熟」という過程を経て初めて生じる[1]。岩手県の試験研究成果も同じ性質を前提に、洋なしは樹上で完熟しないため収穫時期の判断が難しく、収穫後に追熟操作を行って初めて食べられる果実だと位置づけている[2]。
この性質は、収穫時期や収穫後の管理に関わる。木の上で熟すのを待てない以上、収穫する日を人が決めなければならず、収穫したあとの管理も栽培の一部になる。果実が熟しているかどうかを木の上で見て決められないことが、洋なしづくりの難しさである。
では、その果実はそもそも、どう育って収穫の日を迎えるのか。春の花にさかのぼって確かめる。
2. はるの しろい 花は、なにを まって いるの?
2. 春の白い花は、別の品種の花粉を待っている
2. 開花から着果まで ── 受粉樹と摘果
ラ・フランスは、4月の おわりごろ、きに しろい 花を さかせます[6]。いわてけんの しけんでは、4月の はじめに めが でて、4月の おわりから 5月の はじめに 花が さきました[6]。
花の まんなかには、みに なる ぶぶんが あります。ここに ほかの しゅるいの ようなしの かふんが つくと、みが できやすい ことが しらべられて います。「ゼネラル・レクラーク」と いう しゅるいの かふんでは、10この 花の うち 9こほどが みに なりました[6]。
みが できすぎても こまります。さんちでは、ひとつの 花の かたまりに、みを ひとつ いかに へらして そだてます[7]。ひとつを おおきく そだてる ためです。
ほかの ようなしに かふんを とどける きとして、ラ・フランスが つかわれて いた じだいも あるそうです[9]。いまは さんちの しゅやくです。さて、花が さいてから どれくらいで とれるのでしょう。
ラ・フランスの花が咲くのは4月の終わりから5月の初めです。岩手県の試験では、発芽が4月上旬、開花が4月末から5月上旬でした[6]。
洋なしの花が実になるには、別の品種の花粉が助けになります。同じ試験では、ゼネラル・レクラークの花粉をラ・フランスにつけたときの結実率が約90パーセントと高く、受粉樹に向くとされました。ゼネラル・レクラークは開花が1〜2日遅いものの、ラ・フランスの満開期には咲き始めるため、花粉の出る時期がちょうど重なります[6]。
実がついたあとは、数を減らします。山形ラ・フランスの産地では、1つの花のかたまり(花そう)につき実を1つ以下にする摘果をして、1つ1つを大きく育てます[7]。
ラ・フランスは、見栄えが悪く病気に弱かったため、かつては他の品種の受粉樹として使う産地もあったといわれます[9]。今は産地の主役です。この実を、いつ収穫するのでしょうか。
開花の時期は、岩手県の平成2〜10年の平均で、発芽が4月上旬、開花始めが4月29日、盛りが5月2日、終わりが5月9日、収穫が10月15日だった[6]。産地や年で前後する、一地点の平均値である。
ラ・フランスは、ゼネラル・レクラークなど別の品種の花粉があると実を結びやすい。同じ試験では、ゼネラル・レクラークとの交雑和合性が90パーセントと高い。この品種はラ・フランスより開花が1〜2日遅いが、ラ・フランスの満開期に開花を始めるため、花粉の出る時期が重なり、受粉樹に適すると評価されている[6]。「受粉樹」が使われるのは、花粉の相性だけでなく、咲く時期が合うことも条件になるためである。
結実したあとは、摘果で実の数を調整する。山形ラ・フランスの地理的表示(GI)の産地では、主枝の重なりが少なく日当たりのよい結果枝が多い樹形に剪定し、1花そう当たり1果以下に摘果するとされる[7]。実を絞るのは、1つ1つに養分を回して大きく育てるためと考えられる。
この品種の来歴については、1864年にフランスで発見され、日本には1903年ごろ導入されたという説明がある。山形県では、見栄えが悪く病気に弱かったことから、当初は主力品種の受粉樹の位置づけだったともいわれる[9]。年や経緯は「頃」とされる目安として読む。
花が咲いてから収穫までに、どれだけの時間がかかり、収穫日はどう決めるのか。次の章で扱う。
3. いつ とれば いいか、どうやって きめるの?
3. 色や硬さが変わりにくい洋なしの収穫日を決める
3. 洋なしの収穫適期を、満開後日数とでんぷん指数で見きわめる
5月の はじめに 花が さいてから、ラ・フランスの しゅうかくまで、およそ 160日から 165日です。いわてけんの しけんで しらべられた ことで、ねんや ばしょで かわります[5]。
ところが、ラ・フランスは いろも かたさも あまり かわらないので、見た だけでは じき が わかりません[5]。そこで、実を きって、ヨードの くすりを かけます。でんぷんが のこって いると くろっぽく そまるので、その そまりかたを みます。しゅうかくの めやすは、「でんぷんしすう」が 2.0から 2.5 の ころと されました[5]。
はやすぎると すっぱくて あまみが すくなく、おそすぎると 実の なかが ちゃいろく なりやすい ことも わかって います[5]。やまがたの さんちは、あきに ひるの あたたかさと よるの すずしさの さが おおきい ばしょです。8月から 9月の さは、9.4どから 10.3ど でした[7]。
とって からは、どう まてば いいのでしょう。
花が咲いてから収穫までは、およそ160〜165日かかります。5月2日ごろが満開なら、収穫は10月上旬から中旬にあたる計算です。これは岩手県の試験成績の値で、年や産地によって前後します[5]。
難しいのは、見た目では収穫の時期が分からないことです。ラ・フランスは色や硬さの変化が小さく、判断の手がかりになりにくいとされます[5]。そこで、実を切ってヨウ素ヨウ化カリウム液をかけ、でんぷんが残っている部分の染まり方を見て「でんぷん指数」を出します。この試験では、指数が2.0〜2.5の頃が収穫の適期とされました[5]。
早すぎると酸が強く糖度が低くなり、遅れると果肉が茶色く変わるものが増えるといいます[5]。
産地の気候も、実の育ちを助けています。山形ラ・フランスのGI(地理的表示)の資料では、病気が出やすい6〜9月の雨が他の産地より比較的少ないこと、養分がたまる8〜9月の昼夜の気温差が9.4〜10.3℃と大きいことが、適した土地の理由に挙げられています[7]。
収穫した実は、すぐには食べられません。そのあと、何が必要なのでしょうか。
収穫適期が難しいのは、判断材料が乏しいからである。岩手県の試験成績によれば、ラ・フランスの収穫適期は満開後160〜165日で、でんぷん指数が2.0〜2.5の時期とされる[5]。5月2日を満開とすると、この日数は10月上旬から中旬に当たる。ただし満開後日数は年や地域で変わる一例の値である。
でんぷん指数は、切った果実にヨウ素ヨウ化カリウム液をかけたときの染まり具合で見る。未熟な果実ほどでんぷんが多く、熟すにつれて減るため、色や硬さに変化が出にくいラ・フランスでも、中身の進み具合を数字で比べられる。一方、色や硬さの変化は小さく、収穫時期の判定には使いにくいと述べられている[5]。
収穫が早すぎれば酸が強く糖度が低くなり、遅れれば果肉褐変が増える[5]。早すぎても遅すぎても品質に影響するため、でんぷん指数などを使って収穫適期を見きわめる。
産地の条件も効いている。山形ラ・フランスのGI資料は、病害が出やすい6〜9月の降水量が他産地より比較的少ないこと、実に養分がたまる8〜9月の日較差が9.4〜10.3℃と大きいことを、適地の理由に挙げる[7]。また1988年に山形県立園芸試験場(当時)で、収穫期の予測と産地での追熟技術が確立された[7]。収穫後の技術が、産地づくりの一部だったことが分かる。
では、適期に収穫した果実を、そのまま置けば食べ頃になるのか。収穫後に起きることを見る。
4. とった あとに、なぜ ひやして まつの?
4. 収穫したあとに、冷やして待つ時間が要る
4. 予冷とエチレン ── 低温が熟す準備を整える
とった ようなしを すぐ へやに おいても、うまく じゅくしません。さんちでは、まず ひえた ばしょに しばらく おきます。これを「よれい」と いいます。いわてけんの しけんでは、3ど から 5ど で 7日から 14日ほど ひやしました[2]。
そのあと、あたたかい ばしょで じゅくすのを まちます。やまがたでは むかしから、ひやして 10日ほど、へやの なかで 2しゅうかんほど まって たべごろに する やりかたが ふつうでした[4]。
ひやすと、ようなしの なかで「エチレン」と いう ものが できる じゅんびが ととのいます。エチレンは、くだものを じゅくさせる ものです[2][1]。うんどうかいの「よーい」のようなもので、ひやす じかんが「よーい」、あたたかく なって からが「どん」です。ただし ほんとうは、ようなしが なかで じゅんびを して いるのです。
ひえた ばしょで まつ ことが、おいしく なる ための だいじな じかん なのです。
収穫したら、すぐに熟し始めるわけではありません。岩手県の試験では、追熟の前に3〜5℃で7〜14日ほど低温に置く「予冷」をすると、追熟の期間が短くなり、熟し方もそろいました。予冷のあいだに実の中でエチレンをつくる準備が整い、追熟が始まると一気に進むからだと説明されています[2]。エチレンは、果実を熟させる植物ホルモンです[1]。
運動会の「よーい、どん」にたとえると、予冷が「よーい」で、あたたかい場所に移してからが「どん」です。ただし実際には、号令がかかるわけではなく、実の中で準備が進んでいるのです。
山形県では1994年の時点で、収穫後すぐに2〜5℃で10日ほど予冷し、室温で2週間ほど追熟させて食べ頃にするのが一般的でした[4]。
海外の研究では、洋なしは品種ごとに決まった期間の低温にあわせる必要があり、0℃での必要日数はバートレットで15日、コミスで30日、ダンジューで60日と報告されています。低温が、熟すときのエチレン生成のスイッチを入れるようです[3]。これはラ・フランスの数字ではなく、品種で冷やす日数が違うことの一例です。
実は、冷やす日数を短くしたい産地もあります。どんな工夫があるのでしょうか。
収穫した果実を冷やす「予冷」は、追熟を始める前の準備である。岩手県の試験成績では、追熟の前に3〜5℃で7〜14日予冷すると、追熟期間が短くなり熟し方も揃う。理由は、予冷中に果実内でエチレンの生成準備が整い、追熟が始まると同時に急速に進むためと説明される。追熟の温度は10〜15℃だった[2]。数字は平成初期の岩手県の試験条件で、県や年によって推奨は異なる。
山形県でも、1994年の時点で、収穫後ただちに2〜5℃で10日ほど予冷し、室温で2週間ほど追熟させて食べ頃にするのが一般的な方法だった[4]。つまり、収穫から食べ頃までには、冷やす期間とあたためる期間があわせて3週間ほどかかる。
低温がなぜ熟す合図になるのか。ヨーロッパ系の洋なし(Pyrus communis)は、遺伝的に決まった期間の低温にあわせないと、自分で自分を促進するタイプのエチレン生成(システム2)が始まらない。0℃で必要な日数は、バートレットが15日、コミスが30日、ダンジューが60日と報告されている[3]。これは品種ごとの値で、ラ・フランスの日数とは限らない。品種によって低温の必要量が違うことが読み取れる点が重要である。
予冷にはもう1つ課題がある。大量の果実を冷やす場所が必要になることだ。その解決の試みが次の章である。
5. ひやす かわりに、エチレンを つかう ことも あるの?
5. 冷やす代わりに、エチレンを使う方法もある
5. エチレン処理による追熟の短縮 ── 予冷庫不足への対策
ひやす ばしょが たりない ときは、とった ばかりの ようなしに エチレンを あてる やりかたが しらべられました。やまがたの しけんです[4]。
エチレンを あてた ようなしは、そのあとの ついじゅくが 15日、ひやした ようなしは 25日 でした。ひやす ほうより、およそ 10日 はやく 食べごろに なりました[4]。この すうじは その しけんの じょうけんでの もので、いつも おなじとは かぎりません。
いまは、やまがたけんが きめる うりはじめの 日も、エチレンを つかった ものは すこし はやく なって います。2025ねんは 10月28日、エチレンを つかった ものは 10月23日 でした[8]。
ほかにも、キウイは リンゴと いっしょに ふくろに 入れると はやく じゅくす ことが しょうかいされて います[1]。リンゴが エチレンを だすからです。
冷やす場所が足りない産地向けに、収穫直後の実にエチレンを当てる方法も試されました。山形県の試験では、17℃で48時間、エチレンを500ppmを目標に処理したラ・フランスを15℃で追熟させたところ、追熟が終わるまで15日でした。5℃で10日予冷した実は25日でした[4]。
この試験では、エチレン処理によって追熟の完了が予冷より10日ほど早まり、熟し方も揃いやすくなったとされます。予冷庫が足りない問題の対策になったという報告です[4]。数字はこの試験の条件での値で、どの産地にもそのまま当てはまるものではありません。
山形県は毎年、販売を始める「基準日」を決めます。令和7年産では10月28日で、エチレン処理をした実は10月23日からでした[8]。生産地が毎年基準日を決める仕組みは、山形ラ・フランスのGI(地理的表示)の資料でも紹介されています[7]。
エチレンは他の果物でも働きます。秋田県の資料は、キウイフルーツをエチレンを出すリンゴと一緒に袋に入れて少しあたたかい所に置くと、追熟が早く進むと紹介しています[1]。
こうして食卓に届いた洋なしは、いつ食べればよいのでしょうか。
予冷には冷却設備が要るため、大量の果実を処理する産地では設備が足りなくなる。そこで、収穫直後のラ・フランスにエチレンを直接与える方法が試験された。東北農業研究(1994)では、17℃で48時間、エチレンを500ppmを目標に処理した果実は、その後15℃で追熟して完了まで15日かかった。5℃で10日予冷した区は25日だった[4]。表の数字は予冷区の25日という値で、一般的な日数ではなく試験条件つきである。
報告は、250〜500ppmで48時間のエチレン処理により、追熟の完了が予冷区より10日程度短縮され、追熟の揃いもよくなったと述べる[4]。つまり、冷やして熟す準備をさせる代わりに、エチレンを直接与えて熟す工程を先へ進める方法である。予冷庫の不足への対策として位置づけられた点が、実際の産地の制約を表している。
この違いは出荷にも表れる。山形県が設定した令和7年産の販売開始基準日は10月28日で、エチレン処理品は10月23日と5日早い[8]。基準日は年ごとに変わる値である。出荷は、生産地が毎年この基準日を決めて行う仕組みで、山形ラ・フランスのGIの資料にも記される[7]。
エチレンは植物ホルモンで、洋なし以外の果物にも働く。秋田県の資料は、キウイフルーツをエチレンを出すリンゴと一緒に袋に入れ、少し暖かい所に置くと追熟が早く進むと説明する[1]。ただしこの例を家庭の洋なしにそのまま当てはめてよいかは、別の話である。
産地で追熟を管理された洋なしが家庭に届いたあと、食べ頃はどう判断するのか。最後の章で扱う。
6. たべごろは、どうやって わかるの?
6. 色が変わらない洋なしの、食べ頃は指で確かめる
6. 追熟終了の判定 ── 色の変化が乏しい品種での見分け方
ラ・フランスは、じゅくしても いろが ほとんど かわりません[1]。みどりが きいろに かわる ようなしも ありますが、ラ・フランスは ちがいます。
そこで、かるく おして みます。すこし やわらかさを かんじた ころが たべごろ だと、あきたけんの しりょうは しょうかいして います[1]。
いわてけんの しけんでは、ゆびで つよく おして すこし へこむ くらいが、じゅくした めやすでした[2]。かたさを はかる きかいでも、しらべられました。
木の うえでは じゅくさず、とった あとの まちじかんで あまく なる。この ようなしを、おうちでも ためして みましょう。
ラ・フランスは、追熟が終わっても表面の色がほとんど変わりません。秋田県の資料は、軽く押してみて、少しやわらかさを感じた頃に食べるよう勧めています[1]。
岩手県の試験でも、追熟が終わった目安は、指で強く押して少しへこむ程度、または硬さの計測値が2.0〜3.0ポンドでした[2]。ラ・フランスは、色よりも硬さを手がかりに食べ頃を見分けます。
同じ洋なしでも、ほかの品種は違います。室温15〜20℃で10〜30日ほどかけて、緑色が黄色に変わっていくものがあります[1]。
花から収穫まで約5か月、収穫から食べ頃までさらに数週間。洋なしは、長い待ち時間の果物です。この待ち時間を、手元で観察してみましょう。
追熟の終わりをどう判定するか。ラ・フランスは追熟が終わっても表面の色がほとんど変わらないため、秋田県の資料は、軽く押して少しやわらかさを感じた頃に食べるよう案内している[1]。岩手県の試験では、指で強く押して少しへこむ程度、または硬度2.0〜3.0ポンドが追熟終了の目安とされた[2]。前者は家庭向けの案内、後者は試験条件での目安であり、強く押す方法は傷みの原因にもなるため、家庭では前者に従うのが穏当である。
一方、ラ・フランス以外の西洋なしは、室温15〜20℃で10〜30日ほどで緑色が黄色に変わり、見た目で判断しやすい[1]。品種によって色の手がかりがあるかどうかが違い、ラ・フランスは外観の変化が乏しい品種として扱われている[2]。
ここまでの流れを整理する。木の上では熟さないので、満開後160日ほどの収穫適期を、でんぷん指数などで見きわめる。収穫後は予冷(またはエチレン処理)で熟す準備をさせ、追熟で食べ頃に進める。最後は、色でなく手ざわりで確かめる。収穫後の予冷や追熟が、食べ頃につながる。
おうちで ようなしの まちじかんを はかろう
お店の洋なしで、食べ頃までの待ち時間を数えてみる
待つ日数と手ざわりを、自分で記録するには
おうちで
おみせで 買って きた ようなしが かたい ときは、おうちの 人と いっしょに、すずしい ところに おいて みましょう。まいにち おなじ ばしょを、かるく ゆびで おして、やわらかさの かわりかたを 日づけと いっしょに ノートに かきます。いろは かわるか、かおりは どうかも かいて おきます。たべる まえには よく あらいます。
しらべる ときは
けんの のうぎょうの しけんじょうや さんちの ホームページに、ついじゅくの やりかたが のって いる ことが あります。
家でできること
お店で買ってきた洋なしが硬いときは、家の人と相談して、涼しい所に置いてみます。毎日同じ場所を軽く指で押し、やわらかさの変化を日付と一緒にノートに書きます。色は変わるか、香りはどうかも書いておきます。食べる前にはよく洗います。品種や置く場所の温度で日数は変わるので、自分の洋なしの記録が、自分だけのデータになります。
調べるには
各県の農業試験場や産地の案内には、追熟の方法や食べ頃の見分け方が載っていることがあります。
家でできること
購入した洋なしを涼しい所に置き、同じ場所を軽く押して、やわらかさと日数を記録する。品種と置いた場所のおよその温度を書き添えておくと、本記事の数字(15〜20℃で10〜30日など)と比べて読める。強く押さない。食べる前には洗う。
資料を読むなら
岩手県の試験研究成果「西洋なし『ラ・フランス』の追熟法」と「収穫適期」の2つは、試験の条件(温度・日数・品種)が表で確認できる。東北農業研究47(1994)は、エチレン処理の条件と追熟日数の比較表が読みどころである。条件と結果をそろえて読むと、数字がどの場面の値かを自分で判断できる。
しらべた もとの じょうほう
参考にした情報源
参考にした情報源と、その使い方
追熟・収穫適期・予冷の数字は秋田県・岩手県・山形県の公的な資料、低温と熟成の仕組みは海外の研究論文、品種の来歴はJA全農山形の解説による。数字は試験の条件つきの値で、年や産地で変わる。
- 秋田県「追熟が必要なくだもの」(パンフレット) https://www.pref.akita.lg.jp/ (追熟・食べ頃の見分け方・エチレン)
- 岩手県 試験研究成果 西洋なし「ラ・フランス」の追熟法 https://www.pref.iwate.jp/ (樹上で熟さない・予冷・追熟の目安)
- Evidence for the Involvement of Vernalization-related Genes ... Cold-induced Ripening in D'Anjou and Bartlett Pear(PMC7242362) https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC7242362 (低温とエチレン生成・品種ごとの必要日数)
- 東北農業研究47(1994)「エチレンによるセイヨウナシ'ラ・フランス'の大量追熟処理法」 https://www.naro.go.jp/ (従来の追熟方法・エチレン処理の試験)
- 岩手県 試験成績 西洋なし「ラ・フランス」の収穫適期 https://www.pref.iwate.jp/ (満開後日数・でんぷん指数)
- 岩手県 平成10年度試験研究成果(ゼネラル・レクラーク) https://www.pref.iwate.jp/ (発芽・開花・収穫の時期と受粉樹)
- 地理的表示産品情報発信サイト「山形ラ・フランス」 https://pd.jgic.jp/register/entry/99.html (摘果・産地の気候・基準日)
- 山形県「山形のラ・フランスについて」 https://www.pref.yamagata.jp/ (令和7年産の販売開始基準日)
- JA全農山形「ラ・フランス」 https://www.zennoh-yamagata.or.jp/fruits/la-france (品種の来歴・導入の年・受粉樹だった時期)
なおした ところ
更新履歴
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