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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

むかしは マウスで しらべた にんしん けんさやく ── おしっこの ホルモンを せんに する しくみ

昔はマウスで調べた妊娠検査薬 ── 尿の中のhCGを線に変えるしくみ

妊娠検査薬とhCG ── マウスから抗体2つのサンドイッチへ、感度50IU/L、フック効果

分野:からだ

にんしん けんさやくは、「にんしん」そのものを みて いるわけでは ありません。おしっこの なかに ある、ほんの すこしの ホルモンを さがして います。

むかしは、マウスに おしっこを ちゅうしゃして しらべて いました。いまは、ちいさな かみに あかむらさきの せんが でます。どうして そんな ことが できるのでしょう。この きじを よむと、せんが でる しくみと、ときどき せんが でない わけが わかります。

妊娠検査薬が見ているのは、「妊娠」そのものではありません。尿の中にある、hCGというホルモンただ1つです。昔は、この尿を実験用のマウスに注射して反応を見ていましたが、今は小さな試験紙の上に赤紫色の線が浮かびます。

どうやって、目に見えないほどのホルモンを線に変えるのか。そして、なぜ生理予定日の約1週間後まで待つのか。この記事を読むと、抗体2つで作るサンドイッチの仕組みと、待つ理由、まれに線が出なくなる現象が分かります。

妊娠検査薬が検出するのは妊娠ではなく、尿中のhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)である[1]。1927年には、妊婦の尿を未成熟な雌マウスに注射する方法が作られたが[5]、現在の市販薬は、2種類の抗体と金コロイドで、同じホルモンを試験紙上の線に変える[3]。

この方法はなぜ生理予定日の約1週間後からなのか。濃度が高すぎると線が出ないのはなぜか。この記事を読むと、検出の原理、感度50IU/Lの意味、フック効果という限界、そして陽性・陰性の読み方の注意点が分かる。

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1. けんさやくは、おしっこの なにを みるの?

1. 検査薬が探しているのは、尿の中のどんなもの?

1. 検査対象は妊娠ではなくhCG ── 着床の前後に何が分泌されるのか

かんがえて みましょう。にんしんして いるかどうかは、けんさやくから みえません。では、なにを みて いるのでしょう。

こたえは、「hCG」と いう ホルモンです。じゅせいらんが おなかの かべに くっつく(ちゃくしょう)ころから、たいばんの もとに なる じゅうもうと いう ところで、この ホルモンが つくられ はじめると いわれます[1]。

ホルモンは、からだの なかで はたらく、ちいさな めっせーじの ようなものです。hCGは おしっこにも まざって でて きます。だから、けんさやくは おしっこで しらべられるのです。

ただし ほんとうは、けんさやくは「にんしん」と いう ことがらを わかって いるのでは ありません。ホルモンが あるか ないかを みて いるだけです。

検査薬は、おなかの中を直接見るものではありません。では、何を手がかりにしているのでしょうか。

答えは、hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)というホルモンです。受精卵が子宮の壁に着床するころから、のちに胎盤をつくる組織である絨毛で、このホルモンが分泌され始めます[1]。hCGは尿にもまじって出るので、尿を調べれば手がかりが得られます。

ここで、少しだけ立ち止まってみます。検査薬は「妊娠している」ことを理解しているわけではなく、hCGがあるかどうかを見ているだけです。だから、結果の読み方にも注意が要ることになります。その話は、あとの章で出てきます。

妊娠検査薬は、妊娠という状態そのものではなく、尿中のhCGを検出する。受精卵の着床の前後から、のちに胎盤となる絨毛組織でこのホルモンが分泌され始めるためである[1]。血液ではなく尿を使えるのは、hCGが尿にも排出されるからで、検査を自宅で行える大きな理由になっている。

したがって、検査薬の結果は「hCGが一定以上の濃度で尿中にあるか」を示す情報であり、妊娠の診断そのものではない。この区別は、あとで見る偽陰性・偽陽性を理解するうえで出発点になる。

2. むかしは、マウスで しらべて いた

2. 検査薬より前は、マウスに尿を注射していた

2. 1927年のA-Z試験 ── 生きた動物で検出した時代

けんさやくが ない じだい、おしっこの なかの ホルモンを どうやって しらべたのでしょう。

1927ねん、ドイツの アシャイムさんと ツォンデクさんは、にんしんして いる ひとの おしっこを、おとなに なって いない めすの マウスに ちゅうしゃすると、マウスの らんそうが そだつ ことを しめしました[5]。これを つかった しらべかたが、A-Z しけんです。

hCGは、おしっこから さがせる ホルモンだと わかって いた、と いう ことです。でも、マウスを つかう やりかたは、おおがかりです。もっと かんたんに、その ばで しらべる ほうほうは ないのでしょうか。

今のような検査薬が生まれる前は、尿の中のホルモンをどう調べたのでしょうか。

1927年、ドイツのアシャイムとツォンデクは、妊婦の尿を未成熟な雌マウスに注射すると、マウスの卵巣が成長して排卵が起きることを示しました[5]。この尿の中のホルモンに反応するマウスの様子を見る方法が、A-Z試験です。

当初、2人はこのホルモンが脳下垂体の前のほうで作られると考えました。のちの1940年代の研究で、胎盤が作っていることが分かりました[6]。分かったことが、あとから直された例です。

とはいえ、動物を使う方法は、手間も時間もかかります。そこで、次の問いが生まれます。生きた動物を使わずに、ホルモンだけを見分けることはできないのか。

その手がかりになるのが「抗体」です。

尿中のホルモンを、検査室や自宅で簡単に測れるようになる前には、生体反応を使う方法があった。1927年、ドイツのアシャイムとツォンデクは、妊婦の尿を未成熟な雌マウスに注射すると卵巣が成長・排卵することを示し、A-Z試験を作った[5]。

興味深いのは、当初は尿中のゴナドトロピンが脳下垂体前葉で作られると考えられていたことだ。1940年代の研究で、胎盤が産生していると分かった[6]。ホルモンが発見された年は資料により1927年と1928年に揺れるため、ここでは1920年代後半と幅を持たせておく[6]。

生体反応を使う方法は、動物の飼育が必要で、結果が出るまでに時間もかかる。では、動物の代わりにhCGだけを選んでつかまえる部品を、試験紙の上に置けないか。その部品が、抗体である。

3. せんが でる しくみは、「はさむ」こと

3. 抗体2つでhCGをはさみ、金の粒で線にする

3. サンドイッチ免疫測定 ── 金コロイド標識抗体が線になる仕組み

いまの けんさやくには、「こうたい」と いう ちいさな つぶが つかわれて います。こうたいは、きまった ものだけに くっつく のりの ような ものです。ただし ほんとうは のりでは なく、からだが もって いる しくみを かりた ものです。

けんさやくの なかには、2しゅるいの こうたいが あります。ひとつは、きんの ちいさな つぶが ついた こうたい。もうひとつは、はんていする ところに くっついて うごかない こうたいです。

おしっこが かみに しみると、hCGが あれば、きんの つぶが ついた こうたいと くっつきます。その まま ながれて、うごかない こうたいに つかまります。パンで ハムを はさんだ ように、hCGが まんなかに はさまれます。

きんの つぶが たくさん あつまると、あかむらさきの せんに みえます。

でも、せんが でない ときは、ほんとうに hCGが ないのか、けんさが うまく いって いないのか、わかりません。そこで、まず「しゅうりょうまど」に せんが でて いるかを たしかめます[3]。しゅうりょうまどに せんが なければ、けっかは わかりません。せんが あれば、はんていまどの せんを みます。はんていまどに せんが でたら ようせいです。

今の検査薬の中には、どんな工夫が入っているのでしょうか。

ハイテスターNの説明文書によると、マウスの抗hCG抗体と、金コロイドを結びつけた同じ種類の抗体が使われています[3]。金コロイドは、光を強く受けて赤紫色に見える、金の小さな粒です。

尿が試験紙にしみこむと、hCGがあれば金の粒のついた抗体とくっつきます。その複合体が流れ、判定する場所に固定された別の抗体につかまります。2つの抗体でhCGをはさむので、パンで具をはさむ様子にたとえて「サンドイッチ」と呼ばれます[4]。一部の製品の説明では、固定側にhCGのα部分の抗体、金の粒のついた側にβ部分の抗体という組み合わせだとされていますが、すべての製品が同じ組み合わせとはかぎりません[2]。

金の粒がたくさん集まると、赤紫色のラインに見えます。判定窓にラインが出れば陽性です。

ここでひとつ疑問が出ます。ラインが出ないとき、本当にhCGがないのか、それとも検査がうまくいっていないのか、見分けられるでしょうか。そこで、先に「終了窓」に終了ラインが出ていることを確かめます[3]。尿が最後まで流れたかどうかの目印になります。

現在の市販薬は、金コロイド免疫クロマト法である[4]。ハイテスターNの説明文書には、マウスモノクローナル抗hCG抗体と、同じ種類の抗体に金コロイドを結合させたものが成分として記されている[3]。

尿が試験紙を毛細管現象で流れると、金コロイド標識抗体とhCGの複合体ができ、判定部に固定された抗体につかまる。2つの抗体でhCGを挟むので、サンドイッチ構造と呼ばれ、金が集まった部分が赤〜赤紫のラインになる。毛細管現象とサンドイッチの詳細は、複数の製品情報の概要から整理した内容である[4]。別の製品では、判定部の膜に抗hCGαサブユニット抗体が固定され、金コロイド標識のβサブユニット抗体を含むパッドがある、との記載がある[2]。全製品がα/βの組み合わせとは限らない。

ここで、陰性の結果が本当に陰性かどうかを、どう見分けるのかという問いが残る。この問いに対して、判定窓とは別の終了窓に終了ラインが出ていることを先に確認する手順が、説明文書に定められている[3]。尿が試験紙を流れきったことの確認である。

4. どうして 1しゅうかん まつの?

4. なぜ「生理予定日の約1週間後」まで待つのか

4. 感度50IU/Lと倍増時間 ── 待つ1週間の意味

けんさやくの せつめいには、「せいり よていびの やく1しゅうかんご から」と かいて あります[3]。どうして すぐに しらべないのでしょう。

ひとつの わけは、hCGが はじめは とても すくないからだと かんがえられます。にんしんの はじめの ころ、おしっこの なかの hCGは 2〜3にちごとに 2ばいに なると いわれます[7]。

あかむらさきの せんが でるには、いっていの りょうが ひつようです。すこし まつ あいだに、hCGが ふえて、けんさやくが みつけられる りょうに とどく のです。

ただし ふえかたには こじんさが あります。だから、この 2〜3にちは めやすです。

ここで、また疑問が出てきます。妊娠したかもしれないのに、なぜすぐ検査せず、1週間待つのでしょうか。

受精卵は、排卵からおよそ8〜10日で着床し、hCGを出しはじめます。そのあとの尿の中のhCGは、妊娠の初めのころ、2〜3日ごとに倍になるとされます[7]。倍増の速さには個人差がありますが、最初はごく少ないところから増えていくことがわかります。

市販の検査薬は、50IU/L(=50mIU/mL)以上のhCGを検出できるとされています。複数の製品で、同じ数字が示されています[8]。着床した直後は、hCGがこの感度に届いていないことがあります。増えるまで待つと、線が出やすくなります。

説明文書は「1週間後」の理由を書いていないので、これは倍増の目安と感度から考えた推測です。早すぎる検査では、実際に妊娠していてもhCGが少なくて線が出ないことがあります。

説明文書は「生理予定日の約1週間後から検査できる」としている[3]。その理由を、着床時期と感度から考えてみる。

受精卵は排卵後およそ8〜10日で着床し、hCGの分泌を始める。尿中のhCG濃度は妊娠初期に2〜3日ごとに倍増する[7]。倍増は目安で、個人差がある。一方、市販の一般用検査薬の検出感度は50IU/L(=50mIU/mL)で、生理予定日のおおむね1週間後から検査できる、という説明が複数製品で共通している[8]。IU/LとmIU/mLの表記は、50IU/L=50mIU/mLとして同じ値を指す。

着床直後はhCG濃度が感度に届かないことがあり、倍増を重ねて閾値を超えるまで待つ、というのが待機期間の理由の推測である。説明文書自体は理由を述べていない。また「排卵後何日で陽性になるか」を直接述べた資料はないため、日数は目安にとどまる。

なお、妊娠初期でhCGが十分でないときは陰性になりうる。このため、陰性でも生理が来なければ再検査か受診が勧められている[4]。

5. たくさん あっても、せんが でない ことが ある?

5. hCGが多すぎても線が出ない ── フック効果

5. フック効果と陽性・陰性の読み方 ── 検査の限界

hCGが おおければ、せんは はっきり でそうです。ところが、とても こい ときには、せんが でない ことが あると いわれます[9]。

さっきの サンドイッチを おもいだして ください。hCGが おおすぎると、2つの こうたいが、べつべつの hCGに くっついて しまいます。パンに ハムが ひとつずつ ついて、はさめない ような ものです。

これは、hCGが ごく こい ときに おこる ことが あります。けんさやくで せんが でなくても、せいりが こない ときは、また けんさするか、おいしゃさんに いって ください[4]。

また、せんが でても、それだけで すべてが わかる わけでは ありません。ようせいでも、おいしゃさんに しらべて もらいます[4]。

hCGが多ければ、線もくっきり出そうです。ところが、逆のことが起きる場合があるとされています。

hCGがごく高濃度になると、2種類の抗体がそれぞれ別のhCGでふさがってしまい、サンドイッチができなくなります。その結果、線が出ない「フック効果」が起きて、偽陰性になることがあります[9]。ごく高い濃度のときに起こることがあります。

陰性でも生理が来ないときは、再検査か受診が勧められています[4]。妊娠初期でhCGが十分でないときや、子宮外妊娠などの異常妊娠でも、陰性になることがあるからです。

陽性のほうも、そのまま安心とは言えません。正常な子宮内妊娠でも、子宮外に着床する異所性妊娠でも、線は出るからです[1]。また、hCGを作る腫瘍や、閉経期、性腺刺激ホルモン剤の使用中などにも、陽性が出ることがあります[4]。

検査薬は、あくまで補助的な道具です。説明文書にも、結果から自分で確定診断をしないよう書かれています[4]。

hCGが多いほど線は濃くなるはずだが、極端な高濃度では逆に線が出なくなる場合がある。フック効果である。過剰なhCGが、固定抗体と標識抗体のそれぞれを別々のhCG分子で先にふさいでしまい、サンドイッチ複合体が形成されなくなって偽陰性になる[9]。ごく高濃度のときに起こりうる。二次資料は約500,000mIU/mL付近という数字を挙げるが、あくまで目安である[9]。

陰性・陽性の解釈にも限界がある。偽陰性は、妊娠初期でhCGが十分でないとき、子宮外妊娠などの異常妊娠のときに起こりうる。偽陽性は、hCG産生腫瘍、閉経期、性腺刺激ホルモン剤投与時などで起こりうる[4]。陽性は正常な子宮内妊娠でも異所性妊娠でも出るので、陽性は正常妊娠の証明ではない。胞状奇胎などの異常妊娠や、絨毛がん・卵巣腫瘍でも陽性になりうる[1]。

製品の注意書きは、検査を補助的なものと位置づけ、自分で確定診断せず、陽性でも医師の診断を受けること、陰性でも生理が来なければ再検査か受診することを求めている[4][3]。

6. hCGだけを みわける こうたいが うまれ、うちで つかえる けんさやくが できた

6. β部分の抗体でhCGを見分け、家庭で使える検査薬が登場した

6. β抗体でhCGを特異的に測定(1972年)、家庭用キットが登場(1976年)

hCGには、そっくりな ホルモンが います。LHと いう ホルモンです。にて いるので、まちがえやすい のです。

1972ねん、3にんの けんきゅうしゃが、hCGの 「ベータ」と いう ぶぶんに ちゅうもくしました。この ぶぶんに くっつく こうたいを つかって、LHが おおくても hCGだけを はかる ほうほうを ほうこくしました[10]。

その あと、アメリカでは 1976ねんに、いえで つかう けんさやくが みとめられました[7]。にほんでは 1991ねんに、くすりやさんで かえる ように なったと いわれます[11]。

さいしょの いえで つかう キットの かたちは、デザイナーの マーガレット・クレインさんが かんがえたと つたえられて います。ためし かんと かがみを つかい、つくえの うえの クリップいれを ヒントに した はこに いれたそうです[12]。

hCGには、構造のよく似たホルモンがあります。脳下垂体から出るLH(黄体形成ホルモン)です。このため、hCGだけを見分ける工夫が必要でした。

1972年、ヴァイトゥカイティス、ブラウンスタイン、ロスの3人は、hCGのβ部分に対する抗血清を使い、LHが多くてもhCGだけを測れる放射免疫測定法を報告しました[10]。検査薬にβ抗体を使う考え方は、こうした仕事の流れにあると説明されますが、家庭用の検査薬がこの手法を直接の元にしたと断言する資料はありません[7]。

やがて、家庭で使う検査キットが現れました。米国では1976年に、免疫測定法を使った初の家庭用キットが、FDA(米国食品医薬品局)に承認されました[7]。デザインを手がけたのは、オーガノン社のデザイナー、マーガレット・クレインだと伝えられています。試験管と鏡面を使い、机の上のクリップ入れをヒントにした箱に収めたといいます[12]。

日本では、1991年に、妊娠検査薬が尿糖・尿たんぱくと並んで、一般用検査薬として承認されたとされ、薬局で買えるようになりました[11]。

動物実験から、抗体と金の粒へ。技術が変わっても、見ているのはhCGという1つのホルモンです。

hCGは黄体形成ホルモン(LH)と構造が似ており、違いはβサブユニットにある。1972年、ヴァイトゥカイティス、ブラウンスタイン、ロスは、hCGのβサブユニットに対する抗血清を用い、LHが存在してもhCGを特異的に測定する放射免疫測定法を報告した[10]。検査薬にβサブユニット抗体を使う考え方は、この成果の流れとして説明されることが多いが、家庭用検査薬がこの手法を直接の元にしたとまでは言えない[7]。

家庭用の検査キットについて、米国では1976年にFDAが免疫測定法の使用を承認した。市販開始は資料により1976〜78年と揺れる。近年の家庭用検査は25〜50mIU/mLのhCGを検出できる(2010年時点)[7]。最初の家庭用キット「プレディクター」の外観は、オーガノン社のデザイナー、マーガレット・クレインが考案し、試験管と鏡面を使い、卓上のクリップ入れをヒントにした箱に収めたと伝えられる[12]。

日本では、妊娠検査薬は1991年に尿糖・尿たんぱくとともに最初の一般用検査薬として承認され、薬局で買えるようになった[11]。ただし、この「最初」という言い方は、二次資料由来の情報である。

自分でも しらべて みたく なったら

自分でも調べてみたくなったら

自分でも調べてみたくなったら

今日できること

おうちに、しんぱいごとを しらべる くすりや けんさきが あったら、せつめいしょを よんで みましょう。どんな しくみで、いつから つかえるのか、なにを みるのか、かいて あります。おとなに きいて、ようすを みせて もらっても いいでしょう。

「なにを はかって いるのか」「ほかの ものと まちがえないのか」を さがしながら よむと、けんさやくの ちえが みえて きます。

しらべる ときの しりょう

ざいりょうは、しゅっぱんしゃの ホームページや、びょういんの ホームページで みられます。

今日できること

家にある一般用の検査薬(尿糖・尿たんぱくなど)があれば、説明文書を読んでみましょう。「何を検出するか」「いつから使えるか」「結果が出ない場合の対処」が書かれています。今回の記事で読んだ、抗体・感度・待つ理由の考え方が、ほかの検査薬でも見つかるかもしれません。

資料を読むなら

製品の説明文書は、製薬会社やPMDA(医薬品医療機器総合機構)の一般用医薬品の添付文書ページで読めます。病院の産婦人科のブログにも、検査薬の解説を書いたものがあります。

資料を読む

  • 製品の説明文書(例:ハイテスターN)を読み、成分・感度・使い方・「判定できない場合」の条件を、この記事の内容と照らす。
  • PMDAの一般用医薬品添付文書で、別の製品のメンブレン上の抗体(α/β)の記載を探し、製品ごとの違いを比べる。
  • 複数の製品の説明文書を並べ、「検出感度」「検査できる時期」「終了ラインの確認手順」がそろっているか、表にして比べる。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

妊娠検査薬・hCG・免疫測定法について、製品の説明文書、病院や大学の解説、事典類、論文抄録を突き合わせました。

  1. 東邦大学 大森病院 産婦人科ブログ「妊娠検査薬ー本当に妊娠がわかる?」 https://www.lab.toho-u.ac.jp/med/omori/gyne/blog/2022/hcg.html (hCGとは何か、陽性の意味)
  2. PMDA 一般用医薬品添付文書(ドゥーテスト・hCGa) https://www.info.pmda.go.jp/ogo/J1501000253_03_01 (抗体の組み合わせの一例、感度)
  3. ハイテスターN 医薬品を正しく購入するための説明文書(アリナミン製薬) https://alinamin-kenko.jp/products/upload/hitester_n/exp_hitester_n.pdf (成分、使い方、終了ライン)
  4. KEGG MEDICUS 一般用医薬品情報(チェックワンS) https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_otc?japic_code=J2301000177 (検出方法、使用上の注意、偽陰性・偽陽性)
  5. Harvard SITN "Pee is for Pregnant" https://sites.harvard.edu/sitn/2018/08/31/pee-pregnant-history-science-urine-based-pregnancy-tests (A-Z試験)
  6. Wikipedia "Selmar Aschheim" https://en.wikipedia.org/wiki/Selmar_Aschheim (hCGの産生場所の理解の変化)
  7. Embryo Project Encyclopedia "Pregnancy Tests" https://embryo.asu.edu/pages/pregnancy-tests (hCGの倍増、着床時期、家庭用キットの歴史)
  8. KEGG MEDICUS 一般用医薬品情報(ドゥーテスト・hCGa) https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_otc?japic_code=J1501000253 (検出感度50IU/L、検査時期)
  9. Medical News Today "The hook effect" https://www.medicalnewstoday.com/articles/the-hook-effect (フック効果)
  10. Vaitukaitis, Braunstein & Ross (1972) Am J Obstet Gynecol https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC430789/ (β抗血清を使ったhCG測定)
  11. 薬事日報「ハイテスター」新発売記事 https://www.yakuji.co.jp/entry55614.html (1991年の一般用検査薬承認)
  12. Smithsonian Magazine 記事(最初の家庭用妊娠検査キットのデザイナー) https://www.smithsonianmag.com/smithsonian-institution/unknown-designer-first-home-pregnancy-test-getting-her-due-180956684/ (プレディクターの外観)

なおした ところ

更新履歴

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