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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

にじは ほんとうは、どんな かたちを して いるの?

虹は本当は円 ── 中心は自分の頭の影

虹の幾何学 ── 対日点を中心とする半径約42度の円と、太陽高度・視点の高さ

分野:自然

にじの ねもとまで、あるいて いった ことは ありますか。いくら あるいても、にじは にげて いきます。

じつは にじは、あなたの あたまの かげを まんなかに した、まるい わっかです。ふだん じめんの 上では、じめんより したに あめの つぶや 日の 光が ないことが おおく、上の はんぶんしか 見えないのです。このメモでは、その わけを たどります。

虹の根元まで歩いていっても、たどり着けません。近づいたぶんだけ、虹も遠ざかるように見えます。

資料を読むと、虹は空に貼りついた橋ではなく、見ている人の頭の影を中心にした、丸い輪だと説明されています。地上からふだん見えるのは、その上半分ほどです。なぜ輪になるのか、太陽の高さで形が変わるのはなぜか、どこに行けば輪全体が見えるのかを見ていきます。

虹に根元までたどり着けないのは、虹が観察者を頂点とする円すいの底にあたり、位置が見る人ごとに決まるためである。気象光学の資料では、虹は太陽の正反対の点(対日点)を中心とする半径約42度の円と説明され[2]、地上からはふつう上側の弧だけが見えるとされる[1]。

この記事では、円になる理由(2章)、中心が自分の頭の影になること、太陽の高さによる見え方の変化、飛行機やドローンからの全円の例を整理する。日本語の公的資料では対日点や全円の記述を確認できなかったため、英語の資料(気象光学の専門サイト、NOAA、NASA)を中心にしている。

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1. にじの ねもとには、いけないの?

1. 虹の根元にたどり着けない

1. 虹の根元にたどり着けない理由

あめが あがって、にじが でました。「あそこまで いけば、にじの ねもとが 見られる」と おもって、はしって いった ことが あるかも しれません。

でも、すすんだ ぶんだけ、にじも うごいて いきます。ねもとには、ぜったいに つけません。

これは、にじが 空に かかった はしでは ないからです。にじは、その 人の 目から 見た「ほうこう」で できて います。あなたが うごくと、にじも いっしょに うごきます。

雨上がりに虹が出て、根元まで行ってみたくなったことがあるかもしれません。走っていっても、虹はいつも同じくらい先にあります。

資料によると、虹は空のどこかに固定された橋ではありません。見る人の目、雨粒、太陽の三つがある角度に並んだときだけ、その人の目に届く光の帯です[1]。だから、動けば虹も動きます。

では、その角度に並ぶ雨粒は、空でどんな形に並んでいるのでしょうか。

虹の根元に近づけないのは、虹が空間に固定された物体ではなく、観察者・雨粒・太陽が一定の角度をなす方向の集まりだからである。虹は、太陽と観察者、雨粒の間にある角度が合うすべての雨粒が、太陽の方向を向き観察者を先端とする円すいの上に並んだものとして説明される[1]。

観察者が動けば円すいも動く。同じ場所に立つ2人には、厳密には少しずつ違う虹が見えていることになる。

2. どうして、まるく なるの?

2. 同じ角度の雨粒が輪になる

2. 円すいと約42度の角

あめの つぶに 日の 光が はいると、まがったり はねかえったり して、また そとに でて きます。そのとき、光が とくに たくさん あつまる むきが あります。たいようと はんたいの むき(ぎゃくがわ)から、およそ 42どの ところです。

ここで、ひもを おもいだして ください。ひもの はしを もって、ある むきから 42どの かくどを たもった まま ぐるっと まわすと、ひもの さきは まるい わを かきます。

「42どの ところ」は、ひとつの ほうこうでは ありません。ぐるっと まわった、まるい わに なります[3]。これが にじです。

雨粒に入った太陽の光は、粒の中で曲がり、奥で反射し、また外へ出ていきます。このとき光がとくに集まって出てくる向きが、太陽と反対の向き(次の章で出てくる対日点の向き)から約42度です[3]。

たとえば、ひもの端を持ち、42度の角度を保ったまま一周させると、ひもの先は丸い輪を描きます。虹も同じで、「太陽から42度」に当たる方向は1つではなく、輪のようにつながって並びます。

輪の中心は、太陽のちょうど反対側の点で、これを対日点といいます。半径は約42度です[2]。なお、42度は外側の赤い縁の値で、内側の紫はもう少し小さい、約40度とされます[1]。

雨滴に入った太陽光は、屈折・内部反射・屈折を経て出ていく。出てくる光がとくに集中する方向は、太陽と反対の方向(対日点方向)に対して約42度(赤い側)で、この角度をなす方向は単一でなく、対日点のまわりに輪として連続する[3]。すなわち虹は、対日点を中心とした半径約42度の円である[2]。

観察者から見て適切な角度にある雨滴すべてが、太陽側を向き観察者を頂点とする円すいの上にあり、その底面が約40〜42度の円になる[1]。42度は赤い外縁で、内側の紫は約40度とされる点に注意する[2]。

4. たいようの たかさで、にじは かわるの?

4. 太陽の高さと、見える弧の大きさ

4. 太陽高度と見える弧の大きさ

たいようが ひくい あさや ゆうがたは、まんなかの てんが ちへいせんの すぐ したに なります。すると にじは、はんぶんに ちかい、おおきな かたちに 見えます[4]。

たいようが たかく のぼるほど、まんなかの てんは ちへいせんの もっと したに さがります。にじの 見える ぶぶんは、ちいさく なって いきます。

たいようの たかさが 42どに なると、にじの さきっぽが、ちへいせんの 上に ちょっと 見えるだけに なります[2]。それより たかいと、そらを せなかに した にじは 見えません。おひるに にじを あまり 見ない のは、この ためだと かんがえられます。

(ただし、はんぶんに ちかい、と いうのは、ひの でと ひの いりの ころの めやすです。)

太陽が地平線に近い朝夕には、対日点は地平線のすぐ下にあります。虹の輪は、ほぼ半分が地上に出て、大きな半円のように見えます。ただしこれは日の出・日の入りごろの目安で、高さによって弧の大きさは変わります[4]。

太陽が高くなるほど、対日点は地平線の下へ沈み、地平線の上に出る部分は小さくなります。太陽の高さが約42度になると、虹は先端だけが地平線の上に見える状態になります[2]。

これより太陽が高いと、空を背景にした虹(主虹)は見えません。昼間に虹をあまり見かけないのは、このためと考えられます。ただし、地面など低いところを背景にして、虹の一部が見える場合はあるとされています[2]。

太陽高度が低いほど対日点は地平線に近く、虹の円は大きな部分が地平線上に現れる。太陽の出入りの瞬間は対日点が地平線上にあり、虹はほぼ半円になるが、これは目安で、高度により弧の大きさは変化する[4]。

太陽高度が42度に達すると、虹の先端のみが地平線上に見える[2]。これは主虹についての記述で、それ以上に太陽が高い場合、空を背景に主虹は見えないが、地面など地平線より下の背景に虹の一部が見えることがある[2]。副虹や反射虹に関する記述は、参照した範囲にはなかった。

5. にじの まるい わは、どこで ぜんぶ 見えるの?

5. 輪の全体が見える場所 ── 飛行機とドローン

5. 高い視点からの全円 ── 航空機・ドローンの例

じめんの 上からは ふつう 上の はんぶんしか 見えませんが、あめの つぶと 日の 光の じょうけんが そろえば、まるい わに 見えることが あります。たとえば、たかい ところです。

ひこうきに のって いると、じょうけんが あえば、まるい にじ ぜんたいが 見えると、アメリカの きかんが せつめい して います[5]。

アメリカの うちゅう きかんNASAの ページには、ノルウェーの あめの なかを ドローンで とんで とった、まんまるの にじの しゃしんが のって います[6]。にじの さしわたしは 84どです。

ただし、どれくらい よく 見られるかは、しりょうに かいて ありません。「じょうけんが あえば」と、おぼえて おきましょう。

地上ではふつう、虹の上半分しか見えません。雨粒と太陽光の条件もそろえば、高い建物や飛行機のような高い視点では、全円の虹が見えることがあるとされます[1]。山の上からも、より完全な円が見えることがあります[2]。

アメリカの海洋大気庁(NOAA)は、飛行機から、適切な条件のもとで円形の虹全体が見えることがあると説明しています[5]。

NASAのウェブサイトの写真の一つは、ノルウェーのロフォーテン諸島で、9月に、雨の中をドローンで飛んで撮った全円の虹です[6]。円の直径は、半径42度の2倍で約84度になります。

飛行機で全円が見える頻度については、資料に書かれていません。条件が合えば、という範囲にとどめます。

高い建物や航空機のような高い視点では、ほかの条件(雨滴・太陽光)もそろえば、虹の全円が見える[1]。山や航空機からより完全な円が見えることがあると、気象光学の専門サイトも述べる[2]。NOAAは、飛行機から適切な条件なら円形の虹全体が見えると説明する[5]。

NASAのAPOD(今日の天文写真)2022年12月27日の写真は、ノルウェーのロフォーテン諸島で9月に、降雨の中をドローンで飛んで撮影した全円の虹である[6]。円全体の直径は約84度(半径約42度の2倍)で、半径ではない点に注意する。

全円の虹はグローリー(光輪)と混同されやすいが、グローリーは直径がずっと小さく、別の光学過程でできるとされる[1]。全円の虹の頻度や、高度による条件の詳細は、参照した資料では確認できなかった。

自分でも しらべて みたく なったら

自分でも調べてみたくなったら

自分でも調べてみたくなったら

今日 できること

  • はれた 日に、たいようを せなかに して 立ち、じめんに のびた かげの あたまの ぶぶんの いちを 見て みましょう。そこが、にじの わの まんなかの めやすです。たいようは、じかに 見ません。
  • にじが 出た日には、かげの あたまの ほうこうと、にじの まんなかが かさなるか、かんがえて みましょう。
  • かみに、たいよう・じぶん・にじの ほうこうを えに かいて みましょう。

出かけて できること

  • にじが 見られる きかいが あれば、たいようを せなかに した ほうこうの くもや あめに、にじが 見えるか 見て みましょう。

今日できること

  • 晴れた日、太陽を背にして自分の影の頭の位置を見て、対日点の目安を確かめてみましょう。太陽そのものは見ません。
  • 虹が出たら、虹の中心の向きと、自分の影の頭がある向きを比べてみましょう。虹の中心が地面の下のどのあたりにあるか、考えるきっかけになります。
  • 紙に、太陽・自分・虹の方向を線で描いてみましょう。

出かけてできること

  • 虹を見る機会があれば、太陽を背にした方向の雲や雨に、虹が見えるか観察してみましょう。

資料を読むなら

  • NOAAの「What Causes a Rainbow?」とNASAのAPODに、円形の虹の説明と写真があります(英語。読まなくても、上のことは試せます)。

今日できること

  • 晴れた日に太陽を背にして立ち、自分の影の頭の位置が対日点の目安になることを確かめる。太陽は直接見ない。
  • 虹が出た日、虹の中心の方向と自分の影の頭の方向が重なるか、観察する。

出かけてできること

  • 虹を見られる機会があれば、対日点方向(太陽を背にした側)の雲や雨に虹が見えるか観察する。

公式情報・原典

  • 気象光学の専門サイト Atmospheric Optics の「Low and High Rainbows」、NOAA NESDIS の「What Causes a Rainbow?」、NASA APOD 2022年12月27日(英語)。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

対日点・半径約42度・太陽高度42度の記述は[2](気象光学の専門サイト)を、円すいの説明は[1][3]を主に参照した。全円の虹の例は[5][6]。日本語の公的資料では対日点や全円の記述を確認できなかったため、英語資料が中心である。

  1. Wikipedia, "Rainbow". https://en.wikipedia.org/wiki/Rainbow (円すい・全円・グローリーとの区別)
  2. Atmospheric Optics, "Low and High Rainbows". https://atoptics.co.uk/blog/low-and-high-rainbows/ (半径約42度・太陽高度42度・高所)
  3. Scientific American, "Why are rainbows curved?" (1999). https://www.scientificamerican.com/article/why-are-rainbows-curved-i-1999-10-21/ (なぜ円になるか)
  4. Wikipedia, "Antisolar point". https://en.wikipedia.org/wiki/Antisolar_point (対日点・頭の影・地平線との関係)
  5. NOAA NESDIS, "What Causes a Rainbow?". https://www.nesdis.noaa.gov/about/k-12-education/optical-phenomena/what-causes-rainbow (飛行機から見える円形の虹)
  6. NASA, Astronomy Picture of the Day, 2022 December 27. https://apod.nasa.gov/apod/ap221227.html (ドローンで撮った全円の虹)

なおした ところ

更新履歴

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