1. にじの ねもとには、いけないの?
1. 虹の根元にたどり着けない
1. 虹の根元にたどり着けない理由
あめが あがって、にじが でました。「あそこまで いけば、にじの ねもとが 見られる」と おもって、はしって いった ことが あるかも しれません。
でも、すすんだ ぶんだけ、にじも うごいて いきます。ねもとには、ぜったいに つけません。
これは、にじが 空に かかった はしでは ないからです。にじは、その 人の 目から 見た「ほうこう」で できて います。あなたが うごくと、にじも いっしょに うごきます。
雨上がりに虹が出て、根元まで行ってみたくなったことがあるかもしれません。走っていっても、虹はいつも同じくらい先にあります。
資料によると、虹は空のどこかに固定された橋ではありません。見る人の目、雨粒、太陽の三つがある角度に並んだときだけ、その人の目に届く光の帯です[1]。だから、動けば虹も動きます。
では、その角度に並ぶ雨粒は、空でどんな形に並んでいるのでしょうか。
虹の根元に近づけないのは、虹が空間に固定された物体ではなく、観察者・雨粒・太陽が一定の角度をなす方向の集まりだからである。虹は、太陽と観察者、雨粒の間にある角度が合うすべての雨粒が、太陽の方向を向き観察者を先端とする円すいの上に並んだものとして説明される[1]。
観察者が動けば円すいも動く。同じ場所に立つ2人には、厳密には少しずつ違う虹が見えていることになる。
2. どうして、まるく なるの?
2. 同じ角度の雨粒が輪になる
2. 円すいと約42度の角
あめの つぶに 日の 光が はいると、まがったり はねかえったり して、また そとに でて きます。そのとき、光が とくに たくさん あつまる むきが あります。たいようと はんたいの むき(ぎゃくがわ)から、およそ 42どの ところです。
ここで、ひもを おもいだして ください。ひもの はしを もって、ある むきから 42どの かくどを たもった まま ぐるっと まわすと、ひもの さきは まるい わを かきます。
「42どの ところ」は、ひとつの ほうこうでは ありません。ぐるっと まわった、まるい わに なります[3]。これが にじです。
3. まんなかは、どこに あるの?
3. 円の中心は、自分の頭の影
3. 対日点と観察者の影
この わの まんなかは、たいようの ちょうど はんたいがわの てんです。「たいにちてん」と いいます。
はれた 日、この てんは、あなたの あたまの かげの なかに あると せつめい されて います[4]。
つまり にじは、あなたの あたまの かげを まんなかに した わっかです。にじの ほうを むいて、たいようは うしろに あります。
ぜったいに、たいようを じかに 見ては いけません。かげを 見るだけです。
虹の輪の中心の対日点は、晴れた日なら、見ている人の頭の影の中にあります[4]。
晴れた日に太陽を背にして立ち、地面や壁に伸びた自分の影の、頭の部分を見てください。虹が出るときは、その点を中心にした輪の一部が空に浮かんでいる、ということになります。
虹を見るときに太陽が背中側にあるのは、そのためです。太陽の方を向いても、虹は見えません。
(太陽は、直接見ないようにします。影を見るだけで十分です。)
4. たいようの たかさで、にじは かわるの?
4. 太陽の高さと、見える弧の大きさ
4. 太陽高度と見える弧の大きさ
たいようが ひくい あさや ゆうがたは、まんなかの てんが ちへいせんの すぐ したに なります。すると にじは、はんぶんに ちかい、おおきな かたちに 見えます[4]。
たいようが たかく のぼるほど、まんなかの てんは ちへいせんの もっと したに さがります。にじの 見える ぶぶんは、ちいさく なって いきます。
たいようの たかさが 42どに なると、にじの さきっぽが、ちへいせんの 上に ちょっと 見えるだけに なります[2]。それより たかいと、そらを せなかに した にじは 見えません。おひるに にじを あまり 見ない のは、この ためだと かんがえられます。
(ただし、はんぶんに ちかい、と いうのは、ひの でと ひの いりの ころの めやすです。)
5. にじの まるい わは、どこで ぜんぶ 見えるの?
5. 輪の全体が見える場所 ── 飛行機とドローン
5. 高い視点からの全円 ── 航空機・ドローンの例
じめんの 上からは ふつう 上の はんぶんしか 見えませんが、あめの つぶと 日の 光の じょうけんが そろえば、まるい わに 見えることが あります。たとえば、たかい ところです。
ひこうきに のって いると、じょうけんが あえば、まるい にじ ぜんたいが 見えると、アメリカの きかんが せつめい して います[5]。
アメリカの うちゅう きかんNASAの ページには、ノルウェーの あめの なかを ドローンで とんで とった、まんまるの にじの しゃしんが のって います[6]。にじの さしわたしは 84どです。
ただし、どれくらい よく 見られるかは、しりょうに かいて ありません。「じょうけんが あえば」と、おぼえて おきましょう。
地上ではふつう、虹の上半分しか見えません。雨粒と太陽光の条件もそろえば、高い建物や飛行機のような高い視点では、全円の虹が見えることがあるとされます[1]。山の上からも、より完全な円が見えることがあります[2]。
アメリカの海洋大気庁(NOAA)は、飛行機から、適切な条件のもとで円形の虹全体が見えることがあると説明しています[5]。
NASAのウェブサイトの写真の一つは、ノルウェーのロフォーテン諸島で、9月に、雨の中をドローンで飛んで撮った全円の虹です[6]。円の直径は、半径42度の2倍で約84度になります。
飛行機で全円が見える頻度については、資料に書かれていません。条件が合えば、という範囲にとどめます。
高い建物や航空機のような高い視点では、ほかの条件(雨滴・太陽光)もそろえば、虹の全円が見える[1]。山や航空機からより完全な円が見えることがあると、気象光学の専門サイトも述べる[2]。NOAAは、飛行機から適切な条件なら円形の虹全体が見えると説明する[5]。
NASAのAPOD(今日の天文写真)2022年12月27日の写真は、ノルウェーのロフォーテン諸島で9月に、降雨の中をドローンで飛んで撮影した全円の虹である[6]。円全体の直径は約84度(半径約42度の2倍)で、半径ではない点に注意する。
全円の虹はグローリー(光輪)と混同されやすいが、グローリーは直径がずっと小さく、別の光学過程でできるとされる[1]。全円の虹の頻度や、高度による条件の詳細は、参照した資料では確認できなかった。
自分でも しらべて みたく なったら
自分でも調べてみたくなったら
自分でも調べてみたくなったら
今日 できること
- はれた 日に、たいようを せなかに して 立ち、じめんに のびた かげの あたまの ぶぶんの いちを 見て みましょう。そこが、にじの わの まんなかの めやすです。たいようは、じかに 見ません。
- にじが 出た日には、かげの あたまの ほうこうと、にじの まんなかが かさなるか、かんがえて みましょう。
- かみに、たいよう・じぶん・にじの ほうこうを えに かいて みましょう。
出かけて できること
- にじが 見られる きかいが あれば、たいようを せなかに した ほうこうの くもや あめに、にじが 見えるか 見て みましょう。
今日できること
- 晴れた日、太陽を背にして自分の影の頭の位置を見て、対日点の目安を確かめてみましょう。太陽そのものは見ません。
- 虹が出たら、虹の中心の向きと、自分の影の頭がある向きを比べてみましょう。虹の中心が地面の下のどのあたりにあるか、考えるきっかけになります。
- 紙に、太陽・自分・虹の方向を線で描いてみましょう。
出かけてできること
- 虹を見る機会があれば、太陽を背にした方向の雲や雨に、虹が見えるか観察してみましょう。
資料を読むなら
- NOAAの「What Causes a Rainbow?」とNASAのAPODに、円形の虹の説明と写真があります(英語。読まなくても、上のことは試せます)。
今日できること
- 晴れた日に太陽を背にして立ち、自分の影の頭の位置が対日点の目安になることを確かめる。太陽は直接見ない。
- 虹が出た日、虹の中心の方向と自分の影の頭の方向が重なるか、観察する。
出かけてできること
- 虹を見られる機会があれば、対日点方向(太陽を背にした側)の雲や雨に虹が見えるか観察する。
公式情報・原典
- 気象光学の専門サイト Atmospheric Optics の「Low and High Rainbows」、NOAA NESDIS の「What Causes a Rainbow?」、NASA APOD 2022年12月27日(英語)。
しらべた もとの じょうほう
参考にした情報源
参考にした情報源と、その使い方
対日点・半径約42度・太陽高度42度の記述は[2](気象光学の専門サイト)を、円すいの説明は[1][3]を主に参照した。全円の虹の例は[5][6]。日本語の公的資料では対日点や全円の記述を確認できなかったため、英語資料が中心である。
- Wikipedia, "Rainbow". https://en.wikipedia.org/wiki/Rainbow (円すい・全円・グローリーとの区別)
- Atmospheric Optics, "Low and High Rainbows". https://atoptics.co.uk/blog/low-and-high-rainbows/ (半径約42度・太陽高度42度・高所)
- Scientific American, "Why are rainbows curved?" (1999). https://www.scientificamerican.com/article/why-are-rainbows-curved-i-1999-10-21/ (なぜ円になるか)
- Wikipedia, "Antisolar point". https://en.wikipedia.org/wiki/Antisolar_point (対日点・頭の影・地平線との関係)
- NOAA NESDIS, "What Causes a Rainbow?". https://www.nesdis.noaa.gov/about/k-12-education/optical-phenomena/what-causes-rainbow (飛行機から見える円形の虹)
- NASA, Astronomy Picture of the Day, 2022 December 27. https://apod.nasa.gov/apod/ap221227.html (ドローンで撮った全円の虹)
なおした ところ
更新履歴
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