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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

つゆは、日本じゅうで 同じ日に はじまるの?

梅雨は本当に6月に一斉に来るのか ── 沖縄から東北北部まで、雨の帯はどう進むのか

梅雨入りはなぜ北へ進むのか ── 平年値の36日と北海道、オホーツク海の役割

分野:自然

「6月は 梅雨つゆ」と いいますが、日本の どこでも 同じ 日に はじまる わけでは ありません。沖縄おきなわは 5月10日ごろ、東北の 北の ほうは 6月15日ごろ。そして 北海道には、気象庁きしょうちょうが 発表する つゆ入りが ありません。

つゆは、どうして 南から 北へ すすんで いくのでしょう。雨の おびの 正体と、その 動きかた、つゆという 名前の 話が わかります。

梅雨入りは、日本じゅうで同じ日に始まるわけではありません。気象庁の平年値では、沖縄が5月10日ごろ、東北北部が6月15日ごろで、約5週間かけて北へ進みます[2]。しかも北海道には、気象庁が発表する梅雨入りがありません[3]。

雨の帯はなぜ南から北へ動くのか。梅雨前線の正体、オホーツク海についての新しい研究、暦の「入梅」や「五月雨」との関係が分かります。

梅雨入りの平年値(1991〜2020年の平均)は、沖縄の5月10日ごろから東北北部の6月15日ごろまで、36日の幅がある[2]。北海道には、気象庁が発表する梅雨入り・梅雨明けそのものがない[3]。「6月は梅雨」は、本州の中ほどの実感に近い。

では、雨の帯はなぜ北へ動くのか。梅雨前線を動かす太平洋高気圧、主役とされてきたオホーツク海の役割を見直す2020年の研究、暦の入梅と実際の梅雨入りの違い、五月雨からの言葉の移り変わりが分かる。

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1. つゆは、日本じゅうで 同じ日に はじまるの?

1. 梅雨入りの日は、南と北で5週間ちがう

1. 梅雨入りの時差 ── 平年値で見る36日の北上

カレンダーの 6月10日ごろ、日本の 南と 北では、空の ようすが ぜんぜん ちがいます。

気象庁きしょうちょうが まとめた 平年の つゆ入りは、沖縄おきなわが 5月10日ごろ、九州の 南が 5月30日ごろ、東京の あたりが 6月7日ごろ、東北の 北が 6月15日ごろです[2]。

沖縄おきなわから 東北の 北まで、つゆ入りは 36日かけて、少しずつ 北へ うつって いきます。

ただし、おなじ はやさで 歩いて いる わけでは ありません。沖縄おきなわから 九州の 南までは 20日。九州の 南から 東北の 北までは 16日です。九州の 北の 6月4日ごろから 東京の あたりの 6月7日ごろまでは、たった 3日しか ちがいません。これは、この 記事で 日にちを 引き算して 出した 数字です。

平年は 30年の へいきんで、目安です。じっさいの 年は、これより 早く なったり おそく なったり します。

では、いちばん 北の 北海道は、どうなって いるのでしょう。

「6月になれば梅雨」というイメージは、地域によって実感が違います。気象庁の平年値(1991〜2020年の30年の平均)では、梅雨入りは沖縄が5月10日ごろ、九州南部が5月30日ごろ、九州北部が6月4日ごろ、関東甲信が6月7日ごろ、東北北部が6月15日ごろです[2]。

沖縄から東北北部まで36日、約5週間かけて北上する計算です。ただし進み方は一定ではありません。この記事で日付を引き算してみると、沖縄から九州南部までが20日、九州南部から東北北部までが16日です。九州北部の6月4日ごろと関東甲信の6月7日ごろは、わずか3日の差しかありません。九州から関東まで、ほぼ同じころに梅雨入りしていることになります。

平年値は目安で、梅雨入りの日は年によってずれます。それでも、梅雨は日本列島を南から北へ移っていく現象だということは、平年値の並びからはっきり読み取れます。

この「北へ進む」が、行き止まりになるところがあります。北海道です。

梅雨入りの平年値(1991〜2020年の平均)を並べると、沖縄が5月10日ごろ、九州南部が5月30日ごろ、九州北部が6月4日ごろ、関東甲信が6月7日ごろ、東北北部が6月15日ごろである[2]。沖縄と東北北部の差は36日で、約5週間かけて北へ進む。

ただし、この北上は等速ではない。日付から差を計算すると、沖縄から九州南部までが20日、九州南部から東北北部までが16日になる。さらに九州北部(6月4日ごろ)から関東甲信(6月7日ごろ)は3日差にすぎず、そのため九州から関東にかけては、ほぼ同時期に梅雨入りすることになる。これは平年値の差から本稿で求めた数字で、資料に書かれた説明ではない。

平年値は30年間の平均であり、実際の年の梅雨入りは前後にずれる。それでも、南から北への順序そのものは平年値から明瞭に読み取れる。では、この順序は北海道ではどこまで続くのか。

2. 北海道には、つゆが ないの?

2. 北海道に、梅雨入りの発表がない理由

2. 北海道に梅雨入り・梅雨明けの発表がない ── 前線がはっきりしなくなる

北海道には、つゆ入りの 発表が ありません。気象庁きしょうちょうの 子ども向けの せつめいでは、こう あります。つゆの 雨を ふらせる 前線は、夏に むけて 北へ うごきますが、北海道の あたりでは、はっきり しなく なる ことが 多いのです[3]。

雨や くもりの 日が 多い 時期が ある 年も あります。でも、年に よる ちがいが 大きいのです[3]。

つまり、「つゆが ない」と いうより、つゆと 言い切れる はっきりした 雨の 時期が、毎年 同じ ようには 来ない、と いう ことです。

では、この 前線は、そもそも なにと なにの さかいめなのでしょう。

気象庁の子ども向けの解説によると、梅雨前線は真夏にかけて北へ移動しますが、北海道のあたりではっきりしなくなることが多いそうです[3]。そのため、北海道には気象庁が発表する梅雨入り・梅雨明けがありません[3]。

雨やくもりの日が多い時期がある年もありますが、年による差が大きく、毎年はっきりした「梅雨」として現れるわけではないと説明されています[3]。

ここで大切なのは、梅雨の有無が「雨が多いかどうか」だけで決まるのではなく、前線という雨の帯が、はっきり現れるかどうかと結びついている点です。では、前線とは何と何の境目なのでしょうか。

気象庁の解説では、梅雨前線は真夏にかけて北へ移動するが、北海道のあたりではっきりしなくなることが多い。北海道には梅雨入り・梅雨明けの発表がなく、雨やくもりの多い時期がある年でも、年による差が大きいとされる[3]。

つまり梅雨の判定は、雨の量そのものよりも、前線の帯が地域にはっきりかかるかどうかと結びついている。この解説は、北海道を「梅雨がない地域」と断定しているのではなく、梅雨として発表できるほど安定した現れ方をしない年が多い、という説明と読める。

この前線がどのようにできて動くのかを見ないと、北海道で弱まる理由も、南から順に入る理由も説明できない。

3. 雨の おびは、なにと なにの さかいめ?

3. 梅雨前線は、湿った暖かい空気と別の空気の境目にできる

3. 梅雨前線の形成と北上 ── 太平洋高気圧が押し上げる

前線は、せいしつの ちがう 空気と 空気が ぶつかる、さかいめです。

つゆ前線は、太平洋の 上に ある 高気圧こうきあつの しめって あたたかい 空気と、大陸たいりくや オホーツク海の ほうの 空気との あいだに できます[4]。

夏が 近づくと、太平洋の 高気圧こうきあつが 強く なって、前線を 北へ おし上げます。前線が 通りすぎた 南の ほうから、つゆは 明けて いきます[5]。

たとえば、ゆかの 上の ぬれた タオルを、うしろから 手で 北へ おして いく ようすです。ただし 本当は、タオルでは なく、空気の せいしつが ちがう 場所の さかいめが、おされて うごくのです。

南から 入って、南から 明ける。これが、つゆの 動きかたです。

前線とは、性質の異なる空気がぶつかる境目のことです。松山地方気象台の解説では、梅雨前線は、太平洋高気圧にともなう湿った暖かい空気と、中国大陸の乾いた暖かい空気やオホーツク海周辺の湿った冷たい空気との間にできます[4]。同じ解説は、6月を、梅雨に入って1年で最も降水量が多くなる時期として紹介しています。ただし、これは四国を中心にした解説です。

この前線は、夏に向けて太平洋高気圧が強まると、北へ押し上げられます。梅雨の後期にオホーツク海高気圧が弱まり、太平洋高気圧が前線を北上させるので、前線が抜けた南の地域から順に梅雨が明けて夏になる、という説明があります[5]。

南から入って、南から明ける。第1章の平年値の並びと、前線が北へ押し上げられる動きは、同じ現象を別の側から見たものです。「なぜ6月か」を一つの原因に絞った資料は、今回は見当たりません。前線が南から北へ移る途中の位置と時期が、列島の中ほどでは6月にあたる、と読むのが無理のない見方です。

ところで、前線を押す相手の一つに、オホーツク海の空気が挙げられていました。この役割が、最近の研究で見直されています。

松山地方気象台の解説では、梅雨前線は太平洋高気圧にともなう湿潤・温暖な気団と、中国大陸の乾燥・温暖な気団やオホーツク海周辺の湿潤・冷涼な気団との間に形成される。同じ解説は、6月を梅雨に入る時期として、1年で最も降水量が多くなる月に挙げる[4]。ただし、この解説は四国を中心にしたもので、全国で6月が最多という意味ではない。

前線は、太平洋高気圧が強まるにつれて北へ押し上げられる。梅雨後期にはオホーツク海高気圧が弱まり、太平洋高気圧が前線を北上させるため、前線が抜けた南の地域から順に梅雨が明けて夏になる、という説明がある[5]。

平年値の南から北への入り方と、南から順の梅雨明けは、前線が太平洋高気圧に押されて北へ移るという同じ動きの表と裏になる。「なぜ6月か」を一つの原因に絞った資料は今回は見当たらず、前線の位置と高気圧の強まり方の組み合わせで、列島の中ほどでは6月前後に前線がかかる、というのが読み取れる範囲である。

では、前線を押す側にいる、オホーツク海の空気の役割はどう見られているのか。

4. オホーツク海は、つゆの しゅやくなの?

4. 梅雨の主役はオホーツク海高気圧、とは言い切れない

4. オホーツク海高気圧の位置づけ ── 2020年の数値シミュレーション研究

オホーツク海は、北海道の 北東に ある 海です。つめたい 海で、ほくい45度の あたりでは、世界で いちばん ひくい 温度の 海だと せつめいされて います[6]。海が 氷に おおわれる ことと、潮しおの 強い 流れで つめたい 水が 上に 上がる ことが、理由です。

この 海の 上の 高気圧こうきあつが、つゆの 主役のように 言われる ことが ありました。たとえば、2026年6月18日に 発表された 1か月 よほうでは、6月中は オホーツク海の 高気圧こうきあつが 強くて、前線が 北へ 行きにくい、7月は 太平洋の 高気圧こうきあつが 勝って 前線が 活発に なる、と 見られて いました[5]。

ところが、2020年の 研究では、オホーツク海の 高気圧こうきあつが なくても つゆは 起こる、と いう けっかが 出ました。オホーツク海は、主役では なく、わきやくだと しめした 研究です[6]。

これは、コンピューターの シミュレーションの 研究の 一つです。

オホーツク海は、北緯45度の緯度帯で世界一低温の海だと説明されています。海氷に覆われていることと、潮の満ち引きの強い流れで冷たい水が表面に上がることが、二つの理由です[6]。

梅雨の説明では、この海の上に現れるオホーツク海高気圧がよく取り上げられます。たとえば、2026年6月18日に出た気象庁の1か月予報では、6月中はオホーツク海高気圧の勢力が強いため梅雨前線は北上しにくく、7月は太平洋高気圧が優勢になって前線の活動が活発になるとみられていました[5]。これは予報であり、実際の結果ではありません。前線の位置が天気を左右することを示す一例です。

ところが、2020年12月に学術誌『Journal of Climate』に載った三重大学・北海道大学の研究は、数値シミュレーションで、低温のオホーツク海が太平洋高気圧を強め、梅雨の降水量を増やす一方、オホーツク海高気圧がなくても梅雨は起こると示しました。梅雨にとってオホーツク海は主役ではなく、副次的な役割だと結論しています[6]。

これは、シミュレーションにもとづく一つの研究です。定説が完全に覆ったと言い切れる段階かどうかは、別の話です。それでも、教わった説明にも見直しの余地があることを、はっきり示した例といえます。

オホーツク海は、北緯45度の緯度帯で世界一低温の海とされる。理由は、海氷に覆われていることと、潮の満ち引きによる強い流れで冷たい水が表面に上がることの二つである[6]。

梅雨前線を押し留める要因としては、オホーツク海高気圧がよく挙げられる。たとえば、2026年6月18日発表の気象庁1か月予報は、6月中はオホーツク海高気圧の勢力が強いため梅雨前線が北上しにくく、7月は太平洋高気圧が優勢になり前線活動が活発になるとみられる、と報じられた[5]。これは予報であり、前線の位置が天気を左右するという例示にとどまる。

この見方に対し、三重大学と北海道大学の研究(Journal of Climate、2020年12月)は、数値シミュレーションで、低温のオホーツク海が太平洋高気圧を強め、梅雨の降水量を増やす効果は認めた。一方で、オホーツク海高気圧が存在しなくても梅雨現象は生じることも示し、梅雨にとってオホーツク海は主役ではなく副次的な役割だと結論した[6]。

これは一つのシミュレーション研究であり、定説が完全に覆ったと言い切ることはできない。ただ、海の冷たさが降水量を増やす経路と、高気圧の有無が梅雨の発生そのものに必要かどうかを、切り分けて考える視点を示した点が重要である。

5. こよみの「入梅にゅうばい」は、つゆ入りと 同じ?

5. 暦の「入梅」と、気象庁の梅雨入りは別のもの

5. 暦の入梅と気象庁の梅雨入り ── 5日間の移り変わりの中日

こよみには、「入梅にゅうばい」と いう 日が あります。2026年は 6月11日です[7]。

これは、国立天文台が 出す こよみの めじるしの 一つで、じっさいの つゆ入りとは べつの ものです[7]。たとえば 東京の あたりの 平年の つゆ入りは 6月7日ごろなので、4日ほど ちがいます。

では、気象庁きしょうちょうの つゆ入りは、どう 決まるのでしょう。気象庁きしょうちょうは、つゆを 「春から 夏へ うつる とちゅうで、前後の 時期より 雨が 多く、日ざしが 少なく なる 季節きせつの げんしょう」と せつめいして います[1]。

この かわり目は、一日で 切りかわるわけでは ありません。へいきんで 5日ほどかけて うつり かわり、発表の「○日ごろ」は、その まん中の 日です[1]。

はじめの 発表は 速報そくほうで、季節きせつが すぎてから、じっさいの 天気を 見て、あとから 日にちが 決められます[1]。

暦には「入梅」という日があります。国立天文台の暦要項では、雑節の一つで、2026年は6月11日6時14分(太陽黄経80度)です[7]。実際の梅雨入りとは別のものです[7]。関東甲信の平年の梅雨入りが6月7日ごろなので、2026年の入梅は、それより4日あとの計算になります。

では、気象庁の梅雨入りはどう決まるのか。気象庁は梅雨を、春から夏に移る過程で、前後の時期と比べて雨が多くなり、日照が少なくなる季節現象と説明しています[1]。ある日を境に天気が一変するのではなく、少しずつ変わる現象です。

このため、梅雨入り・梅雨明けには平均して5日間ほどの「移り変わり」の期間があり、発表の「○日ごろ」はそのおおむね中日を示します[1]。最初に出る速報とは別に、季節が過ぎてから実際の天候の経過をもとに確定値が決められます[1]。

では、梅雨という言葉自体は、いつから使われているのでしょうか。

暦の入梅は、国立天文台の暦要項では雑節の一つで、2026年は6月11日6時14分(太陽黄経80度)とされる[7]。実際の梅雨入りとは別のものである[7]。関東甲信の平年の梅雨入りが6月7日ごろなので、2026年の入梅は平年の梅雨入りより4日遅い。暦は太陽の位置で決まる決まった日付で、気象庁の発表は天候の経過を見て決まる点が違う。

気象庁は梅雨を、春から夏に移行する過程で、前後の時期と比べて雨が多くなり日照が少なくなる季節現象と説明する[1]。ある一日を境に切り替わる現象ではなく、そのため梅雨入り・梅雨明けには平均5日間程度の「移り変わり」の期間があり、発表の「○日ごろ」はその中日を指す[1]。

さらに、速報とは別に、季節が過ぎたあとの実際の天候経過で確定値が決められる[1]。つまり、リアルタイムの発表は暫定的な判断を含んでいる。

この現象に、日本語はいつ「梅雨」という名前を与えたのか。

6. つゆという 名前は、いつからなの?

6. 「五月雨」の五月は旧暦の5月、梅雨のころの長雨だった

6. 「梅雨」の語源と、それ以前の「五月雨」

つゆという ことばは、江戸時代えどじだいの あとに 中国から 入って きた ものです。それより 前、この 時期の 長雨は 「さみだれ」と よばれて いました[8]。

さみだれは、漢字で 「五月雨」と 書きます。五月と ありますが、いまの 5月では ありません。むかしの こよみの 5月ごろに ふりつづく 長雨で、つゆの ころの 雨の ことです[9]。

「つゆ」と 書く わけには、いくつか せつが あります。うめの 実が うれる ころの 長雨だから、という せつ。じめじめして カビが はえる 時期だから「黴雨ばいう」と よび、同じ 発音の 「うめ」の 字を あてた、という せつです[8]。

どれか 一つに 決まっては いません。

「梅雨」という語は、日本では江戸時代以降に中国の語が入ったもので、それ以前のこの時期の長雨は「五月雨(さみだれ)」と呼ばれていました[8][9]。

「五月雨」の五月は、旧暦の5月です。五月雨は、旧暦5月ごろに降り続く長雨で、梅雨のころの雨のことでした[9]。名前に「五月」と入っていても、いまの5月の雨ではない、というのは意外な点です。

「梅雨」の書き方の由来には、諸説あります。梅の実が熟すころの長雨だから、という説。じめじめとして黴(カビ)がはびこる時期なので「黴雨(ばいう)」と呼び、「黴」と同じ音の「梅」の字をあてた、という説です[8]。どれか一つに決まったわけではありません。

南から北へ移る雨の帯に、日本語がつけた名前の移り変わりが、ここまでたどれます。では、自分の住む地域では、この雨の帯はいつ来ているのでしょうか。

「梅雨」の語は、日本では江戸時代以降に中国の語が入ったもので、それ以前この時期の長雨は「五月雨」と呼ばれた[8][9]。

五月雨の「五月」は旧暦5月で、五月雨は旧暦5月ごろに降り続く長雨、つまり梅雨のころの雨を指す語である。名前に「五月」とあっても、今の5月の雨のことではない[9]。

「梅雨」の表記の由来には諸説ある。梅の実が熟すころの長雨という説と、黴(かび)が生える時期なので「黴雨(ばいう)」と呼び、同音の「梅」を当てたという説である[8]。どれか一つに断定はできない。

では、自分の地域の梅雨入りは、平年と比べて実際にどのくらいずれているのか。

7. じぶんの 町の つゆ入りを しらべて みよう

7. 自分の地域の「平年」と「確定値」を並べて、日数を計算する

7. 出口 ── 確定値の表から年ごとのずれを計算する/原典に当たる

気象庁きしょうちょうの ホームページには、つゆ入りと つゆ明けの 日にちの 表が のって います。おうちの 人と いっしょに、じぶんの 住んで いる 地方を さがして みましょう。

平年の 日にちと、ここ 数年の 日にちを ならべます。そして、何日 はやい 年や おそい 年が あるか、引き算で 出して みます。

はやい 年と おそい 年の ちがいが、思ったより 大きいか、小さいか。自分の 目で 見て みると、「平年」と いう ことばの 意味が わかって きます。

気象庁のホームページには、梅雨入りと梅雨明けの平年値と、過去の確定値が載っています。自分の住む地方のページを開き、平年の日付と、ここ数年の確定値を並べてみましょう。

何日早い年、何日遅い年があるかを、引き算で出してみます。梅雨入りが平年と大きくずれた年に、前線の動きもどう違ったか、気象庁の資料で見比べてみましょう。早い年と遅い年の幅が、思ったより大きいかどうか、数字を見ると実感できます。

同じ年の中でも、速報で発表された日と、あとから決められた確定値が違うことがあるか、見比べるのも面白い確かめ方です[1]。

気象庁の梅雨入り・梅雨明けのページには、平年値と過去の確定値が載っている。住んでいる地方の平年値と、過去数年の確定値を並べ、日数の差を出してみるとよい。梅雨入りが平年より何日早い(遅い)年があるのか、その幅を計算すると、「平年」が目安にすぎないことが数字で確かめられる。

速報と確定値が異なる年があるかも、見比べられる[1]。前線の位置が年ごとに異なる理由として、太平洋高気圧の強さが挙げられることを踏まえ[5]、ずれの大きい年について高気圧の様子を調べる、という次の問いにもつながる。

原典に当たるなら、気象庁の梅雨入り・梅雨明けの確定値のページ[1]と平年値のページ[2]、気象庁の子ども向けページ[3]は日本語で読める。オホーツク海の研究は、北海道大学が公開した発表資料[6]を読むと、図つきで経緯が分かる。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

出典について:気象庁の梅雨入り・梅雨明けのページ、気象庁の子ども向けページ、松山地方気象台の解説、国立天文台の暦要項、研究機関の発表資料、辞典・事典の記述を使いました。

  1. 気象庁「梅雨入りと梅雨明け(確定値)関東甲信」。 https://www.data.jma.go.jp/cpd/baiu/kako_baiu09.html (梅雨の定義、移り変わりの期間、速報と確定値の違いについて)
  2. 気象庁「梅雨入り・梅雨明け速報」。 https://www.data.jma.go.jp/cpd/baiu/sokuhou_baiu.html (梅雨入りの平年値について)
  3. 気象庁 はれるんライブラリー「梅雨」。 https://www.jma.go.jp/jma/kids/kids/faq/d2_04.html (北海道に梅雨入りの発表がないことについて)
  4. 松山地方気象台「気象と気象用語 2026年6月」。 https://www.jma-net.go.jp/matsuyama/publication/tenko/tenko202606.pdf (梅雨前線ができる境目について)
  5. ウェザーニュース「梅雨解説」。 https://weathernews.jp/news/202606/180131/ (前線の北上と、2026年6月18日発表の1か月予報について)
  6. 三重大学・北海道大学の発表資料(立花義裕教授ら、2021年)。 https://www.hokudai.ac.jp/news/pdf/210114_pr.pdf (オホーツク海と梅雨の関係、オホーツク海の水温について)
  7. 国立天文台「令和8年(2026)暦要項」。 https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/yoko/2026/rekiyou262.html (入梅の日付について)
  8. imidas「入梅」。 https://imidas.jp/rekigyoji/detail/L-55-135-08-06-G222.html (梅雨の語源の諸説について)
  9. コトバンク「五月雨」。 https://kotobank.jp/word/%E4%BA%94%E6%9C%88%E9%9B%A8 (五月雨と旧暦の関係について)

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