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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

地震じしんの ゆれは、どうして はじめに ガタガタ、あとから ゆさゆさ なの?

地震はなぜ、先に小刻みな上下の揺れ、あとから大きな横揺れが来るのか

地震波のP波とS波は何がちがい、その到着の時間差は何に使われているのか

分野:自然

地震じしんでは、はじめに ガタガタと 小さく ゆれて、すこし たってから ゆさゆさと 大きく ゆれる ことが あります。ゆれが 二回に わかれて 来るように 感じる のです。

どうして ゆれは 二回 来るのでしょう。そのあいだの 時間は、なにかに 役立って いるのでしょうか。この ページを 読むと、二つの 波の ちがいと、時間の さの つかい道が わかります。

地震のとき、最初に小刻みな上下の揺れを感じ、少し遅れて大きな横揺れが来ることがあります。地震本部の説明では、これは速さの違う2種類の波が、別々の時刻に届くためです[1]。

では、その波は何がどう違い、届く時刻の差は何に役立っているのでしょうか。この記事を読むと、P波とS波の違い、その時間差を使う緊急地震速報、そして時間差が足りなくなる場合のことが分かります。

地震計に記録される揺れは、まずP波、続いてS波という順に到着する。地震本部によれば、P波がS波より約1.7倍速く伝わることが、この順序の理由である[1]。ならば、この時間差は何に使えるのか。

この記事を読むと、縦波と横波という振動方向のちがい、気象庁が緊急地震速報にこの時間差を利用する仕組み、時間差から震源までの距離を見積もる計算(自分で行った概算)、そして時間差が足りなくなる条件が分かる。

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1. ゆれは、どんな じゅんばんで 来るの?

1. 揺れには、どんな順番で届く2種類の波があるのか

1. P波が先、S波があとという到着順は、何で決まるのか

じしんの ゆれは、いろいろな 波が つたわって 来て、おこります。そのうち、地めんの 中を すすむ 二つの 波を、P波と S波と いいます[1]。

はじめに 来るのは、P波です。P波は、ガタガタと 上下に 小さく ゆらします。すこし おくれて、S波が 来ます。S波は、ゆさゆさと 横に ゆらします[1]。

P波は、S波より 1.7ばいくらい 速く すすみます。おなじ きょりなら、P波は S波より 先に つくのです[1]。

では、P波と S波は、なにが ちがうのでしょう。

地震の揺れは、地中を伝わる波と、地表面を伝わる波に分けられます。地中を伝わるものを実体波といい、実体波はさらにP波とS波の2つに分かれます[1]。

最初にガタガタと上下に小刻みに揺らすのが、P波です。しばらくして、ゆさゆさと横に揺らすのがS波です[1]。P波のほうがS波より約1.7倍速く伝わるので、同じ場所に先に着くのはP波になります[1]。

この「小さな揺れのあとに大きな揺れ」という順番は、2種類の波の速さの差から生まれています。では、速さのほかに、2つの波は何が違うのでしょうか。

地震波は、地中を伝わる実体波と、地表面を伝わる表面波に大別される。実体波はさらにP波とS波に分かれる[1]。観測点では、まずP波による上下方向の小刻みな揺れが現れ、のちにS波による横方向の揺れが続く[1]。

この順序は、P波がS波より約1.7倍速く伝わるために生じる[1]。出発が同時でも、速い波が先に着き、遅い波があとから追いつく。したがって、観測点が震源から遠いほど、2つの波が着く時刻の差は開く。

では、速さの差は、波のどんな性質から来ているのか。次の章で、振動の方向を確かめる。

2. 「たて波」と「よこ波」は、なにが ちがうの?

2. 縦波のP波と横波のS波は、揺れ方がどう違うのか

2. 縦波と横波:振動の方向と、伝わっているものの違い

ながい ばねを 思いうかべて ください。ばねの 一方を 手で おして、ひくと、のびちぢみが ばねを つたわって いきます。これが、波の すすむ 向きと 同じ 向きに ゆれる 「たて波」です。P波は、この たて波です。じめんの 中を、のびちぢみが つたわって いきます[1]。

こんどは、ながい ひもの 一方を 手で 上下に ふると、波が ひもを つたわって いきます。波は 前に すすむのに、ひもは 上下に ゆれます。これが、すすむ 向きと 直かくの 向きに ゆれる 「よこ波」です。S波は、よこ波で、ねじれが つたわって いきます[1]。

ただし、これは たとえです。じめんの 中の 波は、ばねや ひもとは ちがう ものです。それに、じっさいの ゆれの 向きは、場所によって ちがうこともあります。

長いばねの端を手で押して引くと、伸び縮みが端から端へ伝わっていきます。ばねの動く向きと、伝わる向きが同じです。このような波を縦波といい、P波がそれにあたります。地震本部は、P波を「伸び縮みが伝わっていく波」と説明しています[1]。

長いひもの端を上下に振ると、波は前に進みますが、ひもは上下に動きます。動く向きと伝わる向きが直角に交わる横波で、S波がこれにあたります。S波では、ねじれが伝わっていきます[1]。

ただし、これは波の性質を知るための例えです。実際に私たちが感じる上下・横の揺れは、地面の中を波が斜めに進むかどうかなどにも左右されると考えられ、P波は上下、S波は横と単純に決まるわけではありません。資料が述べているのは、最初に小刻みな上下の揺れ、そのあとに横方向の揺れを感じる、という一般的な順序です[1]。

では、2つの波が着く時刻の差は、何かに使えるのでしょうか。

P波は縦波で、波の進行方向と同じ方向に振動し、媒質の伸び縮み(体積変化)が伝わる。S波は横波で、進行方向に垂直な方向に振動し、ねじれ(せん断)が伝わる[1]。

観測される揺れの方向は、波の種類だけでなく、波が地中をどの角度で進んで観測点に届くかにも関係すると考えられる。ただし、これを「震源の真上ならP波は主に上下動」と言い切るには、別の確認が要る。ここでは、地震本部が示す一般的な順序(先に小刻みな上下動、後に横方向の揺れ)に絞って扱う[1]。

では、P波とS波の着く時刻の差は、防災にどう使われているのか。

3. 二つの ゆれの あいだの 時間は、なにに 役立つの?

3. 2つの波の時間差は、緊急地震速報にどう使われているのか

3. 緊急地震速報:P波を検知してからS波の到着まで

じつは、P波と S波の 時間の さを つかった 「緊急地震速報きんきゅうじしんそくほう」が あります。気象庁きしょうちょうの せつめいでは、P波は 一びょうに 7キロメートルくらい、S波は 4キロメートルくらい すすみます[2]。

はじめに 来る P波を きかいが 見つけます。そして、S波が 来る 前に、「つよい ゆれが 来ます」と しらせます。S波は おそいけれど、ゆれは 強い 波です[2]。

たとえば、じしんの 場所から 100キロメートル はなれた ところだと、P波は 14びょうくらい、S波は 25びょうくらいで 着きます。そのあいだは、11びょうほどです。(これは、7と 4の 速さが ずっと 同じだと して、じぶんで 計算した 目安です。)

この 十びょうほどで、つくえの 下に はいったり、火を とめたり できるかも しれません。でも、いつも こんなに 時間が ある わけでは ないのです。

気象庁によると、P波は秒速約7km、S波は秒速約4kmで伝わります。S波のほうが遅いものの、揺れは強い波です[2]。緊急地震速報は、先に届くP波を検知し、あとから来るS波による強い揺れが届く前に知らせようとする仕組みです[2]。

どれくらいの余裕が生まれるかを、この秒速を使って計算してみましょう。震源から100km離れた場所では、P波は約14秒(100÷7)、S波は25秒(100÷4)で届きます。差は約11秒です。震源から50kmなら、差は約5秒です。(秒速7kmと4kmを一定とした概算で、実際の地下の速さは場所や深さで変わるため、あくまで目安です。)

この計算から、震源から遠いほど時間差が大きくなることが分かります。逆に、時間差が分かれば、震源までのおおよその距離も逆算できます。距離1kmあたりの到着時間差は約3/28秒(1/4−1/7)なので、時間差に約9(28÷3)をかけた値が、距離の目安です。差が10秒なら約93kmです。

一方、近い場所ではどうなるのでしょうか。

気象庁の説明では、P波は秒速約7km、S波は秒速約4kmで伝わり、S波のほうが遅いが揺れは強い[2]。緊急地震速報は、先に観測点に届くP波を検知して震源などを推定し、S波による強い揺れが到達する前に警報を出すことを狙う仕組みである[2]。

この前提で、時間差を見積もってみる。以下は、秒速7kmと4kmが一定だと仮定した筆者の概算で、実際の地下の速度は岩盤の種類や深さで変わる。震源距離100kmでは、P波は約14.3秒(100÷7)、S波は25秒(100÷4)で届き、差は約11秒になる。50kmなら約7.1秒と12.5秒で、差は約5.4秒になる。

距離Dでの時間差は D/4 − D/7 = 3D/28 秒だから、逆に時間差Δtから D ≒ 28Δt/3、つまり約9.3Δtと見積もれる。Δtが10秒なら約93kmである。P波とS波の初動の時刻差から距離を見積もるという考えは、緊急地震速報の推定の背後にあるものと同じ種類の発想だが、実際の速報は複数の観測点のデータを組み合わせて震源を決めており、この単純式がそのまま使われているわけではない。

この単純な式は、P波とS波が着く時刻の差が大きいほど速報に余裕が生まれることを示す。では、震源に近い場所ではどうなるのか。

4. ちかくでは、しらせが まにあわないことも あるの?

4. 震源の近くでは、速報が間に合わないことがあるのはなぜか

4. 時間差が足りなくなる条件と、日ごろの備え

じしんの 場所に ちかい ところでは、P波と S波が ほとんど 同じころに 着きます。そのうえ、きかいが しらべて、つたえるのに、数びょう かかります[3]。だから、気象庁きしょうちょうは、じしんの 場所に ちかい ところでは、しらせが まにあわない ことが あると せつめいして います[3]。

ねて いる ときなど、しらせを 聞いても、とっさに うごけない ことも あります。そこで、気象庁きしょうちょうは、ふだんから、家の 中の あんぜんな 場所を 知っておくように すすめて います[3]。

しらせが 来る 前でも 後でも、すぐに あたまを まもれる 場所を 知っていると、あんしんです。

緊急地震速報は、P波の検知、揺れの強さの解析、利用者への伝達を経て届きます。この解析や伝達に数秒かかるため、内陸の浅い地震では、震源に近い場所に速報が強い揺れの到達に原理的に間に合わないと、気象庁は説明しています[3]。速報が出てから強い揺れが届くまでは、数秒から長くても数十秒です[3]。

前の章の計算に当てはめると、この意味が分かります。震源から約30kmの地点なら、P波とS波の差は約3秒で、解析と伝達の数秒を引くと、ほとんど余裕が残りません。(これも一定の速さで見積もった概算です。)

もう一つ、就寝中など、速報を聞いてもとっさに身を守れない場合があります。気象庁は、日ごろから地震への備えを心がけ、室内の安全な場所を把握しておくことを勧めています[3]。

では、同じ地震でも、場所によって揺れの強さがちがうのは、なぜでしょうか。

緊急地震速報は、P波の検知から解析、伝達までに数秒を要する。内陸の浅い地震では、震源に近い場所へ速報を出しても、強い揺れの到達に原理的に間に合わない。速報から強い揺れまでの余裕は数秒から、長くても数十秒とされる[3]。

第3章の式を当てはめると、震源から観測点までの距離(深さを含めた距離)を30kmと仮定すると、Δt ≒ 3×30/28 ≒ 3.2秒となり、数秒の処理時間とほぼ同じ長さになる。この概算では、震源までの距離が短く、処理に数秒かかると、速報の余裕が小さくなる。ただし実際の速度は一定ではないので、この概算は単純化している。

この限界があるため、気象庁は、就寝中などで速報を聞いてもとっさに身を守れないことがあると述べ、室内の安全な場所を日ごろから把握しておくことを勧めている[3]。速報は万能の道具ではなく、備えと組み合わせて使うものだと読める。

では、場所による揺れの差は、時間差だけで説明できるのか。

5. おなじ じしんでも、ゆれが ちがうのは、どうして?

5. 同じ地震でも、場所で揺れの強さが変わる理由

5. 表面波と地盤:揺れを決めるのは波の種類だけではない

じしんの 波は、地めんの 中の P波、S波の ほかに、地めんの 上を つたわる 波も あります[1]。海の 波のように 上下にも ゆれる ものが あります[4]。

さらに、地めんの かたさも、ゆれに かかわります。やわらかい 地めんでは、つたわって 来た ゆれが 大きく なると 言われて います[5]。だから、おなじ じしんでも、場所によって、ゆれ方が ちがうことが あります。

ゆれの 大きさは、波の しゅるいだけで 決まる わけでは ないのです。

地震波には、地中を進む実体波のほかに、地表面を伝わる表面波もあります[1]。表面波には、水平方向のみに振動してねじれが伝わるLove波と、海の波と同じように上下の成分も持つRayleigh波があります[4]。

もう一つ、揺れの強さに大きく関わるのが地盤です。一般に、軟らかい地盤では、そこまで伝わってきた揺れが増幅されるとされます[5]。増幅の大きさは地盤の特性で大きく変わります。そのため、地震の揺れを予測するときは、マグニチュードと震源距離から決まる揺れと、地盤による増幅を別々に評価します[5]。

同じ地震でも家の場所で揺れ方が違うのは、波の種類に加えて、足元の地盤の違いも影響するからだと考えられます。

表面波には、水平方向にのみ振動し、ねじれが伝播するLove波と、海の波のように上下成分も持つRayleigh波がある[4]。実体波であるP波・S波と合わせて、観測点の揺れは複数の波が重なったものになる[1]。

これに加えて、地盤の効果がある。一般に、軟らかい地盤では伝わってきた揺れが増幅される。増幅の大きさは地盤の特性で大きく変わるので、強震動予測では、地盤の影響を大きく受けない所までの揺れをマグニチュードと震源距離で設定し、その上で地盤による増幅を別に評価する[5]。

つまり、ある場所の揺れは、波の種類(P波、S波、表面波)、震源からの距離、地盤の三つが重なって決まる。第3章の時間差の式は距離の目安を与えるが、揺れの強さまでは与えない。

6. おうちで できる ことは?

6. 時間差の計算と、家の中の安全な場所さがし

6. 時間差を自分で計算し、一次資料を読む

かみで けいさん

じしんの 場所から 70キロメートルの ところでは、P波は 10びょう(70÷7)、S波は 17.5びょう(70÷4)で 着きます。さは 7.5びょうです。かみに かいて、ほかの きょりでも 計算して みましょう。

おうちで 見つけよう

おうちの 人と いっしょに、ゆれた とき あたまを まもれる 場所を さがして みましょう。たおれて くる ものが 近くに ない 場所が いいです。

自分で時間差を計算する

震源からの距離を、30km、70km、150kmなどに決めて、P波(秒速7km)とS波(秒速4km)が届くまでの時間と、その差を紙で計算してみましょう。距離が2倍になると、時間差も約2倍になることが確かめられます。

家の中の安全な場所をさがす

気象庁は、日ごろから室内の安全な場所を把握しておくことを勧めています[3]。家族と一緒に、倒れてくる物や落ちてくる物の少ない場所を、家の中で探してみましょう。

資料を読むなら

気象庁の「緊急地震速報のしくみ」[2]と「特性と限界」[3]は日本語で読めます。

時間差の式を確かめる

D/4 − D/7 = 3D/28 の式を使い、震源距離を変えて時間差の表を作る。距離に比例して差が開くことが見える。実際の地下では速度が場所や深さで変わることも考えてみる。

資料を読むなら

地震波の種類は地震本部の用語解説[1]、緊急地震速報のしくみと限界は気象庁の二つのページ[2][3]、表面波は防災科学技術研究所の強震動の基礎[4]、地盤増幅は地震本部の用語解説[5]にある。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

本文で使った資料です。

  1. 地震波 | 地震本部. https://www.jishin.go.jp/resource/terms/tm_seismic_wave/ (P波・S波・実体波の説明、到着順、約1.7倍)
  2. 緊急地震速報のしくみ | 気象庁. https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/jishin/eew/shikumi/shikumi.html (P波・S波の秒速、速報の仕組み)
  3. 緊急地震速報の特性と限界 | 気象庁. https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/jishin/eew/shikumi/tokusei.html (間に合わない場合と備え)
  4. 強震動の基礎 7.2.1 表面波の特徴 | 防災科学技術研究所. https://www.kyoshin.bosai.go.jp/webtext/2/II-7.2.1.html (Love波とRayleigh波)
  5. 地震関連の用語解説 | 地震調査研究推進本部. https://www.jishin.go.jp/main/herpnews/series/2012/jul/yogo.htm (地盤による揺れの増幅)

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