このサイトは、ほんの入り口です

ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

宇宙うちゅう服は、ひとりひとりの 体に どうやって あわせるの?

宇宙服は、一人ひとりの体にどうやって合わせているのか:中サイズの部品が1つで担当が変わった2019年

宇宙服は宇宙飛行士の体にどう合わせるのか:上半身は3サイズ、手袋の内側は一人ずつ作る

分野:宇宙・天文

2019ねん、宇宙うちゅうステーションの そとで はたらく ひとが、ぶひんの つごうで かわりました。宇宙うちゅう服の うえはんしんの かたい ぶひんは、3つの おおきさしか ないのです。ちょうど いい ものが 1つしか なかったので、やる ひとを いれかえました。

どうして 宇宙うちゅう服は、1ちゃくずつ つくらないのでしょう。この ページでは、ぶひんを くみあわせる しくみと、てぶくろだけは ひとりずつ つくる わけが わかります。

国際宇宙ステーション(ISS)で使われる宇宙服の、上半身の硬い部分は、3サイズしか作られていません。2019年3月には、飛行士に合う中サイズが1つしか用意できず、船外活動の担当が組み替えられました。宇宙服は、一人ひとりに合わせて作らないのでしょうか。

この記事では、部品を組み合わせて体に合わせるしくみ、手袋だけは一人ずつ作る理由、宇宙で体が伸びることの影響、合わせられる体格を広げる新しい宇宙服の工夫が分かります。

ISSの船外活動で使われるEMUという宇宙服は、上半身の硬い部分(HUT)が3サイズしか作られていない。2019年3月には、飛行士に最も合う中サイズのHUTが期日までに1つしか用意できず、NASAが船外活動の担当を組み替えた。宇宙服は、なぜ一人ずつ作られないのか。

この記事では、部品を混ぜて体に合わせるモジュール式の考え方、手袋の内側だけが一人ずつ作られる理由、微小重力で体が伸びるという条件、対応範囲を広げる新型宇宙服の工夫と、その代償が分かる。

読み方を切り替えられます。画面の上にある「よみかた」のボタンで、小学校低学年むけ・小学校高学年むけ・中学生むけの3つの書き方に切り替わります。むずかしいと思ったら、いつでもやさしい方に戻ってください。選んだ読み方はブラウザが覚えているので、次に別の記事を開いたときも同じ読み方で始まります。

1. ちょうど いい ぶひんが、1つしか なかった

1. 2019年、ちょうどいい胴体の部品が1つしかなかった

1. 2019年3月、中サイズのHUTが1つしか用意できなかった

2019ねん3がつの ことです。マクレーン飛行士ひこうしは、はじめて 宇宙うちゅうステーションの そとに でて、さぎょうを しました。その とき、宇宙うちゅう服の うえはんしんの かたい ぶひんは、まん中の おおきさが いちばん あうと わかりました。

ところが、つぎの さぎょうの 日までに じゅんびできる まん中の ぶひんは、1つだけでした。そこで、コッホ飛行士ひこうしが その ぶひんを きて、やる ひとが いれかわりました。NASAは、宇宙うちゅうステーションの なかの 宇宙うちゅう服の ざいこも りゆうの 1つだと せつめいしています。

「ふくが たりなかった」のでは ありません。たりなかったのは、からだの まんなかを つつむ、かたい ぶひん 1つです。じつは この ぶひんは、3つの おおきさしか つくられていません。

2019年3月、ISSの外で作業をしたマクレーン飛行士は、最初の船外活動のなかで、宇宙服の上半身の硬い部分は中サイズがいちばん合うと分かりました。ところが、次の船外活動の日までに用意できる中サイズは1つだけでした。NASAは、その中サイズをコッホ飛行士が着ることにして、担当を組み替えたと発表しています[1]。ステーションの中にある宇宙服の在庫も、理由の一部とされています。

ここで足りなかったのは、「女性用の服」ではありません。足りなかったのは、中サイズの胴体の部品1つです。

この上半身の硬い部分(HUT)は、ISSで使われるEMUという宇宙服の中心にあたります。製造の費用や、宇宙へ運ぶ事情もあり、サイズは3つしか作られていません。当初の設計では、100人を小さい方から並べたときの5番目から95番目あたりまでを受け持つ想定でした[2]。ただ、実際に作られた3サイズが合わせられる範囲は、それより狭いとするNASAの資料もあります[12]。では、3サイズしかない部品で、どうやって一人ひとりの体に合わせているのでしょうか。

2019年3月、ISSの船外活動で、マクレーン飛行士は最初の活動中に、中(medium)サイズのHUT(上半身の硬い部分)が自分に最も合うと分かった。ところが、次の船外活動までに用意できる中サイズのHUTは1つで、NASAはそれをコッホ飛行士が着る形に担当を組み替えた[1]。ISSにある宇宙服の在庫(availability)が理由の一部とされる点も押さえておきたい。足りなかったのは「女性用の宇宙服」ではなく、特定サイズの胴体部品である。

HUTはEMUの上半身を成す硬い殻で、製造費や物流などの事情から3サイズしか作られていない。当初の設計では、5〜95パーセンタイルの人をおおまかに受け持つ想定だった[2]。ただしNASAの2026年の資料は、実際に作られた3サイズの適合範囲を女性40〜男性95パーセンタイル付近としており、設計上の想定より狭い[12]。パーセンタイルとは、集団を小さい方から並べたときの位置の目安で、5なら小さい方から数えて全体の5%の位置を指す。基準になる集団は男女や部位ごとに異なる。サイズは胴体の硬い部分についての話で、服全体が3サイズというわけではない。では、残りの部分はどう合わせるのか。

2. 宇宙うちゅう服は、ぶひんを くみあわせて 1ちゃくに なる

2. 宇宙服は「部品のセット」を選んで組み合わせる

2. 一着ずつの特注ができないから、部品を混ぜて合わせる

それでは、どう あわせるのでしょう。宇宙うちゅう服は、うえはんしん、ひじ、てぶくろ、ひざ、ブーツなど、たくさんの ぶひんが くみあわさって できて います。

NASAの せつめいとして、80いじょうの からだの 寸法すんぽうを はかり、しきに あてはめて、ぶひんごとの はじめの おおきさを きめる、と しょうかい されて います。うでの ながさ、あしの ながさなど、いろいろな ところを はかるのです。

こうして、ぶひんの おおきさを ひとつずつ えらび、くみあわせて、その ひとに あう 1ちゃくに します。ふくで いえば、うわぎは M、ズボンは L と、べつべつに えらぶのに にて います。

ひとりずつ ぜんぶ つくるのは、おかねも じかんも かかります。それで、ぶひんを まぜて あわせる やりかたに なりました。

EMUの宇宙服は、上半身、ひじ、手袋、ひざ、ブーツなど、いくつもの部品(モジュール)でできています。部品ごとにサイズがあり、組み合わせを変えて一着にします。

サイズを決めるとき、NASAのサイズ担当の技術者は、宇宙飛行士の体から80以上の寸法を集めると紹介されています。その数値を式に入れて、部品ごとに「最初に試すサイズ」を決めるのだそうです[3]。腕の長さ、胴の長さ、手の大きさなど、部分ごとに合うサイズを探すわけです。

なぜ、一着ずつ特注しないのでしょうか。宇宙へ行く人が増え、一人に一着を作るのが現実的でなくなったからだと説明されています[3]。そこで、部品を混ぜて合わせるやり方がとられるようになりました。たとえば、上着はMサイズ、ズボンはLサイズ、と別々に選んで着るのに近いかもしれません。ただし、宇宙服の部品は服ほど数が多くなく、組み合わせの幅には限りがあります。

ただ、すべてが部品で済むわけではありません。手袋のように、小さなずれがそのまま働きにくさになる部分があります。

EMUは、上半身、ひじ、手袋、ひざ、ブーツなどのモジュール部品を組み合わせて一着にする。サイズ決めでは、宇宙飛行士の体から80以上の寸法を集め、式に入れて部品ごとの出発サイズを決めると、NASAのサイズ担当の説明として紹介されている[3]。

一人に一着ずつの特注をしない理由は、宇宙へ行く人が増え、そのやり方が現実的でなくなったことだとされる[3]。その代わりに部品を混ぜて合わせる方式が採られた。ただし、部品のサイズが少なければ、組み合わせで補える範囲にも限界がある。第1章のように、中サイズのHUTが1つしかなければ、誰に着せるかを調整するしかなくなる。

この方式のもう一つの特徴は、部品ごとに別のサイズを選べることだ。たとえば腕の部品は長めでも、胴体は中サイズ、という組み合わせが成り立つ。裏を返せば、どこか一つの部品が足りないだけで、着る人の割り当てが崩れる。そして、一つだけ例外的に作り方の違う部品がある。

3. てぶくろの 中がわだけは、手の かたを とって つくる

3. 手袋の内側だけは、手の型を取って一人ずつ作る

3. 手袋の気密層は一人ずつ、外側は段階サイズで作られる

てぶくろは、ゆびの 1ぽんまで、うごかしやすさが ほしい ぶひんです。ゆびが すこし ずれるだけで、ものを にぎるのが むずかしく なります。

NASAの ほうこくでは、てぶくろが あって いないと、宇宙うちゅう服に くうきを いれた とき、にぎる ちからが さいだい 半分まで ちいさく なる ことが あると かかれて います。

そこで、てぶくろの 中がわの、くうきが もれないようにする そうだけは、手の かたを とり、レーザーで はかって、ひとりずつ つくると、2010ねんの きじで しょうかい されました。そとがわは、小・中・大のような きまった おおきさです。

この 中がわを あわせる ひようは、はじめだけで 10まんドルほどだと いう、せんもん家の はなしも あります。

手袋は、指一本ぶんのずれが仕事のしやすさに響く部品です。NASAの1993年の報告書の要旨には、手袋が合っていないと、宇宙服に空気を入れてふくらませた(与圧した)ときに握る力が最大で半分に落ちることがあると書かれています[5]。

そのため、EMUの手袋は特別なつくりになっています。2010年のナショナルジオグラフィックの記事によると、空気をもらさない内側の層は、手の型取りやレーザーでの測定をもとに、一人ずつ作られます。外側の層は、決まった段階のサイズで作られます[4]。内側を合わせる費用は、はじめに約10万ドルかかるという専門家の話も紹介されています。

これは2010年の記事で、今の運用とまったく同じとは限りません。それでも、「ほとんどは部品の選び方で合わせるが、いちばん細かさが要る部分は一人ずつ作る」という二段構えの考え方が見えてきます。

手袋は、サイズのずれがそのまま作業性に響く部品である。NASAの1993年の報告書(NASA-CR-195509)の要旨には、手袋が適切に合っていないと、与圧時の握力が最大で50%低下しうると書かれている。同報告書は、手袋の開発が反復的な設計を要し、費用がかかるとも述べる[5]。

この事情から、EMUの手袋は、他の部品と作り方が違う。2010年のナショナルジオグラフィックの記事は、気密を保つ内側の層が、手の型取りとレーザー測定などで一人ずつ作られ、外側の層は離散的なサイズ(決まった段階)で作られると紹介する。内側を合わせる費用は、初期に約10万ドルという専門家の話も載っている[4]。ただしこれは2010年時点の記事であり、現行の運用が同じかどうかは、この記事の範囲では分からない。1993年の報告は「特注」とは述べておらず、特注の話は2010年の記事に由来する点も区別したい。

このように、EMUには「部品の選び方で合わせる部分」と「型を取って合わせる部分」が混ざっている。部品の種類を増やしても足りない部分は、一人ずつの作り込みで補う、という整理もできる。では、せっかく合わせた宇宙服が、宇宙で合わなくなったらどうなるのか。

4. 宇宙うちゅうで 体が のびたら、ふくは どうなるの?

4. 宇宙で体が伸びると、合わせた服はどうなるのか

4. 微小重力で体が伸びると、地上で測ったサイズはどうなるか

宇宙うちゅうには、重力じゅうりょくが ほとんど ありません。すると、せぼねが のびて、すわった ときの たかさが 6パーセントほど、身長しんちょうが 3パーセントほどまで のびる ことが ある、と NASAは しらべて います。

170センチの 人の 3パーセントは、やく 5センチです。5センチも かわると、ふくの うでや あしの ながさも、ずれてきます。NASAの しりょうには、宇宙うちゅうに いってから、ふくの おおきさを あわせなおす ことも ある、と かかれて います。

のびかたは、ぶぶんごとに ちがいます。すわった ときの たかさは 6パーセント、身長しんちょうは 3パーセントで、おなじ ではありません。

この データは、あたらしい ふくの おおきさを きめる ときにも つかわれます。

宇宙では、背骨が伸びることがあります。NASAの資料では、座高が最大で約6%、身長が最大で約3%伸びることがあるとされています[6]。170cmの人なら、3%で約5cmです。この数字は、座高と身長で割合が違うので、同じものとして混ぜないようにします。

体が変わると、地上で測ったサイズが軌道上で合わなくなることがあります。同じ資料には、宇宙服のフィットが微小重力で問題になりうること、乗組員は軌道上に着いてからサイズを調整する必要が出ることが多い、という趣旨の記述があります[6]。

NASAの研究計画のタスクの説明でも、微小重力での体の寸法データが宇宙服のサイズ調整に役立つ可能性があるとされています。座高の変化は、座席や余裕、手の届く範囲を設計するのにも使われます[7]。

地上で合わせた服が、宇宙で合わなくなることもある。だから、最初から幅を持たせた設計が求められます。

微小重力では背骨が伸び、座高が約6%(平均6.5cm)、身長は最大約3%伸びうるという。NASAの資料はこうした計測を踏まえ、宇宙服のフィットが微小重力で問題になりうること、乗組員が軌道上でサイズを調整する必要が出ることが多いと述べる[6]。割合は部位で異なり、座高の6%と身長の3%を同じ数字として扱うことはできない。身長170cmなら、3%は約5cmにあたる。

この計測は、問題の指摘だけで終わらない。NASAの研究計画のタスク説明は、微小重力での人体寸法データが宇宙服のサイズ調整にも役立つ可能性があるとし、座高の変化の推移を座席の設計や評価に使うと述べる[7]。

ここから分かるのは、「地上で測って合わせた状態」が宇宙で保たれる保証はないという条件である。部品式の宇宙服は、部品ごとにサイズを選べるぶん、軌道上での合わせ直しにも対応しやすい。ただし、どの部品をどこまで軌道上で直せるかは、今回の資料の範囲では示されていない。そして、合わせられる幅そのものを広げる動きが、新型の宇宙服で進んでいる。

5. 宇宙うちゅう服が あわせられる はばを ひろげる くふう

5. 合わせられる体格の幅を広げる工夫と、その代償

5. 対応範囲を広げる新型宇宙服:調整できる部品が生む、しわという代償

NASAの あたらしい 宇宙うちゅう服(アルテミスで つかう もの)は、女の人 100人を 体の 小さい じゅんに ならべた ときの 1ばんめから、男の人 100人を ならべた ときの 99ばんめまで、あわせられる ことを めざして いると、NASAの ぎじゅつしゃが はなしました。むかしの めやすは、5ばんめから 95ばんめまででした。

ロシアの オーラン宇宙うちゅう服は、やわらかい うでと あしの ぶぶんを、とぶ まえに 地上で ちょうせつして、せの たかさや うでの ながさが ちがう 人に あわせます。あたらしい オーランMKSは、165〜190センチが めやすと いわれます。

ただし、うでの 袖そでを みじかく すると、おりめ(しわ)が できます。うでの みじかい 宇宙うちゅうひこうしで めだつと、インタビューで はなされました。そこで、そでを とりかえて、ひとりずつ ながさを かえる あんも でています。

「だれにでも ぴったり」では なく、「はばを ひろげる」くふうと、その たいかを いっしょに かんがえて いるのです。

NASAが月面探査のアルテミス計画のために作っている新しい宇宙服(xEMU)は、「女性の1パーセンタイルから男性の99パーセンタイルまで」に合う、幅の広いサイズ設計をめざすと、NASAの技術者が述べたと報じられています[8]。これまでのISS向けの基準は、女性の5パーセンタイルから男性の95パーセンタイルでした。NASAの新しい設計基準では、1〜99に広げたとされています[13]。ただし「全員に合う」のではなく、「範囲を広げた」という話です。

民間のAxiom社の宇宙服も、調整できる部品と、より多くのサイズの部品を組み合わせて、広い体格に対応すると説明されています[9]。対応する範囲の数字は出典によって食いちがうので、ここでは広いとだけ書きます。

調整できる服には、別の悩みも生まれます。ロシアのオーラン宇宙服は、柔らかい腕や脚の部分を、飛行前に地上で調整して、背の高さや腕の長さが違う宇宙飛行士に合わせます。新型のオーランMKSは165〜190cmが目安です[10]。ところが、ロシア側のインタビューには、袖の長さを調整すると折り目ができ、特に腕の短い宇宙飛行士が袖を最短にしたときに目立つ、という報告があります。対策として、袖を取り外して、一人ずつの長さにする案も出ています[11](個人サイトによる翻訳なので、原文の確認が要ります)。

広い範囲に合わせるために部品を調整すると、袖の折り目のような不便も出ます。その折り目をどう減らすかも、次の宇宙服の課題です。

NASAは月面探査(アルテミス計画)用の新型宇宙服xEMUについて、「女性の1パーセンタイルから男性の99パーセンタイルまで」に対応するインクルーシブなサイズ設計をめざすと、NASAの技術者が述べたと報じられた[8]。従来のISS向け基準は女性5〜男性95パーセンタイルで、NASAの新しい設計基準(NASA-STD-3001)では1〜99に広げたとされる[13]。ただしこれは「全員に合う」ことではなく、対応範囲を広げたという意味にとどまる。

民間のAxiom社の宇宙服(AxEMU)も、調整できる部品と、より多くのサイズの部品を組み合わせて広い体格に対応すると説明される[9]。対応範囲は、5〜95パーセンタイルとする出典と、1〜99とする複数の報道があり、一致していない。そのため数字は断定しない。

調整式の宇宙服には代償もある。ロシアのオーラン宇宙服は、柔らかい腕と脚の部分を飛行前に地上で調整して、身長や腕の長さの違う宇宙飛行士に合わせる。新型のオーランMKSは165〜190cmが目安とされる[10]。ロシア側のインタビューを訳した個人サイトによれば、袖の長さを調整すると長さ方向に折り目(しわ)ができ、腕が短い宇宙飛行士が袖を最短にしたときに特に目立つ。対策として、袖を取り外して一人ずつの長さにする案が出ている[11]。翻訳による二次的な情報であり、詳細は原典で確かめる必要がある。

以上の流れをまとめると、宇宙服の「合わせ方」は、部品を選ぶ、調整する、一人ずつ作る、という三つの手段の組み合わせで成り立つ。どれにも費用、手間、見え方の代償があり、範囲を広げるほど、その代償の設計が難しくなる。

6. じぶんでも しらべて みたく なったら

6. 袖の長さで、「調整のしわ」を確かめる

6. 袖と寸法で、調整式の服の考え方を確かめる

きょう できる こと

うでを まっすぐ のばして、ものさしで かたから 手くびまでの ながさを はかって、メモします。ながい そでの ふくを きて、そでを おりまげて みじかく すると、おりめが どう できるか みて みましょう。

こんどは、そでを のばした ときと くらべて、うでを まげると どこが つっぱるかも みて みましょう。

今日できること

腕をまっすぐ伸ばして、肩から手首までの長さを測り、メモしておきます。次に、長袖の服を着て、袖を折って短くしてみます。折り目がどこにできるか、腕を曲げると袖が突っ張る場所はどこかを観察すると、「調整できる服には折り目という代償がある」という話が、体で分かります。

資料を読むなら

NASAの船外活動の発表[1]は、一つの出来事を記録した短い文書です。宇宙服の在庫のような、舞台裏の事情まで読み取れます。

今日できること

腕を伸ばして肩から手首までの長さを測り、長袖の服の袖を折って短くしたときに折り目が出る位置を観察する。調整式の服の代償が、日常の服でも起きることを確かめられる。

資料を読むなら

NASAの発表[1]は、合う部品が1つしかなかったという出来事を一次資料として伝える。サイズの基準を広げる話は[8]が出発点になる。ただしAxEMUの範囲やオーランの袖の件は二次情報を含むので、原典で確かめるとよい。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

本文で使った資料です。

  1. NASA, NASA Updates Spacewalk Assignments, Announces Final Preview Briefing(2019年3月25日). https://www.nasa.gov/news-release/nasa-updates-spacewalk-assignments-announces-final-preview-briefing/ (2019年の担当の組み替え)
  2. Wikipedia: Hard Upper Torso. https://en.wikipedia.org/wiki/Hard_Upper_Torso (HUTの3サイズ)
  3. Space.com, Spacesuit Sizing Stymied a Historic NASA Moment. https://www.space.com/astronaut-spacesuits-future-sizes-challenges.html (サイズ決めの方法)
  4. National Geographic(2010年), 宇宙飛行士の手袋の記事. https://www.nationalgeographic.com/culture/article/100913-science-space-astronauts-gloves-fingernails-injury (手袋の内側と外側)
  5. NASA-CR-195509(Hysinger, 1993). https://ntrs.nasa.gov/citations/19940019857 (手袋が合わないと握る力が下がる)
  6. NASA Technical Reports Server, 20150020939. https://ntrs.nasa.gov/citations/20150020939 (宇宙での体の伸びと服のフィット)
  7. NASA Human Research Roadmap, Spinal Elongation. https://humanresearchroadmap.nasa.gov/Tasks/task.aspx?i=624 (寸法データの使い道)
  8. TechCrunch(2019年10月15日), NASA's new Artemis spacesuits. https://techcrunch.com/2019/10/15/nasas-new-artemis-spacesuits-make-it-easier-for-astronauts-of-all-sizes-to-move-on-the-moon (対応範囲の拡大)
  9. newspaceeconomy.ca, The Axiom AxEMU spacesuit(2025年11月17日). https://newspaceeconomy.ca/2025/11/17/the-axiom-axemu-spacesuit/ (民間宇宙服の調整部品)
  10. newspaceeconomy.ca, Orlan MKS spacesuit(2025年11月21日). https://newspaceeconomy.ca/2025/11/21/orlan-mks-spacesuit/ (オーランの調整)
  11. Suzy McHale, Orlan-MKS modifications(TASSインタビューの翻訳). https://suzymchale.com/articles/orlanmksmods.html (袖の調整で出る折り目)
  12. NASA Technical Reports Server, 20260002559(2026年). https://ntrs.nasa.gov/citations/20260002559 (実際に作られた3サイズの適合範囲)
  13. NASA Technical Reports Server, 20240000793(2024年). https://ntrs.nasa.gov/citations/20240000793 (新しい設計基準の1〜99パーセンタイル)

なおした ところ

更新履歴

更新履歴(改版の記録)

  •  初版を公開。

このサイトでは、公開した記事の本文は原則として書き直しません。誤りが見つかったときや、内容が古くなったときだけ手を入れ、その理由をこの欄に残します。