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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

ひやけ止めの SPFの すうじは、なにを あらわして いるの?

日焼け止めのSPFの数字は、何を表しているのか

日焼け止めのSPFは何を表す? 紫外線量・塗る量・表示の上限

分野:からだ

SPF30の ひやけ止めと、SPF50の ひやけ止め。すうじは 20も ちがうのに、紫外線しがいせんを ふせぐ わりあいは、けいさんすると 1ポイントちょっとしか ちがいません。

すうじが ずいぶん ちがうのに、なぜ あまり ちがわないのでしょう。この ページを 読むと、SPFの すうじの 読みかたと、使う ときに 気を つけたい ことが わかります。

SPF30とSPF50の日焼け止めを、日焼けのもとになる紫外線を防ぐ割合で比べると、計算上は約96.7%と98%で、差は1.3ポイントほどです。数字は約1.7倍も違うのに、なぜこれほど差が小さく見えるのでしょうか。

鍵は、SPFの数字が「長く外にいられる時間」ではなく、日焼けを起こす紫外線量にかかわる倍率(計算上の目安)だという点です。この記事を読むと、数字の正しい読み方と、塗る量や表示の上限という落とし穴が分かります。

SPF30とSPF50を、紫外線の遮断率(1−1/SPFの計算値、試験量を塗った理想条件)で比べると、約96.7%と98%で、差は約1.3ポイントしかない。数値は約1.7倍違うのに、なぜ差が小さく見えるのか。

答えは、SPFが「時間」ではなく、日焼けを起こす紫外線量にかかわる倍率(計算上の目安)だからである。この記事を読むと、SPFの意味、遮断率が頭打ちになる理由、塗布量と表示の限界が分かる。

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1. 山で まっかに なった 学生は、なにを つくったの?

1. アルプスで日焼けした学生は、何を作ったのか

1. 1938年の日焼けと氷河クリームSPF2:強さを数字で言う発想の出発点

1938ねん、スイスの アルプスで、化学を まなぶ 学生が 山に のぼって いました。名前は フランツ・グライター。この 人は のぼって いる あいだに、ひどく ひやけを して しまったと いわれて います[3]。

のちに グライターは、のぼった 山の 名前から、ピッツ・ブイン社という 会社の 名前を つけました。いちばん はじめの ひやけ止めは「氷河ひょうがクリーム」で、1946ねんに 売り出されました[3]。

この クリームには、SPF2という すうじが つけられて いたと されて います[3]。クリームの つよさを、ひとつの すうじで 言う。この 考えかたが、いまの SPFに つながって います。

では、SPFの すうじは、なにを あらわして いるのでしょう。「SPF30なら、30ばい ながく 外に いられる」と 読んで いいのでしょうか。

1938年、スイスアルプスで化学を学んでいた学生フランツ・グライターは、登山中にひどく日焼けしたと伝えられています。のちに彼は、登った山の名前をとってピッツ・ブイン(Piz Buin)社と名づけました[3]。

最初の製品は「氷河クリーム(グレッチャー・クレーム)」で、1946年に発売されました。当初からSPF2とされていたそうです[3]。今の製品に比べれば小さな数字ですが、「強さを一つの数字で言い表す」という発想が、ここに見えます。

SPFという物差し自体は、グライターが1962年ごろに考え、1974年に改良したとされます。年は出典によって食い違うので、ここでは「1962年ごろ」と幅をもたせておきます[8][7]。

では、この数字は何を表しているのでしょうか。「SPF30なら30倍長く外にいられる」と読んでよいのかを、次の章で確かめます。

日焼け止めの「SPF」の話は、1938年のスイスアルプスまでさかのぼる。化学を学ぶ学生だったフランツ・グライターが登山中にひどく日焼けし、のちに、そのとき登った山の名からPiz Buin(ピッツ・ブイン)社の名をつけたと伝えられる[3]。

最初の製品グレッチャー・クレーム(氷河クリーム)は1946年に発売され、当初はSPF2とされた[3]。SPF2は、後の章で計算するとおり、日焼けのもとになる紫外線の半分を通す数字にあたる。いまの製品の数字より控えめだが、効き目を一つの数で言い表すという発想は、のちにSPFとして整えられていく。

SPFの考え方をグライターが導入したのは1962年ごろとされ、1974年に改良した、という整理が複数の出典にある[8][7]。年は出典で食い違うため、幅をもたせて読むのが安全である。初期のSPFが対象にしたのは、紫外線のうちUVBだけだった[8]。

では、この数が表すのは何か。「SPF30なら30倍長く日なたにいられる」という読みは成り立つのか。公的機関の説明から確かめる。

2. SPF30は、30ばい ながく 外に いられる すうじなの?

2. SPF30は、30倍長く外にいられる数字なのか

2. SPFは「時間」ではなく「紫外線量」にかかわる:FDAの説明と換算俗説

答えは「ちがいます」。SPFは、ひやけして 赤あかく なる もとに なる 紫外線しがいせんに ついての すうじです[1]。時間の すうじでは ありません。

アメリカの FDAという 役所は、SPFは 日光を あびる「時間」ではなく、あびる「りょう」に かんけいする、と 書いて います。ひやけせずに いられる 時間は、SPFでは わからないとも 書いて います[2]。

おなじ 30ぷんでも、なつの お昼と、ふゆの ゆうがたでは、あびる 紫外線しがいせんの りょうが ちがいます。だから「SPFかける 20ぷん」のような 計算は、ひろまって いますが、公式の 決まりでは ありません[2]。

では、SPFの すうじは どう 読めば いいのでしょう。たとえば SPF15なら、ためした りょうを ぬった ばあい、ひやけの もとの 紫外線しがいせんの 15ぶんの 1くらいに なる、という けいさん上の めやすです[2]。

100この ボールが とんで くる ところを 思いうかべて ください。SPF30なら 3こくらい、SPF50なら 2こくらいが とどく、というイメージです。ただし ほんとうは、ぬる りょうなどで かわります。

答えは「いいえ」です。神奈川県衛生研究所の解説では、SPFは日焼けで肌が赤くなる反応(サンバーン)を防ぐ効果の指標で、紫外線のうちUVBに関するものとされています[1]。

アメリカのFDA(食品医薬品局)は、もっとはっきり述べています。SPFは、日焼け止めを塗った肌にサンバーンを起こすのに必要な紫外線の量にかかわる指標で、日光を浴びる時間には直接関係しません。日焼けせずにいられる時間を示すものではない、と明記されています[2]。

時間で表せない理由は、同じ30分でも、夏の昼と冬の夕方では浴びる紫外線の量が違うからです。「SPFの数字に20分をかける」という換算を見かけることがありますが、公的な定義ではなく、FDAの説明とも合いません[2]。

数字は、むしろ「肌に届く割合」の目安として読めます。試験で決められた量を塗った場合、SPF15なら、日焼けを起こす紫外線の量がおよそ15分の1になる、という計算上の目安です。FDAは、保護した皮膚と保護しない皮膚で日焼けに必要な量の比、と説明しています[2]。では、この「15分の1」を防ぐ割合に直すと、何が見えてくるのでしょうか。

まず押さえたいのは、SPFが「時間の倍率」ではないことである。神奈川県衛生研究所の解説によれば、SPFはサンバーン(日焼けによる皮膚の赤み=紅斑)の防止効果を示す指標で、UVBに関するものである。数値が大きいほど防御能力が高いことを示す[1]。

FDAはさらに直接的で、SPFを「保護された皮膚にサンバーンを起こすために必要な太陽エネルギー(紫外線)の量」の尺度と位置づけ、日光を浴びた時間ではなく浴びた量に関係すると述べる。日焼けせずにいられる時間は示さない、とも書かれている[2]。紫外線の強さは季節・時刻・天気で変わるため、同じ「30分」でも浴びる量は同じにならない。時間で言えない理由はここにある。

それでも「SPFの数に20(分)を掛ければ効果の持続時間が分かる(SPF30なら600分)」という換算を、日本の新聞や紹介記事で見かけることがある。これは公的な定義ではなく、FDAの説明とも合わない[2]。

数字の素直な読み方は、試験量を塗った理想条件での、肌に届く割合の逆数である。SPF15なら日焼けを起こす紫外線量が計算上およそ1/15になる、という目安である。FDAは、保護した皮膚と保護しない皮膚で日焼けに要する量の比としてSPFを説明している[2]。では、この1/SPFを「防ぐ割合」に直すと、数字の大小はどう見えるのか。

3. すうじが 3ばいに なると、ふせぐ わりあいも 3ばいに なるの?

3. 数字が約1.7倍になると、防ぐ割合はどれだけ増えるのか

3. 遮断率は頭打ちになり、通過量では差が残る:1−1/SPFの計算

ふせぐ わりあいは、「1から、とどく わりあいを ひく」と 出せます。SPF2なら 半分、つまり 50%です。SPF15は 約やく93.3%、SPF30は 約やく96.7%、SPF50は 98%に なります。

これは、ためした りょうを ぬった ばあいの、けいさんで 出した ねです。じっさいの 数字は、これより 下がります。

SPF30から SPF50に なると、すうじは 20も ふえます。でも ふせぐ わりあいは 96.7%から 98%へ、1.3ポイントしか ふえません。「SPF50は SPF30の 2ばい つよい」では ないのです。

ただし、とどく ほうで 見ると、すこし ちがって 見えます。SPF30は 約やく3.3%、SPF50は 2%が とどく けいさんです。SPF50で とどく りょうは、SPF30の 6わりです。つまり、4わり すくなくなります。

防ぐ割合は「1−1/SPF」で計算できます。SPF2なら50%、SPF15は約93.3%、SPF30は約96.7%、SPF50は98%です。試験で決められた量を塗った場合の計算値で、実際の使い方では下がります。

数字は15から50へ約3倍になっても、防ぐ割合は約93.3%から98%へ、5ポイント足らずしか増えません。SPF30からSPF50なら、1.3ポイントです。「SPF50はSPF30の2倍強い」という読み方は、この計算からは出てきません。

ただし、見る向きを変えると印象が変わります。肌に届く紫外線の量で見れば、SPF30は約3.3%(1/30)、SPF50は2%(1/50)です。SPF50は届く量がSPF30の6割、つまり4割ほど少なくなります。「防ぐ割合の差は小さいが、届く量の差は残る」と、両方を並べて読むのがよさそうです。

この計算は、試験で決められた量をきちんと塗ったときの話です。では、ふだんの塗り方で、同じ数字が出るのでしょうか。

遮断率を1−1/SPFで計算すると、SPF2は50%、SPF15は約93.3%、SPF30は約96.7%、SPF50は98%になる。これは試験量を塗った理想条件での計算値であり、公的機関の表記ではなく、実使用ではさらに下がる。

この数列を見ると、SPFが約3倍になる15から50の間でも、遮断率の上がり幅は5ポイントに満たない(約93.3%→98%)。SPF30からSPF50では約1.3ポイントである。SPFは分母に入る値なので、大きくなるほど遮断率は100%に近づき、増え方が小さくなる。したがって「SPF50はSPF30の2倍強い」という読みは、遮断率の面からは成り立たない。

一方、通過量(1/SPF)で見ると、SPF30は約3.3%、SPF50は2%で、比は30/50=0.6になる。通過する紫外線は、SPF50のほうが約4割少ない。同じ数字を「遮断率」で見るか「通過量」で見るかで、差の大きさの印象が変わる。どちらかだけを根拠に「違いがない」「大きく違う」と言い切るのは、読み方としてかたよる。

ここまでは、試験量を正しく塗った場合の話である。実際の塗り方で、同じ数が得られるのか。

4. ぬる りょうが すくないと、すうじは どう なるの?

4. 容器の数字は、ふだんの塗り方でも出るのか

4. 試験の塗布量2 mg/cm²と、実使用の約4分の1

SPFを はかる しけんでは、はだの 1平方センチメートルあたり、2ミリグラムの クリームを、ていねいに はかって ぬります[4]。かなり たくさん ぬる りょうです。

アジアの 人の はだで しらべた けんきゅうでは、2ミリグラム ぬった ときに、ひょうじ どおりの SPFが 出ました。ぬる りょうを へらすと、SPFは 下がりました[5]。

ふだんの 人は、しけんの りょうの 4ぶんの 1ほどしか ぬらない、と されて います。この りょうでは、SPFが いくつに なるか 予想しにくい、とも 書かれて います[5]。

それに、ぬった ひやけ止めは、手や ふくに ふれたり、あせを かいたりして おちます。ひつような ときは ぬりなおす よう、県の えいせい研究所けんきゅうじょの ページにも 書かれて います[1]。

SPFの試験では、塗る量が細かく決まっています。日本化粧品工業連合会(粧工連)のSPF測定法基準では、皮膚に伸ばす前の試料を1平方センチメートルあたり2.00ミリグラム(誤差±2.5%)に正確に量ると定められています。これを紹介した記事から読み取れる内容です[4]。

アジア人の皮膚を使った研究では、2.0 mg/cm²を塗ると表示どおりのSPFが出ました。塗る量を減らすとSPFは下がり、ふだんの量とされる0.5 mg/cm²では、値を予測するのが難しかったと報告されています。人は実際には、試験量の約4分の1ほどしか塗らないとされています[5]。

つまり容器の数字は、試験どおりに塗ったときの値です。少なめに塗れば、数字ほどの効果は期待しにくくなります。一度塗っても、手や衣類に触れたり汗をかいたりして落ちるため、必要に応じて塗り直すようにと、神奈川県衛生研究所も説明しています[1]。

では、SPFの数字さえ見れば、日焼け止めのことは全部分かるのでしょうか。

SPFは、試験で決められた量を塗ったときに得られる値である。粧工連のSPF測定法基準(2007年改訂版)について、紹介記事は、被験試料を皮膚に伸ばす前に約2 mg/cm²で正確に秤量する定めだと伝えている[4]。

アジア人の皮膚を対象とした研究によれば、2.0 mg/cm²塗布で期待どおりのSPFが得られ、塗布量が少ないほどSPFは低下した。ふだんの量とされる0.5 mg/cm²では、SPF値の予測自体が難しかった。人は実際には、試験量の約4分の1しか塗らないとされる[5]。0.5÷2.0=0.25なので、この「4分の1」は数字の上でも合っている。

このため、表示されたSPFは、実際にその効果が出ることの保証ではなく、試験条件での値と受けとるほうがよい。単純な「SPF50だから安心」ではなく、少なく塗ればその分だけ数字から離れる。さらに、塗った日焼け止めは手や衣類との接触や汗で落ちるので、必要に応じた塗り直しも説明されている[1]。

数字の読み方と、塗り方の影響は分かった。では、SPFには何が含まれず、表示はどう決められているのか。

5. SPFだけで、ひやけ止めの ことは ぜんぶ わかるの?

5. SPFだけで、日焼け止めのことは全部分かるのか

5. SPFが語らないこと:UVB限定、PA、業界自主基準、50+の上限

SPFが あらわすのは、ひやけで 赤く なる 紫外線しがいせん UVBの ふせぎやすさです。ほかの 紫外線しがいせん UVAの ふせぎやすさは、PAという べつの しるしで あらわします[1]。

SPFの ひょうじは、日本では「50+」までです。これより うえの すうじは、ラベルには のりません[1]。

日本の SPFや PAの ひょうじは、くにの ほうりつでは なく、会社の あつまりが 自分たちで 決めた ルールに もとづいて います[6]。PA++++の ひょうじは、2013ねんに はじまりました[6]。

SPFの すうじは、ひやけ止めを 知る ための とても いい 入り口です。でも、ぬる りょうや ぬりなおしも 大切です。

SPFが表すのは、UVBによる日焼けを防ぐ効果です。UVAを防ぐ効果は、PAという別の指標で示されます[1]。数字が大きいほど防御能力が高いのは同じで、SPFは50+まで表示されます[1]。

「50+」の「+」は「50より大きい」という意味で、これより上の数字はラベルに載りません。数字が50を超える製品でも、表示は50+にまとまります[1]。

日本のSPFやPAの表示は、国の法規ではなく、粧工連の業界自主基準に基づいています。測定方法も同じ業界の基準です。2013年には、PA++++の表示が導入されました[6]。

数字には、見えにくい限りがいくつもあります。一つの数字だけで日焼け止めを選ぶより、塗る量と塗り直しを含めて考えるほうが、実際の使い方に近いでしょう。

SPFが対象とするのはUVBによるサンバーンの防止効果で、UVAの防止効果はPAという別の指標で表される。いずれも数値(+の数)が大きいほど防御能力が高く、SPFは50+まで表示される[1]。初期のSPFがUVBだけを対象にしていた経緯を、前の章で見た。

表示の上限は制度で決められており、日本のラベルは50+までである[1]。なお「+」が何をもって「50を超える」とするかの定義は、ここでは扱わない。

日本のSPFとPAの表示は、国の規格ではなく、日本化粧品工業連合会の業界自主基準に基づく。試験方法も同様で、PA++++の表示は2013年に導入された[6]。基準が業界のものだという点は、数字を読むときの前提として覚えておきたい。

SPFの数は、UVBに限った、試験量を塗った条件での倍率にすぎない。それでも、遮断率の計算や塗布量の研究と組み合わせて読めば、数字から得られる情報は意外に多い。次は、家にある日焼け止めで、これを確かめる。

6. うちの ひやけ止めの すうじを、でんたくで なおして みよう

6. 家の日焼け止めの数字を、「届く量」に直してみる

6. 家の容器でできる検算と、原典への入口

おうちに ある ひやけ止めの 入れものを 見て、SPFと PAの しるしを さがして みましょう。見つかった すうじを、でんたくに 入れます。

「1 わる SPF」で、とどく わりあいが 出ます。たとえば SPF50なら、1÷50=0.02、つまり 2%です。「1から ひく」と、ふせぐ わりあいも わかります。

ひやけ止めが 何本か あれば、ならべて くらべて みましょう。すうじが 2ばいに なっても、ふせぐ わりあいは あまり かわらない ことが、じぶんの 目で たしかめられます。

もっと 知りたく なったら、県の えいせい研究所けんきゅうじょが 出している「えいけんニュース」を 見て みると いいでしょう。SPFや PAの ことが、日本語で のって います。

家に日焼け止めがあれば、容器のSPFとPAの表示を探してみましょう。見つけた数字で、次の計算ができます。

1÷SPFで、肌に届く割合が出ます。SPF50なら1÷50=0.02で2%です。1からその値を引けば、防ぐ割合の計算値になります。何本かあるなら、数字と計算値を並べて比べると、数字が約2倍になっても防ぐ割合がほとんど変わらないことを、自分の電卓で確かめられます。

容器の裏には、使い方や塗り直しの説明も書かれているはずです。試験の量と、自分がふだん出している量を、思い出しながら読むと、数字の意味が実感しやすくなります。

SPFの数字の背景にある試験や基準を知りたければ、神奈川県衛生研究所の「衛研ニュース」が日本語でまとまっています[1]。氷河クリームの数字がどう変わっていったのか、グライターの製品でSPFの表示がどう変わったのかを調べる方法もあります。

家の日焼け止めの容器からSPFとPAの表示を探し、1/SPF(通過量)と1−1/SPF(遮断率)を電卓で出してみる。複数の製品があれば、表示のちがいが遮断率にはあまり反映されず、通過量のほうに差が出ることを、自分の手で追える。

この計算は、試験量を塗った理想条件の値である。実使用の効果を見積もるには、塗る量(試験の約4分の1とされる実情)や塗り直しの影響を別に考える必要がある。容器の使用上の注意も、あわせて確認したい。

原典にあたるなら、日本語では神奈川県衛生研究所の衛研ニュースNo.186がSPFとPAの基本をまとめている[1]。英語の一次資料としては、FDAのSPFの説明ページが「時間ではなく量」という点を明記している[2]。グライターの経歴は、科学博物館グループの収蔵品解説が手がかりになる[3]。

残る問いは、SPFの導入・改良の年を出典がどう区別しているかと、「50+」の「+」の定義である。この2つは、粧工連の基準など、より原典に近い資料から調べたくなる題材だ。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

数値の計算(遮断率・通過量・比)は、出典の説明をもとに本記事で行った計算値です。

  1. 神奈川県衛生研究所「衛研ニュース No.186」 https://www.pref.kanagawa.jp/sys/eiken/005_databox/0504_jouhou/0601_eiken_news/files/eiken_news186.htm (SPF・PAの意味、50+までの表示、塗り直し)
  2. U.S. Food and Drug Administration, Sun Protection Factor (SPF) https://www.fda.gov/about-fda/center-drug-evaluation-and-research-cder/sun-protection-factor-spf (SPFは時間ではなく量に関係すること)
  3. Science Museum Group, Piz Buin SF 30 sun block lotion https://collection.sciencemuseumgroup.org.uk/objects/co8853557/piz-buin-sf-30-sun-block-lotion (グライターの日焼け、氷河クリームSPF2)
  4. cosme.net「SPF測定法基準」を引用した記事 https://cosme.net/beautist/article/445378 (試験の塗布量。粧工連の原本は未取得で、引用経由)
  5. Annales de Dermatologie et de Vénéréologie, The relation between the amount of sunscreen applied and SPF in Asian skin https://www.em-consulte.com/article/803763/article/the-relation-between-the-amount-of-sunscreen-appli (塗る量とSPFの関係)
  6. 日本化粧品技術者会誌 47(4)(J-STAGE) https://www.jstage.jst.go.jp/article/sccj/47/4/47_271/_article (業界自主基準、PA++++)
  7. Wikipedia, Sun protection factor https://en.wikipedia.org/wiki/Sun_protection_factor (1/SPFの読み方、表示の上限、導入年の別説)
  8. Dennemeyer, Everyday IP: UV and IP — the history of sunscreen https://www.dennemeyer.com/blog/posts/everyday-ip-uv-and-ip-the-history-of-sunscreen (SPFの導入と改良の年)

なおした ところ

更新履歴

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