1. たなの しょうひんは、だれが きめて いるの?
1. 棚に並ぶ商品は、だれが決めているのか
1. 棚の商品は「発注」の結果だ
お店に いくと、たなには いつも しょうひんが ならんで います。あれは、だれかが「これを これだけ ください」と ちゅうもんした けっかです。ちゅうもんする ことを、「はっちゅう」と いいます。
こうせいろうどうしょうの しょくぎょうの サイトでは、スーパーの はんばいの しごとを、「かいものしやすいように しょうひんを ならべ、すくなく なったら たして、おきゃくさんに おうたいする しごと」と せつめいして います[1]。
ならべる まえには、ちゅうもんした とおりに とどいたかを たしかめます。うって いる あいだは、うれゆきを みながら、たしたり ならべかえたり します[1]。レジは、その しごとの ひとつです。
2. レジの うしろには、どんな しごとが あるの?
2. レジの裏側には、どんな仕事があるのか
2. コンビニの業務範囲 ── 検品から調理・受付まで
コンビニの 人の しごとは、もっと はばひろいです。とどいた しょうひんを しらべて(けんぴん)、うりばに ならべます。うれた ぶんや あたらしい しょうひんを ちゅうもんします。うらの へやの しごとも あります[2]。
レジでは、こうきょうりょうきんの しはらいや、たくはいびんの うけつけも します。おみせに よっては、ファーストフードを つくる ことも あります[2]。
スーパーの なまものでは、いたまないように じゅんびしたり、小わけに して つつんだり する しごとも あります[1]。
たなの まえは、いろんな しごとが つながる ばしょです。では、「あした なにを どれだけ」は、どう きめるのでしょう。
求人情報サイトの説明では、コンビニ店員の仕事は、届いた商品の検品と陳列、売れた商品や新商品の発注、バックヤード(売り場の裏)の作業、レジ、ファーストフードの調理など、幅が広いとされています[2]。レジでは、公共料金の支払いの受け付けや、宅配便の受け付けも行います[2]。
スーパーの生鮮食品では、鮮度を保つための準備や、小分けにして包装する作業も仕事に入ります[1]。
こうして見ると、お客さんの目に見えるのは、仕事のほんの一部です。ここまでの作業は、ほとんどが「すでに決まった商品」を扱う仕事でした。では、そもそも「明日なにを何個」は、どう決めているのでしょうか。
求人情報サイトの業務説明では、コンビニ店員の業務は、配送された商品の検品(納品数と注文内容の突き合わせ)と陳列、売れた商品や新商品の発注、バックヤード作業、レジ、ファーストフードの調理などに及ぶ[2]。レジには公共料金の支払い受付や宅配便の受付も含まれる[2]。
スーパーの生鮮食品では、鮮度を保つための準備や小分け包装も業務に加わる[1]。ここで注意したいのは、求人サイトの記述は職務の一覧であり、勤務先ごとの分担や頻度までは示していないことだ。
これらの業務の多くは、すでに決まった商品を扱う作業だった。では「何を、いくつ、いつ」仕入れるかという判断は、どのように行われているのか。次章でその一例を見る。
3. あしたの ぶんは、どうやって よそうするの?
3. 「明日の売れ筋」を予想して、結果で確かめる
3. 仮説・発注・検証 ── 発注を「小さな実験」として読む
セブン-イレブンの せつめいでは、あしたの てんきや、ちいきの ぎょうじなどを てがかりに、「あした これが うれそうだ」と かんがえて ちゅうもんします[3]。
そして、うれた けっかを、はんばいの データで たしかめます[3]。よそうして、たしかめる。りかの じっけんと にて います。
ただし、ほんとうは じっけんと ちがい、すぐに つぎの あしたが やって きます。しっぱいしても、つぎの ちゅうもんに いかせます。
セブン-イレブンでは、こうした ちゅうもんを だれが やるかを、おみせごとに わけます。それを「はっちゅう ぶんたん」と いい、こうこうせいの アルバイトも まかされる ことが あると、すずき としふみさんは はなして います[3]。
これは セブン-イレブンの れいで、ぜんぶの コンビニが おなじ わけでは ありません。
セブン-イレブンの鈴木敏文さんは、発注を次のように説明しています。明日の天気や地域の行事といった「先に分かる情報」をもとに、明日の売れ筋の仮説を立てて発注します。そして、売れた結果をPOS(販売の記録を取るしくみ)のデータで確かめます[3]。
予想して結果を見る点は、理科の実験に似ています。たとえば運動会がある地域なら、その日に動く商品が変わりそうだ、と考えることができます。これは筆者が考えた例で、資料にある数字ではありません。
高校生にも任される
各店舗では、だれがどの商品の発注を受け持つかを分ける「発注分担」があり、高校生のアルバイトも発注を任されると、鈴木さんは語っています[3]。
ただし、これは一社の例です。全コンビニに共通だとは言えません。発注を店員の腕だめしにするか、本部の仕組みに任せるかは、会社によっても変わります。
セブン-イレブンでは、明日の天気や地域の行事などの先行情報から売れ筋の仮説を立てて発注し、POS(販売時点情報管理)の販売データで結果を検証する、と鈴木敏文氏は説明している[3]。仮説、実行、検証と回る点は、理科の実験に似た流れだ。
この循環は、各店の「発注分担」の単位で回る。分担により、高校生のアルバイトにも担当商品の発注が任されるという[3]。経験の浅い人に任せても成立するのは、結果がPOSで毎日数字として返り、予想の当たり外れを自分で確かめられるからだと読める。これは筆者の読みであり、資料がそう述べているわけではない。
注意点が二つある。第一に、これは一社の一例で、業界全体の実態ではない。第二に、出典は経営者本人の発言で、インタビュー記事として読む必要がある。
4. きかいが かずを だせば、人は なにを するの?
4. 機械が数を出しても、最後に決めるのは人
4. 半自動発注 ── 推奨数と最終判断の分担
ローソンでは、「セミオートはっちゅう」という しくみを 2020ねんの きじで しょうかい して います。てんきや きおん、まえの ねんの うれゆきなど、100ほどの ことがらから、おすすめの かずを だします[4]。
でも、さいごの かずは、おみせの たんとうの 人が きめます。ぎょうじや おやすみ、ちかくの おみせの ようすなども くわえて かんがえます[4]。
きかいは かずを だして くれますが、きょうの まちの ようすは、その おみせの 人が いちばん よく しって いるからでしょう。
これは 2020ねんの きじで、いまの しくみは ちがうかも しれません。
ローソンの「セミオート発注」は、2020年5月の記事によると、天候や気温、前年の販売状況など、およそ100の因子を分析して発注の推奨数を出すしくみです[4]。
ただし、最終的な発注数は、各店舗の発注担当が決めます。イベントや休日、近くの競合店の出店や閉店といった事情を加味して判断するそうです[4]。
機械は多くの数字を一度に見られますが、「来週、店の前の道路で工事が始まる」といった店ごとの事情は、人が加えるのが自然です。これは筆者の考えです。
これは2020年時点の一社のしくみで、現在の仕様までは分かりません。それでも、店員の仕事が「機械に置きかわる」より「機械の提案を判断する」方向に使われている一例として読めます。
ローソンの「セミオート発注」は、天候・気温・前年の販売実績など約100の因子を分析して発注推奨数を算出する。ただし最終発注数は各店舗の発注担当が、イベント・休日・競合店の出退店などを加味して決める[4]。
前章のセブン-イレブンの例と並べると、分担の形が見える。人が仮説を立てて発注する方式でも、システムが推奨数を示す方式でも、判断の最終段階には店の人がいる。これは2020年5月の報道時点の一社の仕組みで、現在の仕様とは異なる可能性がある。二社の説明を同じ尺度で比べることはできない。
数字の推奨が提示されても人が決める設計は、店ごとの事情(周辺の工事、学校行事、競合店の動き)が機械の入力に含まれにくいことと関係すると考えられる。ただし、これは筆者の推測である。
5. きげんの ちかい しょうひんは、どう みるの?
5. 期限の近い商品を、どう見分けているのか
5. 消費期限と賞味期限 ── 定義の違いと棚での扱い
うり場の しごとには、きげんを みる ことも あります。きげんには 2つ あります。
「しょうひきげん」は、きめられた ほうほうで ほぞんした とき、いたむ などして あぶなくなる おそれが ないと みとめられる きげんです[5]。おべんとうなどに ついて います。
「しょうみきげん」は、おなじく ほぞんした とき、おいしさなどの ひんしつが たもたれると みとめられる きげんです[5]。すぎても、すぐに たべられなく なる わけでは ありません。でも、たべる ときは、おうちの 人に たしかめましょう。
お店の 人は、この ちがいを ふまえて、たなの しょうひんの きげんを たしかめます。
6. こんど お店で みて みよう
6. 棚の前で、予想を立ててみる
6. 棚を観察して、発注の仮説を立ててみる
お店に いったら、たなを みて みましょう。
・ならんで いる ものの かずは どうか。からに なって いる ところは あるか。
・あした、てんきが かわったら、なにが うれそうか。
じぶんの よそうを、いえの 人に はなして みます。あたるか どうかは、その 日の うちには わかりません。おみせの 人も、そうやって かんがえて いるのかも しれません。
お店の 人の じゃまに ならないように、しずかに みて ください。
次に買い物に行ったら、棚を一つ選んで、「この商品は、あしたもこの数で足りるか」を考えてみてください。天気や行事など、手がかりになりそうなことを一つ挙げます。
数日たって同じ棚を見ると、残りの数や、空になっていないかは分かります。ただ、本当の売れ行きは店の人にしか分かりません。それでも、予想して確かめるという流れを、自分で一回りしたことになります。
お店の人の仕事を見るときは、通路をふさいだり、作業中の人に話しかけたりしないようにしましょう。
しらべた もとの じょうほう
参考にした情報源
参考にした情報源と、その使い方
本文で使った資料です。なお、期限の定義([5])は、食品メーカーのページが紹介する内容に基づきます。
- 厚生労働省 職業情報提供サイト(jobtag)「スーパーの販売」職業ページ https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/57 (仕事の定義と1日の流れ)
- バイトル「よくある質問」 https://www.baitoru.com/contents/bm_faq06/32.html (コンビニ店員の業務の範囲)
- PRESIDENT Online(鈴木敏文氏の発言) https://president.jp/articles/-/11579 (仮説にもとづく発注と発注分担)
- ニュースイッチ(日刊工業新聞)2020年5月 https://newswitch.jp/p/22165 (セミオート発注と最終判断)
- 味の素「賞味期限と消費期限の違い」 https://www.ajinomoto.co.jp/products/anzen/keyword/limit.html (期限の定義)
なおした ところ
更新履歴
更新履歴(改版の記録)
- 初版を公開。
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