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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

お店の 人は、レジの ほかに どんな しごとを して いるの?

お店の人はレジのほかに何をしているのか ── 棚の商品を「明日の予想」で決める仕事

店員の仕事の中身 ── 納品確認・陳列・期限管理と、仮説にもとづく発注

分野:技術

コンビニでは、高校生の アルバイトが、「あした なにが うれるか」を よそうして ちゅうもんを まかされる ことが あります。

お店の 人は、レジを うつ だけでは ないのです。ほかに どんな しごとを して いるのか、一つずつ みて いきましょう。そして、あしたを よそうする しごとが、ちいさな しらべものに なって いる ことが わかります。

コンビニでは、高校生のアルバイトが「明日なにが売れるか」を予想して、商品の注文を任されることがあります。セブン-イレブンの例として、創業者の鈴木敏文さんがそう説明しています[3]。

お店の人の仕事は、レジに立つことだけではないようです。棚の商品はだれが、どう決めて並べているのでしょうか。納品の確認から期限の見方、注文の考え方までを見ると、売り場の裏側にある「小さな調べもの」が分かります。

店員の仕事はレジ打ちに尽きない。セブン-イレブンでは、各店の「発注分担」により高校生のアルバイトにも発注が任される、と創業者の鈴木敏文氏は説明している[3]。

この例を軸に、棚の商品が決まるまでの仕事を、納品確認・陳列・期限・発注の順に整理する。発注が「仮説を立て、販売データで検証する」作業として語られていること、機械が数を出す仕組みでも最終判断は人が担うことが分かる。

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1. たなの しょうひんは、だれが きめて いるの?

1. 棚に並ぶ商品は、だれが決めているのか

1. 棚の商品は「発注」の結果だ

お店に いくと、たなには いつも しょうひんが ならんで います。あれは、だれかが「これを これだけ ください」と ちゅうもんした けっかです。ちゅうもんする ことを、「はっちゅう」と いいます。

こうせいろうどうしょうの しょくぎょうの サイトでは、スーパーの はんばいの しごとを、「かいものしやすいように しょうひんを ならべ、すくなく なったら たして、おきゃくさんに おうたいする しごと」と せつめいして います[1]。

ならべる まえには、ちゅうもんした とおりに とどいたかを たしかめます。うって いる あいだは、うれゆきを みながら、たしたり ならべかえたり します[1]。レジは、その しごとの ひとつです。

お店の棚は、だれかが「これを、これだけ注文しよう」と決めた結果です。商品を注文することを「発注」といいます。

厚生労働省の職業情報サイト「jobtag」は、スーパーの販売の仕事を、買い物しやすいように商品を並べ、少なくなったら補充しながら、お客さんに応対して売る仕事と説明しています[1]。レジに立つことは、その一部です。

並べる前と、売っているあいだ

同じページによると、商品を並べる前には、注文したとおりに届いているかを点検します。営業中は売れ行きを見ながら足りなくなった商品を補充し、見つけやすいよう並べかえる工夫もします[1]。棚の前に立つ人は、売れ方を見る人でもあるわけです。

棚に並ぶ商品は、誰かが数量を決めて発注した結果だ。厚生労働省の職業情報提供サイト「jobtag」は、スーパーの販売の仕事を、買い物しやすいよう商品を陳列し、少なくなった商品を補充しながら来店客に応対して販売する仕事と位置づける[1]。接客・レジはその一要素にすぎない。

同ページによれば、作業の起点は納品の点検である。発注どおりに届いているかを陳列の前に確かめ、営業時間中は売れ行きを見ながら補充と並べかえを続けて、見つけやすさを工夫する[1]。つまり店員は、棚を「売れ方を観察できる場所」として扱っている。

2. レジの うしろには、どんな しごとが あるの?

2. レジの裏側には、どんな仕事があるのか

2. コンビニの業務範囲 ── 検品から調理・受付まで

コンビニの 人の しごとは、もっと はばひろいです。とどいた しょうひんを しらべて(けんぴん)、うりばに ならべます。うれた ぶんや あたらしい しょうひんを ちゅうもんします。うらの へやの しごとも あります[2]。

レジでは、こうきょうりょうきんの しはらいや、たくはいびんの うけつけも します。おみせに よっては、ファーストフードを つくる ことも あります[2]。

スーパーの なまものでは、いたまないように じゅんびしたり、小わけに して つつんだり する しごとも あります[1]。

たなの まえは、いろんな しごとが つながる ばしょです。では、「あした なにを どれだけ」は、どう きめるのでしょう。

求人情報サイトの説明では、コンビニ店員の仕事は、届いた商品の検品と陳列、売れた商品や新商品の発注、バックヤード(売り場の裏)の作業、レジ、ファーストフードの調理など、幅が広いとされています[2]。レジでは、公共料金の支払いの受け付けや、宅配便の受け付けも行います[2]。

スーパーの生鮮食品では、鮮度を保つための準備や、小分けにして包装する作業も仕事に入ります[1]。

こうして見ると、お客さんの目に見えるのは、仕事のほんの一部です。ここまでの作業は、ほとんどが「すでに決まった商品」を扱う仕事でした。では、そもそも「明日なにを何個」は、どう決めているのでしょうか。

求人情報サイトの業務説明では、コンビニ店員の業務は、配送された商品の検品(納品数と注文内容の突き合わせ)と陳列、売れた商品や新商品の発注、バックヤード作業、レジ、ファーストフードの調理などに及ぶ[2]。レジには公共料金の支払い受付や宅配便の受付も含まれる[2]。

スーパーの生鮮食品では、鮮度を保つための準備や小分け包装も業務に加わる[1]。ここで注意したいのは、求人サイトの記述は職務の一覧であり、勤務先ごとの分担や頻度までは示していないことだ。

これらの業務の多くは、すでに決まった商品を扱う作業だった。では「何を、いくつ、いつ」仕入れるかという判断は、どのように行われているのか。次章でその一例を見る。

3. あしたの ぶんは、どうやって よそうするの?

3. 「明日の売れ筋」を予想して、結果で確かめる

3. 仮説・発注・検証 ── 発注を「小さな実験」として読む

セブン-イレブンの せつめいでは、あしたの てんきや、ちいきの ぎょうじなどを てがかりに、「あした これが うれそうだ」と かんがえて ちゅうもんします[3]。

そして、うれた けっかを、はんばいの データで たしかめます[3]。よそうして、たしかめる。りかの じっけんと にて います。

ただし、ほんとうは じっけんと ちがい、すぐに つぎの あしたが やって きます。しっぱいしても、つぎの ちゅうもんに いかせます。

セブン-イレブンでは、こうした ちゅうもんを だれが やるかを、おみせごとに わけます。それを「はっちゅう ぶんたん」と いい、こうこうせいの アルバイトも まかされる ことが あると、すずき としふみさんは はなして います[3]。

これは セブン-イレブンの れいで、ぜんぶの コンビニが おなじ わけでは ありません。

セブン-イレブンの鈴木敏文さんは、発注を次のように説明しています。明日の天気や地域の行事といった「先に分かる情報」をもとに、明日の売れ筋の仮説を立てて発注します。そして、売れた結果をPOS(販売の記録を取るしくみ)のデータで確かめます[3]。

予想して結果を見る点は、理科の実験に似ています。たとえば運動会がある地域なら、その日に動く商品が変わりそうだ、と考えることができます。これは筆者が考えた例で、資料にある数字ではありません。

高校生にも任される

各店舗では、だれがどの商品の発注を受け持つかを分ける「発注分担」があり、高校生のアルバイトも発注を任されると、鈴木さんは語っています[3]。

ただし、これは一社の例です。全コンビニに共通だとは言えません。発注を店員の腕だめしにするか、本部の仕組みに任せるかは、会社によっても変わります。

セブン-イレブンでは、明日の天気や地域の行事などの先行情報から売れ筋の仮説を立てて発注し、POS(販売時点情報管理)の販売データで結果を検証する、と鈴木敏文氏は説明している[3]。仮説、実行、検証と回る点は、理科の実験に似た流れだ。

この循環は、各店の「発注分担」の単位で回る。分担により、高校生のアルバイトにも担当商品の発注が任されるという[3]。経験の浅い人に任せても成立するのは、結果がPOSで毎日数字として返り、予想の当たり外れを自分で確かめられるからだと読める。これは筆者の読みであり、資料がそう述べているわけではない。

注意点が二つある。第一に、これは一社の一例で、業界全体の実態ではない。第二に、出典は経営者本人の発言で、インタビュー記事として読む必要がある。

4. きかいが かずを だせば、人は なにを するの?

4. 機械が数を出しても、最後に決めるのは人

4. 半自動発注 ── 推奨数と最終判断の分担

ローソンでは、「セミオートはっちゅう」という しくみを 2020ねんの きじで しょうかい して います。てんきや きおん、まえの ねんの うれゆきなど、100ほどの ことがらから、おすすめの かずを だします[4]。

でも、さいごの かずは、おみせの たんとうの 人が きめます。ぎょうじや おやすみ、ちかくの おみせの ようすなども くわえて かんがえます[4]。

きかいは かずを だして くれますが、きょうの まちの ようすは、その おみせの 人が いちばん よく しって いるからでしょう。

これは 2020ねんの きじで、いまの しくみは ちがうかも しれません。

ローソンの「セミオート発注」は、2020年5月の記事によると、天候や気温、前年の販売状況など、およそ100の因子を分析して発注の推奨数を出すしくみです[4]。

ただし、最終的な発注数は、各店舗の発注担当が決めます。イベントや休日、近くの競合店の出店や閉店といった事情を加味して判断するそうです[4]。

機械は多くの数字を一度に見られますが、「来週、店の前の道路で工事が始まる」といった店ごとの事情は、人が加えるのが自然です。これは筆者の考えです。

これは2020年時点の一社のしくみで、現在の仕様までは分かりません。それでも、店員の仕事が「機械に置きかわる」より「機械の提案を判断する」方向に使われている一例として読めます。

ローソンの「セミオート発注」は、天候・気温・前年の販売実績など約100の因子を分析して発注推奨数を算出する。ただし最終発注数は各店舗の発注担当が、イベント・休日・競合店の出退店などを加味して決める[4]。

前章のセブン-イレブンの例と並べると、分担の形が見える。人が仮説を立てて発注する方式でも、システムが推奨数を示す方式でも、判断の最終段階には店の人がいる。これは2020年5月の報道時点の一社の仕組みで、現在の仕様とは異なる可能性がある。二社の説明を同じ尺度で比べることはできない。

数字の推奨が提示されても人が決める設計は、店ごとの事情(周辺の工事、学校行事、競合店の動き)が機械の入力に含まれにくいことと関係すると考えられる。ただし、これは筆者の推測である。

5. きげんの ちかい しょうひんは、どう みるの?

5. 期限の近い商品を、どう見分けているのか

5. 消費期限と賞味期限 ── 定義の違いと棚での扱い

うり場の しごとには、きげんを みる ことも あります。きげんには 2つ あります。

「しょうひきげん」は、きめられた ほうほうで ほぞんした とき、いたむ などして あぶなくなる おそれが ないと みとめられる きげんです[5]。おべんとうなどに ついて います。

「しょうみきげん」は、おなじく ほぞんした とき、おいしさなどの ひんしつが たもたれると みとめられる きげんです[5]。すぎても、すぐに たべられなく なる わけでは ありません。でも、たべる ときは、おうちの 人に たしかめましょう。

お店の 人は、この ちがいを ふまえて、たなの しょうひんの きげんを たしかめます。

期限の表示には2種類あります。消費期限は、決められた方法で保存したとき、傷むなどして安全を欠くおそれがないと認められる期限です。賞味期限は、同じく保存したとき、期待されるすべての品質が十分に保たれると認められる期限です[5]。

賞味期限は「おいしく食べられる目安」で、過ぎてもすぐに食べられなくなるわけではありません[5]。消費期限は、安全にかかわる期限です。

お店の人がこの違いを知っていると、棚の前での判断にも根拠が持てます。ただし、期限切れの商品を実際にどう扱うかの決まりは、会社ごとにあるため、ここでは書きません。

期限表示は、食品表示基準の定義にもとづき二種類に分かれる。消費期限は、定められた方法で保存した場合に、腐敗・変敗その他の品質劣化に伴い安全性を欠くおそれがないと認められる期限である。賞味期限は、同じ条件で期待されるすべての品質の保持が十分に可能と認められる期限を指す[5]。

前者は安全性、後者は品質に結びつく。賞味期限を過ぎても、直ちに食べられなくなるわけではない[5]。ここで引いたのは、食品メーカーのページが食品表示基準の定義として紹介している内容である。

期限の近い商品を売り場でどう扱うかは、会社ごとの運用にかかわるため、本稿では触れない。

6. こんど お店で みて みよう

6. 棚の前で、予想を立ててみる

6. 棚を観察して、発注の仮説を立ててみる

お店に いったら、たなを みて みましょう。

・ならんで いる ものの かずは どうか。からに なって いる ところは あるか。

・あした、てんきが かわったら、なにが うれそうか。

じぶんの よそうを、いえの 人に はなして みます。あたるか どうかは、その 日の うちには わかりません。おみせの 人も、そうやって かんがえて いるのかも しれません。

お店の 人の じゃまに ならないように、しずかに みて ください。

次に買い物に行ったら、棚を一つ選んで、「この商品は、あしたもこの数で足りるか」を考えてみてください。天気や行事など、手がかりになりそうなことを一つ挙げます。

数日たって同じ棚を見ると、残りの数や、空になっていないかは分かります。ただ、本当の売れ行きは店の人にしか分かりません。それでも、予想して確かめるという流れを、自分で一回りしたことになります。

お店の人の仕事を見るときは、通路をふさいだり、作業中の人に話しかけたりしないようにしましょう。

身近な店の棚を一つ決め、翌日の欠品や在庫の厚みを予想して、数日後に同じ棚と見比べる。根拠にする手がかりを、天気・曜日・近隣の行事などから一つに絞り、「予想・理由・確かめた結果」を記録すれば、前章までの仮説検証を小さく体験できる。

資料としては、jobtagの職業ページ[1]と、セブン-イレブンの発注に関する記事[3]が読める。いずれも店舗の営業を妨げない範囲で観察すること。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

本文で使った資料です。なお、期限の定義([5])は、食品メーカーのページが紹介する内容に基づきます。

  1. 厚生労働省 職業情報提供サイト(jobtag)「スーパーの販売」職業ページ https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/57 (仕事の定義と1日の流れ)
  2. バイトル「よくある質問」 https://www.baitoru.com/contents/bm_faq06/32.html (コンビニ店員の業務の範囲)
  3. PRESIDENT Online(鈴木敏文氏の発言) https://president.jp/articles/-/11579 (仮説にもとづく発注と発注分担)
  4. ニュースイッチ(日刊工業新聞)2020年5月 https://newswitch.jp/p/22165 (セミオート発注と最終判断)
  5. 味の素「賞味期限と消費期限の違い」 https://www.ajinomoto.co.jp/products/anzen/keyword/limit.html (期限の定義)

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