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同じ やさいなのに、スーパーと ちょくばいじょでは 形が ちがうのは なぜ?

同じ野菜なのに、スーパーと直売所で見た目がちがうのはなぜか

スーパーと直売所で野菜の見た目がちがうのはなぜか

分野:自然

スーパーの ほうれんそうは、長さも 入って いる 数も、ほとんど 同じです。ところが ちょくばいじょでは、長い もの、みじかい もの、根の ついた ものが 一ついっしょに ならんで います[1]。

どうして、同じ やさいなのに 見た目が ちがうのでしょう。この ページを 読むと、お店の しくみと、農家の 人の くふうが わかります。

スーパーでは、ほうれん草が規格も価格もそろった1種類で並ぶ店が多いといわれます。ところが直売所へ行くと、草丈の長いもの、短いもの、根のついたもの、葉の形がちがうものが同じ棚に並んでいることがあります[1]。

しかも直売所には、曲がったきゅうりを別に袋へ入れたり、少し曲がったきゅうりをミニトマトと組み合わせて人の顔に見立てたりする売り方もあります[1]。同じ野菜なのに、なぜ見た目がこれほどちがうのでしょうか。この記事を読むと、見た目のちがいの多くが、野菜そのものよりも売り方のちがいから生まれていることが分かります。

農畜産業振興機構の資料によれば、スーパーでは規格も価格もそろった1種類のほうれん草しか並んでいない店が多いのに対し、直売所では草丈、袋の入り数、葉の形、根の有無が異なる商品が並ぶ[1]。同じ野菜でも、売り場が変われば選べる幅が大きく変わるということである。

直売所には、曲がったきゅうりをまっすぐなものと分けて袋詰めし、さらに顔の材料にして売る例まである[1]。では、このちがいはどこから生じるのか。この記事を読むと、出荷規格の考え方の変遷と直売所の売り方の工夫から、見た目のちがいの背景が分かる。

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1. スーパーでは、なぜ えらべないの?

1. スーパーでは、なぜ野菜を選ぶ余地が小さいのか

1. 規格がそろった売り場では、個体を選ぶ行為が生じにくい

ちょくばいじょの 人気を しらべた 国の しりょうに、おもしろい 一文が ありました。スーパーでは たいてい、大きさも ねだんも そろった 一しゅるいの ほうれんそうしか ならんで いない、と いうのです[1]。

ぜんぶ 同じなら、どれを とっても 同じです。だから お客さんが 「こっちの ほうが いいな」と 一つ ずつ えらぶ ことは、ほとんど ありません。

ちょくばいじょは ちがいます。長い もの、みじかい もの、たくさん 入った ふくろ、少ない ふくろ。気に入った ものを えらべるので、さがす 楽しさが あります[1]。

答えを 先に 言うと、見た目の ちがいは、やさいの せいと いうより、売り方の ちがいから 大きく うまれて います。では、スーパーの やさいは、どうして そろうのでしょう。

直売所の人気を調べた農畜産業振興機構の記事に、ある対比が書かれています。スーパーでは、たいていの店で規格も価格もそろった1種類のほうれん草しか並んでいない。だから、買う人が一つひとつを見比べて選ぶ場面はほとんど生まれません[1]。

直売所は逆です。草丈の長いもの、短いもの、袋にたくさん入ったもの、少ないもの、葉の形がちがうもの、根のついたものが並ぶので、買う人は自分の好みや使い道に合うものを選べます[1]。

答えを先に言うと、見た目のちがいの大きな部分は、野菜の質のちがいというより、売り場のしくみのちがいです。そろえて流すしくみと、ちがいを見せて売るしくみがあるのです。では、スーパーの野菜はなぜそろうのでしょうか。

農畜産業振興機構の記事は、直売所とスーパーの対比を次のように述べている。スーパーでは、たいていの店で規格も価格もそろった1種類のほうれん草しか並んでおらず、買い手が個体を比べて選ぶ余地がほとんどない。一方、直売所には草丈、袋の入り数、葉の形、根の有無が異なるものが並び、買い手が選べる[1]。

この記述から、見た目のちがいの大きな部分は、品種や栽培の差というより、売り場がどのような商品を想定して作られているかの差に由来すると読み取れる。ただし、同じ記事は「たいていの店」と書いており、すべてのスーパーが同じだとは述べていない。

では、そろった商品が並ぶ前提となる規格は、どのような考え方で決められてきたのか。

2. やさいの 大きさは、だれが 決めて いるの?

2. 野菜をそろえる「規格」は、だれが決めているのか

2. 国の標準規格がなくなり、産地が規格を決めるようになった

やさいを お店に 出す とき、大きさや 形を そろえる きまりを 「きかく」と いいます。大きな 町へ たくさん 運ぶ とき、そろって いると あつかいやすいからです。

むかしは、国が 全国 同じ きかくを 決めて いました。けれど、二十年より 前に、その 国の きかくは なくなりました。いろいろな やさいを ほしがる 人が ふえ、作る ところ どうしの きょうそうで、きかくが こまかく なって いったからです[2]。

今の 出荷の きかくは、それぞれの 作る ところが、買う 人の 気もちを 考えながら 決めて います[2]。

ただ、きかくが こまかい ほど、農家の 人の 手間は ふえます。えらんで わける だけでなく、ふくろに 入れる、ざいこを 数える、運ぶ じゅんびまで 手間が かかるのです[2]。

では、きかくに 合わない やさいは、どう なるのでしょう。

野菜をそろえるために出荷のときに使う決まりが「規格」です。かつては、野菜を大量に流通させるため、国が標準的な出荷規格を設けていました。しかし消費者のニーズが多様になり、産地どうしの競争で産地ごとの規格が細かく分かれてくると、国が全国一律の規格を決める意味が薄れ、平成14年(2002年)にこの標準規格は廃止されました[2]。

今の出荷規格は、国ではなく各産地が、野菜を買う側や消費者の要望を踏まえて主体的に決めています[2]。つまり、出荷のときの野菜の区分は、国が一律に決めるものではなく、産地ごとに決まるものになっています。

規格が細かいほど、農家の作業は増えます。箱に詰める前の選別だけでなく、収穫後の調製、袋詰め、在庫や出荷の管理、輸送の手配にまで手間が広がるため、農林水産省は規格の見直しで作業を減らし、人手不足をやわらげることを産地に勧めています[2]。

では、規格に合わなかった野菜は、どこへ行くのでしょうか。

野菜の出荷規格は、かつて国が全国一律の標準規格を設けていた。大量の野菜を遠くの市場まで効率よく流すには、大きさや形が共通の物差しでそろっているほうが扱いやすいからである。ところが、消費者の需要が多様化し、産地間の競争で産地独自の規格が細分化していった結果、国が一律の規格を決める意義は乏しくなり、平成14年(2002年)に廃止された[2]。

現在の出荷規格は、実需者や消費者のニーズを踏まえて各産地が主体的に定めている[2]。つまり、出荷のときの野菜の区分は、国が一律に決めるものではなく、産地ごとに決まるものになっている。

規格の細分化には代償もある。農林水産省によれば、区分が細かいほど、等階級別の選別だけでなく、収穫、調製、袋詰め、在庫・出荷管理、販路や輸送の確保まで産地の作業が増える。そのため同省は、規格を見直して作業を合理化し、労働力不足の緩和につなげるよう産地に勧めている[2]。ここまでは、そろえる側の事情である。

では、そろえる枠から外れた野菜は、どこへ向かうのか。

3. きかくに 合わない やさいは、まずいの?

3. 規格に合わない野菜は、味も劣るのか

3. 規格外の野菜は、品質まで劣るのか

大きさや 形、きずが あるかどうかなどが、決められた きかくに 合わない やさいを 「きかくがい」と いいます。でも、国の 白書は、きかくがいの やさいも、あじや 食べた 感じ など、もともとの 品しつには もんだいが ない、と せつめい して います[3]。

形は、天気や 育て方でも かわります。たとえば 岩手県の そうだん れいでは、キュウリが あつい 日と かんそうが つづき、実が たくさん なって 木が つかれると、先が 細い 実が できやすい、と せつめい されて います[4]。農家の 人が ていねいに 育てても、形は かわる ことが あるのです。

きかくに 合わない やさいでも、食べられる ものは、家で 食べたり、人に あげたり、かこうする ために 使われたり します[2]。それでも、そこで 終わらない 売り方が、ちょくばいじょには あります。

形がいびつだったり、傷がついていたりする野菜が規格外になります。ところが、消費者庁の白書は、規格外の農産物でも味や食感といった本来の品質には問題がない、と説明しています[3]。

形は、天候や育て方でも変わります。岩手県の農業相談の事例では、きゅうりは高温と乾燥が続き、実がたくさんなって株に負担がかかると、先が細い「尻細果」ができやすいと説明されています[4]。丁寧に育てても、形がそろわない年や時期があるということです。

規格に合わないが食べられる野菜は、自家消費や無償での贈与、加工用などに回されます[2]。そのほかに、直売所で販売する取り組みもあります[2]。

では、直売所の農家は、形のちがう野菜をどう並べているのでしょうか。

出荷規格は形、大きさ、傷の有無などで区分するが、規格外であることと品質は別の問題である。令和2年版消費者白書は、形がいびつだったり傷があったりする規格外の農産物でも、味や食感といった本来の品質には問題がないとしている[3]。

形のばらつきは、栽培者の技量だけでなく、天候や樹勢にも左右される。岩手県の農業相談の事例によると、きゅうりの尻細果は、高温乾燥が続き、多数の果実がなって株に負担がかかり、草勢や栄養状態が低下したときに発生しやすい[4]。つまり、同じ畑、同じ農家でも、時期によって規格内の割合は動きうる。

農林水産省は、規格を満たさない野菜のうち利用できる品質のものは、自家消費、無償贈与、加工用などの食用に充てられるとしている[2]。直売所で販売する取り組みもある。

そのため、直売所でどう並べるかという売り手の工夫が、見た目のちがいを生かす鍵になる。

4. ちょくばいじょの 農家の 人は、どんな くふうを して いるの?

4. 直売所の農家は、形のちがいをどう売っているのか

4. 直売所の売り方:ちがいを隠さず、見せて選ばせる

国の しりょうには、ちょくばいじょの くふうが のって います。たとえば、キュウリや オクラの ような 細長い やさいは、まっすぐな ものだけ、まがった ものだけを、それぞれ そろえて ふくろに 入れます[1]。

まっすぐな 方が すき、まがっても いい、と 思う 人は ちがいます。わけて ある ので、自分に 合う ふくろを えらべます。

ふくろは、とうめいな ものを 使うように つたえる ところも あります。中の やさいが よく 見えるからです[1]。

ナスは、五本入りと 三本入りの ふくろを 同じ 売り場に ならべて、ねだんを かえる ことも あります。人に よって ひつような 数が ちがうからです[1]。

やさいは 全体を ふくろに 入れて 口を とじます。あたらしい まま 売るためと、売れ のこりを へらす ためです[1]。

さらに、いちごの パックに ミニトマトと 少し まがった キュウリで 人の 顔を つくった 売り方も のって います[1]。形が ちがうのを、楽しさに かえて いるのです。

直売所の資料には、売り手の工夫がいくつも出てきます。まず、きゅうりやオクラなどの細長い野菜は、まっすぐなものはまっすぐなものだけ、曲がったものは曲がったものだけをそろえて袋に入れます[1]。見た目をそろえるのではなく、似たもの同士をまとめて、買う人が自分に合う袋を選べるようにしているのです。

袋は、完全に透明なものを使うよう出荷者に伝えている直売所があり、中身がはっきり見えるようにしています[1]。同じ野菜でも、なすの5本入りと3本入りのように本数と価格のちがうものを用意するのが大原則だとも書かれていて、一人暮らしの人にも大家族にも合わせられます[1]。

野菜は全体を袋に入れて口を閉じておきます。鮮度のよい状態で届けるためと、売れ残りを減らすためです[1]。

遊び心のある例もあります。いちご用のパックに黄色いミニトマトを敷き、赤いミニトマトと中玉トマト、少し曲がったきゅうりで人の顔を作った売り方が紹介されています[1]。曲がったきゅうりが、顔の一部として生きているのです。

では、見慣れない形の野菜は、どうすれば手に取ってもらえるのでしょうか。

農畜産業振興機構の記事が示す直売所の売り方は、規格外を隠すのではなく、ちがいを見せて選ばせる点で一貫している。細長い野菜は、まっすぐなものと曲がったものを分けて袋詰めする[1]。分けることで、曲がったものを「まっすぐなものの劣った版」ではなく、別の商品として扱えるようになる。

袋は完全に透明なものを使うよう出荷者に伝えている事例があり、中身がはっきり見える[1]。印刷された袋より見た目が劣ると感じられるかもしれないが、選ばせる売り方では、中身の見えることが信頼につながる。また、同じ野菜でも、なすの5本入りと3本入りのように本数と価格の異なる商品を並べることが大原則とされ、買い手の事情の幅に合わせている[1]。

全体を袋に入れて口を閉じるのは、鮮度を保ち売れ残りを減らすためである[1]。さらに、いちご用のパックにミニトマトと少し曲がったきゅうりで人の顔を作る例では、曲がりが欠点でなく表情の材料になっている[1]。

ところが、見た目を売りにしにくい野菜もある。その場合、売り手はどうするのか。

5. 見たことのない やさいは、どう 売るの?

5. 見慣れない野菜は、説明を添えて売る

5. 珍しい品種と、説明による需要づくり

ちょくばいじょには、スーパーでは あまり 見ない やさいも あります。黒い だいこんや、とても 大きな ピーマン、中が ゼリーの ような ミニトマトなどが のって います[1]。

見た ことの ない 形は、はじめは 買いにくいものです。たとえば、ぶつぶつが 多い 四葉きゅうりは、そのまま では 売れにくく、くわしい せつめいが ひつようだと 書かれて います[1]。

「こう 食べると おいしい」と 書いた カードを つけると、買う 人は 安心できます。農家の 人は、形を かくすのではなく、ことばで つたえて いるのです。

直売所には、黒いだいこん、ジャンボサイズのピーマン、果肉がゼリーのようなミニトマト、種ごと食べられる小玉すいかなど、スーパーではあまり見かけない品種も並びます[1]。

見慣れない形は、そのままでは手に取ってもらいにくいものです。表面のいぼが多い四葉きゅうりは、その特性を説明しないと売れないと書かれています[1]。食べごろを示す傷が入った菊まくわも同様です。

つまり、直売所の売り方は、形のちがいを隠すのではなく、ちがいの理由まで伝えるところに特徴があります。そろえて流すしくみが、効率で野菜を届けるのだとすれば、直売所は、会話と説明で野菜を届けているとも言えます。

直売所の資料には、黒いだいこん、ジャンボサイズのピーマン、果肉がゼリー状のミニトマト、種ごと食べられる小玉すいかなどの例が挙がっている[1]。これらはスーパーでは見かけにくく、直売所では特徴を伝えて売られる例がある。

ただし、見慣れない形は黙っていては売れない。表面のいぼが多い四葉きゅうりや、食べごろを示す傷が入った菊まくわは、特性を説明しないと売れるものではない、と記事は述べている[1]。したがって直売所の売り方は、規格外を安売りするというより、見た目のちがいに意味を与えて商品にすることだと整理できる。

この対比から、スーパーと直売所の見た目のちがいは、品質の優劣ではなく、「そろえて流す」と「ちがいを伝えて選ばせる」という、売り場の設計のちがいに由来すると考えられる。ただし、栄養価に差があるかどうかは、これらの資料からは言えない。

6. 売り場で くらべて みよう

6. 売り場で、同じ野菜の形と袋を見比べてみる

6. 売り場の観察と、規格の資料の読み方

家の人と スーパーや ちょくばいじょに 行ったら、キュウリや ナスを 見くらべて みましょう。

形は そろって いるか。ふくろの 中身は とうめいか。本数や ねだんは どう ちがうか。まっすぐな ものと まがった ものは、わけて あるか。見つけたら、家の人に 教えて みてください。お店の 人の じゃまに ならないよう、見るだけに しましょう。

家族と買い物に行ったら、同じ野菜を売り場ごとに見比べてみましょう。形はそろっているか、袋は透明か、本数やねだんの組み合わせは何種類あるか、まっすぐなものと曲がったものは分けてあるか。

直売所の工夫を書いた記事[1]には、ここに書いていない例も載っています。見たものを記事の例と比べると、どんな売り方の工夫があるか考えられます。観察はお店の人の迷惑にならないよう、見るだけにしてください。

売り場では、形の均一さ、袋の透明さ、本数と価格の組み合わせ、曲がりを分けているか否かを観察できる。本記事の整理が当てはまるなら、直売所のほうが選択肢の幅が広いはずだが、店ごとにちがうので、複数の店で確かめる必要がある。

原典を読むなら、直売所の売り方を述べた記事[1]と、出荷規格の見直しを述べた農林水産省のページ[2]が入り口になる。後者には、規格外野菜を活用する事例が載っている。また、スーパー側の規格が実際にどの程度の割合で守られているかを示す数字は、本記事で使った資料には見当たらないため、さらに知りたい場合は別の統計を探すことになる。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

本文の事実の根拠にした資料です。

  1. 「行列のできる農産物直売所」の実現のために(農畜産業振興機構) https://vegetable.alic.go.jp/yasaijoho/senmon/2603_chosa1.html (直売所の売り方とスーパーとの対比)
  2. 青果物の出荷規格を見直してみませんか?(農林水産省) https://www.maff.go.jp/j/seisan/ryutu/engei/kikaku.html (出荷規格の変遷と規格外野菜の使い道)
  3. 令和2年版消費者白書 第1部第2章第2節(消費者庁) https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_research/white_paper/2020/white_paper_132.html (規格外農産物の品質)
  4. 《野菜》キュウリの尻細りの原因と対策について(いわてアグリベンチャーネット) https://www.pref.iwate.jp/agri/i-agri/qanda/vegetable/2001723.html (天候や樹の勢いと果実の形)

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