このサイトは、ほんの入り口です

ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

ピーラーは どうして 皮を うすく むけるの?

ピーラーは、どうして包丁より皮をうすくむけるのか

ピーラーはなぜ皮だけをうすくはがせるのか ― 刃のまわりの溝と回る刃のくふう

分野:技術

むかしの フランスに、「時間も じゃがいもの むだも 30%、へります」と うたって 売られた 皮むきの 道具が ありました。いまの ピーラーの なかまです。ピーラーは、どうして 皮を うすく むけるのでしょう。刃はの そばの 溝みぞが 入りすぎを おさえ、くるくる 回る 刃はが 丸い 野菜やさいに そうからです。

約100年前のフランスに、「時間もじゃがいもも30%節約できる」とうたって売り出された皮むきの道具がありました。いまのピーラー(皮むき器)のご先祖のひとつです。ただの小さな刃が、どうして包丁よりうすく、しかも同じ厚さで皮をむけるのでしょうか。カギは、食い込みを抑える刃のそばの溝と、丸い野菜に沿って回る刃です。ところで、あの「30%」は、だれかが測った結果ではありません。売るための宣伝文句でした。

フランスで生まれた皮むきの道具は、「時間とじゃがいもを30%節約できる」という文句で売られた。ただしこの数字は当時の宣伝で、実測ではない。それでも、包丁よりかんたんに皮をうすくむける道具が生まれた理由は、刃の形そのものにある。溝の反対側の部分が食い込みを抑えること、そして刃が回転して曲面に沿うこと。この二つの設計を、フランスとスイスの例とあわせて読めば、家のピーラーの見え方が変わる。

読み方を切り替えられます。画面の上にある「よみかた」のボタンで、小学校低学年むけ・小学校高学年むけ・中学生むけの3つの書き方に切り替わります。むずかしいと思ったら、いつでもやさしい方に戻ってください。選んだ読み方はブラウザが覚えているので、次に別の記事を開いたときも同じ読み方で始まります。

1. 包丁ほうちょうより かんたんに 同じ うすさで むけるのは なぜ?

1. 包丁より、かんたんに同じ厚さでむけるのはなぜ?

1. 包丁より簡単に、均一な厚さでむける理由

じゃがいもの 皮を 包丁ほうちょうで むくとき、手は とても 気を つかいます。刃はを 入れすぎると、皮と いっしょに 食べる ところまで 切って しまうからです。

ピーラーは、ちがいます。野菜やさいに 当てて、すっと 引くだけ。それでも 皮が うすく そろって むけます。

ひみつは、刃はの 形に あります。ピーラーの 刃はは、ある 厚あつさより 深くは 入りにくいように 作られて いると 説明せつめいされます。包丁ほうちょうは 入れる 深さを 手で 決めますが、ピーラーは 形が 先に 決めて くれて いるのです。

ただし、どれくらい うすく むけるかは、ピーラーに よって ちがいます。皮が すけて 見える ほど うすい ものも あれば、ふつうの 厚あつさの ものも あります。

じゃがいもの皮を包丁でむくとき、刃を入れる深さは手の感覚で決めます。入れすぎれば食べられる部分まで切ってしまうし、浅すぎれば皮が残ります。

ところがピーラーは、野菜に当てて引くだけで、皮がうすく、しかもそろってむけます。T字型やY字型のピーラーは、刃の形がある厚さより深くは食い込まないようにつくられていて、そのおかげで包丁よりかんたんに均一にむけると説明されています[1]。深さを手で決めるのではなく、形が先に決めてくれているわけです。

ただし、どのくらいうすくむけるかは製品でちがいます。皮が透けて見えるほどうすくむけるものもあれば、厚さがふつうだとされるものもあります[12]。「ピーラーなら必ずうすい」とは言えません。では、刃の形のどこが「これ以上は入らない」を決めているのでしょうか。

包丁で皮をむくとき、刃を入れる深さは手の感覚で決まる。深すぎれば可食部まで削り、浅すぎれば皮が残るので、均一にむくには慣れが要る。ところがピーラーは、野菜に当てて引くだけで、ほぼそろった厚さの皮がむける。T字型・Y字型のピーラーは、刃の形が一定以上の厚みには食い込まないよう工夫されており、そのため包丁より簡単に均一に皮を削げるとされる[1]。深さの調節を、手の技術から刃の形へ移したのがピーラーの設計の核心だ。

ただし、薄さは製品によって差がある。日本経済新聞の比較記事では、「皮が透けて見えるくらい」薄くむけた製品がある一方、「皮の厚さは普通」とされた製品も挙がっている[12]。つまり「ピーラーだから必ず薄い」ではなく、「刃に食い込みの上限を決める形がある分、包丁よりそろえやすい」と読むのが穏当だ。では、その上限を決める部分は、刃のどこにあるのだろうか。

2. 刃はの そばの 溝みぞは、なにを しているの?

2. 刃のそばの溝の反対側が、入りすぎを抑える

2. 刃の溝(スリット)の反対側が食い込みを抑える

ピーラーの 刃はを よく 見ると、刃はの そばに 細い 溝みぞが あります。その 溝みぞの 反対がわの ところが、刃はが 野菜やさいに ふかく 入りすぎるのを おさえると 説明せつめいされて います。

たとえば、えんぴつを 紙に ななめに 当てて、先だけ 少し 出して 引くところを 思いうかべて ください。ぐっと 押おしても、出て いる ところより ふかくは すすめません。ピーラーの 溝みぞも、「ここまで」に 近づける 歯止めの 役を して います。ただし、本当の ピーラーは、えんぴつと ちがって、刃はの 形も 大事です。

ある ピーラーの 紹介しょうかいでは、溝みぞが あると 野菜やさいが 刃はに つきにくい、とも 書かれて います。

家のピーラーの刃を、よく見てみましょう。刃のそばに、細い溝(スリット)があります。英語版Wikipediaには、この溝の反対側の部分が、刃が野菜の中に入りすぎるのを抑える、と説明されています[2]。

たとえば、鉛筆を紙にななめに当てて、先を少しだけ出して引くところを思いうかべてください。強く押しても、出ている分より深くはすすめません。ピーラーの溝の反対側も、「ここまで」に近づける歯止めのはたらきをしている、という説明です。ただし、本物のピーラーは鉛筆とちがい、刃の角度や形も影響します。

つまり、刃の先だけが皮の下に入り、その横の金属の縁が野菜の表面に当たって、それ以上の食い込みを抑えます。この「縁」の部分に注目して、手もとのピーラーを見てみてください。

ピーラーの刃には溝(スリット)がある。英語版Wikipediaは、溝の反対側の部分が、刃が野菜に深く入りすぎるのを抑えると説明する[2]。刃の先端だけが皮の下へ入り、その横の金属の縁が野菜の表面に当たる、という配置が考えられる。つまり、刃が食い込める深さは、形によって抑えられている。

身近なものでたとえるなら、鉛筆の先を少しだけ出して紙に当て、強く押す場面に近い。出ている分より深くは進みにくい。ただし、このたとえは「深さに限りがある」という点しか合っていない。実際のピーラーは刃の角度や刃先の厚さも影響するので、鉛筆の長さを変えるように皮の厚さを自由に決められるわけではない。

実際の厚さは、この縁と刃先のすき間、刃の角度、刃先の厚さなどの組み合わせで変わると考えられる。溝のそばの縁が、刃の食い込みに歯止めをかける部分だ。手もとのピーラーで、刃先と縁のすき間を横から見てみるとよい。

3. 力を 入れすぎたら、どうなるの?

3. 力を入れすぎると、刃は身まで入りこむ

3. 溝があっても入りすぎる場合と、やわらかい実の刃

では、いくら 力を 入れても、いつも うすく むけるのでしょうか。じつは、そうでも ありません。力が 入りすぎると、刃はが 身の ほうまで 入りこんで、かえって むきにくく なると いわれて います。やわらかい トマトは とくに、気を つけます。

やわらかい トマトや 桃もものために、ふつうの 刃はとは ちがう ピーラーも あります。ギザギザの 細かい 刃はが 皮と 実の あいだに すっと 入る ものです。

ピーラーの 刃はには、材料ざいりょうでも ちがいが あります。金ぞくの ステンレスの 刃はは うすくて よく 切れます。セラミックの 刃はは 厚あついので、皮を うすく むくのは にがて、と いわれます。

それなら、いくら力を入れても、いつでもうすくむけるのでしょうか。じつは、そうとは限りません。力が入りすぎると、刃が身のほうまで入りこんで、かえってむきにくくなるとされています。とくにやわらかいトマトでは注意が必要です[10]。食い込みを止める形があっても、押しつけすぎれば限界があるのです。

やわらかい果実には、別の工夫があります。トマトや桃には、ギザギザの細かい刃が皮と実の間にスルッと入る「ソフトスキンピーラー」と呼ばれるものがあります[11]。皮がやわらかく実とくっつきやすいものには、押して切るより、細かい刃でのこぎりのようにひく設計のほうが合う、という考え方です。

刃の材料にもちがいがあります。ステンレスの刃は薄くて切れ味がよい一方、セラミックの刃は厚みがあるため、皮をうすくむくのは苦手だとされます[10]。「ピーラーの刃は薄いほうが皮をうすくむきやすい」という筋道は、ここからも読みとれます。

溝があれば、どんなに力を入れても安全にうすくむけるのか。実際はそうでもない。力が入りすぎると刃が身の方まで入り込み、むきづらくなると説明されている。とくにやわらかいトマトのような食材では、この傾向に注意が必要だという[10]。食い込みを抑える形は、あくまで上限をゆるやかに決めるものであり、強い押しつけには勝てない。

やわらかい果実用には、別の設計がある。トマトや桃向けのソフトスキンピーラーは、ギザギザの細かい刃が皮と実の間にスルッと入るよう作られている[11]。押して切るのではなく、細かい刃で引きながら切ることで、細かい刃が小さな力で皮に何度も入るので、やわらかい皮にも刃が入りやすいのだと考えられる(筆者の推論)。

刃の材質も皮の厚さに関わる。ステンレスの刃は薄く切れ味が良いのに対し、セラミックの刃は厚みがあるため、皮を薄くむくのは苦手とされる[10]。刃が薄いほど、食い込みを止める形と合わせて、皮と実の境目に入りやすい、という流れだ。

4. フランスの エコノムの 「30%」とは なんの ことだった?

4. フランスのエコノムの「30%節約」はどんな宣伝だったか

4. フランスのエコノムと、「30%節約」の読み方

1920年代の フランスで、ヴィクトル・プゼという 人が、エコノムという 皮むき器きを 作った、と いわれて います。エコノムは「かいりょうした 台所ナイフ」と して 売られ、売る ときの 文句もんくでは「時間も じゃがいもも 30%、せつやくできます」と うたわれました。

10この じゃがいもを むくなら、3こ ぶん へる、という 計算です。でも、これは 売る ための 文句もんくで、きちんと はかって 出した 数字では ありません。

エコノムは、刃はが 2つの 溝みぞを もつ 形でした。ただし、刃はは 回りません。ですから、野菜やさいに 当てる 向きは、自分の 手で たもつ 必要ひつようが ありました。

丸い じゃがいもを むいて いると、向きが ずれて きませんか。その ずれを、どうしたら 少なく できるのでしょう。

刃の食い込みを止める形を、いちはやく商品にしたもののひとつが、フランスのエコノム(économe)です。ティエールのヴィクトル・プゼが1920年代に作ったとされ、刃に2つの溝があるのが特徴です。発明年は1927年とする資料も1928年とする資料もあり、はっきり決まっていません[3]。この記事では「1920年代」とだけ書きます。

面白いのは売り文句です。エコノムは「改良された台所ナイフ」として売られ、時間とじゃがいもの両方で「30%の節約」ができるとうたわれました[4]。10個のじゃがいもをむくなら3個ぶんむだが減る、という計算になります。ただし、これは当時の宣伝文句であって、はかって出した数字ではありません。

エコノムの刃は固定で、回りません。野菜に当てる角度は、自分の手で保たなければなりません[4]。丸いじゃがいもをむいていると、手首をひねるうちに角度がずれてしまうことがあります。この「ずれ」を、どうしたらなくせるでしょうか。

食い込みを止める形を初期に製品化した例が、フランスのエコノム(économe)だ。ティエールのヴィクトル・プゼが1920年代に作ったとされ、刃に2つの溝をもつ形をしている。発明年は1927年とする資料、1928年とする資料があり、1923〜1930年の説もあって確定しないため、ここでは「1920年代」にとどめる[3]。

注目したいのは売り文句だ。エコノムは「改良された台所ナイフ」として、時間とじゃがいもの両方で「30%の節約」を約束して売られた[4]。単純に当てはめると、10個のじゃがいもをむく場面で約3個ぶんが浮く計算になる。ただし、これは宣伝文句であり、実測値ではない。現代の私たちがこの数字を「皮のむだが3割減る」と読み替えるのは、資料の範囲を超える。

設計上の限界もあった。エコノムの刃は固定されていて、回転も首ふりもしない。使う人が、野菜に当てる角度を自分で保つ必要があった[4]。丸い野菜をむくとき、手首の向きが少しずれるだけで刃の当たり方が変わるので、慣れが要る。では、角度の調整そのものを刃に任せることはできないのか。

5. 刃はが くるくる 回ると、なにが かわる?

5. 回る刃は、丸い野菜になぜ合うのか

5. スイス生まれのレックスと、角度を自動で合わせる回転刃

この 問いに こたえた のが、スイスの アルフレッド・ノイヴェルツァルさんの 「レックス」です。1947年に、国さいてきな 意匠いしょうの 保護ほごを 得えた ピーラーで、はば 約やく13ミリの アルミの 帯おびを U字に 曲げて、刃はが 回る ように 作ってあります。

刃はが くるくる 回ると、丸い 野菜やさいの 表面に、いつも 刃はが 当たります。手首を あまり ひねらず、まっすぐ 動かすだけで 皮が むけます。刃はは 両面に あるので、右手でも 左手でも 使えます。

レックスは 世界で 6000万こ 以上いじょう 売れ、2004年に スイスの 切手の 絵にも なりました。スウェーデンでは 1953年に ヨナスという 回る 刃はの ピーラーが 生まれ、1950〜60年代に アメリカや カナダの 家で ふつうに なった、と いわれて います。

この問いに、ひとつの答えを出したのが、スイスのダボス生まれのアルフレッド・ノイヴェルツァル(1899〜1959)です。1947年に国際的な意匠保護を得た「レックス・ピーラー」は、約13mm幅のアルミの帯をU字に曲げ、そこに回転する刃をつけた簡単な作りでした[5]。

刃が回ると、動かしている間に角度が自然に変わります。手首をあまりひねらず、まっすぐ動かすだけで、丸いものの皮がむけます[7]。日本の台所道具の解説でも、「刃がくるくる回るから」曲面や凸凹した野菜の表面に刃が当たり続ける、と紹介されています[8]。レックスの刃は両面にあり、上でも下でも使えるので、右利きでも左利きでも使えます[6]。

レックスは世界で6000万個以上売れ、2004年にはスイスの切手の図柄になりました[6]。スウェーデンで1953年に生まれたヨナスのピーラーも、細長い金属の輪の先に刃が回る形で、1950〜60年代に米国・カナダの家庭の定番になったと紹介されています[7]。

角度の調整を刃に任せる、という答えを形にしたのが、スイスのダボス生まれのアルフレッド・ノイヴェルツァル(1899〜1959)だ。1947年に国際的な意匠保護を得た「レックス・ピーラー」は、約13mm幅のアルミの帯をU字に曲げ、回転する刃を取りつけた簡素な構造だった[5]。固定刃のエコノムでは使う人が角度を保つ必要があったのに対し、スイベル(回転)刃は、動かすあいだに刃の角度が自動で変わる。そのため手首をあまりひねらず、直線に動かすだけで丸いものの皮がむける[7]。日本の台所道具の解説でも、刃が「くるくる回るから」曲面や凸凹した表面に刃が当たり続けると説明されているが、刃の角度や隙間の数値までは載っていない[8]。

レックスには、もう一つ工夫がある。刃が両面に付いていて、上でも下でも使えるため、右利きでも左利きでも使える[6]。部品も少なく、基本型は6つ、ステンレス版の「スター」は3つだとされる。世界で6000万個以上売れ、2004年にスイスの切手の図柄になった[6]。簡素さと使いやすさが、長く売れ続けた理由の候補に挙がるが、資料が直接そう述べているわけではない。

同じ回転刃は、スウェーデンでも育った。1953年に生まれたヨナス(Jonas)のピーラーは、細長い金属の輪の先に刃が回る形で、1950〜60年代に米国・カナダの家庭で標準的な道具になったという[7]。回転刃は、国をこえて広まった設計の一つと言える。

6. 家の ピーラーは、どの なかま?

6. 刃のななめ・形のちがいは、どこから来るのか

6. 刃の向き・形の地域差と、資料の強さ

ピーラーの 刃はには、ななめに ついて いる ものも あります。ある 会社の T字の ピーラーでは、刃はが 10度ほど ななめに ついて いて、野菜やさいに そって 皮が うすく むける、と 紹介しょうかいされて います。ただし、これは 使った 人の 感想で、会社が 出した 数字では ありません。

形にも、国ごとの かたむきが あります。日本では Y字の 形が いちばん よく 見られ、アメリカや ヨーロッパでは、たてに もつ 形が 多い、と いわれて います。

家の ピーラーは、どの なかまでしょう。この あとで、じっくり 見て みましょう。

刃がななめについているものもあります。貝印のT型ピーラーのレビュー記事では、刃の角度が10度ほどで、野菜に沿って皮がうすくむけると紹介されています[9]。ただし、これはレビュー記事の記述で、メーカーの公式な数値ではないので、「ある製品では」程度に受けとめるのが安全です。刃に溝があって食材がつきにくい、という説明もあります。

形にも、地域のかたむきがあります。日本ではY型が最も一般的で、欧米では縦型が主流とされています[11]。同じ「皮をむく」目的でも、手の持ち方や、むく向きの習慣によって、よく使われる形がちがってくるのかもしれません。

ここまでをまとめると、ピーラーの工夫は三つに分けられます。食い込みを止める形、回って角度を合わせる刃、そして刃の向き・材質です。どれも、皮をむく深さや刃の角度を、手の腕前だけでなく道具の形でも調整できるようにしてきた、という流れです。

刃を斜めにつける工夫もある。貝印のT型ピーラーのレビュー記事は、刃の角度が10度ほどで、食材に沿って皮が薄くむけると述べ、刃に溝があって食材が刃につきにくいとも紹介する[9]。ただしこれはレビュー記事の記述で、メーカーの公式仕様ではない。「ある製品では10度前後とされる」にとどめ、他の製品に一般化しないほうがよい。

形には地域差もある。日本で最も一般的なのはY型、欧米では縦型が主流とされる[11]。同じ回転刃でも、レックスやヨナスのような縦型が欧米で広まった経緯と、日本でY型が主流になった経緯が同じかどうかは、今回の資料からは分からない。日本でピーラーがいつ普及したかを示す出典も、見つかっていない。

ここまでを整理すると、ピーラーの設計には三つの軸がある。食い込みを止める形(溝)、刃が回って角度を合わせる機構、そして刃の向き・厚さ・材質だ。いずれも、皮の厚さや刃の当たる向きを、手の加減だけでなく道具の形でも決められるようにする工夫だ。なお、この三つの軸という整理は、複数の資料を並べて見えたもので、一つの資料がそう述べているわけではない。

7. 家の ピーラーを 見て みよう

7. 家のピーラーを観察して、確かめられること

7. 手もとのピーラーで確かめる三つの点と、原典の読み方

おうちの 人と いっしょに、ピーラーを 見て みましょう。刃はに 指を 当てないように、気を つけて ください。

見る ところは、3つです。1つ目は、刃はの そばに 溝みぞが あるか。2つ目は、刃はが くるくる 回るか。3つ目は、刃はが まっすぐか、ななめか、です。

やってみよう。じゃがいもを、おうちの 人と いっしょに むいて みます。同じ ピーラーで、同じ くらいの 力で、じゃがいもを 2か所 むきます。むいた 皮を 白い 紙の 上に ならべて、うすさと 長さを くらべて みましょう。おなじ 力でも、皮の うすさが そろって いるか、見て みてください。

見る場所は三つです。刃のそばに溝があるか。刃が回転するか。刃が正面を向いているか、ななめになっているか。刃の部分には、指を当てないようにしましょう。

やってみよう。おうちの人といっしょに、同じピーラーで、じゃがいもを2か所むいてみます。力はどちらも同じくらいにして、そっと引きます。むいた皮を白い紙の上にならべ、うすさや長さをくらべてみましょう。同じ力でも、皮の厚さがそろっているかどうかを見てみてください。

手もとのピーラーで、確かめられる点が三つある。刃のそばに溝があるか、刃が回転するか、刃が正面か斜めか、だ。刃に直接さわらないよう気をつけてほしい。

やってみるなら、おとなと一緒に、同じピーラーでじゃがいもを2回むく。どちらも同じくらいの力で、そっと引く。むいた皮を白い紙に並べ、厚さと長さがそろっているかを比べる。刃の形が皮の厚さにどう出るか、自分の目で観察する手がかりになる。

もう一歩進むなら、日本語で読める資料を探してみるとよい。ピーラーの種類や刃の材質を比べた日本語の記事[10][11]は、売り場でどのピーラーを選ぶかの目安にもなる。家にあるピーラーの刃の溝や、刃がぐらぐら回る向きを観察して、本文の説明と合うかを確かめるのもよい。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

本文で使った資料の一覧です。英語・フランス語の資料は、記事の内容を日本語に直して書いています。

  1. ピーラー - Wikipedia(日本語) https://ja.wikipedia.org/wiki/ピーラー (T字・Y字型の刃の形の説明)
  2. Peeler - Wikipedia https://en.wikipedia.org/wiki/Peeler (溝の反対側が入りすぎを防ぐ説明)
  3. Guichet du Savoir(フランス語) https://www.guichetdusavoir.org/question/voir/138609 (エコノムの考案者と年代)
  4. Cook's Info: Econome Peelers https://www.cooksinfo.com/econome-peelers (売り文句と固定刃)
  5. swissinfo: Rex the peeler is king of the kitchen https://www.swissinfo.ch/eng/banking-fintech/rex-the-peeler-is-king-of-the-kitchen/5486616 (レックスの作りと意匠保護)
  6. Cook's Info: Rex and Star Peelers https://www.cooksinfo.com/rex-and-star-peelers (両面刃・販売数・切手)
  7. Cook's Info: Swivel Peelers https://www.cooksinfo.com/swivel-peelers (回転刃とヨナス)
  8. キッチンツール萌え http://ktmoe.blogspot.com/2013/05/blog-post_31.html (日本の台所道具の解説)
  9. ダラハスト/グレイプ 貝印T型ピーラーのレビュー https://www.dalahast.jp/ (斜めの刃のレビュー)
  10. cuebic ピーラーのおすすめ https://cuebic.co.jp/your_select/kitchen-tool/kt024 (力の入れすぎと刃の厚さ)
  11. 東京ガス ウチコト https://uchi.tokyo-gas.co.jp/topics/10014 (ソフトスキンピーラーと形の地域差)
  12. 日本経済新聞 ピーラー比較 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO56988620Z10C20A3000000/ (製品による皮の厚さのちがい)

なおした ところ

更新履歴

更新履歴(改版の記録)

  •  初版を公開。

このサイトでは、公開した記事の本文は原則として書き直しません。誤りが見つかったときや、内容が古くなったときだけ手を入れ、その理由をこの欄に残します。