1. 100パーセントを こえるって、どういうこと?
1. 回収率が100%を超える数え方
1. 新聞古紙131%の内訳 ── 回収率の分母と分子
2025ねんに、にほんで あつまった ふるがみは、1600まんトンより すこし おおい りょうでした[1]。かみを つかった りょうに たいして、8わりくらいです。
ところが、しんぶんだけを 見ると 131パーセントに なります。あつまった しんぶんの ふるがみの なかに、しんぶんに はさまって きた チラシが まざって いるからです。
かぞえる もとの りょうには チラシが はいって いないので、ふえて 見えます。チラシを ひいて けいさんすると、しんぶんだけの わりあいは 87パーセントくらいだと、センターは みつもって います。
2025年に日本で集められた古紙は、約1,628万トンでした。紙と板紙の国内消費量に対する回収率は81.3%です。2020年には一時84.9%まで上がり、そのあとは80%前後で続いています[1]。
ところが、品種別に見ると、新聞古紙は131%、段ボール古紙は115%と、100%を超えます[1]。分母にあたる国内消費量に含まれない分が、分子の回収量に混ざっているためです。新聞古紙には折込チラシが約34%混ざっているとみられ、それを除いて試算すると、新聞だけの回収率は約87%になると、古紙再生促進センターは説明しています。
「131%集まった」のではなく、数え方の都合で100を超えて見える、ということです。この試算値は推定です。
2025年の古紙回収量は16,284千トン、古紙回収率(回収量÷紙・板紙の国内消費量)は81.3%。2020年に84.9%まで上がった後は、80%前後で横ばいだ[1]。
品種別の回収率は、新聞古紙131%、段ボール・茶模造紙115%と、100%を超える[1]。分母(国内消費量)に含まれない量が分子に混ざるからで、新聞古紙には折込チラシが約34%混入しているとみられ、それを除くと新聞だけで約87%と試算されている。同じく段ボールの推定は約98%。いずれも試算値で、実測ではない。
古紙の統計を読むときは、回収率(回収量÷消費量)と、後で出てくる古紙利用率(製紙原料に占める古紙の割合)で、分母が別であることに注意する。
2. ふるがみは、なぜ わけて だすの?
2. 品種ごとに分ける理由 ── 再生先がほぼ決まっている
2. 品種別分別 ── 26銘柄と、新聞・雑誌・段ボールの占有率
ふるがみには、しんぶん、雑誌、だんボールなど、いろいろな しゅるいが あります。しんぶん、ざっし、だんボールの 3つで、ぜんぶの 8わりごろを しめます[1]。
しんぶんは しんぶんの かみに、だんボールは だんボールの かみに、ざっしは おかしの はこなどの ざいりょうに、なる ことが おおいです[2]。
だから、いえや まちで、しゅるいごとに 分別して だす ことが だいじだと されて います。
3. あつめた ふるがみは、どう はこぶの?
3. 集めた古紙は、1トンの塊にして工場へ
3. 直納業者による圧縮・梱包と、発生量の季節変動
わけて だされた ふるがみは、おおきな きかいで ぎゅっと おしかためられます。かたまりの おおきさは、たて1メートル、よこ1メートル、ながさ 1.8メートルくらい。おもさは 1トンほどです[1]。
この かたまりを トラックに のせて、かみを つくる こうじょうへ はこびます。ふるがみは、じゅうにがつに おおく、いちがつ、にがつに すくなく なる ようです。
4. こうじょうでは、どう かみに もどすの?
4. 工場で水に溶いて、インキを落とす
4. 離解→除塵→分散→脱インキ→漂白→洗浄・脱水
こうじょうでは、まず ふるがみを みずに いれて、おおきな きかいで かきまぜます。かみは、ほそい せんいが からまって できて います。みずの なかで、その せんいが ばらばらに ほぐれます。
つぎに、ごみを とりのぞきます。かみを しろく したい ときは、せんざいと あわで インキを うかせて とります。そのあと、しろく する くすりを つかい、あらって、みずを きって、かみに します[1]。
しろく しなくて よい だんボールなどは、インキを おとす ぶぶんを とばす ことが できます。
たとえるなら、ティッシュを コップの みずに つけて ゆすると、かみが ほぐれて いく のと にて います。こうじょうでは、それを ものすごく おおきな きかいで します。ただし、ほんとうは こうじょうの きかいの ほうが、もっと いろいろな じゅんばんが あります。
製紙工場での基本の流れは、6つの工程です[1]。
まず離解。パルパーという大きな装置で、古紙を水といっしょにかきまぜて、繊維にほぐします。次に除塵で、ゴミや異物を取り除きます。そのあと、分散と脱インキです。洗剤と空気の泡を使って、インキを泡にくっつけて浮かせ、取り除きます。最後に、過酸化水素などで白くし(漂白)、洗って水を切ります。
白くする必要がない紙(段ボール原紙など)は、分散・脱インキ・漂白を省きます[1]。品種によって、通る工程がちがうということです。
水にひたした紙を指でほぐすと、繊維がばらばらになるのと似ています。ただし工場では、混ざった異物やインキを取り除くために、工程を何段階にも重ねます。
古紙を古紙パルプにする基本工程は、離解(パルパーで水に溶いて繊維にほぐす)→除塵(異物を除く)→分散→脱インキ(洗剤と気泡でインキを浮かせて除く)→漂白(過酸化水素等)→洗浄・脱水。パルプを白くする必要がない場合は、分散・脱インキ・漂白を省く[1]。
つまり、段ボール原紙のような白くなくてよい製品には、脱インキ工程が要らない。再生先(章2)が決まっていることと、工程の組み合わせが対応している。
5. まぜて はいけない かみが ある
5. 混ぜてはいけない紙 ── 「禁忌品」
5. 禁忌品A類・B類と、感熱紙の扱い
かみに 見えても、ふるがみに まぜては いけない ものが あります。ホッチキスの はりや、テープ、ビニール、レシートなどです[1]。
まざると、きかいが こわれたり、あみが つまったり、できた かみに あなや しみが できたり します。
ただし、まぜて いけない ものは、まちに よって ちがう ことも あります。いえの ちいきの きまりを 見て ください。
古紙に混ぜてはいけないものを「禁忌品」といいます。混ざると、設備の破損、網の目詰まり、粘着物がついて掃除が大変になること、できた紙に穴や斑点ができること、においがつくことなどのトラブルが起きます[1]。
禁忌品は2つに分かれます。A類は石・ガラス・金物・プラスチック・布・アイロンプリント紙(昇華転写紙)など、重大な障害を起こすもの。B類は、カーボン紙・ラミネート紙・粘着テープ・感熱紙(レシートなど)のように、混ざるのが好ましくないものです[1]。
B類は、利用できる工場がふえてきているそうで、資料は地域の古紙問屋や回収業者に確かめるよう案内しています[1]。「絶対に出せない」とは決まっていません。
製紙工程でトラブルの原因になる「禁忌品」は、A類(石・ガラス・金物・プラスチック・布・感熱性発泡紙・昇華転写紙(アイロンプリント紙)・芳香紙・合成紙など、重大な障害を生じるもの)とB類(カーボン紙・ラミネート紙・粘着テープ・感熱紙など、混入が好ましくないもの)に分かれる[1]。
起きる問題は、設備の破損、スクリーンの目詰まりや粘着物の付着による清掃負担の増加、チリ・斑点・穴あきなどの外観不良、においの付着[1]。
B類は、製紙原料として使える工場が増えてきており、センターは地域の古紙問屋・回収業者への確認を促している[1]。禁忌品の扱いは地域で異なりうるので、家の自治体の案内で確かめる必要がある。
6. ぜんぶが かみに もどる わけでは ない
6. 戻らない紙と、輸出される古紙
6. 回収率の上限約83%と、古紙輸出11.2%
トイレットペーパーは、つかったら ながして しまいます。ふたたび しげんとしては つかえません。ほかにも、みずを はじく かみなど、もどせない かみが あります[1]。
そのため、センターは、ふるがみを あつめる わりあいの うえは、83パーセントくらいだと けいさんして います。いまの 81パーセントは、とても たかい ほうです。
あつまった ふるがみの 10ぶんの 1 ちょっとは、輸出されて、がいこくで かみの ざいりょうに なります[1]。
7. なんども かみに なれるの?
7. 何回まで紙に戻れるのか ── 繊維が弱っていく
7. 繊維の劣化と再利用の回数、古紙利用率の内訳
ふるがみは、なんども かみに なれますが、かぎりが あります。かみの せんいは、くりかえし つかうと よわく なるからです[3]。
あたらしい せんいには、ちいさな ひだが たくさん あります。ひだどうしが ひっかかって、つよい かみに なります。マジックテープの ひっかかりが すりへると くっつかなく なるのに、すこし にて います。ただし、ひだは ちいさすぎて、目には 見えません。
ふるがみは、めやすとして 5かいから 7かいくらい つかえると いわれて います[4]。だから、あたらしい きの パルプを ときどき たします。
日本では、かみと いたがみを あわせた げんりょうの 3ぶんの 2くらいが ふるがみです[1]。
古紙は何度でも紙に戻れるわけではありません。繰り返し使うと、繊維は劣化します。新しい繊維には細かいひだがたくさんあり、繊維どうしがからみ合って紙の強度が高くなります。古い繊維はひだがすり減って、からみにくくなります[3]。
国際森林製紙団体協議会(ICFPA)の2015年の声明では、古紙は5〜7回程度リサイクルできるとされています。ただし、品質を保つため、木材チップからつくる新しいパルプを多めに混ぜる必要がある紙もあります[4]。「5〜7回」は目安です。
だから、紙を作り続けるには、新しいパルプが要ります。2025年の日本の製紙原料の古紙利用率は66.7%で、古紙約1,431万トンに対し、木材パルプは約716万トンです。板紙(段ボール原紙など)は古紙利用率が93.4%、紙(新聞用紙・印刷用紙など)は33.2%と、大きな差があります[1]。
古紙は繰り返し使うと繊維が劣化する。新しい繊維はひだが多くて絡みやすく紙の強度を高めるが、古い繊維はひだがすり減って絡みにくくなる[3]。
ICFPAの2015年声明(日本製紙連合会が日本語版を掲載)は、古紙は製紙原料として5〜7回リサイクルできるとしつつ、品質維持のために木材チップ由来のバージンパルプを多く配合する必要のある紙製品もあると述べる[4]。古紙再生促進センターも、回数を重ねるごとに繊維の劣化が進み、それを補うには木材パルプの使用が効果的だとする[1]。ただし、5〜7回は業界団体の声明にある目安で、一部の解説には別の回数もあり、資料によって差がある。断定はできない。
2025年の古紙利用率は66.7%(古紙14,309千トン、木材パルプ7,158千トン)。1980年の41.5%から上がり、1990年に50%、2003年に60%を超えた。紙33.2%に対し板紙93.4%と差が大きく、板紙の生産量が紙を上回った2020年以降は、板紙が全体の利用率を引き上げている[1]。
8. いえの ふるがみを わけて みよう
8. 家の紙を、住んでいる地域のルールで分けてみる
8. 自治体の分別案内を読み、資料にあたる
いえの ふるがみを ならべて みましょう。まず、おうちの ひとと、すんで いる まちの「しげんの だしかた」の おしらせを 見ます。
そのうえで、しんぶん、ざっし、だんボール、それ いがいの かみ、まぜては いけない かみに わけて みます。どこに いれるか まよう かみは、おしらせに かいて あるか、まちの やくしょに ききます。
レシートや、みずを はじく かみが、どこに はいるかも 見て みてください。まちに よって ちがう ことが あります。
家にある紙を並べて、住んでいる自治体の資源ごみの案内と見比べてみてください。新聞、雑誌、段ボール、それ以外の紙(雑がみ)、混ぜてはいけない紙の5つに分けてみると、迷う紙が見つかります。
たとえば、レシートやお菓子の内側の防水加工の紙、紙コップは、資源に出せるか、燃やすごみになるか、自治体によって案内がちがうことがあります。案内や自治体の窓口で確かめます。
しらべた もとの じょうほう
参考にした情報源
参考にした情報源と、その使い方
このメモは、下にあげた公開情報をもとに書いています。文章や図を無断で転載してはいません。もっと正確に知りたいときは、必ず下の出典にあたってください。リンク先の内容や、リンク先で起きたことについて、当サイトは責任を負いません。
- 古紙再生促進センター「日本の紙リサイクル」(2026年4月)。 http://www.prpc.or.jp/wp-content/uploads/PAPER-RECYCLING-IN-JAPAN-Japanese.pdf (回収率・利用率・輸出の数字、処理工程、禁忌品、梱包の大きさ)
- 古紙再生促進センター「古紙の種類」。 https://www.prpc.or.jp/recycle/waste_paper/ (古紙の銘柄と、品種ごとの再生先)
- 日本製紙連合会「繊維の再利用」。 https://www.jpa.gr.jp/sustainability/recycle/reuse/ (繊維の劣化の仕組み)
- 国際森林製紙団体協議会(ICFPA)「古紙リサイクルに関する声明」日本語版(2015年、日本製紙連合会掲載)。 https://www.jpa.gr.jp/about/global/pdf/icfpa_view_06_ja.pdf (再利用の回数の目安)
なおした ところ
更新履歴
更新履歴(改版の記録)
- 初版を公開。
このサイトでは、公開した記事の本文は原則として書き直しません。誤りが見つかったときや、内容が古くなったときだけ手を入れ、その理由をこの欄に残します。