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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

みずは どうして 0どくらいで こおるの?

水はどうして0℃くらいで凍るのか ── 0℃を下回っても凍らない水がある

水が「0℃くらい」で凍るのを決めるもの ── 氷の核(かく)と、人が決めた目盛り

分野:自然

きれいな みずを そっと ひやすと、0どより ひくく なっても、こおらない ことが あります。みずだけで たしかに こおるのは、マイナス40どくらいまで さがってから、と いわれて います。

では、ふつうの みずが 0どの ちかくで こおるのは、どうしてでしょう。「こおりの たね」「すきまの ひろがり」「0どを きめた ひと」の じゅんに みると、わけが わかります。

水を冷やして0℃になっても、かならず凍るわけではありません。そっと冷やしたきれいな水は、0℃を下回っても液体のままでいることがあります。水だけで確実に凍るのは、約−40℃まで下げてからだといわれています。

それなら、ふつうの水が0℃の近くで凍るのはなぜでしょうか。氷の「たね」、凍ったときの体の変化、0℃という数字そのものの由来の順に考えると、その理由が分かります。

0℃は水の凍る温度として知られるが、水は0℃になっても凍りはじめるとは限らない。氷のもとになる小さな核ができるまで液体のままでいる現象があり、水だけで核ができる場合の自発凍結温度は約−40℃とされる[1]。

では、日常の水が0℃近くで凍るのは何のおかげなのか。そもそも0℃という数字は何を基準に決まったのか。核の生成、凍ったときの変化、目盛りの由来、海水の例を順に見ると、「0℃くらい」という言い方の中身が分かる。

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1. 0どに なったのに、まだ みずの ままって ほんとう?

1. 0℃になっても、水がまだ水のままでいることがある

1. 0℃は「凍りはじめる」合図ではない ── 核ができるまでの待ち時間

みずを ひやして 0どに なると、すぐに こおる ような きが します。でも、きれいな みずを しずかに ひやすと、0どを したまわっても みずの ままの ことが あります。

こおるには、まず ちいさな こおりの 「たね」が できて、それが そだって いく ひつようが あります[1]。たねが できるまでは、みずは まだ こおらずに いるように みえます。

みずだけで たねが できる のは、マイナス40どくらいまで さがった ときと いわれて います[1]。

凍るには「たね」がいる

水が凍るには、まず氷のもとになる小さなかたまり(核)ができ、それが大きく育つ、という二つの段階があります。0℃は氷と水が並んでいられる温度の目安で、この温度に着いたとたんに核が自動でできるわけではありません。

そのため、ゆっくり冷やした水は、0℃より低くなっても液体のまま残ることがあります。この状態を過冷却といいます。

水だけで核ができる温度

水以外のものの助けを借りず、水だけで核ができることを、均一核生成(自発核生成)といいます。日本冷凍空調学会の用語解説では、水の自発凍結温度は約−40℃とされ、この温度以下では水だけで確実に凍るといわれています[1]。

では、0℃近くで凍るふつうの水は、何の助けを借りているのでしょうか。

凍結は、氷の核が生まれる段階と、その核が成長する段階の二つに分けて考えられる。0℃は氷と水が共存できる温度であって、水がその温度に達した瞬間に凍りはじめる保証ではない。核ができるまで時間がかかるため、ゆっくり冷やした水は0℃を下回っても液体のまま残る。これが過冷却である。

水以外の物質の助けなしに、水の分子だけで核ができる過程を均一核生成(きんいつかくせいせい)あるいは自発核生成という。日本冷凍空調学会の用語解説は、水の自発凍結温度を約−40℃とし、この温度以下では水だけで確実に凍結が起こると述べている[1]。

つまり、「水は0℃で凍る」と「水は−40℃近くまで凍らないことがある」は、どちらも条件つきで正しい。では、ふつうの水が0℃のすぐ下で凍りはじめるのは、何が核の代わりをしているのか。

2. ふつうの みずは、なにに たすけられて こおるの?

2. ふつうの水が0℃近くで凍るのは、水以外の「助っ人」のおかげ

2. 不均一核生成 ── 容器の壁や微粒子が核の代わりをする

ふつうの みずには、ほこりのような ちいさな つぶが まざって います。いれものの かべも あります。こおりの たねは、そう いう ものを たよりに して できます[1]。

だから、コップに いれた ふつうの みずは、0どの ちかくで こおりはじめます。マイナス40どまで さがらなくても、たすけて くれる ものが そばに あるからです。

これが、「みずは どうして 0どくらいで こおるの?」の こたえの ひとつです。0どは、たすけて くれる ものが あれば こおりはじめる、めやすの おんどです。

助けを借りる核生成

水以外のもの、たとえば水に混じった微粒子や容器の壁の助けを借りて核ができることを、不均一核生成といいます。−40℃より高い温度では、ふつうこの形で凍りはじめると説明されています[1]。

家庭の水道水や、コップに入れた水には、目に見えない小さなつぶや、容器の壁があります。そのため、水だけで核ができる−40℃まで下がらなくても、0℃のすぐ下あたりで凍りはじめます。

「0℃くらい」の「くらい」の意味

水が凍りはじめる温度は、水の中に何が混じっているか、どれだけゆっくり冷やすかで変わります。0℃は純粋な水の氷点の目安です。実際に凍りはじめる温度は、混じりものや冷やし方で変わります。

水以外の物質(微粒子や容器の壁)が足場になって核ができる過程を、不均一核生成(ふきんいつかくせいせい)という。−40℃より高い温度では、ふつうこの形で凍結が始まる[1]。

この区別は、題名の「くらい」の中身を説明する。日常で水が凍るのは、水の分子だけでは核ができにくいのに、足場になるものが近くにあるため、0℃のすぐ下の温度から氷ができるからだ。ところが、足場の少ないきれいな水を静かに冷やすと、0℃を下回っても液体が保たれる。つまり実際に凍りはじめる温度は、水の純度や容器、冷やす速さに左右され、0℃は氷と水が共存できる温度の基準であって、凍りはじめる温度の保証ではない。

3. こおった みずは、どうして うくの?

3. 凍った水は、どうして水に浮くのか

3. 凍結で何が変わるか ── 密度が約9%下がり、体積は約1割増える

みずが こおって こおりに なると、つぶの ならび方が かわります。きちんと ならんで、すきまが ふえます[2]。

だから、おなじ おもさでも、こおりは みずより すこし おおきく なります。ジュースを こおらせると、ふくろが ふくらむ のは、そのためです。

こおりは、おなじ おおきさで くらべると、みずより 1わりくらい かるく なります[2]。だから、こおりは みずに うきます。

きちんと並ぶと、すきまが増える

アメリカ地質調査所(USGS)の解説では、水が凍ると、水の分子は液体のときよりも規則正しい格子状に並び、分子どうしの間があくと説明されています。その結果、氷の密度は水より約9%小さくなります[2]。

9%小さい密度は、体積では約1割の増加

密度が9%小さいとは、同じ重さなら体積が大きくなるということです。計算してみましょう。水を1とすると、氷の密度は約0.91です。同じ重さの氷の体積は、1÷0.91でおよそ1.1。つまり、水が凍ると体積は約1割ふえる計算になります。これは9%の減少を言いかえた単純な計算で、実際の氷の状態によって多少ちがいます。

氷が水に浮くのは、この密度の差のためです。冷凍庫でペットボトルが膨らむのも、同じ理由で説明できます。

USGSの解説によれば、水が凍結すると密度は約9%減少する。液体のときより規則的な格子に分子が配列し、分子間にすきまが生じるためである[2]。

ここで注意したいのは、約9%が密度の減少率だという点だ。水の密度を1とすると氷は約0.91であり、同じ質量の氷の体積は1÷0.91≒1.10となる。つまり体積は約1割増える。9%と10%は別の量を測っており、「9%ふくらむ」と書けば誤りになる。

この体積変化は、氷が水に浮くことの説明であると同時に、凍結が水の分子の並び方の変化であることを示す。核が成長するとは、分子が液体のときの不規則な配置から、すきまの多い規則的な配置へ移ることである。ただし、氷の結晶構造の詳細や水素結合の役割については、今回使った資料では扱われておらず、ここでは述べない。

4. 「0ど」って、だれが きめた すうじなの?

4. 「0℃」という数字は、だれが何を基準に決めたのか

4. 0℃は水の性質から作った目盛り ── セルシウスと、逆さまだった初期の目盛り

そもそも、「0ど」は しぜんに きまって いる すうじでは ありません。むかしの ひとが、みずの こおる おんどを きじゅんに して、おんどを はかる ものさしを つくりました。

つくった ひとの なまえは、セルシウスです[3]。みずが こおる おんどと、ふっとうする おんどの あいだを、100に わけました。

さいしょは、こおる おんどが 100で、わく おんどが 0でした。いまとは さかさまです[3]。のちに、ひっくりかえされて、いまの ならびに なりました。

水の氷点と沸点の間を100等分する

スウェーデンの学者セルシウスは、水が凍る温度(氷点)と、標準的な気圧のもとで水が沸騰する温度(沸点)の間を100等分する目盛りを考えました[3]。このため、0℃は「水が凍る温度を出発点にした数字」です。

最初は上下が逆だった

おもしろいことに、はじめは氷点が100、沸点が0でした。のちに、リンネらが上下を逆にして、現在の並びになったとされています[3]。この年号は資料によって食いちがうため、ここでは断定しません。

この話からも、「水は0℃で凍る」は、水が凍る温度を0と決めたことの言いかえでもあることが分かります。水の性質を基準に目盛りを作ったので、水が0℃の近くで凍るのは、ある意味で最初から決まっていた、という見方もできます。

0℃という数字は、水の性質から導かれた約束である。スウェーデンの学者セルシウス(Anders Celsius)は、氷点と、標準気圧下での水の沸点との間隔を100分割する温度目盛りを考案し、実用化した[3]。0℃が「水の凍る温度」と呼ばれるのは、そのためだ。

ところが、当初の目盛りは現在と逆で、氷点が100、沸点が0だった。のちにリンネ(Carl von Linné)らが上下を入れかえて、現在の向きになったとされる[3]。提案や反転の年は資料によって食いちがうため、年は断定しない。

この経緯は、「水は0℃で凍る」という文を読み直させる。0℃が水の氷点を基準にして決められた以上、この文は半分は定義であり、残りの半分が、前の章までで見た、核の条件に左右される現象としての凍結である。つまり、同じ「0℃で凍る」という言い方に、約束としての意味と、自然現象としての意味が重なっている。

5. うみの みずは、どうして 0どでは こおらないの?

5. 海水は、真水より低い温度で凍る

5. 塩分が加わると、氷点は約−2℃まで下がる

うみの みずには、しおが とけて います。しおが まざった みずは、0どでは こおりません。0どより ひくい おんどに なって、はじめて こおりはじめます[4]。

うみの みずが こおる おんどは、マイナス2どに ちかい くらいと いわれます。ただ、うみの ばしょや、しおの こさで、すこし かわります[4]。

だから 「みずは 0どで こおる」と いう のは、まじりもののない みずの はなしです。

塩分があると、凍る温度が下がる

アメリカ海洋大気庁(NOAA)の解説では、真水は華氏32度(0℃)で凍るのに対し、海水は塩分を含むため、およそ華氏28.4度で凍るとされています[4]。摂氏に直すと約−2℃です。海域や塩分の濃さによって、数字は少し変わります。

0℃は「真水の」凍る温度

水に何かが溶けていると、凍る温度は変わります。このように、「水の凍る温度」は水の中身と条件によって動くものです。0℃は純粋な水についての基準で、海のように塩分のある水では別の温度になります。

NOAAの解説によれば、真水は華氏32度で凍るが、海水は塩分を含むため約華氏28.4度で凍る[4]。28.4°Fは摂氏に換算して約−2.0℃になる。海水の氷点は塩分によって変わる、と整理できる。

ここでも、凍りはじめる温度と、氷と水が共存できる温度(氷点)を分けて考える必要がある。塩分があると氷点が下がり、さらに核ができる条件が加わる。つまり、「0℃」は真水についての基準にすぎず、水に何が溶けているか、何が足場になっているか、どれだけゆっくり冷やすかによって、条件によっては、凍りはじめる温度が0℃近くから−40℃近くまで変わることがある。

ただし、塩分と氷点の関係を定量的に示す式や、海水中での核生成の挙動は、今回の資料には含まれていない。

6. ひやした みずと しおみずを くらべて みよう

6. 冷凍庫で、水と食塩水の凍りかたを比べる

6. 確かめる道すじ ── 凍る順番と体積を、家の冷凍庫で見る

おなじ おおきさの コップを ふたつ ならべます。おなじ りょうの みずを いれて、ひとつには しおを とかします。おとなと いっしょに、れいとうこに いれて、ときどき みて みましょう。

どちらが さきに こおりはじめるか、みて みて ください。こおる とき、みずの たかさが すこし あがる ことにも、きづくかも しれません。

こおった ものを もつ ときは、てが いたく ならないように、てぶくろを つかいましょう。

同じ大きさのコップを2つ用意し、片方には水、もう片方には食塩をよく溶かした水を同じ量だけ入れます。コップの外側に、水面の高さの印をつけておきましょう。冷凍庫に入れて、ときどき見に行きます。

確かめられるのは、2つのことです。一つは、どちらが先に凍りはじめるか。海水が真水より低い温度で凍ることから、食塩水のほうが凍りにくいと予想できます[4]。もう一つは、水だけのコップの水面の高さです。氷の体積は水より約1割多いので、凍ると印より少し上がるはずです[2]。食塩水は、水面の高さではなく凍りはじめる順番で比べます。

凍った氷を長く素手で持つと、手を痛めることがあります。取り出すときは、手袋を使うか、タオルでくるんでください。

冷凍庫の中の温度は場所で違うので、2つは隣り合わせに置くと比べやすくなります。凍る順番が、毎回同じになるかどうかも、見どころです。

この記事の出典は、学会の用語解説、アメリカ地質調査所の解説、百科事典、アメリカ海洋大気庁の解説という、性格の異なる4つの資料である。一つの現象を、核生成、密度、目盛り、塩分という別々の角度から見たものだ。

自分で確かめるなら、同じ容器に水と食塩水を同量入れ、水面に印をつけて冷凍庫に入れる。凍りはじめる順番(塩分による氷点の低下)は2つの容器で比べ、凍結後の水面の上昇(密度が約9%減り、体積が約1割増える)は水の容器で観察する。冷凍庫は場所によって温度がちがうので、2つの容器を隣に置き、同じ条件で比べる。素手で氷を長く触らないこと。

さらに調べるなら、過冷却の水が衝撃で一気に凍る現象が入り口になる。「水が凍る」という日常の出来事の裏側が、そこから見えてくる。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

本文で使った資料です。家庭での確かめ方は、各資料の内容をもとに書き手が考えた手順です。

  1. 日本冷凍空調学会「最近気になる用語」第48回(均一核生成・不均一核生成・自発凍結温度) https://jsrae.or.jp/annai/yougo/48.html (核生成と約−40℃の説明に使用)
  2. USGS Water Science School「Water density」 https://www.usgs.gov/water-science-school/science/water-density (氷の密度と分子の並びの説明に使用)
  3. 「セルシウス」日本大百科全書(ニッポニカ)、コトバンク https://kotobank.jp/word/%E3%82%BB%E3%83%AB%E3%82%B7%E3%82%A6%E3%82%B9 (セルシウス目盛りの由来に使用)
  4. NOAA National Ocean Service「Does the ocean freeze?」 https://oceanservice.noaa.gov/facts/oceanfreeze.html (海水の凍る温度の説明に使用)

なおした ところ

更新履歴

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