1. きれなく なった はさきは、どう なって いるの?
1. 切れなくなった刃先で、何が起きているのか
1. 丸まる、欠ける ── 切れなくなった刃先
つかって いる うちに、ほうちょうの はさきは、すこしずつ まるく なります。めに 見えない くらいの ことです。まるく なると、たべものに ひっかからず、つるんと すべって しまいます。
かみの けは、はがねより ずっと やわらかいのに、かみそりの はを かけさせた、という けんきゅうも あります。はさきは、まるく なる ことも、かける ことも あるようです。
どちらでも、いたんだ ところを とって、あたらしい さきを つくりたい。そこで でばんが くるのが、といしです。
包丁メーカーは、切れ味が落ちる原因を、刃先のすり減り(摩耗)として説明している。目に見えないほど細かい刃先が、使ううちにこすれて丸くなる[1][2]。堺の包丁店の解説では、切れる包丁の刃先は細かいギザギザで、切れなくなると表面がツルツルになる[1]。
ただ、すり減るだけとは限らない。2020年、アメリカのMITの研究者たちは、電子顕微鏡の中で、カミソリの刃で髪の毛を切る様子を観察した[3]。髪の毛は鋼より50倍ほどやわらかいのに、刃の縁に小さな欠けができた[4]。髪がまっすぐ当たるときは欠けず、髪が曲がれるときに欠けやすかったという[4]。
カミソリと包丁は同じではない。それでも、丸くなった先も、小さな欠けも、傷んだところを削り取って新しい先を出すのが、切れ味を戻す基本のやり方だ。その仕事をするのが砥石だ。
包丁メーカーは、切れ味が落ちる原因を、刃先の摩耗として説明する。目に見えないほど細かい刃先が、使ううちにこすれて丸くなる、という話だ[1][2]。堺の包丁店の解説では、切れる包丁の刃先はギザギザで、切れなくなるとツルツルになる。研ぎ直しの職人は、刃を爪に当てて、止まるか滑るかで確かめるという[1]。
ただ、切れなくなる理由は、丸くなることだけとは限らない。2020年、MITのRoscioliらは、走査電子顕微鏡の中で、カミソリの刃と髪の毛の切り合いを直接観察できる小さな装置を作った[3]。髪の毛は鋼より50倍ほどやわらかい。それでも、刃の縁に小さな欠けができた[4]。髪が刃に垂直に当たって切られるときには欠けず、髪が自由に曲がれるときに、欠けやすかったと報告されている[4]。
カミソリと包丁では、鋼の質も刃の角度もちがうので、この結果をそのまま包丁に当てはめることはできない。ただ、「鋼のほうがずっと硬いのだから、こすれて丸くなるだけ」とは言い切れない、という見方の材料にはなる。傷みが小さいうちなら、丸まった先も、小さな欠けも、傷んだところを削り取って新しい先を出せば、切れ味は戻ると考えられる。そのために使われてきたのが、その鋼より硬い粒で削る道具、砥石だ。
2. とぐって、なにを して いるの?
2. 砥石は、小さな刃の集まり
2. 研ぐとは、砥粒に削らせること
といしの なかには、はがねより かたい ちいさな つぶが、ぎっしり はいって います。
この つぶの ひとつ ひとつが、ちいさな はの ように はたらきます。ほうちょうを とぐと、ほうちょうは、かぞえきれない ちいさな はに、つぎつぎ けずられます。たべものを きる ほうちょうが、こんどは きられる ほうです。
さっきの えんぴつと おなじです。まるく なった ところが けずられて、あたらしい とがった さきが できます。ただし ほんとうは、ほうちょうの はさきは、えんぴつの しんより、ずっと ずっと ちいさな せかいの おはなしです。
砥石の中には、鋼より硬い粒(砥粒)がぎっしり入っている。人造砥石では、アルミナや炭化ケイ素という、硬い人工の粒がよく使われる[5]。削る道具は、削られるものより硬くなければならない[6]。
この粒の一つ一つが、小さな刃として働く[7]。研ぐとき、包丁は、数えきれない小さな刃に、次々に切られている。
包丁の刃先は、両側の面が出会う線だ。丸くなったり欠けたりした先を、面ごと削り落とすと、新しい線ができる。これが新しい刃先になる。研いだ刃先が細かいギザギザになるのは[1]、粒が引っかいた傷が並ぶことが一因だと考えられる。
砥石には、包丁の鋼より硬い粒(砥粒)が入っている。人造砥石の砥粒には、アルミナ(酸化アルミニウム)や炭化ケイ素がよく使われる[5]。「砥粒は加工物より硬い」ことが、削れるための前提になる[6]。この粒の一つ一つが切れ刃になって、材料を削る[7]。
つまり、研いでいる間の包丁は、数えきれない小さな刃に、次々に切られる側にまわっている。食材を切る道具が、砥石の前では、切られる。
刃先は、包丁の両側の面が出会う線だ。丸まったり欠けたりした先を、面ごと削り落とすと、面と面が新しく出会う線ができる。これが新しい刃先になる、と考えると分かりやすい。研いだ刃先がギザギザになるのは[1]、無数の粒が引っかいた細かい傷が並ぶことが一因だと考えられる。
3. 「ばん」の すうじは、なにを あらわして いるの?
3. 番手の数字は、粒の大きさ
3. 番手(#)── 粒の大きさと、「細かいほどよい」とは限らない話
といしには、「#1000」のような すうじが かいて あります。これは、なかの つぶの おおきさを あらわして います。すうじが おおきい ほど、つぶは こまかい。
あらい ほうの「#240」でも、つぶは 1ミリの 十ぶんの 1より ちいさい。「#8000」の つぶは、それより 50ばいも ちいさい、と きまりの ひょうに あります。
つぶが あらいと、ほうちょうに ふかい きずが つき、こまかいと、あさくて こまかい きずに なります。いろいろな あらさの といしが ある わけの ひとつです。
砥石の「#1000」のような数字を、番手という。砥粒の大きさを表す数字で、大きいほど粒が細かい。JIS R 6001の粒度表では、粒の大きさ(中位径)は、#240で約60マイクロメートル(1マイクロメートルは1000分の1ミリ)、#1000で十数マイクロメートル、#8000で約1マイクロメートルだ[8]。#240と#8000では、粒が50倍ほどちがう。これは規格の表での話で、商品に書かれた番手が、この表とぴったり同じ大きさを表すとは限らない。
粒が粗いほど、包丁につく傷は深い。細かくなるほど、傷は浅く細かくなる。砥石は、粒の大きい順に、荒砥・中砥・仕上げ砥と分けられる[9]。
「細かいほうが切れる」とは限らない。金属に詳しいLarrin Thomasは、ダイヤモンドの板で、325番・600番・1200番・8000番に仕上げた鋼を、切れ味の持ちを測る機械(CATRA)で比べた。結果は、600番が、320番前後や8000番より、わずかによかった[10]。一つの試験の結果なので、包丁のすべてに当てはまるとは言えないが、ちょうどよい粗さは、使い方で変わりそうだ。
砥石の「#1000」のような数字を、番手という。砥粒の大きさを表す数字で、大きいほど粒が細かい。研削といし用の研磨材の粒度を決めたJIS R 6001の粒度表では、粒の大きさ(中位径)は、#240で約60マイクロメートル(1マイクロメートルは1000分の1ミリ)、#1000で十数マイクロメートル(測り方によって11.5〜15.5)、#8000で1.2マイクロメートルだ[8]。#240と#8000では、粒の大きさが50倍ほどちがう。これは規格の表での話で、商品に書かれた番手が、この表とぴったり同じ大きさを表すとは限らない。
粒が粗いほど、包丁につく傷は深く、細かくなるほど、傷は浅く細かくなる。砥石は、粒の大きい順に、荒砥・中砥・仕上げ砥と分けられる[9]。仕上げ砥で研ぐと、刃先のギザギザは、粗い砥石で研いだときより細かくなる。
では、細かいほど切れるのか。金属学者のLarrin Thomasは、ダイヤモンドの板で325番・600番・1200番・8000番に仕上げた鋼(154CMとCPM-154)を、切れ味の持ちを測る機械(CATRA)で比べた。結果は、600番が、320番前後や8000番より、わずかによかった[10]。これは1つの鋼、1つの試験での結果で、包丁のすべてに当てはまるとは言えない。ただ、細かければ細かいほどよい、という単純な話ではなさそうだ。
4. といしは、なにで できて いるの?
4. 砥石の中身 ── 焼き固めた粒と、2億5000万年前の石
4. 人造砥石と天然砥石 ── 焼き固めた粒と、京都の三畳紀の石
といしには、2しゅるい あります。ひとつは、こうじょうで つくる もの。かたい つぶを、つなぎの つちと まぜて、たかい おんどで やきかためて あります。もうひとつは、山から ほりだした「てんねん」の いしです。
きょうとの 山の いしの なかには、ちいさな 化石が はいって いる ものが あります。1ミリより ちいさい、はのような かたちの かせきです。この いしは、2億5000まん年ぐらい まえの、うみの そこに つもった はいや、ちいさな いきものの からが かたまって できた、と いわれて います。
てんねんの といしの つぶは、まるみが あって、とぐ うちに こわれて もっと こまかく なる、という せつめいも あります。
人造砥石の代表的な種類の一つ、ビトリファイド砥石は、硬い粒(砥粒)に、長石・陶石・粘土・ガラスの粉などの結合剤を混ぜて型に入れ、約1300℃で焼き固めたセラミックスだ[7]。砥粒、結合剤、小さなすきま(気孔)の3つでできていて、気孔は、削りくずの逃げ道になり、冷やす役目もする[7]。
天然砥石は、山から掘り出した石だ。京都の鳴滝砥石は、2億5000万年前ごろ(三畳紀)の、泥がかたまってできた岩石で、櫛の形をした1ミリより小さいコノドントの化石を多く含む[11]。コノドントは、絶滅した海の動物の、歯のような形の微小な化石だ[12]。
亀岡の天然砥石を紹介した記事は、材料を、太平洋の深海底に、1000年に1ミリほどの速さで降り積もった火山灰や、放散虫の遺骸などとしている[13]。放散虫は、石英質の骨格をもつ海の微小な生きもので、その骨格が積もった岩が良い砥石になるという[14]。天然砥石の粒は丸みがあって、研ぐうちに砕けて、さらに細かくなる。人造砥石の砥粒は硬く角ばっている、という説明もある[15]。
人造砥石の代表的な種類の一つ、ビトリファイド砥石は、アルミナや炭化ケイ素などの砥粒に、長石・陶石・粘土・ガラスの粉などの結合剤を混ぜ、型に入れて約1300℃で焼き固めた一種のセラミックスだ[7]。砥石は「砥粒・結合剤・気孔」の3つでできていて、気孔は、削りくずの逃げ道になり、冷却も助ける[7]。砥粒の種類では、炭化ケイ素は硬くて切れ刃が鋭く、アルミナは粘り強いという特徴がある[5]。これは、工業用の砥石も含めた解説だ。
天然砥石は、山から掘り出した石そのものだ。京都府のレッドデータブックによると、京都市北西の鳴滝や梅ヶ畑などで採れた鳴滝砥石は、中生代三畳紀の「砥石型珪質頁岩」と層状チャートで、櫛の形をした1ミリ以下のコノドントの化石を多く含む[11]。コノドントは、絶滅した海の動物の、歯のような形の微小な化石で、大きさは0.2〜1ミリほどだ[12]。包丁を研ぐ京都の天然砥石の中には、2億数千万年前の海の化石を含むものがある。
亀岡の天然砥石を紹介した記事は、材料を、約2億5000万年前の太平洋赤道付近の深海底に、1000年に1ミリほどの速さで降り積もった火山灰や、放散虫の遺骸などとしている[13]。放散虫は、石英質の骨格をもつ海の微小な生きもので、その骨格が積もってできた岩が、良質な仕上げ砥になるとされる[14]。天然砥石は、粒が丸みを帯びていて、研ぐたびに粉砕されて、さらに細かくなる。人造砥石の砥粒は、硬くて角が立っている、と砥石店は説明する[15]。天然砥石の鉱山の多くは、資源の減少や人造砥石の普及で閉じており、採掘を続けるところは少ない[14]。
5. けずる といしも、へって いる
5. 削るたびに、砥石も減っている
5. 砥石も減る ── 自生発刃・砥泥・面直し
ほうちょうを けずって いる とき、といしも すこしずつ けずれて います。つぶが われたり おちたり して、あたらしい つぶが 下から でて くる、と いわれて います。
とぐと でてくる どろどろの みずにも、つぶが まざって います。これも、とぐ ために たいせつな ものだと、ほうちょうを つくる かいしゃは せつめいして います。
ずっと つかうと、といしの おもてが へこんで きます。そうしたら、といしを たいらに もどして あげます。とぐ どうぐも、みがきなおされます。
包丁を削っているとき、砥石も削られている。砥石は、自分が減ることで研ぐ力を発揮する、と包丁メーカーは説明する[16]。
削っているうちに、粒が割れて新しい角ができたり、粒が抜け落ちて下から新しい粒が顔を出したりする。この働きを、自生発刃(自生作用)という[5][6]。これは、工業用の砥石の解説にある考え方だ。包丁用の砥石でも、砥粒が削れたり砕けたりしながら、砥石そのものが減っていくと説明されている[16]。
研いでいると出てくるドロドロの研ぎ汁(砥泥)にも、砥粒が含まれていて、効率よく研ぐために欠かせない[16]。手で研ぎ続けると、砥石の面が少しずつ平らでなくなるので、平らに戻す。この作業を面直しという[16]。研ぐ道具のほうも、削り直される。
包丁を削っているとき、砥石も削られている。砥石は、自分自身が減ることで、研ぐ性能を発揮する、と燕三条の包丁メーカーは説明する[16]。
削っているうちに、粒は割れて新しい角ができたり、抜け落ちて下から新しい粒が顔を出したりする。この働きは、自生発刃(自生作用)と呼ばれる[5][6]。工業用の砥石の解説では、切れなくなった粒が入れ替わることで、削る力が保たれる。包丁用の砥石についても、砥粒が削れたり粉砕したりして、砥石自体が減ることで研げる、と説明されている[16]。
研いでいるとき砥石の表面に出るドロドロした研ぎ汁(砥泥)には、砥粒が含まれていて、刃物を効率よく研ぐために欠かせない、とされる。水が切れて乾くと、摩擦熱で刃先を傷め、目詰まりも起きやすくなる[16]。手で研ぎ続けると、砥石の面は少しずつ水平でなくなる。元の平面に戻すことを、面直しという[16]。包丁を平らに研ぐために、砥石のほうも削って平らにする。
6. とぐほど、ほうちょうは どう なるの?
6. 研ぐほど、包丁の体は減っていく
6. 戻るのは刃先だけ ── 研ぎ減り
ここで、さいしょの ぎもんに もどります。とぐと よく きれるように なるのは、いたんだ はさきを けずりとって、あたらしい はさきを だして いるからです。
けれど、けずった ぶんの ほうちょうは、もとには もどりません。なんども とぐと、はの はばが すこしずつ ほそく なって、あつい ところが はさきに ちかづきます。そうなると、ものを きる とき おもく かんじるように なる、と ほうちょうの せんもんかの 人は かいて います。
えんぴつと おなじで、とぐほど、ほうちょうも すこしずつ ちいさく なります。
最初の問いの答えは、こうなる。研ぐと切れ味が戻るのは、傷んだ刃先を削り取って、新しい刃先を出しているからだ。戻ったのは切れ味で、削った分の包丁は戻らない。
貝印の包丁マイスターは、長年研ぎ直していると、刃幅(刃から峰までの幅)が少しずつ細くなり、包丁の厚い部分に刃が近づいていく、と書いている[17]。すると、食材を切るときの抵抗になって、切るのが重く感じられる[17]。實光刃物も、研ぎすぎは刃が痩せて、包丁の形が崩れる原因になると説明している[2]。
鉛筆を削れば短くなるのと同じで、包丁も、研ぐほど小さくなる。研ぎを専門の職人が担う分業の話は、包丁はなぜ切れるのかの堺の章にある。
ここで、最初の問いに答えが出る。研ぐと切れ味が戻るのは、傷んだ刃先を削り取り、新しい刃先を出しているからだ。戻ったのは切れ味であって、削った分の包丁は戻らない。
貝印の包丁マイスターは、長年研ぎ直していると、刃幅(刃から峰までの幅)が少しずつ細くなり、包丁の厚い部分に刃が近づいていく、と書いている[17]。厚い部分が食材に当たるようになるので、切るときの抵抗が増え、重く感じるという[17]。實光刃物も、研ぎすぎは刃が痩せ、包丁の形が崩れる原因になると説明し、研ぎすぎを防ぐ手入れの例として、軽く整える程度のシャープナーの使い方を挙げている[2]。
研ぐたびに、包丁は少しずつ小さくなる。砥石が減るのと同じで、包丁も減りながら切れ味を取り戻している。研ぎを専門の職人が担う分業の話は、包丁はなぜ切れるのかのメモの、堺の章にある。
7. しらべて みよう
7. 紙やすりで粒を見比べる、資料を読む
7. 紙やすりで粒を見比べる、資料にあたる
ほうちょうや といしを つかった じっけんは、けがの もとです。ここでは やりません。かわりに、かみやすりで、つぶの おおきさを しらべて みよう。
ホームセンターの かみやすりの うらには、「#80」「#400」のような すうじが あります。おとなと いっしょに、あらい ほうと こまかい ほうを 1まいずつ かって、ルーペで おもてを 見くらべて みる。ゆびの はらで かるく さわると、ざらざらの ちがいも わかります。
すうじが おおきい ほうが、つぶが こまかい はず。ただし ほんとうは、かみやすりの すうじと、といしの すうじは、きまりが ちがいます。おなじ すうじでも、つぶの おおきさが おなじとは かぎりません。
かみやすりで きや ものを こすると、こなが とびます。そとで、マスクを して、おとなと いっしょに やります。ほうちょうと といしは、おとなが つかい方を ならってから つかう ものです。
包丁や砥石を使った実験は、けがのもとになるので、ここでは勧めない。かわりに、番手の数字と粒の大きさのつながりを、紙やすりで確かめてみる。
ホームセンターの紙やすりの裏には、「#80」「#400」「#1000」のような番号が書いてある。粗い番号と細かい番号を1枚ずつ買って、ルーペで表面を見比べる。指の腹で軽くなでれば、ざらつきのちがいも分かる。木の端切れを軽くこすると、表面の傷の細かさも比べられる。
紙やすりの番号も、大きいほど粒が細かい。ただし、紙やすりと砥石では、粒度の規格がちがうので、同じ番号でも粒の大きさが同じとは限らない[18]。
京都府亀岡市には、天然砥石を紹介する「天然砥石館」がある[9]。開いている日は公式サイトで確かめてから行く。行けなくても、京都府のレッドデータブックの鳴滝砥石のページを読むと、砥石の中の化石が何なのかが分かる[11]。博物館の石器の展示では、刃の部分をみがいてつくった縄文〜弥生時代の磨製石器を探してみるのもよい[19]。
紙やすりで木をこすると、粉が飛ぶ。屋外で、マスクをつけ、大人といっしょにやる。包丁と砥石は、大人が使い方を習ってから使う。
包丁や砥石を使う実験は、けがのもとになるので、ここでは勧めない。かわりに、番手の数字と粒の大きさのつながりを、紙やすりで確かめる方法を挙げる。
ホームセンターの紙やすりの裏には、「#80」「#400」「#1000」のような番号が書いてある。粗い番号と細かい番号を1枚ずつ買い、ルーペで表面を見比べると、粒の大きさのちがいが分かる。木の端切れをそれぞれで軽くこすって、表面の傷の細かさを比べることもできる。紙やすりの番号も、大きいほど粒が細かい。ただし、紙やすりと砥石では粒度の規格がちがうので、同じ番号でも粒の大きさが同じとは限らない[18]。
京都府亀岡市の天然砥石館は、天然砥石を紹介する施設だ[9]。開いている日は公式サイトで確かめてから行く。行けなくても、京都府のレッドデータブックの鳴滝砥石のページで、砥石の中の化石が何なのかが分かる[11]。博物館の石器の展示では、刃の部分をみがいてつくった縄文〜弥生時代の磨製石器を探してみるのもよい[19]。
論文を読むなら、Roscioliらの「How hair deforms steel」(Science, 2020)が、英語だが、要旨と図だけでも、髪の毛が刃を欠かす様子が分かる[3]。JIS R 6001の粒度表の抜粋[8]と、天然砥石館の説明[9]を読み比べると、番手の数字が粒の大きさにつながっていることが確かめられる。
紙やすりで木をこすると、粉が飛ぶ。屋外で、マスクをつけ、大人といっしょにやる。包丁と砥石は、大人が使い方を習ってから使う。
しらべた もとの じょうほう
参考にした情報源
参考にした情報源と、その使い方
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- 包丁ラボ 堺實光「包丁はなぜ切れなくなるのか?」(堺の包丁店による解説)。 https://www.jikko.jp/c/knowledge/maintenance/maintenance01 (刃先が丸くなること、切れる刃先はギザギザで切れないとツルツルになること、爪に当てる確かめ方)
- 包丁ラボ 堺實光「【簡単】家庭でできる研ぎ/包丁はどのくらいで研ぐ?|研ぐ頻度と簡単メンテ術」。 https://www.jikko.jp/news/knife-sharpening-at-home-frequency (切れ味が落ちる原因としての摩耗、研ぎすぎで刃が痩せること)
- Roscioli, G., Taheri-Mousavi, S. M., Tasan, C. C. (2020) “How hair deforms steel”. Science 369: 689-694. https://doi.org/10.1126/science.aba9490 (カミソリの刃と髪の毛を電子顕微鏡の中で切らせた研究。英語の論文)
- ScienceDaily「Why shaving dulls even the sharpest of razors」(2020年8月。研究機関の発表にもとづく紹介記事)。 https://www.sciencedaily.com/releases/2020/08/200806153600.htm (髪の毛は鋼より約50倍やわらかいこと、髪が曲がれるときに欠けやすかったこと。英語のサイト)
- 三和研磨工業「テーマ03 砥石の構造とダイヤモンド砥石」。 https://www.sanwakenma.co.jp/knowledge/theme03/ (砥石の3つの要素、アルミナと炭化ケイ素の砥粒、砥粒が砕けて新しい切れ刃が出ること)
- ニューレジストン「砥石の基礎知識Ⅰ~砥石はなぜ切れる?~」。 https://www.newregiston.co.jp/baseint/kiso/kiso01/ (砥粒は加工物より硬いこと、自生発刃)
- 井上孝二「セラミックスアーカイブズ ビトリファイド研削砥石(19世紀末〜現在)」『セラミックス』43(8) (2008)(日本セラミックス協会)。 https://www.ceramic.or.jp/museum/contents/pdf/2008_08_04.pdf (砥粒・結合剤・気孔の役割、約1300℃で焼き固める製法)
- フチオカ「研磨材の粒度について」(JIS R 6001の粒度の表を載せた、研磨材メーカーのページ)。 https://www.fuchioka.co.jp/abrasive/particle/ (#240・#1000・#8000の中位径。#1000は測り方によって2つの値がある)
- 天然砥石館(京都府亀岡市)「天然砥石とは」。 https://www.tennentoishikan.com/展示案内/天然砥石について/ (荒砥・中砥・仕上砥の分け方、亀岡の砥石の年代、施設の案内)
- Knife Steel Nerds「Maximizing Edge Retention - What CATRA Reveals about the Optimum Edge」(金属学者Larrin Thomasによる、英語のブログ)。 https://knifesteelnerds.com/2018/06/18/maximizing-edge-retention/ (仕上げの番手を変えて切れ味の持ちを比べた試験)
- 京都府「鳴滝砥石(砥石型珪質頁岩)とコノドント」京都府レッドデータブック2015。 https://www.pref.kyoto.jp/kankyo/rdb/geo/db/soi0081.html (鳴滝砥石の地質時代、岩石の種類、コノドントの化石)
- 国立科学博物館「コノドント」(微化石データベース)。 https://www.kahaku.go.jp/research/db/botany/microalgae/bikaseki/2-konodonto.html (コノドントは歯のような形の微小な化石で、0.2〜1ミリほど)
- 千日前道具屋筋商店街「京都亀岡の天然砥石」絆具 TSUNAGU。 https://www.doguyasuji.or.jp/tsunagu/story/toishi/ (天然砥石の材料になった堆積物と、砥石の粒の特徴)
- Wikipedia「天然砥石」。 https://ja.wikipedia.org/wiki/天然砥石 (放散虫の骨格が積もった岩、鉱山の減少)
- 堺一文字光秀「『天然砥石』産地や種類の選び方を徹底解説」。 https://hocho.ichimonji.co.jp/maintenance/whetstone/whetstone-type/whetstone-material/natural-whetstone/ (天然砥石と人造砥石の粒のちがい)
- 藤次郎「砥石の扱い方」。 https://tojiro.net/reading/8762/ (砥石が減ることで研げること、砥泥、水切れ、面直し)
- 貝印の包丁マイスター・林泰彦「包丁研ぎの応用技と、包丁を長持ちさせる使い方」(天然生活)。 https://tennenseikatsu.jp/_ct/17321934 (長年研ぐと刃幅が細くなり、切るのが重く感じること)
- toishi.info(研削砥石・研磨材の技術情報サイト)「サンドペーパーの粗さと番手について」。 https://www.toishi.info/faq/question-eight/papergrit.html (紙やすりと砥石で、粒度の規格がちがうこと)
- 全国こども考古学教室「磨製石器」。 https://kids-kouko.com/dictionary/ma/4629/ (縄文〜弥生時代の、刃の部分をみがいてつくる石器)
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