1. かった ばかりなのに、もう 生えて きたのは なぜ?
1. 刈った草が戻ってくる理由は、3か所に分けて考えられる
1. 刈っても緑が戻る ── 草が残す3つの手がかり
庭の 草を きれいに かっても、7日も すると、また みどりに なって います。ぬいても ぬいても、気が つくと 生えて います。
調べて みると、草は 3つの 場所に 「つぎの め」を 用意して いるようです。1つ目は 草の 根元です。2つ目は 土の 中で ねむって いる たねです。3つ目は 土の 下を はう くきです。
この 3つの どれかが のこって いれば、地面の 上を ぜんぶ かっても、草は また 出て こられます。ただ、すべての 草が 同じ わけでは ありません。
まず、いちばん 近い 根元から 見て みましょう。
刈ったばかりの庭が、数日で薄い緑に戻る。そんな経験をした人は多いと思います。資料を読むと、草が戻ってくる手がかりは、おおまかに3か所に分けられます。
1つ目は根元です。葉の細長いイネ科の草は、成長が始まる場所が根元に近く、上を刈られても伸び直しやすいといわれます[1]。2つ目は土の中の種です。土の中には休眠した種がたくわえられていて、これを土壌シードバンク(埋土種子)と呼びます[6]。3つ目は地面の下の茎で、地下茎をもつ草は、地上を刈られても春になると芽を出し直します[10]。
この3つのうち、どれが主役になるかは草の種類しだいです。成長点が残る高さで刈れば伸び直す草がある一方、刈るだけでは伸び直さない草もある、という点は先に押さえておきたいところです[1]。
では、いちばん手前にある根元の話から始めます。成長が始まる場所は、草のどこにあるのでしょうか。
草刈りのあとに緑が戻る現象は、少なくとも3つの別々の経路が重なって起きると整理できる。第一に、刈られても残る根元の成長点から葉が伸び直す経路、第二に、土の中で休眠している種子(埋土種子)が発芽する経路、第三に、地下茎から地上部を再生させる経路である[1][6][10]。
どの経路が効くかは種によって違う。たとえば成長点が高い位置にある広葉の雑草には、刈ると弱る種類もあるといわれ、イネ科のように刈っても伸び直すとは限らない[1]。そのため「草は何をしても強い」と一括りにはできず、刈られる条件に合った草が残る、と考えたほうが筋が通る。
では、最初の経路から見る。成長点は草のどこにあり、なぜそれが刈り取りへの強さになるのか。
2. かられた 草は、根元から また のびるの?
2. 先を刈られても、根元から伸び直せる草がある
2. イネ科の成長点は低い ── 先端を失っても根元から回復する
草の 中でも、ほそ長い 葉の 草は、のび はじめる ところが 根元に あると いわれます[1]。イネの なかまが、その 代表です。かられても、根元の のびる ところが のこって いれば、のび直せる 草が あるのです。
かみの 毛の 先を 切っても、頭に 近い ところから のび つづけるのと 少し にて います。ただし 本当は、草と かみの 毛は つくりが ちがいます。
葉の 先を かられても、根元の のびる ところは 地面の 近くに のこります。だから、また 葉が のびて くるのです。
この つくりは、草を 食べる 動物の いる ところで 身に ついたと 考えられて います[2]。
ただし、どの 草でも そうとは かぎりません。広い 葉の 草には、かられると よわる ものも あると いわれます[1]。
では、地面の 上を ぜんぶ ぬいて しまったら どうでしょう。じつは 土の 中に、つぎの 手がかりが あります。
イネ科の草は、葉の先ではなく、節や葉の根元にある成長の場所から伸びます。そのため、先端を刈られても、根元が残っていれば回復できます[2]。この低い成長点は、草を食べる動物がいる環境の中で身についたと、百科事典的な解説では説明されています[2]。
髪の毛の先を切っても、頭に近い側から伸び続けることに少し似ています。ただし、草と髪の毛はつくりがまったく別のものです。
刈る高さによっても、結果は変わります。新潟県の研究機関の資料には、穂が出たイネ科の雑草を高く刈ると、早い時期にまた穂を出す、と書かれています[3]。そのため、あぜ(畦畔)で穂の出たイネ科雑草がまとまって生えている場合は、地面ぎわから刈るのがよいとされています[3]。
反対に、高めに刈る管理を続けると、その後のイネ科雑草の発生をおさえやすく、イネ科以外の雑草が残る管理になる、という説明もあります[3]。同じ草刈りでも、刈る高さを変えると、残る草が入れ替わるということです。
根元から伸びる草も、地面の上をすべて抜かれたらどうなるのでしょう。土の中に、次の手がかりがあります。
イネ科では、成長を担う分裂組織が葉身や節の基部にある(介在分裂組織)。葉の先端が失われても基部が残っていれば、葉を伸ばし直せる[2]。成長点が低いこの性質は、草食動物に葉を食われる環境への応答として進化したとされる[2]。
ただし、この性質が働くのは、成長点より上を刈った場合に限られる。さらに、広葉の雑草の中には成長点が高く、刈ると弱る種類もあるといわれる[1]。刈り取りは、成長点の低い草を残し、高い草を減らす選別としても働きうる。
新潟県の研究機関の資料は、出穂したイネ科雑草を高刈りすると早い時期に再び出穂するため、畦畔で出穂したイネ科雑草がまとまっている場合は地際から刈るよう勧めている[3]。同じ資料は、高刈りがその後のイネ科雑草の発生抑制に有効で、イネ科以外の雑草を残す管理になる、とも説明する[3]。刈る高さが、どの草が生き残るかを左右するわけだ。
ここまでは地上に残る部分の話である。地上部をすべて取っても草が戻るなら、手がかりは土の中にある。
3. 土の 中には、たねが ねむって いる
3. 土の中には、芽を出す順番を待つ種がたまっている
3. 埋土種子 ── 耕作地の土は、森林の土より種が多いと報告される
草を ぜんぶ ぬいた 地面でも、しばらくすると 草が 生えて きます。土の 中で ねむって いる たねが、め を 出すからです。
土や 水の そこの どろの 中で、ねむった まま 生きて いる たねを、まとめて 「シードバンク」と いいます[6]。たねの ちょきん箱のようなものです。ただし、本当に お金のように 数が 決まって いるわけでは ありません。
この たねは、数が 多いようです。畑の ような たがやした 土の ほうが、森の 土より ずっと たくさん ふくむと 書いた 本が あります[9]。
ただし、数は 場所や 調べ方で 大きく かわります。同じ 畑でも、土を とる 場所や 深さが ちがえば、見つかる たねの 数は ちがって きます。
では、土の 中の たねは、どれくらい 長く まてるのでしょう。
草を抜いた地面でも、しばらくすると新しい芽が出てきます。土の中で休眠している種が、条件がそろって目を覚ますからです。土や水底の堆積物の中で、休眠したまま生きている種子の貯蔵を、土壌シードバンクといいます[6]。種の貯金箱のようなものですが、お金とちがって、いつ引き出されるかは天気や土の状態しだいです。
種には、環境がそろえばすぐ発芽できるものと、休眠が解けるまで発芽しないものがあります[7]。後者は、まだ芽を出さないまま土の中に残るので、草を抜いたあとに、少しずつ時間をずらして芽が出る理由になります。
その量は場所によってちがいます。既存の研究を引いた報告では、耕作地の土のほうが森林の土より種の数がずっと多いとされています[9]。耕されて土がかき混ぜられる場所ほど、芽を出す機会をうかがう種が多いということです。ただし、場所や調べ方、土を取る深さによって、数は大きく変わります。
これだけの種があるなら、土の中で待てる時間も気になります。種は、何年くらい待てるのでしょうか。
草を取り除いた土から新たに芽が出るのは、土壌中に休眠した種子の貯蔵、土壌シードバンクがあるからだ。定義としては、土や水底の堆積物の中に埋もれ、休眠したまま生きている種子の蓄えを指す[6]。
種子には、環境条件がそろえばすぐ発芽できる非休眠種子と、休眠が解除されなければ発芽しない休眠種子がある[7]。休眠種子が混じっているため、地上の草を一度取っても、条件がそろえば、あとから新しい芽が出ることがある。
密度は土地利用で大きく異なる。既往研究を引用した報告では、耕作地の埋土種子密度は森林よりかなり高いとされる[9]。ただしこれは別の論文からの引用で、具体的な数値は場所、採土の深さ、調査方法によって大きく変わるため、ここでは数字を挙げない。
耕されて撹乱される畑ほど種が多い、という傾向は、後の章で扱う雑草の生き方と結びつく。その前に、種はどれほど長く待てるのかを確かめる。
4. たねは、何年 まてるの?
4. 142年後の瓶から、種が芽を出した
4. ビール博士の種子実験 ── 142年後の発芽と、その読み方
むかし、ミシガン州立大学の ビールせんせいが、じっけんを はじめました。1879年の ことです[8]。
びんを 20本 用意して、21しゅるいの 草の たねを 50つぶずつ 入れ、大学の 土の 中に うめました。ときどき 1本ずつ ほり出して、たねが め を 出すか 調べる じっけんです[8]。
142年 たった 2021年、ほり出した びんの 中の 1しゅるいの たね 13つぶが、め を 出しました[8]。びんには 1050つぶ 入って いたので、全部の 1.2%ほどです。
これは とても 長い ほうの はなしで、ふつうの たねが 100年 まてる わけでは ありません。多くの たねは、数年の うちに め を 出すか、だめに なると いわれて います[7]。
それでも、土の 中で 100年より 長く 生きる たねも あると いわれて います[7]。草を ぬいた あとも、まだ 土の 中に つぎの 草が まって いるかも しれません。
たねの ほかにも、草には 地面の 下に かくれる 手が あります。
土の中の種がどれくらい待てるのかを調べた、有名な実験があります。米国ミシガン州立大学のビール博士が1879年に始めたもので、21種類の植物の種を50粒ずつ入れた瓶20本を、大学の敷地に埋め、順に掘り出して発芽するかを調べるものでした[8]。
2021年、142年後の瓶から、ある植物(学名 Verbascum blattaria)の種13粒が発芽しました[8]。瓶1本には全部で1,050粒(21種×50粒)入っていたので、瓶全体では約1.2%にあたります。
この結果を、すべての種に当てはめることはできません。多くの種は数年のうちに発芽するか死滅するとされ、100年以上というのは長い例です[7]。それでも、長いものでは100年以上土の中で生きている場合もあることが知られています[7]。
地面の上を抜いても、土の中に待っている種があるかもしれない。さらに草は、種以外の形でも地面の下に控えています。
種子がどれほど長く生きるかを直接確かめた実験として、ミシガン州立大学のビール博士が1879年に始めた実験がある。21種×50粒(1本あたり1,050粒)を入れた瓶20本を構内に埋め、順に掘り出して発芽を調べる設計で、2021年に142年後の瓶から、Verbascum blattaria の種13粒の発芽が報告された[8]。
13粒は瓶全体の1,050粒の約1.2%である。一方、土壌シードバンクの種子は、長いものでは100年以上生きる場合もあるが、多くは数年以内に発芽するか死滅するとされる[7]。142年という数値は、「最大でこれほど待てる例がある」という意味であり、庭の草の種が普通にそれだけ待つ、とは読めない。
それでも、一度シードバンクに入った種子の一部が、条件が整うまで発芽せず残るなら、地上の草を取り除く作業だけでは、次の世代を完全には断てない。種子のほかに、草が地下に残す手がかりもある。
5. 地面の 下の くきから も 生えて くる
5. 地面の下の茎が、刈られても春に芽を出す
5. 地下茎 ── 切断されても再生する、種に頼らない経路
草の 中には、地面の 下に くきを のばす ものが あります。地下茎と いいます。ヨモギや スギナ、ドクダミなどが なかまです[10]。
この くきは、土の 中に くきを はりめぐらせ、そこから 根と め を 出して ふえます[10]。
冬に 地面の 上が かれても、地下の くきは のこります。春に なると、そこから また め を 出します[10]。だから、地面の 上を かっても、すぐ 生えて くるのです。
スギナの 地下の くきは、畑を たがやして 切れても、また 生えて くると いわれます[11]。そのため、手で とりのぞくのが むずかしい 草です。
根元、土の 中の たね、地下の くき。草は この 3つを 持って います。では、草は もともと、かられる 場所が すきなのでしょうか。
ヨモギ、チガヤ、スギナ、ドクダミなどの草は、地面の下に茎を張りめぐらせ、そこから根や芽を出して増えます[10]。これが地下茎です。
冬に地上部が枯れても、地下茎は土の中に残ります。春になると、そこから芽を出して再生する多年生の草です[10]。地面の上を刈られても、地下茎が無事なら、すぐ再生できます。
とくにスギナは、畑を耕して地下茎が切れても再生できるため、手作業で取りのぞくのが難しいとされています[11]。耕すことは、土をほぐして草を減らすための作業のはずです。ところが地下茎をもつ草にとっては、切れ端から再び増えるきっかけになりうる、ということになります。
また、地下に養分をたくわえる草は、刈り取られてもすぐに地上部を再生させることがあるそうです[4]。
根元、種、地下茎。草はこの3つで刈り取りに備えています。それにしても、なぜ草は刈られたり耕されたりする場所にばかり生えているのでしょうか。
ヨモギ、チガヤ、スギナ、ドクダミなどの地下茎雑草は、地中に茎を張りめぐらせ、そこから根と芽を出して増える。冬に地上部が枯れる多年生で、春に地下茎から再び芽を出すため、地上部を刈ってもすぐに再生する[10]。
注意したいのは、この経路が「耕す」という対策に対して弱くない点だ。スギナの地下茎は、畑を耕して切断されても再生できるため、手作業での除去が難しいとされる[11]。刈る・耕す・抜く、という人の管理作業が、地下茎をもつ草には、地上部を失うだけの出来事で終わりうる。地下に養分を蓄える種は、刈られてもすぐ地上部を再生させることがあるという記述もある[4]。
根元の成長点、埋土種子、地下茎の3つは、どれも「地上部を失うこと」を前提にした保険のように見える。では、これらを一つにまとめる原理はあるのか。次に、雑草とは何かという定義に戻る。
6. 草は、かられる 場所が すきなの?
6. 雑草には、刈られ耕される場所に早く入り込む草がいる
6. 撹乱された場所に向く植物 ── 雑草の定義とruderalという戦略
草かりで 草が へらないのは、草が つよいからでしょうか。ここには、ちがう 見方も あります。
草は、人が たがやしたり、ふんだり、かったり する 場所に 生える 草だと 考えられて います。畑や 運動場、道ばたなどです[4]。
ruderal(ルデラル)と いう 言葉が あります。山火事や、人が 道路を つくった あとなどの、あれた 土地に はじめに 入ってくる 草を 指します[5]。たねを たくさん つくるのが とくちょうの 1つです[5]。
でも、この 草たちは、数年 たつと ほかの 草に まけて しまう ことが 多いと いわれます[5]。つまり、草は 「つよい」というより、あれた 場所に はじめに 来るのが うまい 草、と 言えそうです。
草かりを つづけると、いつも あれた 場所が つづきます。それは、こういう 草にとって、住みやすい 場所が つづくことにも なります。
雑草とは何でしょうか。資料では、人の活動で強くかく乱された場所に生える植物とされ、日差しや踏みつけ、定期的な草刈りに耐えるものだと説明されています[4]。Wikipediaの解説では、生物学的に「土壌かく乱に対応した植物」と定義されています[4]。
英語には、これと近い意味のruderal(ルデラル)という言葉があります。ラテン語のrudus(がれき)に由来し、山火事や雪崩のような自然のかく乱のあとや、道路づくり、建築、農業のように人がかく乱した土地に、いちばん先に入り込む植物を指します[5]。種を大量につくるのが特徴の1つです[5]。
面白いのはそのあとです。この仲間は、数年たつと在来の植物に負けることが多いといいます[5]。雑草は「いつでも強い草」ではなく、荒れた場所の先着者だと考えるほうが、資料の説明に合います。多くの雑草は、小さな種や増える芽を大量につくり、種や根茎のように休む形をもつ、という特徴も挙げられています[4]。
草刈りを何度も続けるのは、草にとっては「かく乱がまた起きた」ということでしょう。だから刈られる場所は、この草たちが居つきやすい場所でもあります。
雑草は、Wikipediaの解説では生物学的に「土壌攪乱に対応した植物」と定義され、耕作地、運動場、道路脇のように、人の活動で強く撹乱された場所に生えて、日差し、踏みつけ、定期的な草刈りに耐える[4]。多くの雑草は、小さな種子や栄養繁殖子を多数つけ、種子や根茎のように休眠に適した構造をもつ[4]。ここまでの3つの手がかりは、この定義の具体例だと言える。
この見方に近い概念が、ruderal(先駆的に荒れ地へ入る植物)である。語源はラテン語のrudus(がれき)で、山火事や雪崩といった自然の撹乱、あるいは道路建設や農業など人為的な撹乱のあとに最初に定着し、種子を大量に生産する[5]。そして数年たつと、在来種との競争に負けて入れ替わることが多い[5]。
つまり、雑草は「いつでも強い」のではなく、撹乱が続く限り居続けられる生き方だと見ることができる。刈り取りは雑草の数を一時的に減らすが、撹乱を繰り返すことで、この生き方に有利な条件を保つ面もある。新潟県の資料が、刈る高さによって残る草が変わると述べていた点とも合う[3]。ただし、これは複数の資料を組み合わせた読み方であり、個々の庭で同じことが起きるとは限らない。
この記事で使った資料のうち、成長点の説明と一部の数値は、公的機関の資料ではなく解説記事やWikipediaに頼っている。確かめたいときは、大学の植物学の教科書や、農業試験場の雑草管理の資料に当たるとよい。
7. 草の 根元と 土を、見て みよう
7. 草の根元と土を、自分の目で見くらべる
7. 観察するなら ── 根元・土・踏まれる道の三点
草の 根元を 見て みましょう。かっても いい 場所と、大人に 聞いて いい と 言われた ところだけで やって ください。はさみや かまを 使う ときは、大人と いっしょに しましょう。
かった 草の 根元を 見ると、まだ 緑の 部分が のこって いるでしょうか。1日 おきに ものさしで 長さを はかると、のびる 早さが 分かります。
もう 1つ。道の 真ん中と 道の 横で、生えて いる 草を 見くらべて みましょう。ふまれる 場所は どんな 草が いるでしょうか。
土の 中の たねを 調べたい ときは、庭の 土を 少し 植木ばちに 入れ、水を あげます。草の め が 出れば、その 土に 草の たねが あった ことが わかります。出るか どうかは 土しだいです。
草の根元をしゃがんで見ることから始められます。刈ってもよい場所(庭や、許可のある空き地)で、刈り跡の根元に緑が残っているか、数日おきに定規で長さを測ると、伸び直す速さが分かります。刃物を使うときは、大人と一緒にします。
土の中の種を確かめるなら、庭の土を少し鉢に入れて水をやり、ふたをせずに置いておく方法があります。芽が出れば、その土に草の種があったということです。ふたをしないので、風で飛んできた種かもしれず、休眠していたかどうかまでは分かりません。出るまでに時間がかかることも、出ないこともあります。
もう1つは、道の真ん中と道ばたの草を見くらべることです。人や自転車に踏まれる場所と、そうでない場所では、生えている草がちがうでしょうか。踏まれやすい場所に向く草がいるのか、考えるきっかけになります。
この記事ではふれなかったことも多くあります。刈る高さと草の種類の関係や、シードバンクの世界の広さは、農業試験場や大学の資料に詳しく載っています。
自分で確かめるなら、次の3点が手軽だ。第一に、刈ってよい場所で刈り跡の根元を観察し、数日おきに定規で再生の長さを測る(刃物は大人と)。第二に、庭の土を鉢に入れて水を与え、発芽する草があるかを見る。芽が出れば土に草の種があったと言えるが、休眠していたかどうかや、飛来種子の可能性までは区別できない。出る・出ないは土の履歴による。第三に、踏まれる道の中央と脇で、生えている草の種類を比べる。
残る問いもある。刈る高さと草の種類の入れ替わりがどの程度の速さで起きるのか、埋土種子の長期の生存率が土の条件でどう変わるのかは、この記事の資料の範囲を超える。農業試験場の雑草管理の資料や、シードバンク研究の論文に当たると、一歩先まで読める。
しらべた もとの じょうほう
参考にした情報源
参考にした情報源と、その使い方
本文で使った資料です。インターネットの資料は、2026年10月9日に見た内容にもとづきます。
- Wikipedia「Poaceae」(英語) https://en.wikipedia.org/wiki/Poaceae (イネ科の低い成長点)
- 新潟県農業総合研究所 作物研究センター https://www.pref.niigata.lg.jp/sec/nosoken_sakumotsu/201705.html (刈る高さと雑草の再出穂)
- Wikipedia「雑草」 https://ja.wikipedia.org/wiki/雑草 (雑草の定義、種子や根茎の特徴)
- Wikipedia「Ruderal species」(英語) https://en.wikipedia.org/wiki/Ruderal_species (かく乱の後に入る植物)
- 北海道大学 シードバンク解説 https://hosho.ees.hokudai.ac.jp/tsuyu/top/dct/sdbk.html (シードバンクの定義)
- Wikipedia「土壌シードバンク」 https://ja.wikipedia.org/wiki/土壌シードバンク (種の寿命、休眠種子と非休眠種子)
- Popular Science「Beal seed experiment」(英語) https://www.popsci.com/science/beel-seed-experiment/ (ビール博士の実験)
- 大石・三輪(2010) 河原の埋土種子(PWRC) https://pwrc.or.jp/thesis_shouroku/thesis_pdf/1007-P010-013_ooishi.pdf (耕作地は森林より埋土種子が多いという報告。他の研究からの引用)
- Wikipedia「スギナ」 https://ja.wikipedia.org/wiki/スギナ (耕されても再生する地下茎)
なおした ところ
更新履歴
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