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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

水は、0どに なると かならず こおるの?

水は0℃になっても凍らないことがある ── 凍るために必要な「はじめのひとかけら」

水の凍結と過冷却 ── 核ができる条件、氷の隙間の多い構造、湖が底から凍りにくい理由

分野:自然

水は、0どより ひくくなっても、こおらずに 水のままで いる ことが あります。れいぞうこで ひやして いるのに、水の ままで いる ことが あるのです。

水は どうして こおるのでしょう。こおった 氷は、どうして 水に うくのでしょう。この 記事で、その こたえが わかります。

0℃より低くなっても、液体のままでいる水があります。水は0℃になったら必ず凍ると思われがちですが、そうとは限りません。

水は、どんなときに凍るのでしょうか。凍ってできた氷は、なぜ水に浮くのでしょうか。資料をもとに、凍る仕組みと、冬の湖の底が凍りにくい理由が分かります。

水の融点は0℃だが、0℃以下に冷やしても結晶ができず、液体のまま保たれることがある。この状態は過冷却水と呼ばれる[1]。

では、水は何をきっかけに凍り、できた氷はなぜ液体より軽いのか。そしてそれは、湖の生きものの冬ごしとどうつながるのか。複数の資料から、過冷却と核生成、氷の構造、湖の水の動きの順に、その答えが分かるようにする。

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1. 0どに なったら、かならず こおるの?

1. 0℃になっても、水は凍るとは限らない

1. 融点0℃と過冷却 ── 冷やしても凍らない水

0どに なったら、水は かならず こおる。そう おもって いませんか。じつは、0どより ひくく ひやしても、水の ままの ことが あります。これを 「かれいきゃく」と いいます[1]。

こおるには、水の ぶんしが きまった ならびに なる ことが ひつようです。その 「はじめの ひとかけら」が できた とき、まわりの 水が つぎつぎに くっついて いきます[1]。

だから、そっと ひやした 水は、0どより ひくくなっても、ひとかけらが できる まで 水の ままで いられる ことが あるのです。

水は0℃で凍る、と習います。ところが、日本冷凍空調学会の用語解説によると、水を0℃以下まで冷やしても、結晶ができずに液体のままでいることがあります。この状態を「過冷却水」といいます[1]。

凍るためには、水の分子が決まった並び方になって、結晶の「はじめのひとかけら」ができることが必要です。それができて初めて、まわりの水が次々にそこへ加わり、全体が氷になっていきます[1]。

つまり、0℃は「それより低ければ凍れる」温度であって、「その瞬間に必ず凍る」温度ではありません。そうなると、疑問が出てきます。そのひとかけらは、いつ、どうやってできるのでしょうか。

日本冷凍空調学会の用語解説によれば、水が融点(0℃)以下に冷却されても、熱力学的に安定な結晶が現れず、不安定な液体状態が保たれることがあり、この状態を過冷却水という[1]。したがって、0℃は凍結が「可能になる」温度であり、凍結が「必ず起こる」温度ではない。

凍結には、結晶の最初の小さな塊、すなわち核の形成が要る。核ができれば、周囲の液体の分子がそこに加わって結晶が広がる[1]。では、その核はどういう条件でできるのか。ここに、凍りやすさを決める鍵がある。

2. 「ひとかけら」は、どこから できるの?

2. 氷の「はじめのひとかけら」は、何がきっかけでできるのか

2. 均一核生成と不均一核生成 ── 核を助けるものがあるかどうか

ひとかけらは、2つの やりかたで できる と いわれて います[1]。

ひとつめは、水だけで できる ばあいです。これは、マイナス40どぐらいまで ひやさないと、かくじつには おこらない と いわれて います[1]。

ふたつめは、水いがいの ものが たすけて くれる ばあいです。コップの かべや、水に まざった ちいさな ごみが、ひとかけらの 「たね」に なります[1]。ふつうの 水が 0どを すこし すぎた ぐらいで こおるのは、こうした たすけが あるからだと かんがえられます。

だから、とても きれいな 水を しずかに ひやすと、水の ままで いやすく なります。

氷の最初のひとかけらは、2つの道すじでできるとされています。

一つは、水だけで核ができる「均一核生成」です。日本冷凍空調学会の解説では、水の自発凍結温度はおよそ−40℃といわれ、この温度より低くなれば水だけで確実に凍るとされています[1]。なお、−40℃は「といわれる」値で、条件によって変わりうる目安として読むのがよいでしょう。

もう一つは、水以外のものの助けを借りる「不均一核生成」です[1]。容器の壁、水に混ざった細かいごみ、あるいは氷の小さな粒が、結晶のできる足場になります。

ふだんの水は、容器の壁や水中の粒子などをきっかけに、0℃に近い温度で凍り始めることがあります。逆に、足場が少なく、静かに冷やした水ほど、過冷却の状態で長くいられるわけです。では、そうしてできた氷は、水と何がちがうのでしょうか。

核の生成には2つの経路がある。水の分子だけで核が生じる均一核生成では、水の自発凍結温度は−40℃といわれ、これ以下では水だけで確実に凍結が起こるとされる[1]。ただし−40℃は「といわれる」値で、固定の物理定数として扱うのは適切でない。

これに対し、水以外の物質の助けを借りる不均一核生成では、はるかに高い温度でも核ができる[1]。容器の壁や水中の微粒子が核の足場になるため、日常の水は0℃より少し低い温度で凍る。実際に過冷却水ができやすいのは、足場が少ない条件、たとえば不純物が少なく容器の壁も滑らかな状態で、振動も少なく冷やしたときである。そのため、同じ0℃以下でも、凍る温度は水ごとにばらつく。

こうして核ができ、成長した結晶は、液体の水と分子の並び方が異なる。この並びのちがいが、氷が水に浮く理由につながる。

3. 氷は、どうして 水に うくの?

3. 氷はなぜ水に浮くのか ── 隙間の多い六角形の並び

3. 氷の構造と密度 ── 水素結合がつくる隙間の多い並び

コップの 水に 氷を いれると、ぷかっと うきます。ふつう、こおった ものは しずむ ものが おおいのに、水は ふしぎです。

氷の 中では、水の ぶんしが、六角形の あみのように ならびます。この ならびは、すきまが おおいのです[2]。

水の ときは、ぶんしが すきまを うめるように、もっと ぎゅっと つまって います。だから、おなじ 大きさで くらべると、水より 氷の ほうが かるく なります[2][3]。

水が こおると、大きさは 10分の1ほど ふえます[3]。れいとうこの 中で、水の 入った いれものの ふたが もちあがる ことが あるのは、そのためです。

氷が水に浮くのは、身近すぎて当たり前に見えますが、ほとんどの物質は、固体のほうが液体より重くて沈みます。水のほうが変わっているのです。

名古屋市科学館の解説によると、氷では、水分子どうしが水素結合というつながりで規則正しく並び、「隙間の多い」構造になります[2]。一つの分子が周りの4個の分子とつながり、六角形の網目をつくるためです。液体の水では、このつながりが切れたりつながったりしていて、分子はもっと詰まって動けます。

数字にすると、氷の密度は約0.92 g/cm³、0℃の水は約1.00 g/cm³です[3]。同じ重さなら、氷のほうが体積が大きくなり、計算すると、凍ったときの体積は約9%増えます(1.00÷0.92より)。氷が軽いというより、同じ体積なら約8%軽い、という言い方もできます。

冷凍庫の氷が、製氷皿から少し盛り上がるのは、この体積の増加によるものです。では、水に浮く氷は、冬の湖にとってどんな意味をもつのでしょうか。

氷の中では、各水分子が周囲4個の水分子と水素結合で四面体状につながり、六角形の網目をなす。この構造は隙間が多く、液体では水素結合がつながったり切れたりしながら、分子がより密に詰まる[2]。この違いが、固体の水が液体より低密度になる理由だと説明される。

密度は、氷が約0.92 g/cm³(氷Ihで0.917)、0℃の液体の水が約0.9998 g/cm³である[3]。体積の増加率は0.9998÷0.917≒1.09で約9%、密度の減少率は約8%になる。両者は同じ事実を、基準を変えて言ったものであり、混同しないよう注意が要る。

純水の密度は約3.98℃で最大(1.0000 g/cm³)であり、0℃では液体の水のほうが氷より重いので、氷は水に浮く[4]。では、この浮力は、水が4℃で最も重いという性質と合わさって、湖の中でどう働くのか。

4. 冬の 湖の 底そこは、どうして こおらないの?

4. 冬の湖で、底の水が凍りにくい理由

4. 湖では、4℃の水が下に沈み、表面に氷ができる

さむい ふゆ、湖の 水が 上から こおっても、底そこの ほうの 水は こおらずに、さかなが およいで いる ことが あります。

水は、4どの ときに いちばん おもく なります[4]。ひやされた 水は、4どに なるまで おもく なって、底そこへ しずみます。それより さむく なった 水は、かえって かるく なって、上に うかびます[5]。

だから、いちばん つめたい 水は 上に あつまって、そこで 氷に なります。水に うく 氷は、ふたのように なって、した の 水が そとへ ねつを にがしにくくします[5]。

ただし、あさい いけでは、底そこまで こおる ことも あります。ふかさや きこうに よって かわります。

水の密度は、約4℃で最大になります[4]。秋から冬にかけて湖の水が冷えると、表面の水は冷たくなって重くなり、下へ沈みます。下にあった水は押し上げられ、湖全体がかき混ぜられます。

ところが、水温が4℃より下がると、様子が変わります。冷たくなった水はかえって軽くなり、4℃の重い水の上に浮くのです[5]。こうして、いちばん冷たい水は表面に集まり、そこから凍り始めます。

水に浮く氷は、表面で一枚の層になります。氷は熱を伝えにくく、下の水を外の冷たい空気から守る蓋のように働きます[5]。そのため、深い湖では底の水が液体のまま残りやすくなります。

もし水が冷えるほどずっと重くなり続けるなら、冷たい水は底に沈み、湖は底から凍りうる、とも説明されます[5]。ただし、これは水深や気候で変わります。浅い池は、底まで凍ることもあります。

冷えた湖では、水温が4℃に近づく間は、冷えた水が重くなって沈み、湖水が上下に混合される。4℃を下回ると、より冷たい水は密度が小さいので、4℃の層の上に浮く[5]。したがって、凍結は表面から始まる。

表面にできた氷は、液体の水より軽いので水面に残り、断熱層として下の水の熱の損失を抑える[5]。結果として、深い湖の底は液体のまま残りやすい。もし水が冷えるほど重くなり続けるなら、冷たい水は沈み続け、湖は底から凍りうるという説明もある[5]。

ここで注意すべき点が2つある。第一に、これは純水の性質に基づく説明で、塩分を含む海水は4℃で密度が最大にならない[4]。第二に、底まで凍らないかどうかは水深と気候に依存し、浅い池では底まで凍ることもある。

では、水が冷えると4℃から先で膨らみ始める性質は、氷の構造だけで説明できるのか。実は、そこにまだ答えの出ていない部分がある。

5. まだ わかって いない ことは、あるの?

5. 水が4℃から膨らむ理由は、まだ説明しきれていない

5. 4℃以下での膨張 ── 氷の低密度とは別の問題

水が 4どよりも さむく なると、すこしずつ ふくらみ はじめます。これが 湖の ふしぎな ならびを つくって いました。

この ふくらむ せいしつは、氷が かるい こと とは、すぐには つながらない と、けんきゅうする 人は かいて います[3]。

ぶんしの レベルでは、どうして そう なるのか、まだ じゅうぶんには せつめい されて いません[3]。水は、みぢかな のに、まだ なぞが のこって いる ふしぎな ものです。

ここまで、氷が軽いことと、水が4℃で最も重いことを並べて話しました。二つは似ているので、同じ理由でつながっていそうに見えます。

ところが、岡山大学の松本正和さんの解説では、水を冷やすと膨らむ性質は、氷の密度が低いことと直接は関係しない、と書かれています[3]。「氷に近い並びが増えるから」と言いたくなりますが、それも言い切れません。

分子のレベルでは、なぜ水が4℃以下で膨らむのかは、まだ十分には説明されていない、と研究者は書いています[3]。毎日使う水の中に、分かっていないことが残っています。

水が4℃以下で膨張し始める性質は、氷の密度が低いことと直接の関係がない。岡山大学の松本正和による解説は、この点を明確に述べ、分子レベルでは議論が続いている部分があると述べている[3]。

「氷に近い並びが増えるから膨張する」という説明は、直感的だが、一般に確立した結論として言い切ることはできない。氷の隙間の多い構造は、凍った水が浮く理由としては十分でも、4℃以下の膨張の理由としては同じようには使えない、という整理になる。

湖の凍り方を説明する前節の議論は、この性質の「観測された事実」を前提にしており、その分子論的な起源が決まっていなくても、成り立つ。事実としての密度の変化と、その理由は、分けて考えるべきである。

6. 家の れいとうこで、ためして みよう

6. 家の冷凍庫で、体積の増え方を確かめる

6. 家庭で確かめられること ── 体積の増加と浮き方

うちの 人に 手つだって もらって、コップに 水を 入れます。水の たかさに、ペンで しるしを つけて、れいとうこに いれましょう。コップは、ガラスでは なく、プラスチックの ものに します。

こおった あとで、氷の たかさを みて みます。しるしより、すこし たかく なって いるでしょうか。

つぎは、その 氷を、水を いれた コップに いれます。どのくらい 水の 上に でて いるかも、みて みましょう。

家の人に手伝ってもらい、プラスチックのコップに水を半分ほど入れます。水面に油性ペンで印をつけ、冷凍庫に入れて、凍るまで待ちます。

凍ったら、氷の高さを印と比べてみましょう。体積は計算上、約9%増えます。ただし高さは、容器の形や凍り方で変わります。中央が盛り上がったりして、きれいにそろわないこともあります。

ガラスのコップは、中身が増えて割れることがあるので使いません。ふたをきつくしめた容器も、避けましょう。

氷を別のコップの水に入れると、水面の上に出る部分があります。その割合は、この記事の数字から見積もれるでしょうか。

家庭で確かめられることを挙げる。

第一に、体積の増加。プラスチック容器に入れた水の水面に印をつけて凍らせ、氷の高さを測る。計算上の体積増加は約9%だが、高さは容器の形や凍り方で変わるため、水面の高さからは正確な増加率は測れない[3]。ガラス容器や蓋の閉まった容器は、膨張で破損するおそれがあるため使わない。

第二に、浮き方。氷の密度を0.917 g/cm³、水を約1.00 g/cm³とすると、浮いた氷のうち水面下にあるのは、おおよそ9割強と見積もれる[3]。実際の氷には気泡があり、完全な純水でもないので、結果は多少ずれる。

原典として、日本冷凍空調学会の用語解説と、岡山大学の松本正和による解説を出典欄から読める。海外の資料は出典欄に挙げた。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

凍る仕組み、氷の構造と密度、湖の水の動き、まだ分かっていないことは、次の資料による。一部は検索結果の要約をもとにしているため、原文もあわせて読むとよい。

  1. 日本冷凍空調学会「最近気になる用語48」 https://jsrae.or.jp/annai/yougo/48.html (過冷却水、均一・不均一核生成、−40℃)
  2. 名古屋市科学館 展示解説(S523) https://www.ncsm.city.nagoya.jp/exhibit_files/pdf/S523.pdf (水素結合と隙間の多い氷の構造)
  3. 松本正和「水は4℃以下で膨張する」(vitroid) https://scrapbox.io/vitroid/ (氷と水の密度、4℃以下の膨張が未解明であること)
  4. An Etymological Dictionary of Astronomy and Astrophysics, "Maximum density of water" https://dictionary.obspm.fr/terms/maximum-density-of-water/ (約3.98℃で密度最大、氷が浮く理由)
  5. University of Leeds, Properties of water https://see.leeds.ac.uk/enviroweb/hydrosphere/2_properties_of_water/waterp3.php (湖の水温層と表面の氷)

なおした ところ

更新履歴

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