1. 赤と 白の ワインは、なにが ちがうの?
1. 赤と白を分けるのは、品種より「皮ごと発酵するか」
1. 赤と白の分かれ目 ── 色素は果皮にあり、皮ごと発酵させるかで決まる
ワインには、赤い ものと、うすい きいろの ものが あります。でも どちらも ブドウから 作ります。
赤い 色の もとは、ブドウの 皮に ある 「アントシアニン」です[1]。赤ワインは、色の ついた 皮ごと はっこうさせます。白ワインは、皮を のぞいた しぼりじるを はっこうさせます[2]。
ですから、赤と 白を わけるのは、ブドウの しゅるいより 作りかたの ほうだ、と サントリーの コラムは 書いて います[2]。ところが 赤ワインの 中は すっぱくて、アントシアニンの 色は、うすくなりやすいと いわれます。それでも 赤い ままなのは、なぜでしょう。
グラスに注がれた赤ワインと白ワインは、まるで別の飲み物に見えます。でも、どちらもブドウから作ります。
赤い色のもとは、アントシアニンという色素です。ふつうはブドウの果皮にあります(果肉まで色づく「テンチュリエ」という品種は例外です)[1]。サントリーのワインコラムによると、赤ワインは色のついた皮ごと発酵させ、白ワインは皮を除いて搾った果汁だけを発酵させます[2]。赤と白を分けるのは、品種そのものよりも作り方だと説明されています。黒いブドウでも、皮を除けば白ワインを作れるということです。
そこで疑問が出ます。赤ワインの中は酸性で、そこではアントシアニンの色は薄くなりやすいはずです。それでもワインは、なぜ赤いままなのでしょうか。
赤ワインの赤は、アントシアニンという色素に由来する。査読論文の総説によれば、アントシアニンはふつうブドウの果皮に局在し、例外として果肉まで色づく「テンチュリエ」種がある[1]。色素が皮にあるので、果皮とともに発酵させるかどうかが、そのままワインの色を左右することになる。
サントリーのワインコラムは、赤ワインは色のついた皮ごと発酵させ、白ワインは皮を除いて搾った果汁を発酵させると説明している[2]。赤と白を分ける要因は品種より作り方だという読み方ができる。ただし「白ワインは白ブドウだけ」とは言い切れない。黒いブドウも、皮を除けば白ワインにできるからだ。この点は企業のコラム(二次資料)の記述なので、日本語の公的機関の資料にあたればさらに確かめられる。
ところで、赤ワインは酸性の液体である。アントシアニンは酸性だと色が変わりやすい色素のはずだが、ワインは赤いまま保たれる。この矛盾は、次の章で説明する。
2. すっぱいのに、どうして 赤い ままなの?
2. 無色になりやすいのに赤いのは、新しい色素ができるから
2. pH3.3〜3.5で無色の型に傾くアントシアニンが、赤を保つ理由
赤ワインの すっぱさでは、アントシアニンの 多くは、色の ない かたちに かたむく と いわれます[1]。それでも 赤く 見えるのは、はっこうの あいだや できたての ころに、アントシアニンが ほかの せいぶんと くっついて、新しい 色の もとが できるからです[1]。
この 新しい 色の もとが、ワインの 赤を ながもちさせて います[1]。たとえば、ほどけやすい ひもの 先に ほかの ひもを むすんで、じょうぶに するような ものです。ただし 本当の しくみは、ひもよりも ずっと ふくざつです。
ところで、この 色は ずっと 同じなのでしょうか。
論文によると、ふつうの赤ワインの酸性の強さ(pH3.3〜3.5)では、アントシアニンの多くは色のない型に傾きます[1]。それなのにワインが赤く見えるのは、発酵中から熟成の初めにかけて、アントシアニンが別の成分と結びつき、新しい色素ができるためです。この新しい色素が、ワインの色の安定にとても大切だと書かれています[1]。
「色のない型が主」と「赤く見える」が両方成り立つのは、このためです。もとの色素だけでは赤は続かず、発酵の間に作り変えられた色素が支えています。無色の型がどれくらいの割合かは、論文からは分かりません。
では、その赤は、ずっと同じなのでしょうか。びんの中で何年も過ごしたワインは、色が変わります。
アントシアニンは、水溶液のpHによって構造が変わる。論文によれば、赤ワインのpH(3.3〜3.5)では平衡が主に無色のヘミケタール型へ傾く[1]。したがって、もとの色素だけでは、ワインの赤い色を説明しきれない。
それでもワインが赤く見えるのは、発酵中から熟成初期に、アントシアニンが他の成分と反応して「アントシアニン由来の新しい色素」ができ、それが色の安定に極めて重要だからである[1]。つまり、ワインの赤は、皮から出た色素がそのまま残ったものではなく、発酵の間に作り変えられた色素に支えられている。無色の型が実際に何割あるのかは、この出典は述べていない。
では、作り変えられた色素は、時間とともにどうなるのか。
3. 年を とると、赤は うすく、白は こく なるの?
3. 赤は薄れて茶色へ、白は濃くなって茶色へ
3. 熟成と色 ── 赤は褐色へ向かう退色、白は酸化による濃色化
ワインは、びんの 中で 年を とります。赤ワインは、わかい ころの 赤むらさきから、しだいに ガーネット(赤い ほうせき)のような 色に 近づき、さいごは 茶色へ むかいます[3]。年を とるほど、赤い 色の もとは へって いきます。
白ワインは 反対です。年と ともに、黄色、金色と こく なって、いずれは 茶色に なります[3]。げんいんは さんそで、もとの せいぶんが 空気に ふれて、茶色い 色の もとに かわる ことだと せつめいされます[3]。リンゴを きって おくと 茶色に なるのと、にた ところが あります。
色は 目で 見て 気づけます。では、かおりは どこから 来るのでしょう。
ワインは、びんの中でも色を変えていきます。若い赤ワインは赤紫色ですが、熟成が進むと、新しくできた色素が重なり合って、赤オレンジ寄りの色になります。さらに年を重ねると、ガーネット色から、やがて茶色へ向かいます[3]。赤ワインは、熟成とともに、はじめの赤い色を少しずつ失っていきます。
白ワインは、赤とは反対に、年とともに色が濃くなります。黄色から金色へ、そして茶色へ向かいます[3]。原因は酸化で、ワインに含まれるフェノール類が酸素にふれて、茶色い色素になるためと説明されます。切ったリンゴが茶色くなるのと、似たところがあります。
赤は色が薄れ、白は色が濃くなる。向きは逆でも、どちらも最後は茶色に近づきます。色は目で見て言い分けられます。では、目に見えない香りは、どこから来るのでしょうか。
熟成による色の変化は、赤と白で向きが異なる。若い赤ワインの赤紫は、重合した色素が増えると赤オレンジ寄りの色へ移り、さらに年を経るとガーネット色から茶色へ向かう[3]。この過程で、赤ワインは色を失っていく。出典が一般向けの解説サイトである点は、読むときの注意になる。
白ワインは逆に、年とともに色が深まり、黄色から金色、やがて茶色へ向かう[3]。原因は酸化で、ポリフェノール(フェノール類)が酸素にふれて褐色の色素になる、という説明が一般的である。切ったリンゴの変色と似た点があるが、同じ反応だと断定する資料は、今回使ったものにはない。
赤は色素を失って退色し、白は色素ができて濃くなる。逆向きの変化が、どちらも茶色へ収束する点は面白い。ここまでは目で追える変化だった。では、目に見えない香りは、どこから生まれるのか。
4. かおりは、どこから 来るの?
4. 香りの出どころは、ブドウ・発酵・熟成の3つ
4. 香気成分の由来 ── 品種香・発酵香・熟成香(ブーケ)
ワインの かおりは、3つの 出どころに わけて 考えるのが ふつうです[4]。1つめは ブドウそのもの、2つめは はっこう、3つめは 時間を かけた じゅくせいです。さいごの かおりを 「ブーケ」と よびます[4]。
ブドウの かおりの れいが、ソーヴィニヨン・ブランという ブドウです。ピーマンのような かおりの せいぶんが かかわります[4]。くだもののような かおりの 一部は、こうぼが はっこうの 時に つくる せいぶんです[4]。
こういう かおりの せいぶんには、ごく 少しの りょうでも 鼻に とどく ものが あります。どれくらい 少なくて 気づけるのでしょう。
ワインの香りの成分は、伝統的に3つに分けて考えられます。ブドウ由来の「品種の香り」、発酵でできる香り、そして熟成で生まれる香り(ブーケ)です[4]。
品種の香りの例が、ソーヴィニヨン・ブランです。この品種では、ピーマンのような香りのメトキシピラジンと、ごく少量で効くチオール類(3MHは、グレープフルーツなどの果物にたとえられます)が品種の香りに関わるとされます[4]。発酵由来の香りでは、酵母がアルコールなどから作るエステル類が、果物のようなフルーティな香りの一部になります[4]。
こうした成分の中には、ほんのわずかな量で香るものがあります。「感じとれる最低の濃さ」を検知閾値といいます[4]。ごく薄くても感じる成分の代表が、黒こしょうの香りです。しかも次の章で見るように、同じ成分でも、人によって感じ方が分かれました。
総説論文は、ワインの香りの成分を、ブドウ由来(品種香)、発酵由来、熟成由来(ブーケ)の3つに伝統的に分ける[4]。ブドウ由来の例として、ソーヴィニヨン・ブランでは、ピーマンのような香りのメトキシピラジンと、少量で働くチオール類(3MH)が品種香に関わる[4]。3MHの果物のような香りは、グレープフルーツなどにたとえられる程度にとどめて読むのがよい。
発酵由来では、酵母がアルコールなどから作るエステル類が、フルーティな香りの一部をなす[4]。ここで大事なのが検知閾値、つまり人が感じとれる最低濃度である[4]。香りへの影響は、成分の量と、その成分の閾値の両方に関わる。ただしワインのような混合物では、成分同士の相互作用やマスキングも起こる。ごく微量で感じる成分の代表が、次章のロトンドンで、同じ成分でも感じ方は人で分かれた。
ソーヴィニヨン・ブランの香気成分は含有量が少なく、狙いを定めた分析法が必要だと書かれている[4]。では、閾値がきわめて低い成分とは、どれほど薄いのか。その具体例がロトンドンである。
5. 黒こしょうの かおりは、どれくらい 少なくて わかる?
5. 黒こしょうの香りは、プール何杯分にうすめても気づける人がいる
5. ロトンドン ── 約16ng/Lで検知され、約2割は最高濃度でも検知できなかった
シラーズという ブドウの ワインには、黒こしょうのような かおりが する ものが あります。この かおりの 正体は「ロトンドン」という せいぶんで、オーストラリアの けんきゅうじょ(AWRI)が つきとめました[5]。
赤ワイン 1リットルに、わずか 16ナノグラムで きづく 人が います[5]。1ナノグラムは、10おく分の 1グラム。1グラムを、おふろ 31万ばい分の 水に とかすと、1リットルに 16ナノグラム ある のと 同じくらいの うすさです。おふろは 200リットルとして けいさんしました。
ところが、ある けんきゅうでは、きょうりょくした 人の 8わりは とても びんかんで、のこりの 2わりは、けんきゅうで ためした いちばん こい のうどでも 感じませんでした[6]。これは その けんきゅうに きょうりょくした 人たちの 話で、人みんなの 2わりという 意味では ありません。鼻の 感じ方は、人に よって ちがう こと が あります。
かおりの 強さは、ブドウの そだち方や 場所でも かわります。とても おそく しゅうかくした ほうが、ロトンドンが ふえた、という けっかが あります[5]。
16ナノグラムは、どれほどの薄さか
シラー(シラーズ)種のワインに現れる黒こしょうの香りの正体は、ロトンドンです。オーストラリアワイン研究所(AWRI)が突きとめた、ブドウ由来の成分です[5]。赤ワインでの検知閾値は約16ng/L、水では約8ng/Lとされます[5]。
1ナノグラムは10億分の1グラムです。1グラムを16ナノグラムで割ると、およそ6250万倍で、1グラムを6250万リットルの水にとかした濃さにあたります。家庭の浴そうを200リットルとして計算すると、約31万杯分です。この薄さで気づく人がいます。
ところが、約2割は感じなかった
2008年の論文の要旨によると、この研究に協力したパネルの約80%は非常に敏感でした。しかし約20%は、試した最高濃度(4000ng/L)でも感じとれませんでした[6]。4000÷16は250なので、敏感な人が気づく濃さの250倍でも感じなかったことになります。これは「この研究のパネル」の話で、人類の2割という意味ではありません。
畑でも変わる香り
AWRIの研究では、ブドウが色づく時期よりずっとあとにロトンドンが増え始め、とても遅い収穫が濃度を上げるカギでした。産地でも差が大きく、ビクトリア州のグランピアンズやピレネーのワインは、バロッサより高くなりました。同じ畑の中でも、場所によって大きく違います[5]。
同じ成分でも、人によって感じ方が違い、畑によって量も違う。この食い違いを、どう言葉で伝えればよいのでしょうか。
シラー(シラーズ)種の黒こしょうの香りの正体は、ロトンドンである。AWRIは、これをブドウ由来の強力な化合物として報告している[5]。赤ワインでの検知閾値は約16ng/L、水では約8ng/Lである[5]。
この数字を実感するため、計算してみる。1ngは10億分の1gなので、16ng/Lは1.6×10⁻⁸ g/Lである。1gを16ngで割ると約6250万になり、1gを約6250万Lの水にとかした濃さにあたる。浴槽を200Lとすれば、約31万杯分である。
ところが感じ方には大きな差がある。2008年のJ. Agric. Food Chem.の論文の要旨によれば、感覚パネルの約80%が非常に敏感(赤ワイン16ng/L、水8ng/L)だったのに対し、約20%は試した最高濃度でもこの化合物を検知できなかった[6]。最高濃度は4000ng/Lで、敏感な人の閾値の250倍にあたる。ただし、これは一つの研究のパネルの結果であり、人類全体の2割と読んではいけない。また、この数字は論文の要旨にもとづく。
ブドウの側にも要因がある。AWRIの研究では、ロトンドンはベレゾン(ブドウが色づく時期)よりずっとあとに増え始め、とても遅い収穫が濃度を上げるカギだった。産地による差も大きく、ビクトリア州のグランピアンズやピレネーは、バロッサより高いワインができた。同じ畑の中でも場所ごとの差が大きい[5]。
つまり、同じ黒こしょうの香りでも、ワインに含まれる量は畑で変わり、感じる人は人で分かれる。だとすると、「いい香り」「黒こしょうみたい」という言い方は、人によってまったく違う内容を指しているかもしれない。この問題に、研究者はどう向き合ったのか。
6. 人によって ちがう かおりを、どう つたえる?
6. 好みを言うだけでは伝わらない ── 香りの共通ことば「アロマホイール」
6. 感覚の言語化 ── ノーブルのワインアロマホイールと12の基本分類
人に よって 感じ方が ちがうと、「いい かおり」と 言うだけでは つたわりません。むかしは「ちょうわが とれている」「エレガント」のように、すきか どうかを あらわす ことばが 多かったと いわれます[7]。
アメリカの カリフォルニア大学デイヴィス校の アン・ノーブルさんは、1984年ごろ、かおりの ことばを そろえる わを つくった と つたえられて います[7]。それが 「アロマホイール」、かおりの わです。大きく 12の なかまに わかれ、そこから さらに 細かい かおりに わかれて いきます[7]。
「ピーマンみたい」「こしょうみたい」と、だれでも 同じ ことばで 話せるように する ための 地図です。
1980年代まで、ワインの香りを語ることばは、「調和がとれている」「エレガント」のような、好みを表す曖昧なものが多かったといわれます[7]。好みは人によって違うので、これでは、何の香りがするのかが伝わりません。
この問題に取り組んだのが、カリフォルニア大学デイヴィス校のアン・ノーブルです。1984年ごろ、共通の用語の枠組みとして「ワインアロマホイール」(香りの輪)を作ったと伝えられています。輪は大きく12の基本分類に分かれ、さらに細かい香りの言葉へ分けられていきます[7]。ただし輪の形に整理した版が1987年だとする資料もあり、年号は「ごろ」にとどめます。
ここで大事なのは、輪が「正解の香り」を決めるものではないことです。ピーマン、こしょう、果物のように、香りを具体的に伝える言葉をそろえて、話が通じるようにする道具です。
ワインの香りの語彙は、1980年代まで、「ハーモニアス」「エレガント」のような、好みを表す非特異的な語が多かったと説明される[7]。好き嫌いは個人差が大きいため、これでは成分や香りの種類を共有できない。前章で見たように、同じ成分の閾値が人によって大きく違うならなおさらである。
この状況に、UCデイヴィスのアン・ノーブルが、共通の用語の枠組みとして1984年ごろに作ったとされるのが、ワインアロマホイールである[7]。輪は大きく12の基本分類に分かれ、さらに細かい香りへ展開される。ただし1984年は最初の論文の年で、輪の形に整理された版は1987年とする資料もある。「1984年に輪が完成した」とは言い切れない。
この輪の意義は、「いい香り」という評価を、「ピーマン」「こしょう」「果物」のような具体的な言葉へ置きかえ、何の香りを指すかを共有できるようにした点にある。成分(ロトンドンなど)が分かっても、感じ方に差があるので、「何と感じたか」を言葉で共有する別の仕組みが要る。化学の分析と、言葉の整理が、片方だけでは足りない。
7. 台所で、かおりを ことばに して みよう
7. 台所の香りを3つ、言葉にしてみる
7. 感じ方の差を自分で確かめる ── 台所での言語化と、原典の探し方
目を つぶって、台所の ものを 鼻の 近くに もって いきます。ひきたての 黒こしょう、みかんの 皮、お茶の はなど、3つ えらびましょう。つぶや こなを すいこまないよう、少し はなして かぎます。火や はものは つかいません。
「すっぱそう」「あまそう」「木みたい」など、思いついた ことばを 3つずつ 言って みます。同じ ものでも、いっしょに かいだ 人と ちがう ことばが 出たら、それは ふつうの ことです。ノーブルさんの わは、ことばを そろえる ために 作られました。
家にあるもので、香りの言い分けを試せます。台所から、黒こしょう、みかんの皮、お茶の葉など、香りのちがうものを3つ選びます。目を閉じて、一つずつ鼻から少し離して香りをかぎ、「酸っぱそう」「甘そう」「木みたい」のような言葉を3つずつ言ってみます。粉やつぶを吸いこまないこと、火や刃物を使わないことは守ってください。
同じものをいっしょにかいだ人と、言葉を比べます。同じ香りなのに、出てくる言葉が違うこともあります。優劣ではなく、感じ方の差です。差があるからこそ、ノーブルは共通の言葉の輪を作ったのでした。
もう一つ、数字の遊びもあります。1グラムを何リットルの水にとかすと16ナノグラム/リットルになるかを、桁をそろえて計算してみると、6250万という数が自分の手で出ます。
台所で香りを3つ選び、一つずつ言葉にして、いっしょにかいだ人と比べてみよう。粉や粒を吸いこまないよう、少し離して嗅ぐ。火や刃物は使わない。同じ香りでも違う言葉が出ることがある。これは香りの感じ方や言葉に個人差があることを比べる体験で、ワインの研究結果を確かめるものではない。優劣の話でもない。
数字の側からは、16ng/Lの検算が自分の手でできる。1gを16ngで割ると6.25×10⁷になる。浴槽を200Lとすれば、約31万杯分である。
同じものをかいだ二人が、別の言葉を選んだら、どの言葉なら違いを伝えられるだろうか。
しらべた もとの じょうほう
参考にした情報源
参考にした情報源と、その使い方
出典について:査読論文の総説、研究機関のページ、論文の要旨、ワイン情報サイトを使った。何に使ったかは、それぞれの項目の最後に書いている。
- Anthocyanins and Their Variation in Red Wines I(PMC・査読論文)。https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC6268338/ (アントシアニンの場所、赤ワインのpHでの性質、新しい色素について)
- サントリー ワインコラム。https://www.suntory.co.jp/wine/column/27584.html (赤ワインと白ワインの作り方のちがいについて。企業のコラム)
- Wine Folly「Complete Wine Color Chart」。https://winefolly.com/deep-dive/complete-wine-color-chart/ (熟成による赤・白の色の変化について。ワイン情報サイト)
- Meta-Analysis of the Core Aroma Components of Grape and Wine Aroma(PMC・総説)。https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC5042961/ (香りの3つの出どころ、検知閾値、品種の香り成分、エステル類について)
- Australian Wine Research Institute「Project 4.4.4」。https://www.awri.com.au/research_and_development/2017-2025-rde-plan-projects/project-4-4-4/ (ロトンドンの由来、検知閾値、収穫時期と産地の差について)
- Wood et al. 2008 の要旨(アデレード大学リポジトリ)。https://digital.library.adelaide.edu.au/items/07f184d0-740e-4207-813d-0a277f0bc3c1 (ロトンドンを感じとれる人と感じとれない人の割合について。論文の要旨)
- Wine Aroma Wheel「About」。https://winearomawheel.com/about.html (アロマホイールの成り立ちと12の基本分類について)
なおした ところ
更新履歴
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