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たまごの から の いろは、どうして ちがうの?

茶色い卵の殻は、内側だけ白い ── 殻の色は何が決めているのか

卵殻の色の正体 ── 鶏種・色素・沈着の時期から、栄養や黄身の色との切り分けまで

分野:生きもの

茶色い たまごを わって、から の 内がわを 見て みましょう。ふしぎな ことに、白い ことが 多いのです。

から の 色は、いつ、なにで つくのでしょうか。色と 食べものの ちがいの かんけいも、あわせて しらべます。

茶色い卵を割って、殻の内側を見てみてください。外側は茶色なのに、内側は白いことが多いと説明されています。

殻の色は、いつ、何によってつくのでしょうか。鶏の種類との関係、色のもとになるもの、そして栄養との関係や黄身の色との違いを、公的機関や企業の説明から読み比べます。

茶卵を割ると殻の内側が白いことが多い、という説明がある。殻の色は、殻の表面近くに後から加わるものだという手がかりだ。

その色は鶏種で決まり、色素の種類も分かっている。一方で、殻の色は栄養価とは関係がなく、黄身の色とも別の仕組みだと、農林水産省や卵の業界団体は説明する。出どころの異なる資料を突き合わせて、この4点を整理する。

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1. 茶色い たまごの 内がわは、なにいろ?

1. 殻の色は、できあがる直前に加わる

1. 殻の形成の終盤に、色素が表面へ沈着する

茶色い たまごを わると、から の 内がわは 白い ことが 多い、と せつめいされて います[5]。そとがわだけが 茶色なのです。

にわとりの おなかの 中で、から は およそ 1日 かけて できあがります[4]。色の もとは、その いちばん 終わりの ころに くわわると いわれます。えを かく とき、さいごに 上から 色を のせる のと にて います。ただし 本当に ぬって いる わけでは ありません。

そとがわの ちかくに 色が あつまるので、内がわは 白く 見える ことが 多いと 考えられて います。

茶色い卵を割ると、殻の内側は白いことが多いと説明されています[5]。「多い」というのは、いつもそうとは限らないという意味です。

鶏の体の中で殻ができあがるまでには、およそ1日近くかかります。卵が卵管の中を進みながら、少しずつ殻がつくられていきます。殻の色のもとになる色素は、その最後のほうで加わるとされています[4]。色は主に殻の表面近くに集まるとされ、内側が白いことが多いのは、この色の分布と関係すると考えられます。

卵を割る場面は、台所でだれでも見られます。割ったあとの殻の内側を見るだけで、色のつき方を考える手がかりになります。

卵殻の色素は、殻形成の最終段階で加わる。ヘンドリクス・ジェネティクスの解説によると、殻づくりは全体で約18〜24時間かかり、ポルフィリン類やビリベルジンは、その終盤に導入される[4]。色素は主に最外層のクチクラへ集まるとされる。

この結果、茶色い卵(褐色卵)を割ると殻の内側は白いことが多い、と養鶏関連の解説は述べる[5]。ただし「多い」であって、茶色い卵でも殻の内側に色がつくものはある。

つまり殻の色は、殻の形成が進む終盤に加わり、主に表面近くに分布する要素として説明されている。内側が白いことが多いのは、この分布と関係すると読める。以降の章では、その色を誰が決め、何でできているのかを順に見る。

2. 色を きめるのは、にわとりの しゅるい

2. 色を決めるのは、鶏の種類

2. 鶏種と羽色の傾向、その例外

たまごの から の 色は、たまごを うむ にわとりの しゅるいで きまります[1]。白い たまごを うむのは 白色レグホンなど、赤い(茶色い)たまごは ロードアイランドレッドなどが うみます[1][6]。

はねが 茶色や 黒っぽい にわとりは 赤い たまご、白い にわとりは 白い たまごを うむ ことが 多いようです[2]。でも、いつも そうでは ありません。白い にわとりが、かならず 白い たまごを うむわけでは ないのです[3]。

卵の殻の色は、卵を産む鶏の種類(品種)で決まります[1]。白色レグホンなどの白玉鶏は白い卵を、ロードアイランドレッドなどの赤玉鶏は褐色の卵を産みます[1][6]。

農林水産省の説明では、羽毛が褐色や黒っぽい鶏は赤玉を、白い鶏は白玉を産む傾向があります[2]。ただしキユーピータマゴは、羽の色と殻の色が必ずしも一致しないので、白い鶏が必ず白玉を産むとは限らない、と注意しています[3]。見た目の羽色は目安にすぎません。

では、種類ごとの違いはどこから来るのでしょうか。鶏の育種会社の解説によると、色のつきかたは遺伝の影響が大きく、親のオンドリとメンドリの両方から受け継ぐ性質が、色素の種類と濃さを決めます[4]。

殻の色は、産む鶏の品種で決まる。JA全農たまごは、白色レグホンなどの白玉鶏が白い卵、ロードアイランドレッドなどの赤玉鶏が褐色の卵を産むと説明する[1]。農林水産省も、赤玉の鶏種と白玉の鶏種を分けて紹介している[6]。なお、国内で最も多く飼われている赤玉の鶏種名については、今回の資料だけでは断定できないので、ここでは触れない。

羽色との関係は傾向にとどまる。農林水産省は、羽毛が褐色や黒っぽい鶏は赤玉、白い鶏は白玉を産む傾向があるとする[2]。一方キユーピータマゴは、羽色と殻色が必ずしも一致しないため、白い鶏が必ず白玉を産むわけではないと述べる[3]。両者は矛盾せず、「傾向はあるが、例外もある」と読める。

仕組みとしては遺伝が主とされる。鶏の育種会社ヘンドリクス・ジェネティクスの解説は、オスとメスの双方から受け継ぐ遺伝的性質が、色素の種類と濃さを決めると述べる[4]。

3. 色の もとは、なに?

3. 色のもとになる2つの色素

3. 色素の同定:プロトポルフィリンとビリベルジン

から の 色の もとは、「しきそ」と いう 色を つける ものです。茶色い から には、あか茶色の しきそが はいって います[4]。

せかいには、あおや みどりがかった たまごを うむ にわとりも います。この 色は、べつの しきそだと いわれます[4]。

あおい たまごは、内がわも あおい ことが 多いそうです[5]。茶色い たまごと ちがう ところです。

殻の色のもとになるのは、おもに2つの色素です。1つはプロトポルフィリンで、赤褐色をしています。もう1つはビリベルジンで、青緑色です[4]。褐色の卵にはプロトポルフィリンが、青緑の卵にはビリベルジンが見つかります[4]。

この2つは、入り方がちがうと説明されています。プロトポルフィリンは殻づくりの終わりに表面近くへ沈むので、内側は白いことが多くなります。ビリベルジンは殻全体に入り込むので、青い卵は内側も青いといいます[5]。

第1章で見た「内側が白い」は、この違いの一例です。同じ「色のついた卵」でも、色が入る場所は種類によって異なります。

殻の色素は、主にプロトポルフィリン(赤褐色。ヘモグロビンの代謝に関わる物質)とビリベルジン(青緑)の2種とされる。褐色卵にはプロトポルフィリンが、青緑の卵にはビリベルジンが見つかる[4]。

沈着のしかたにも違いがある。プロトポルフィリンは殻形成の終盤に表面近くへ沈むため、褐色卵の内側は白いことが多い。ビリベルジンは殻全体に入り込み、青い卵は内側も青い、と生産者側の解説は説明する[5]。

4. 色が こいと、えいようも おおいの?

4. 殻の色と栄養は、関係がない

4. 栄養価と殻色:同一飼料なら差は小さい

「茶色い たまごの ほうが、からだに いい?」と 思う 人も いるでしょう。でも、おなじ エサを 食べた とき、にわとりの しゅるいで たまごの えいようは ほとんど かわらない、と せつめいされて います[1]。

白い たまごと 赤い たまごを くらべても、おなじ エサなら えいようの ちがいは ない、と 会社も 書いて います[3]。から の 色は、えいようを はかる めじるしでは ないのです。

茶色い卵のほうが栄養があるのでは、と感じる人もいるかもしれません。しかしJA全農たまごは、同じエサを食べた場合、鶏の種類による卵の栄養価の差はほとんどないと説明しています[1]。

キユーピータマゴも、同じ飼料を与えた場合、白玉と赤玉に栄養面の違いはない、と述べています[3]。2つの団体が、同じ条件つきで同じことを言っているわけです。

大切なのは「同じエサなら」という条件です。エサが違えば卵の中身も変わる可能性があるので、殻の色ではなく、エサや育てかたのほうが手がかりになります。

栄養面について、JA全農たまごは「同じエサを食べた場合、鶏種による栄養価の差はほとんどない」と説明する[1]。キユーピータマゴも、同じ飼料を与えた場合、白玉と赤玉に栄養面での違いはないとする[3]。

いずれも生産・流通側の説明であり、両者とも「同一飼料」という条件つきである点に注意が要る。この条件を外して「殻が茶色いから栄養が多い」と読むことは、出典の範囲を超える。価格差の理由(飼料や体格など)は今回調べておらず、栄養との関連を述べる材料もない。

5. きみの 色は、また べつの はなし

5. 黄身の色は、殻とは別の仕組み

5. 卵黄の色はカロチノイドとエサで決まる

たまごを わると 出て くる きみの 色は、にわとりが 食べる エサで きまります[2]。トウモロコシを 食べると、色が こく なります[3]。

にわとりは、きみの 色の もとに なる「カロチノイド」を、からだの 中では つくれません。だから、エサから とって います[3]。

そして、きみの 色が こくても うすくても、えいようとは ちょくせつの かんけいが ない、と せつめいされて います[2]。から の 色と きみの 色は、べつべつに きまるのです。

黄身の色は、鶏が食べる飼料で決まります。トウモロコシなどが多いと濃く、飼料用米が多いと淡くなると、農林水産省は説明しています[2]。

黄色のもとはカロチノイドという色素です。鶏は体内でカロチノイドをつくれないため、エサに含まれる量で色が変わります[3]。濃淡と栄養価には、直接の関係はないとされています[2]。

殻の色は鶏の種類と遺伝、黄身の色はエサ。どちらも「色」ですが、決まる仕組みは別々です。だから、殻の色を見て黄身の色を予想することはできません。

卵黄の色は、鶏が食べる飼料で決まる。農林水産省によれば、トウモロコシなどで濃くなり、飼料用米が多いと淡くなる。濃淡と栄養価に直接の関係はない[2]。黄色の基はカロチノイド色素で、鶏はこれを体内で合成できないため、エサ由来の量が色を左右する[3]。

殻の色素(ポルフィリン類・ビリベルジン)は鶏自身が体内でつくり、遺伝的な差が現れる。卵黄の色素は飼料から取り込まれる。由来の異なる2つの「色」が、1つの卵に同居している。殻の色から黄身の色や栄養を推し量れない理由は、ここにある。

6. たまごの 色を、じぶんで たしかめて みよう

6. 卵の色を、自分の目で確かめる

6. 内側の色を、自分で確かめる

おうちに 白い たまごと 茶色い たまごが あったら、おうちの 人と いっしょに わって、から の 内がわを 見くらべて みましょう。ちがいは あるでしょうか。

スーパーで たまごの ぱっくを 見ると、「赤玉」「白玉」と 書いて ある ものが あります。それも さがして みましょう。

安全のために

なまの たまごを さわった あとは、せっけんで 手を あらいましょう。たまごを 食べると からだの ぐあいが わるくなる 人も います。

家に白い卵と茶色い卵があれば、大人といっしょに割って、殻の内側を見比べてみましょう。内側は同じ色でしたか。黄身の色も並べてみると、殻の色と黄身の色が別のものだと、目で確かめられます。

スーパーの卵のパックには、「赤玉」「白玉」といった表示があります。何を目安に書かれているのか、パックの裏の説明を読んでみるのもよいでしょう。

安全のために

生卵を触ったら、石けんで手を洗いましょう。卵アレルギーの人もいます。見比べるだけでよく、食べる必要はありません。

白玉と赤玉を割って、殻の内側の色を比べるとよい。第1章の「内側は白いことが多い」が、自分の手元の卵でも当てはまるかを確かめられる。黄身の色も並べれば、殻の色と別の仕組みであることも見える。

さらに調べるなら、農林水産省の「たまごのヒミツ」や、JA全農たまごの解説が入口になる。色素の仕組みは英語の育種会社の解説にあたる道もあるが、今回は二次的な資料にとどまるため、原論文の要旨が読みたくなったら、論文データベースで色素の名前を探す手がある。

安全のために

生卵を触ったら手を洗う。卵アレルギーの人もいる。見比べるだけでよく、食べる必要はない。

しらべた ところ

参考にした情報源

参考にした情報源

このメモは、下にあげた公開情報をもとに書いています。文章や図を無断で転載してはいません。もっと正確に知りたいときは、必ず下の出典にあたってください。リンク先の内容や、リンク先で起きたことについて、当サイトは責任を負いません。

  1. JA全農たまご「卵の殻の色の違いは?」。 https://www.jz-tamago.co.jp/customer/atoz/basic/a2z00019756/ (殻の色が鶏の種類で決まること、同じエサなら栄養価の差はほとんどないこと)
  2. 農林水産省 aff 特集「たまごのヒミツQ&A」。 https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/2404/spe1_01.html (羽色と殻色の傾向、黄身の色が飼料で決まること)
  3. キユーピータマゴ「卵の色について」。 https://www.kewpie-egg.co.jp/trivias/color.html (羽色と殻色が一致しない例、栄養面の違いがないこと、黄身のカロチノイド)
  4. Hendrix Genetics「Eggshell color Eggsplained」(英語)。 https://layinghens.hendrix-genetics.com/en/articles/eggshell-color-eggsplained/ (色素の種類、沈着の時期、遺伝の関わり)
  5. Pete & Gerry's「Why Are Eggshells Different Colors」(英語)。 https://www.peteandgerrys.com/blogs/field-notes/why-are-eggshells-different-colors (茶色い卵の内側が白いことが多いこと、青い卵の内側の色)
  6. 農林水産省 aff 特集「新鮮なたまごを届けてくれるニワトリ」。 https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/2404/spe1_03.html (白玉・赤玉を産む鶏種の紹介)

なおした ところ

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