2. つめたい 空気に 出ると、水は どうなるの?
2. 冷たい空気では、水蒸気を持ちきれなくなる
2. 気温が下がると、空気が保てる水蒸気の量が減る
空気は、温度が たかい ほど 水蒸気を たくさん ふくめます。温度が ひくいと、ふくめる りょうが へります。
あたたかい いきが、さむい 外の 空気に ふれると、ひえて、水蒸気を もちきれなく なります。あふれた 水蒸気は、ちいさな 水の つぶに かわります。これが 白い いきです[1]。
たとえば、コップに 水を いっぱいまで 入れて、そっと 小さな コップに うつすと、あふれますね。それと すこし にて います。ただ、水蒸気は ガスなので、あふれた ぶんが 水に なる、という ところが ちがいます。
空気が水蒸気をふくめる量には上限があり、温度が低いほど小さくなります。中学理科の教材に載る表の一例では、空気1m3がふくめる水蒸気の量(飽和水蒸気量)は、30℃で約30.4g、20℃で約17.3g、10℃で約9.4g、0℃で約4.8gです[4]。
この表を割り算してみると、10℃下がるごとに、およそ半分近くまで減っています(30℃から20℃で約57%、20℃から10℃で約54%、10℃から0℃で約51%)。30℃の空気が0℃まで冷えると、ふくめる量は約6分の1です。
温かい息が冷たい外の空気に出ると、温度が下がって、ふくみきれなくなった分の水蒸気が水滴に変わります[1]。見えるのは、このあふれた分です。
では、なぜ冷やすと水滴が現れるのか。空気が保てる水蒸気の量(飽和水蒸気量)には、温度ごとに上限がある。中学理科の教材に載る表の一例では、空気1m3あたり、30℃で約30.4g、20℃で約17.3g、10℃で約9.4g、0℃で約4.8gとされる[4]。
これを自分で割り算してみる。30→20℃で約57%、20→10℃で約54%、10→0℃で約51%と、10℃下がるたびにおよそ半分から6割弱に減る。30℃から0℃では4.8÷30.4で約16%、つまり約6分の1だ。表は水蒸気をふくめる「上限」の目安であり、実際の空気はそれより少なく含むのがふつうである。
呼気は体温に近い温度で水蒸気をふくんでおり、冷えた外気に触れて温度が下がると、保ちきれなくなった水蒸気が水滴に変わる[1]。この水滴が散乱によって見えるものが、次の章の主題になる。
3. 水の つぶは、どうして 白く 見えるの?
3. 小さな水の粒は、なぜ白く見えるのか
3. 水滴が白く見える理由:光の散乱
水の つぶは、とても ちいさい ものです。でも 見えます。水の つぶが、まわりの 光を あちこちに はねかえす からです。
あおい 光も あかい 光も、おなじ ように はねかえされて、まざります。いろいろな 色の 光が まざると、白く 見えます。くもや きりが 白いのも、おなじ わけです[3]。
つまり、白い いきは、とても ちいさな くもが、口の まえに できた ような ものです。
水滴は透明なのに、小さな粒が集まると白く見えます。雲粒の半径は1〜10マイクロメートルで、目に見える光の波長と同じか、それより大きいくらいです。このくらいの大きさだと、赤も青もどの色の光も同じように散らされ、混ざって白く見えます[2]。
気象庁も、霧やもやが白く見えるのは、小さな水滴が太陽の光を波長によらず散らすためで、雲と同じ原理だと説明しています[3]。白い息も、同じ考え方で説明されます。
ただし、資料にあるのは雲粒の大きさです。白い息の粒の大きさを直接測った値ではないので、「雲と同じ種類の小さな水滴が光を散らす」という説明にとどめておきます。
水滴は透明なのに、なぜ白いのか。理由は粒の大きさにある。雲粒の半径は1〜10μmで、可視光の波長とほぼ同じか、それより大きい。このとき光は特定の色だけが選ばれて散るのではなく、すべての色が散乱されるため、混ざって白く見える(ミー散乱)[2]。
気象庁の説明も同じ構図で、霧やもやが白いのは、大気中の小さな水滴が太陽光を波長によらず散乱するためで、雲と同じ原理だとする[3]。
注意したいのは、上の資料の値が雲粒のものであり、白い息の粒径を測ったものではないことだ。呼気中の粒が同じ範囲に入るかどうかは、ここでは言い切らない。言えるのは、「小さな水滴が光を散らして白く見せる」という原理が、雲・霧・白い息に共通して使われているということまでである。
4. いきは、まわりの 空気と まざりながら ひえるの?
4. 息は外の空気と混ざりながら冷えていく
4. 息が冷えるのは、外気と混ざる過程でもある
口から 出た いきは、すぐに ぜんぶが つめたく なる わけでは ありません。まわりの 空気と まざりながら、すこしずつ ひえて いきます。
ひこうき雲も、にた しくみと いわれます。ひこうきから 出た あたたかくて しめった 空気が、つめたい 空気と まざって、水の つぶに なる という せつめいが あります[6]。いきも ひこうき雲も、あたたかい しめった 空気が つめたい 空気と まざる ところが にて います。
いきも、まざりながら ひえて、つぶが できる。そう かんがえると、白い いきが ふわっと ひろがって、きえて いく ようすが、おもしろく 見えて きます。
息は、口から出た瞬間に外気と同じ温度になるわけではありません。周囲の空気と混ざりながら、少しずつ温度が下がります。温度や湿り気のちがう空気が混ざると、水蒸気が水滴になることがあります。
温度の異なる、飽和していない湿った空気が2つ混ざり、中間の温度と水蒸気の量が飽和を超えると水滴ができる、という説明です。飛行機雲もこの例とされます[6]。息と飛行機雲は、どちらも「温かく湿った空気が冷たい空気とぶつかる」ところが似ています。
ただし、白い息がすべてこの名前の現象かどうかは、資料からは言い切れません。確かなのは、息が冷たい外気と混ざって冷えることで、見えない水蒸気が水滴に変わる、という流れです[1]。
息が冷える過程を、もう少し具体的に考える。呼気は口から出たあと、周囲の冷たい空気と混ざりながら温度が下がっていく。温度や湿度の異なる空気が混ざって凝結することがある。気象学では、これを混合霧・混合雲の例として説明する資料がある[6]。
理屈は飽和水蒸気量の表で説明できる。温度が下がると上限が大きく減るため、2つの空気の中間の温度と水蒸気量が、上限を超えることがある。AMSの用語集は、未飽和の2つの湿った空気が混ざって中間の状態が飽和を上回れば凝結が生じるとし、飛行機雲をその例にあげる[6]。
ただし、この資料は一般的な定義であり、白い息の濃さや見え始める気温を直接示すものではない。「何℃以下なら見える」は、湿度や風でも変わるので一つには決められない。言えるのは、混ざって冷えると、水蒸気が見える水滴に変わる向きに働くことである。
5. あたたかい 日は、どうして 見えにくいの?
5. 暖かい日に息が見えにくい理由
5. 暖かい日に見えにくいのは、保てる水蒸気の量が大きいから
あたたかい 日は、空気が たくさんの 水蒸気を ふくめます。いきの 水蒸気は、ふくみきれず あふれる ぶんが すくなく、水の つぶも できにくく なります。
なつの 日は、いきが 見えないのは、いきの 水が なくなったからでは ありません。水蒸気の まま、ほとんど そらに ひろがって いくから です。
さむい 日ほど、いきは はっきり 見えます。ただ、その 日の しめりぐあい(湿度)や 空気の ようすでも かわります。
暖かい日の空気は、冷たい日より多くの水蒸気をふくめます。表で見ると、20℃の空気が1m3でふくめる量は、0℃の約3.6倍(17.3÷4.8)です[4]。息の水蒸気が空気にとけこみやすく、あふれて水滴になる分は小さくなります。
見えない日の息からも、水は出ています。ただ水蒸気のまま空気に広がっていくので、目には届かないのです。気温が低く、空気が乾いているほど、息は白く見えやすくなると考えられます。湿度は雲や霧の出やすさにも関わるからです。
一方、ここで使った表は、中学理科の表の値です。実際の息が何℃以下で見えるかは、湿度や風、息の量でも変わり、資料からは1つの数字には決められません。
逆に、見えない日の空気を考える。20℃の空気1m3がふくめる水蒸気の量は約17.3gで、0℃の約4.8gの約3.6倍である[4]。外気が暖かいほど、混ざる空気が呼気から受け取れる水蒸気の量が大きく、水滴になる分は小さくなる。
実際に見える・見えないの境目は、気温だけでは決まらない。外気の湿度、風、息の量でも変わる。外気がすでに湿っていれば、受け取れる量は小さくなり、凝結しやすい。本稿の資料からは、「何℃で見え始めるか」の単一の値を示すことはできない。
ここまでの流れを、一本線にまとめる。息は季節を問わず見えない水蒸気を運ぶ。冷たい外気と混ざって冷えると、保てる量を超えた水蒸気が小さな水滴になる。その水滴が光を散乱して、白く見える。見える・見えないの違いは、息の側ではなく、出た先の空気の側にあった。
6. 白い いきを、うちで たしかめて みよう
6. 家で「見えない水」を見えるようにする
6. 家で確かめる:冷やしたガラスに息を吹きかける
さむい 日の 外で、白い いきを 見る ほかにも、うちで できる ことが あります。
ガラスの コップを、れいぞうこで すこし ひやします。それから、コップの そとがわに、はあっと いきを ふきかけます。ようすを 見て みましょう。ひやした コップは、おとなと いっしょに あつかいましょう。
コップの 表面が 白く くもれば、いきの 水蒸気が、つめたい ところで 水の つぶに なった ということです。てで あたためると、くもりが きえます。水の つぶが、また 水蒸気に もどった からです。
水蒸気が 見える 日と 見えない 日、あなたの いきは どう ちがうか、気に して みて ください。
家でも、息の水蒸気が水滴になる様子を確かめられます。割れにくいガラスのコップを冷蔵庫で少し冷やし、取り出したら外側ではなく、側面に息を吹きかけます。家族に声をかけて、割ったり落としたりしないよう気をつけてください。
側面が白く曇れば、冷えたガラスのところで水蒸気が水滴になった合図です。曇りは、手で温めると消えていきます。水滴が蒸発して、もとの水蒸気に戻るためです。
冷やす時間やガラスの温度を変えて、曇りの濃さや消える早さを比べると、「冷たいほど見えやすい」を自分の目で確かめられます。冬の朝に、息がどこまで白く続き、どのあたりで見えなくなるかを観察するのも、この記事の流れの続きです。
この記事の主張は、家庭にあるもので追いかけられる。ガラスのコップを冷蔵庫で冷やし、側面に息を吹きかけて曇りを見る。冷やす時間を変えて、曇りの濃さと消える早さを比べる。凝結(曇る)と蒸発(消える)が、温度の高低で逆向きに起こるのが確かめられる。
屋外では、気温と、息が白く見える距離を日ごとに記録するのが道すじになる。記録したい項目は、気温、湿度、風の有無、息がどこまで見えるか、である。自分で測った気温と湿度を日ごとに並べると、「何℃で見え始めるか」が自分の場所でどうなるかが見えてくる。
さらに調べるなら、中学理科の教科書にある飽和水蒸気量の表を開き、10℃・20℃・30℃の値から、ここで行った割り算をもう一度自分でやってみる。表の値は上限であり、実際の空気はそれより少ない水蒸気をふくむ。この違いを意識すると、「湿度」という数字の意味も見えてくる。
しらべた もとの じょうほう
参考にした情報源
参考にした情報源と、その使い方
息が白く見える仕組みを、水蒸気・凝結・散乱の順に確かめるために使った資料です。
- Gakken キッズネット 科学なぜなぜ110番「冬、息が白く見えるのはなぜ?」 https://kids.gakken.co.jp/kagaku/kagaku110/science0052/ (息の温度・水蒸気が水滴になること)
- 名古屋大学 宇宙地球環境研究所「気象50のなぜ+10 34」 https://www.isee.nagoya-u.ac.jp/50naze/meteorology/34.html (雲粒の大きさと白く見える理由)
- 気象庁「雲・大気現象・大気光象について」 https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/faq/faq13.html (霧やもやが白い理由)
- 練馬区の中学校の理科教材(飽和水蒸気量の表) https://cms.nerima-tky.ed.jp/weblog/files/204/doc/56992/448158.pdf (気温ごとの飽和水蒸気量の値)
- コトバンク「不感蒸散」 https://kotobank.jp/word/不感蒸散 (息から出る水分量の目安)
- American Meteorological Society, Glossary of Meteorology「mixing cloud」(英語) https://glossary.ametsoc.org/wiki/Mixing_cloud (温度の異なる空気が混ざって水滴ができる現象)
なおした ところ
更新履歴
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