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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

ちぢまない ウールの ふくは、どうやって つくるの?

洗ったウールが縮んで戻りにくいのはなぜか ── 縮みにくくする防縮加工のしくみ

ウールの縮みはなぜ起こるのか ── 塩素処理と樹脂による防縮加工と、その代償

分野:技術

ウールの セーターを あらったら、子ども服の サイズに なって しまった。そんな 話を きいた ことは ありませんか。

じつは、毛が ちぢむと いうより、毛どうしが からまって もどれなく なる のだと せつめいされて います。ちぢまない ように する かこうは、毛の 表めんの 「うろこ」の かどを けずって、じゅしを つけ、かみ合いを ふせぐ もの です。どうして それで ちぢまなく なるのか、その しくみが わかります。

ウールのセーターを洗濯機で洗ったら、子ども用のサイズになってしまった。そんな話は、めずらしくありません。ところが、縮みの正体は「毛そのものが縮むこと」というより、「毛どうしがからみ合って、元の位置に戻れなくなること」だと説明されています[2]。

では、洗える(縮みにくい)ウールの服は、どんな加工でつくられているのでしょうか。この記事では、うろこの縁を塩素で削り、樹脂をつけてかみ合いを防ぐという加工の中身と、その長所と代わりに失うもの、新しい工夫が分かります。

ウールの縮みは、繊維が熱・水・力を受けて、表面のスケール(うろこ状の構造)の縁が隣の繊維のすき間にはまり込み、元に戻れなくなることで起こると説明されている[2]。逆にいえば、縮みにくくするには、このかみ合いを弱めればよい。もっとも普及している塩素-ヘルコセット法は、まさにそれを二段階で行う加工である[1]。

ではなぜ、スケールを全部溶かすのではなく、縁だけを削って樹脂で固定するのか。その加工の中身と、羊毛本来の機能や塩素の環境負荷という代償、塩素を使わない研究や、スケールを残す新しい発表が分かる。

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1. 水の 中で もまれた ウールに 何が おきるの?

1. 洗濯機の中で、ウールの毛に何が起きているのか

1. 洗濯機の中で、ウール繊維の表面のスケールはどう動くのか

ウールは、ひつじの 毛 です。毛の 1本ずつの 表めんには、とても 小さな 「うろこ」のような ものが、かさなって ならんで います[1]。

水の 中で もまれると、この うろこどうしが かみ合います。すると 毛が からまり 合って、ぎゅっと かたまって しまいます[1]。日本語の じてんでも、うろこが 大きな やくわりを して いると 書かれて います[5]。

では、からまって しまった 毛は、もう 一度 ほどけないのでしょうか。

ウールの繊維の表面には、顕微鏡で見るほど小さな「うろこ」のような構造(スケール)が並んでいます。洗濯機の水の中でもまれると、このスケールどうしがかみ合い、繊維がからまってフェルトのようになり、縮みます[1]。

日本語の辞典でも、フェルト化には水分・熱・圧力などが関わり、羊毛表面のうろこ状の外皮が大きな役割を果たすと説明されています[5]。つまり、縮みの出発点は、水と熱と力に加えて、「表面がつるつるではない」という繊維の形にあります。

ところで、からみ合った繊維は、元どおりにほぐせないのでしょうか。縮んだウールは戻らない、と聞くことが多いのはなぜでしょう。

ウール繊維の表面には、微細なスケール(うろこ状の構造)が並んでいる。水中で攪拌されると、このスケールどうしがかみ合い、繊維が絡んでフェルト化・縮みが起こる[1]。日本語の辞典も、フェルト化(縮絨)に水分・熱・圧力が関わり、羊毛表面のうろこ状の外皮が大きな役割を果たすと説明する[5]。

つまり縮みは、繊維そのものが縮む現象というより、表面の凹凸をもつ繊維が集まって絡む現象として説明されている。洗濯機の運転は、水・熱・力という3つの条件を、そろえて与える環境でもある。

では、いったん絡んだ繊維は、なぜ洗い直してもほどけず、縮みが「不可逆」とされるのか。次にその仕組みを見る。

2. ちぢんだ 服は どうして もとに もどらないの?

2. 縮んだウールが戻らないのは、うろこが「一方通行」だから

2. 縮みが不可逆なのは、スケールの縁がラチェットのようにはまるから

ひもを まとめる プラスチックの バンドを 見た ことが あるでしょうか。ひっぱると どんどん しまりますが、もどそうと しても もどりません。うろこの かみ合いも、それに 近い ところが あります。ただし 本当は、もっと ふくざつ です。

ニュージーランドの けんきゅうでは、こう せつめいされて います。ねつと 水の 中で もむ ような 力が くわわると、1本の 毛の うろこの はしが、となりの 毛の うろこの すき間に はまり こみます[2]。

はまると、一方にしか すすめません。毛が もとの ばしょに もどれなく なって、ちぢんだ ままに なるのです[2]。

それなら、うろこの 引っかかりを へらせば、ちぢみにくく なりそうです。

ニュージーランドの農業研究機関(AgResearch)の研究者らは、縮みが戻らない理由を、次のように説明しています。熱と水分のもとで、もみ洗いのような力が加わると、ある繊維のスケールの縁が、隣の繊維のスケールのすき間に、「ラチェット」のようにはまり込みます[2]。

ラチェットとは、動きを一方向に制限する仕組みのことです。結束バンドは、引くほど締まるのに、戻そうとしても戻りません。うろこのかみ合いにも、それに近い面があります(実際の構造は、もっと複雑です)。

一方向にしか動けないため、繊維は元の位置に戻りにくくなり、縮みが残ることがあります[2]。「毛が縮む」というより、「からんで戻れない」のが縮みの正体、と考えるほうが、このあとの加工の話が分かりやすくなります。

戻れなくなるのが問題なら、はまり込む前に、うろこの引っかかりを減らす手はないのでしょうか。

AgResearch(ニュージーランド)の研究者らの説明では、熱と水分のもとでもみ洗いのような力が加わると、ある繊維のスケールの縁が、隣の繊維のスケール間のすき間に「ラチェット」のように入り込み、繊維どうしが固く噛み合う[2]。ラチェットは動きを一方向に制限する仕組みで、結束バンドが引くほど締まって戻らない様子に近い(ただし実際の構造はもっと複雑である)。

この「一方通行」の性質があるため、繊維は元の位置に戻りにくく、縮みは洗い直しても戻りにくい。洗濯や摩擦による収縮が戻りにくいことは、茨城県工業技術センターの報告でも述べられている[3]。

ここで大事なのは、縮みの原因を「繊維が短くなること」ではなく「縁がはまり込んで位置が戻らなくなること」と捉え直す点である。そう捉えると、防ぐ方法は、縁の形を変える、あるいは縁がはまらないようにする、の二方向に絞られる。では実際には、どんな選択肢があるのか。

3. ちぢまない ように する ほうほうは?

3. 縮みにくくする加工には、「削る」「樹脂をつける」「両方」の3つの道がある

3. 防縮加工の3つの方式:脱スケール処理・樹脂加工・併用

いばらきけんの 工業ぎじゅつセンターの ほうこくでは、ちぢまない ように する かこうは、大きく 3つに わけられます[3]。

1つめは、うろこを とりのぞく ほうほう。2つめは、じゅし(うすい まくに なる ざいりょう)で 毛の 表めんを おおう ほうほう。3つめは、その りょうほうを つかう ほうほうです。

ただし、どの ほうほうにも 気に なる ところが あります。ウールが もともと もって いる はたらきが よわく なる ことが あり、また、せんじょうに つかう えんそが かんきょうに 負たんを かける ことも、もんだいに されて います[3]。

茨城県工業技術センターの報告によると、縮まないようにする加工(防縮加工)は、大きく3つに分けられます[3]。

1つめは、羊毛表面のスケールを取りのぞく「脱スケール処理」です。2つめは、樹脂で羊毛の表面をおおう「樹脂加工」。3つめは、その両方を組み合わせる方法です。縁を削れば、かみ合いの「爪」が小さくなります。樹脂をつければ、表面のでこぼこの影響が小さくなります。どちらも、引っかかりを減らす発想です。

ただし、この報告は、羊毛本来の機能が下がることや、塩素の化合物が環境に与える負担が問題とされ、これに代わる方法が求められていると述べています[3]。

では、いま洗えるウールとして最も広まっている方法は、これらをどう組み合わせているのでしょうか。

茨城県工業技術センターの報告によれば、防縮加工は、スケールを除去する脱スケール処理、樹脂で表面を被覆する樹脂加工、両者を併用する加工に分かれる[3]。どれも、スケールの縁の「引っかかり」を減らす点で共通する。縁を削れば爪が小さくなり、樹脂をつければ凹凸の影響が小さくなる。

ただし、同じ報告は、羊毛本来の機能の低下と、塩素化合物の環境負荷が問題とされ、代替法が求められていると述べている[3]。加工によっては、羊毛本来の機能を損なうことがある。洗いやすさと羊毛らしさの両立のむずかしさがここにある。

では、最も普及している方法は、このむずかしさをどう乗り越えているのか。実際の工程を、順に見る。

4. いちばん ひろまった かこうは 何を して いるの?

4. 洗えるウールは二段階でつくられる:塩素で縁を削り、樹脂で固定する

4. 塩素-ヘルコセット法:酸性の塩素処理でスケールの縁を削り、ポリアミド樹脂で固定する

いちばん ひろまって いる かこうは、「えんそ-ヘルコセット」と よばれる ほうほうです[2]。2だんかいで おこないます[1]。

1だんめは、えんそで 毛を しょりする こと。うろこを ぜんぶ とかす わけでは ありません。うろこの かどを けずります[2]。

2だんめは、じゅしを つけて、毛の 表めんに くっつける こと。これで うろこどうしが かみ合いにくく なります[2]。

けずって、じゅしを つける。この 2つで、ウールは あらえる ふくに 近づきます。

最も普及している防縮・洗濯機対応の加工は、「塩素-ヘルコセット法」と呼ばれる方法です[2]。Woolmark(国際羊毛事務局が運営する団体)は、これを二段階の加工と説明しています[1]。

一段目は、塩素による前処理です。酸性の条件で塩素を使うと、繊維の表面をおおう水をはじく層が取りのぞかれ、スケールの縁が削られます[2]。ここで大切なのは、スケールを全部溶かすのではなく、縁を削る点です。繊維の表面には、次の樹脂がくっつく「足がかり」もできます[1]。

二段目は、ヘルコセットという名前のポリアミド系の樹脂をつけることです。この樹脂が繊維と反応して表面に固定され、スケールのかみ合いを防ぎます[2]。Woolmarkは、この方式が数十年かけて工業的に磨かれ、EU(ヨーロッパ連合)では利用可能な最良技術とされていると説明しています[1]。

では、表面を樹脂などでおおうと、なぜ縮みにくくなるのでしょう。それを小さな実験で調べた報告があります。

塩素-ヘルコセット法は、現在もっとも普及している防縮・洗濯機対応加工である[2]。工程は二段階で、Woolmarkの説明では、前処理の塩素処理でスケールを変化させ、繊維表面に反応点をつくる。次にポリアミド・エピクロロヒドリン樹脂(ヘルコセット)を付け、表面に固定する[1]。

前処理は酸性条件で行う。これにより、水をはじく層である18-メチルエイコサン酸が除かれて繊維表面が親水性になり、同時にスケールの縁が削られる[2]。ここで、スケールを全部溶かすのではなく縁を削る点が重要である。スケールを大きく取りのぞく方法では、羊毛本来の機能を損なうことがある[6]。次に反応性のある樹脂を付けると、樹脂が繊維と反応して表面に固定され、スケールのかみ合いが防がれる[2]。

Woolmarkは、この方式は数十年をかけて工業的に洗練され、EUで利用可能な最良技術(BAT)とされていると説明する[1]。ただしこれは業界団体の説明である点には注意したい。では、表面を覆うことが縮みにくさにつながる理由は、実験で調べられているのか。

5. ひっかかりが へると、ほんとうに ちぢみにくく なるの?

5. 表面をおおうと、なぜ縮みにくくなるのか:摩擦を測った実験

5. 摩擦係数の低下と耐フェルト性:羊毛タンパクで表面をおおった実験

いばらきけんの 研究所で、ウールの 表めんを、ウールの タンパクしつで おおう じっけんが おこなわれました[4]。

すると、すべりやすさの もとに なる 数字(まさつ係数)が 下がり、フェルトに なりにくく なりました[4]。表めんが むらなく おおわれた ものほど、ちぢみにくい ようすでした[4]。

これは 研究所の 小さな じっけんの けっかで、お店で 売られている ふくの せいのうでは ありません。それでも、「ひっかかりを へらすと よい」という 考え方に、ひとつの 手がかりを あたえて くれます。

茨城県工業技術センターの研究者が、羊毛のタンパク質で繊維の表面をおおう実験をしました[4]。表面がタンパク質でおおわれたことで摩擦係数が下がり、フェルトになりにくさ(耐フェルト性)が上がったと、報告では考察されています[4]。

さらに、表面が均一におおわれた試料ほど、縮みを防ぐ効果が高い傾向でした[4]。

ただし、これは研究室での小規模な実験の結果です。市販の服の性能を表した数字ではありません。それでも、引っかかりを減らすという考え方を裏づける、一つの手がかりです。

では、こうした加工にはどんな代償があり、それを避ける道はあるのでしょうか。

茨城県工業技術センターの研究では、羊毛タンパクで繊維表面を覆うと、繊維表面の摩擦係数が下がり、耐フェルト性が向上したと考察されている[4]。表面を覆うことで、繊維どうしの引っかかりが小さくなったと読み取れる。

また、表面が均一に覆われた試料ほど防縮性が高い傾向が見られた[4]。むらなく覆うことが、効果を左右する一つの条件だと考えられる。

ただし、これは実験室での小規模な試験であり、市販品の性能を直接示すものではない。覆う方法を考える手がかりにとどまる。そして、この方法では、塩素の使用や機能低下という問題が残る。それらを避ける道はあるのか。

6. あらえても、そのかわりに 何が むずかしく なるの?

6. 洗える代わりに何を失うのか:塩素を使わない研究と、うろこを残す工夫

6. 防縮加工の代償と、塩素を使わない研究・スケールを残す発表

けずったり おおったり する かこうは、ウールの よさを へらして しまう ことが あります[6]。そこで、あたらしい くふうが 研究されて います。

ニュージーランドの 研究では、えんそを つかわない ほうほうが ためされました[2]。ある 薬を ぬのに つけると、ちぢみが 大きく へりました。ただし、そめにくく なるなど、よくない ことも ありました[2]。

2025年には、あいちけんの 会社が 発表した ほうほうが あります。うろこを のこした まま 小さな あみで つつんで、ふくらみすぎを おさえる ねらいです[6]。これは 会社の 発表で、くわしい ひょうかは これからです。

けずるか、おおうか。それとも、そのまま つつむか。ウールの ちぢみには、まだ くふうの よちが ありそうです。

従来の防縮ウールは、スケールを化学的に溶かすか、樹脂でコーティングする方法で、羊毛本来の機能を損なうことがありました[6]。茨城県の報告も、機能低下と塩素の環境負荷を課題にあげています[3]。

これを避けるため、塩素を使わない処理も研究されています。一例として、ニュージーランドのAgResearchは、塩末端ポリエーテルという物質を布に付けて乾かし、熱で固定する方法を試し、濃度が高いほど縮みが大きく減ったと報告しました[2]。ただし、この方法には染まりやすさなどに悪い影響も出ており、研究の途中の段階です[2]。

2025年には、愛知県の企業が、スケールを残したまま、ミクロの網で包んで広がりすぎを抑える「スケール温存型」の防縮加工を発表しました。吸湿・放湿・消臭性などを保てるとしています[6]。これは企業による発表で、第三者の評価ではない点には注意が必要です。

洗いやすさと、羊毛らしさ。この2つをどう両立するかは、いまも工夫が続いているテーマです。

スケールを溶かす、あるいは樹脂で覆う従来の方式は、羊毛本来の機能を損なうことがあった[6]。茨城県の報告も、機能低下と塩素化合物の環境負荷を課題とし、代替法を求めている[3]。

塩素を使わない処理の一つとして、AgResearchは、Bunte塩末端ポリエーテル(BSTP)をパッド・乾燥・キュア法で布に付ける方法を報告し、BSTP濃度が高いほど布の収縮が大きく減ったとした[2]。ただし染色性などに悪影響も出ており、実用化された加工とは言えない。

別の方向として、2025年に愛知県の企業は、スケールを残したままミクロの網で包み、過度な広がりを抑える「スケール温存型」の防縮加工を発表した。吸湿・放湿・消臭性などを保つとしている[6]。これは企業発表であり、第三者による評価ではない。

縁を削る方法や樹脂で固定する方法のほかに、塩素を使わない処理や、網で包む方法も研究・発表されている。「洗いやすさ」と「羊毛本来の機能」を両立させるために、いくつもの方法が試されているのである。このことを知ったうえで、洗濯表示や製品の説明を読むと、書かれている言葉の意味が見えやすくなる。

7. じぶんの ウールの 服を しらべて みよう

7. 家のウールの服から、加工の手がかりを探す

7. 家のウール製品と、公開されている一次資料から調べる

おうちの 人に ことわって、ウールの 服の うらに ある タグを 見て みましょう。「ウール」と 書いて ある ものを 1まい さがします。

  • どんな あらい方が 書いて ある?
  • てあらいの マークと、せんたくきの マークの どちらか?

ひょうじは、服の あらい方を 教えて くれます。ただし、どんな かこうが されて いるかまでは わかりません。この メモで 読んだ ことと つなげて、「なぜ この 服は あらえるのかな」と 考えて みると おもしろいです。

ウールの服が家にあれば、洗濯表示のタグを探してみてください。手洗いのマークか、洗濯機のマークか。同じウールでも、表示が分かれていることに気づくかもしれません。

この記事で読んだ内容と照らし合わせると、表示のちがいの背景に、繊維の表面のスケールや、加工のちがいがあるのかもしれない、と想像できます。ただし、実際にその服がどんな加工をされているかは、表示だけでは判断できません。気になったら、メーカーの商品ページなどを見てみるのも手です。

原典を読みたい人には、Woolmarkの「Machine washable wool」のページと、茨城県工業技術センターの研究報告(出典欄に書いたもの)が、加工の仕組みをくわしく説明しています。

家にウール製品があれば、洗濯表示を見て、手洗い指定のものと洗濯機の使用が可能なものを探してみる。表示だけでは、どの加工が施されているかまでは分からないが、本記事の説明を手がかりに、「なぜこの服は洗えるのか」を考えるきっかけになる。

一次資料としては、Woolmark「Machine washable wool」のページが工程を概説している[1]。AgResearchの論文(ACS Omega)は、スケールがかみ合う仕組みと、塩素を使わない処理の実験を述べる[2]。茨城県工業技術センターの報告は、日本語で防縮加工の分類と課題を整理している[3]。

調べるなら、「スケールの縁」と「樹脂の膜」の2語が、検索の入口になる。企業の発表と研究論文では、証拠の強さがちがう点にも注意したい。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

本文で使った資料です。数字や説明の用途を、それぞれ添えています。

  1. Woolmark「Machine washable wool」 https://www.woolmark.com/industry/product-development/processing-innovations/machine-washable-wool/ (スケールのかみ合いと、塩素+樹脂の二段階の加工の説明。業界団体の資料)
  2. Hassan, M. M. ほか (2018) ACS Omega 論文(Bunte塩末端ポリエーテルによる塩素を使わない防縮処理。AgResearch、ニュージーランド) https://ualresearchonline.arts.ac.uk/id/eprint/18838/1/acsomega.8b02040.pdf (ラチェット機構、塩素-ヘルコセット法との比較の説明、塩素を使わない処理の実験)
  3. 茨城県工業技術センター 研究報告 第23号(篠塚) https://www.itic.pref.ibaraki.jp/publication/doc/research/h6/N23P035.pdf (防縮加工の3分類と課題)
  4. 茨城県工業技術センター 研究報告 第26号(篠塚)「羊毛タンパクによる表面改質」 https://www.itic.pref.ibaraki.jp/publication/doc/research/h9/N26P038.pdf (摩擦係数と耐フェルト性の実験。実験室の小規模な試験)
  5. コトバンク「フェルト」 https://kotobank.jp/word/%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%AB%E3%83%88-3166849 (フェルト化とうろこ状の外皮についての辞典の説明)
  6. 雨土 Amazing Soil 発表(@Press の企業リリース) https://www.atpress.ne.jp/news/518766 (2025年の「スケール温存型」加工の企業発表。第三者の評価ではない)

なおした ところ

更新履歴

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