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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

せかいじゅうの 時計は、どうやって おなじ じこくに あわせて いるの?

世界中の時計は、どうやって同じ時刻に合わせているのか

世界の時刻合わせ ── UTCの計算、国どうしの時計比較、JJY・GPS・NTPの届け方

分野:技術

せかいの きじゅんの じこくは、450だいほどの 時計の「へいきん」で つくられます。しかも その へいきんが わかるのは、あとから なのです。

では、いまの じこくは、どうやって あわせて いるのでしょう。この 記事では、スマホに じこくが とどくまでの みちが わかります。

世界の標準の時刻は、約80の研究所にある約450台の原子時計のデータを平均して作られます。しかもその平均が出るのは、時間がたったあとです。

それなら、いまこの瞬間の時刻は、どうやって世界でそろえているのでしょうか。各国の研究所がUTCを先読みして追いかけ、電波・衛星・インターネットでスマホまで運ぶ道すじが分かります。

世界の標準時UTCは、約80の研究所の約450台の原子時計から、重み付き平均として計算される。ところがその値は、後にならないと決まらない。

では、各国の時計はなにを目標に動いているのか。UTCの平均は、時刻が過ぎてから決まる。各国はその値を予測して時計を合わせる。衛星比較やJJY・GPS・NTPの道すじ、「秒」の定義とうるう秒もたどる。

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1. スマホの じこくは、どこから くるの?

1. スマホの時刻は、どこから来ているのか

1. スマホに時刻が届く3つの道 ── 研究所のUTC(k)からJJY・NTP・GPSへ

スマホの 時計は、いつのまにか ただしい じこくに なっています。だれが おしえて くれるのでしょう。

みちは、いくつか あります。インターネット、GPSの えいせい、日本では「ひょうじゅん電波」という 電波も つかわれます[6]。

その もとに なるのが、UTC(ユーティーシー)という せかいの きじゅんの じこくです。80ほどの けんきゅうじょに ある、450だいほどの 原子どけいの データから つくられます[1]。1つの 時計を「せいかい」に するのでは ありません。

スマホの時刻は、気づかないうちに合っています。その大もとをたどると、協定世界時(UTC)という世界共通の基準に行きつきます。

UTCは、国際度量衡局(BIPM)が、世界の約80の時刻研究所と約450台の原子時計のデータから計算しています[1]。ここから、道は何本にも分かれます。日本では、情報通信研究機構(NICT)が標準電波JJYを福島県と佐賀県の2か所から送っています[6]。NICTの公開NTPサービスは、インターネット経由で時刻を配っていて、2019年には最大で1日に70億回の問い合わせを受けました[7]。GPS衛星の時計も、アメリカ海軍天文台の時刻をもとに補正されています[9]。

電波、インターネット、衛星。どの道の先にも、各国の研究所の時計があります。では、その大もとのUTCは、どんな時計なのでしょうか。

スマホの時刻の源流をさかのぼると、国際度量衡局(BIPM)が計算する協定世界時(UTC)に行きつく。UTCは世界の約80の時刻研究所と約450台の原子時計のデータから作られる[1]。ただし、BIPMがスマホに直接時刻を送るわけではない。各国の研究所がUTCに合わせて自分の時計UTC(k)を保ち、それを電波やネットで配る。

日本では、NICTのJJYが福島県と佐賀県の2か所の送信所から標準電波を出す[6]。ネットでは、NICTの公開NTPサービスが2019年に最大で毎秒5万回、1日あたり70億回の要求を処理した[7]。衛星では、GPS衛星の搭載時計が米海軍天文台の時刻UTC(USNO)で補正され、その信号が端末まで届く[9]。道は3種類あるが、どれも研究所の時計から始まる。

残る疑問は、その大もとのUTCがどんな時計かだ。次章でそれを見る。

2. 「せいかいの 時計」は、どこにも ないの?

2. 「正しい時計」は、約450台の平均だった

2. UTCは1台の時計ではなく、重み付き平均である

せかいで いちばん ただしい 時計は、どこに あるのでしょう。じつは、「この 1だい」と きめた 時計は ありません。

BIPMという ところが、いろいろな 国の 原子どけいの データを あつめます。そして、安定して うごく 時計ほど おもく あつかって、へいきんを とります[2]。あるクラスで 計った 記ろくを、じょうずに 計れる 人ほど おもく 見て まとめる ようなものです。ただし 本当は、人ではなく 時計の データの はなしです。

NISTの せつめいでは、セシウムふんすい時計という 時計は、きょうりゅうの 時代から うごいて いても、1びょうも ずれない ほどだと いいます[2]。それでも せかいの きじゅんは、たくさんの 時計の へいきんで つくります。

世界でいちばん正確な時計が、世界の時刻を決める。そう考えるのが自然です。ところが実際のUTCは、1台の時計ではなく、多数の時計の平均で作られています。

NISTの説明では、BIPMの科学者は、データを出してくる時計それぞれに、出力の安定度をもとにした「重み」をつけ、全部の重み付き平均を計算します[2]。安定した時計の意見を、より大きく聞くイメージです。ただし本当は、人の意見ではなく、時計が刻んだ数値の話です。

参加する時計の中には、とびきり高精度なものもあります。NISTの説明では、セシウム噴水時計は、恐竜の時代から動いていたとしても、進みや遅れが1秒に届かないほどです[2]。それでも世界の基準は、そうした時計を含む多数のデータの平均として作られます。

ところで、この平均は、いつ計算されるのでしょうか。

UTCは、単独の時計の出力ではなく、BIPMが時計と時刻比較のデータから計算するものだ。NISTの説明では、各時計の出力の安定度に応じて重みをつけ、全データの重み付き平均を計算する[2]。1台の故障や癖に基準が左右されにくくなる、というのが重み付けの利点と考えられる。なお、この利点はNISTの説明そのものではなく、仕組みからの読みである。

参加する時計には、きわめて高精度なものも含まれる。NISTは、セシウム噴水時計が恐竜の時代から動き続けていたとしても、狂いは1秒未満にとどまるほどだと説明する[2]。それでも、世界の基準時を1台の最良の時計に任せず、約80の研究所・約450台のデータから組み立てている[1]。

では、この平均はいつ計算されるのか。そこに、時刻合わせのいちばん意外な点がある。

3. 時計の へいきんは、いつ わかるの?

3. 平均は「あとから」出る ── では、いまの時刻は誰が決めるのか

3. UTCは後で決まる ── 予測による先読みとCircular T

へいきんは、みんなの 記ろくが あつまって から でないと、出せません。UTCも おなじで、じこくが すぎて から わかります[3]。

それなら、いまの じこくは、どうするのでしょう。それぞれの 国の けんきゅうじょは、UTCが これから どこに くるかを、よそうして 自分の 時計を ちょうせいして います[3]。

BIPMは 毎月「サーキュラーT」という おしらせを 出します。自分の 時計が UTCと どれだけ ちがうかを、5日ごとの 数で たしかめられます[4]。あとから 答え合わせを して、つぎの よそうを よく して いくのです。

平均は、全員のデータが集まってからでないと出せません。UTCも同じで、その値は後にならないと分かりません[3]。

そこで各国の研究所は、UTCがこれからどこに来るかを予測し、先読みして自分の時計を調整しています。たとえばアメリカのNISTは、自分の時計UTC(NIST)を、この先読みの技術でいつも調整しています[3]。各国が持つ自前の時刻はUTC(k)と書かれ、日本ならNICTが保つ時刻がそれにあたります。

答え合わせの役は、BIPMが毎月出す報告書「Circular T」です。UTCの結果と、各研究所が自分の時計UTC(k)をUTCと比べるために必要な情報が載っていて[1]、UTCとUTC(k)の差が5日ごとの値で示されます[4]。ずれが分かれば、次の予測を直せます。

とはいえ、離れた国の時計どうしを、そもそもどうやって比べるのでしょう。

UTCの値は、データが出そろった後でしか決まらない。このためNISTによれば、UTC(NIST)は、UTCがどこに来るかを予測する先読みの技術で、絶えず調整されている[3]。UTC(k)とは、各国の研究所kが維持する時刻のことで、日本ではNICTが保つ時刻がこれにあたる。つまり各国は、まだ確定していないUTCの値を予測しながら時計を動かしている。

予測が外れていないかを確かめるのが、BIPMのCircular Tだ。BIPMは毎月UTCの結果と、各研究所がUTC(k)とUTCを比べるのに必要な情報を公表する[1]。Circular Tは差〔UTC − UTC(k)〕を5日ごとの値で示し、各国の時刻をUTCにつなぐ根拠(トレーサビリティ)にもなる[4]。月ごとの答え合わせで次の予測を直す、という循環が成り立つ。

ここで前提になっているのは、遠く離れた国の時計どうしを、数ナノ秒の単位で比べられることだ。それはどう実現されているのか。

5. 時計の ない ところへも、電波で とどくの?

5. 日本では、電波と衛星が時刻を運ぶ

5. JJYの長波とGPS ── 周波数精度1×10⁻¹¹と数ナノ秒

日本の ひょうじゅん電波は「JJY」と いいます。ふくしまけんと さがけんの 2か所から、40キロヘルツと 60キロヘルツの 電波で おくられます[6]。

使う のは、ながい 波の 電波です。空の 高い ところの えいきょうを うけにくい から です[6]。ずれは、24時間の へいきんで 1000おくぶんの 1ほど だそうです[6]。

GPSの えいせいは、空から じこくを とどけます。ずれは、ナノびょうの たんいで はかられる ほど 小さい と いわれます[10]。ただし、これは 研究用の きかいで、電波の おくれなどを なおした ばあいの はなしです。スマホで いつも この ずれに なる わけでは ありません。

日本の標準電波JJYは、福島県と佐賀県の2か所の送信所から出ています。周波数は福島が40kHz、佐賀(九州)が60kHzです[6]。長波と呼ばれるこの帯域は、電離層(空の高いところの層)の影響を受けにくく、24時間平均で1000億分の1の周波数精度が得られます[6]。

1000億分の1とは、ごく単純に計算すると、1日(86400秒)で約0.9マイクロ秒、つまり100万分の1秒より少し小さいずれです。ただし周波数精度とは時計の進み方の安定度のことで、スマホに表示される時刻の誤差そのものではありません。

衛星の側では、GPSが一般の人にも、ナノ秒単位の不確かさで時刻を提供しているとNISTは説明します[10]。これは研究用の受信機で、電波の遅れなどを補正した場合の話で、スマホの表示のずれとは別のものです。GPS衛星の時計は、米海軍天文台の時刻に合わせて補正されています[9]。

インターネットは、電波や衛星とは別の道です。そこでは時刻をどうやって運んでいるのでしょう。

JJYは、福島(おおたかどや山、40kHz)と九州(はがね山、60kHz)の長波局から送信される[6]。長波は電離層の影響を受けにくく、24時間の周波数比較平均で1×10⁻¹¹の精度が得られる[6]。周波数精度1×10⁻¹¹が1日(86400 s)続くと仮定すれば、時間のずれは86400×10⁻¹¹≒8.6×10⁻⁷ sで、約0.9 μsとなる。これは単純な換算にすぎず、受信機側の誤差や伝搬の条件は含まない。

GPSについてNISTは、一般向けにナノ秒の単位で測る不確かさで時刻を提供していると述べる[10]。衛星の時計は、コロラド州のSchriever宇宙軍基地から送られるUTC(USNO)で補正され[9]、その信号は携帯電話の基地局を通じてスマホにも届くという[9]。数ナノ秒という数字は、伝搬遅延や電離層の影響を補正した場合のもので、端末が表示する時刻の誤差とは別の量だ。

電波と衛星は、空を通る道だった。ではインターネットでは、どう時刻を合わせているのか。

6. ネットの 時計あわせは、どう するの?

6. インターネットの時刻合わせは、往復の時間を半分にする

6. NTPの4つの時刻 ── 往復遅延とオフセットの式

ネットで じこくを あわせる ときは、スマホが じこくを 出す サーバーと、じこくの じょうほうを やりとりします。でも へんじが とどくまでに、少し 時間が かかります。

そこで、4つの じこくを 見ます。ききに いった とき、サーバーが うけとった とき、サーバーが へんじを 出した とき、スマホが うけとった ときです[8]。

ここから、いったりきたりに かかった 時間が わかります。そして「いきと かえりの 時間は おなじ」と かんがえて、ずれを たします[8]。ただし 本当は、いきと かえりの 時間が かわる ことも あります。

スマホがサーバーと時刻の情報をやり取りするとき、返事が戻るまでに少し時間がかかります。その遅れを引かないと、時刻が古くなります。NTPというしくみは、4つの時刻をやり取りして、これを計算します[8]。

4つとは、スマホが送った時刻(T1)、サーバーが受け取った時刻(T2)、サーバーが返事を出した時刻(T3)、スマホが返事を受け取った時刻(T4)です。往復にかかった時間は、スマホから見た待ち時間(T4−T1)から、サーバーの中で過ごした時間(T3−T2)を引けば出ます[8]。

相手の時計とのずれは、行きの差と帰りの差の平均で求めます。式で書くと、1/2×[(T2−T1)+(T3−T4)]です。これは、行きと帰りの通信時間が同じと仮定した計算です[8]。実際は経路によって差が出るので、端末ごとの誤差は環境で大きく変わります。

この道を、ほんとうに多くの機械が使っています。NISTのインターネット時刻サービスは、1秒間に100万回以上のアクセスがあると紹介されています[2]。

NTPでは、クライアントとサーバーで4つの時刻T1〜T4をやり取りする(T1はクライアント送信、T2はサーバー受信、T3はサーバー送信、T4はクライアント受信)。往復の遅延は(T4−T1)−(T3−T2)、時計のずれ(オフセット)は1/2×[(T2−T1)+(T3−T4)]と書かれる[8]。後者は、行きと帰りの通信時間が等しいと仮定した式だ。

数字で確かめよう。T1=10.000 s、T2=10.510 s、T3=10.512 s、T4=10.060 sとする(T1・T4はクライアント、T2・T3はサーバーの時計の読み)。遅延は(10.060−10.000)−(10.512−10.510)=0.058 s。オフセットは1/2×[(0.510)+(10.512−10.060)]=1/2×(0.510+0.452)=0.481 sで、サーバーが約0.48 s進んでいると分かる。片道を0.029 sと仮定すると、T2=10.000+0.029+0.481=10.510となって数字が合う。

この仮定が崩れて、行きと帰りで通信時間がちがえば、オフセットにもその差の半分が誤差として入る。したがって、端末ごとの実際の誤差は環境により大きく変わる。それでも仕組みは広く使われ、NICTの公開NTPは2019年に最大毎秒5万回、1日70億回の要求を受け[7]、NISTのインターネット時刻サービスは毎秒100万回を超えると紹介される[2]。

7. 「1びょう」は、むかしと おなじ ながさ?

7. 「1秒」そのものも、決め直されてきた

7. 秒の再定義とうるう秒 ── 天文から原子へ、そして2035年

1びょうは、むかしは 地きゅうの 回りかたで きめて いました。1967年に、セシウムという 原子の ふるえかたで きめる ことに なりました[11]。

すると こまった ことが 出ます。地きゅうの 回りかたは、少しずつ かわるからです。そこでUTCは、ときどき「うるうびょう」という 1びょうを たして、地きゅうの 時間と あわせて います[1]。

でも、うるうびょうは コンピューターに こまる ことも あります。2022年に、この きまりを 見直す 話が まとまり、2035年までに かえる ことに なりました[12]。そのさきの やりかたは、これから きまります。

ここまで、時計の合わせ方を見てきました。では、合わせる対象の「1秒」とは、何でしょうか。

1967年、国際度量衡総会は、セシウム原子の振動をもとに秒を定義しました。これで秒の基準は、地球の動きからセシウム原子の振動に変わりました[11]。ところが人間の生活は、昼と夜、つまり地球の自転とつながっています。そこでUTCは、地球の自転に基づく時刻とのずれを保つために、うるう秒を入れて調整されています[1]。

2022年の国際度量衡総会は、うるう秒がデジタルのしくみに与える影響を考え、地球の自転に基づく時刻UT1とUTCの差の上限を、2035年までに広げると決めました[12]。その先の具体的な運用は、この決議だけでは分かりません。

時刻を合わせる仕組みは、いまも見直されている最中です。

1967年、第13回国際度量衡総会は、セシウム原子の振動にもとづく秒の定義を採用し、世界の時刻の基準は、地球の自転から原子の振動に変わった[11]。ところが、人の暮らしの昼夜は地球の自転に結びついている。そのためUTCは、原子時計の時刻(TAI)にうるう秒を加え、自転にもとづく時刻との一致を保つ形で運用されている[1]。

この調整が、デジタルの仕組みで負担になるとされた。2022年の第27回国際度量衡総会の決議4は、UT1とUTCの差の最大値を2035年またはそれ以前に拡大すると決めた[12]。差をより大きく許せば、うるう秒を入れる必要が当面なくなる方向の変更だが、決議の文面だけからは、2035年以降の具体的な方法は読み取れない。

UTCの計算から配信までを順にたどると、基準は1台の時計ではなく平均であり、その平均は後から決まり、各国は予測で追い、国際比較は複数の手段で確かめ直され、最後に電波・衛星・ネットで運ばれる。さらに、基準である秒そのものも見直しの途上にある。

8. じぶんの スマホで、じこく あわせを 見て みよう

8. 自分のスマホで、時刻合わせを確かめる

8. 出口 ── 手元で確かめる方法と、読める一次資料

おうちの 人と いっしょに やります。スマホの せっていで、「じどうで じこくを あわせる」を オフに します。そして、じこくを 1分だけ ずらします。ずらせない スマホなら、せっていの がめんで 「じどうで じこくを あわせる」が オンか、見るだけに します。

つぎに、もう1どオンに もどして みます。じこくが もとに もどるまで、どれくらい かかるか 見て みましょう。きしゅに よって ちがうかもしれません。おわったら、かならず オンに もどして おいて ください。

ふだんは 気づかないけれど、スマホは いつも せかいの 時計の ほうへ 近づこうと して います。

おうちの人と一緒に、スマホの設定で「自動で日付と時刻を設定」をオフにして、時刻を手動で1分ずらしてみてください。手動で変更できない機種や設定のときは、設定画面で自動設定がオンになっているかを見るだけでかまいません。次に、もう一度オンに戻します。元の時刻に戻るまでに、どれくらいかかるでしょうか。機種や通信の状態でも変わると思います。終わったら、必ず自動設定に戻しておきます。

この1分のずれは、世界中の約450台の時計の平均から、研究所の予測、電波や衛星やインターネットを通って、手元に届いた時刻に直されたということです。

もっと詳しく知りたい人には、NICTのJJYや公開NTPのページが、日本語で読めます[6][7]。UTCの計算の全体像は、BIPMのUTCのページにあります[1]。うるう秒が2035年以降どうなるかは、まだこれからの話です。

手元で確かめるなら、保護者と一緒に、スマホの「自動で日付と時刻を設定」をオフにし、時刻を1分ずらしてからオンに戻す。元に戻るまでの時間は、機種や通信環境で変わりうるので、数回試して記録すると、NTPなどの仕組みの動きが体感できる。終わったら必ず自動設定に戻す。

資料を読むなら、UTCの作り方は[1]、UTC(NIST)の先読みは[3]、月ごとの答え合わせは[4]、国際比較の校正は[5]、日本の送信は[6]と[7]、NTPの式は[8]にある。日本語で読めるのはNICTの2つだ。

未解決の問いも残る。2035年以降にうるう秒がどう扱われるかは決議だけでは確定せず、端末が実際に抱える誤差は環境で大きく変わる。調べる価値のある問いだ。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

出典について:国際度量衡局(BIPM)、NIST、NICTの公式ページと、国際度量衡総会の決議、NTPの規格の正誤表を使った。何に使ったかは、それぞれの項目の最後に書いている。

  1. BIPM「Coordinated Universal Time (UTC)」。https://www.bipm.org/en/time-department/utc (UTCの作り方、うるう秒、Circular Tについて)
  2. NIST「How Do We Know What Time It Is?」。https://www.nist.gov/atomic-clocks/how-do-we-know-what-time-it (重み付き平均、セシウム噴水時計、NISTの時刻サービスについて)
  3. NIST「Introduction to UTC(NIST)」。https://www.nist.gov/pml/time-and-frequency-division/time-realization/utcnist-time-scale/introduction-utcnist (UTCを予測して先読みすることについて)
  4. BIPM「Circular T」。https://www.bipm.org/en/time-ftp/circular-t (UTCとUTC(k)の差を5日ごとに示すことについて)
  5. BIPM「CCTF 2017 Recommendation 4」。https://www.bipm.org/en/-/cctf-2017-recommendation-4 (国際時計比較の校正、機器遅延、複数系統について)
  6. NICT「JJY - 標準電波」。https://www.nict.go.jp/sts/jjy.html (JJYの送信所、周波数、精度について)
  7. NICT「公開NTPサービス」。https://www.nict.go.jp/sts/ntp.html (NTPの要求回数について)
  8. RFC Errata ID 3125 (RFC 5905)。https://errata.rfc-editor.org/eid3125 (NTPの往復遅延とオフセットの式について。英語)
  9. NIST「How Does Atomic Time Get to Your Phone?」。https://www.nist.gov/atomic-clocks/how-we-tell-time/how-does-atomic-time-get-your-phone (GPS衛星の時計の補正とスマホへの経路について)
  10. NIST「One Way GNSS Time Transfer」。https://www.nist.gov/pml/time-and-frequency-division/time-services/one-way-gnss-time-transfer (GPSがナノ秒単位の不確かさで時刻を提供することについて)
  11. NIST「A Brief History of Atomic Clocks at NIST」。https://www.nist.gov/pml/time-and-frequency-division/time-services/brief-history-atomic-clocks-nist (1967年の秒の定義について)
  12. BIPM「Resolution 4 of the 27th CGPM (2022)」。https://www.bipm.org/en/-/resolution-cgpm-27-4 (UT1とUTCの差の上限の見直しについて)

なおした ところ

更新履歴

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