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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

1びょうを たす「うるう秒」の はんたいで、1びょうを けす ことも あるの?

1秒を足すうるう秒に、1秒を消す「負のうるう秒」はあるのか

うるう秒は「足す」だけでなく「消す」こともあるのか:負のうるう秒と、地球の自転・温暖化・UTCの見直し

分野:宇宙・天文

じつは、せかいの 時計には 「1びょうを けす」 ルールも じゅんびされて います。でも、いままで 1回も つかわれた ことは ありません。

どうして そんな ルールが あるのでしょう。いつ つかわれるのでしょう。この ページを 読むと、けす 1びょうが どこから きえるのか、どうして 地球の 回る はやさで きまるのか、こおりが とけると どうなるのかが わかります。

うるう秒といえば「1秒を足す」ものですが、時計の世界には「1秒を消す」ためのルールも用意されています。ところが、消すほうは今まで一度も使われたことがありません[1]。

なぜ、使われないルールがあるのでしょうか。いつ使われるのでしょうか。この記事を読むと、消える1秒が時計のどこに入るのか、地球の自転の速さとの関係、氷がとける温暖化が消す時期をおくらせているという見積もり、そして世界の時刻の決まりの見直しが分かります。

協定世界時(UTC)に1秒を足すうるう秒は、過去に実施されてきた。しかし1秒を削除する「負のうるう秒」は、制度上は想定されているのに、一度も実施されていない[1]。実施されない理由は、まだ必要になっていないからである。では、それが必要になるのは何がきっかけで、いつ頃と見られているのか。

この記事を読むと、負のうるう秒が時計の表示でどう現れるか、地球の自転の速さの変化が1秒の過不足を生むしくみ、温暖化による氷の融解が時期を遅らせているという見積もり、そして2022年と2026年にCGPMが決めた、UT1とUTCの許容差を広げる見直しが分かる。

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1. 1びょうを けすと、時計は どう なるの?

1. 時計の「59秒」が消えるとき

1. 負のうるう秒は、時刻表示のどの秒を取り除くのか

デジタル時計で 23時59分58びょうの つぎは、ふつう 59びょうです。1びょうを けす ときは、この 59びょうを とばします。58びょうの つぎが、いきなり 0時0分0びょうに なります[2]。

うるう秒と いうと、1びょうを たす ものだけだと おもう 人が おおいかも しれません。じっさいに おこなわれた うるう秒は、ぜんぶ たす ほうでした。けす ほうは、まだ 1回も ありません[1]。

日本では、うるう秒の ちょうせいは 日本の 時こくで 午前8時59分の さいごの 1びょうに おこなわれます[2]。ふだんは 気づかない うちに すぎて いく 1びょうが、時計の 上では とくべつな 1びょうに なるのです。

ここで ふしぎに なります。なぜ 時計の 1びょうを たしたり けしたり しなければ ならないのでしょう。

デジタル時計が23時59分58秒を示したあと、ふつうは次に59秒が来ます。負のうるう秒では、この59秒をとばして、58秒の次がいきなり0時0分0秒になります[2]。1秒が「足される」のではなく、時計の表から消えるのです。

これまでに実施されたうるう秒は、すべて1秒を足す「正のうるう秒」でした。消すほうは、まだ一度も行われていません[1]。日本では、調整は世界時の区切りではなく、日本時間の午前8時59分の最後の秒に行われます[2]。

では、なぜそもそも時計の秒を足したり引いたりする必要があるのでしょうか。それは、地球が回る速さが、時計の秒とぴったりそろっているわけではないからです。

負のうるう秒が実施される場合、時刻表示は58秒の次に59秒を飛ばして、0時0分0秒に進む。国立天文台の解説では、「59分58秒の次の59秒をとばして、0分0秒にする」ことで1秒を減らすと説明される[2]。足す場合の逆で、1日の最後の秒が存在しなくなる形である。

これまでに実施されたうるう秒は、米国標準技術研究所(NIST)の説明によれば、すべて1秒を加える正のうるう秒である[1]。削除はまだ実施されたことがない。なお日本では、調整は世界時の日付変更点ではなく、日本時間で午前8時59分の最後の秒に行われる[2]。

では、秒を足したり引いたりするのは、何に合わせるためなのか。ずれの原因は、地球の自転と原子時計の性質のちがいにある。

2. どうして 1びょうが ずれるの?

2. 地球の回る速さと、時計の秒のずれ

2. UT1とUTCの差を0.9秒以内に保つ仕組み

1日は、地球が 1回 まわる 時間です。でも、地球が まわる はやさは、ほんの すこしずつ かわります。月の ひきよせる ちからなど、いろいろな ことが かかわって います[3]。

いっぽう、とても せいかくな 原子時計 という 時計は、ずっと おなじ リズムで 1びょうを きざみます。地球の まわる はやさが かわると、地球の 1日と 原子時計の 1日が すこしずつ ずれて いきます。

そのずれが 0.9びょうに ならないように、せかいの 時計で つかう 時こく(UTC)に 1びょうを たしたり、けしたり して、そろえて います[3][1]。

ずっと 昔の 日食の きろくなどから、地球は ながい 目で 見ると、だんだん ゆっくりに なって いる ことが わかって います[4]。ゆっくりに なれば、足りない 1びょうを たします。それが、これまでの うるう秒でした。

1日の長さは、地球が1回転する時間にもとづいています。ところが、地球の自転は、潮汐による摩擦などで少しずつ変わります。そのため、自転にもとづく時刻(世界時)と、原子時計にもとづく協定世界時(UTC)の間には、ずれが生じます[3]。

ずれが大きくなりすぎないよう、国際地球回転・基準系事業(IERS)が観測を続け、自転にもとづく時刻(UT1)とUTCの差を0.9秒以内に保つよう、UTCに1秒を挿入または削除します[1][3]。削除も、制度としてはもともと含まれているのです。

長い目で見ると、地球の自転は遅くなってきたことが、過去の日食の記録や生物の年輪などから確かめられています[4]。自転が遅くなれば、1日が少し長くなり、時計の側に1秒を足す必要が出ます。これまでのうるう秒がすべて足す向きだったのは、この傾向と合っています。

ところが、最近の自転は、この長期の傾向とは少し様子がちがうようなのです。

うるう秒の目的は、原子時計の刻むUTCと、地球の自転にもとづくUT1との差を、0.9秒以内に保つことである。NISTの解説では、この管理はIERSが行う[1]。情報通信研究機構(NICT)の説明でも、UTCに1秒を挿入または削除してUT1との差が0.9秒以上にならないよう調整している[3]。調整が「足す」「減らす」の両方向を前提に作られている点が、負のうるう秒を理解する出発点である。

差が生じる理由は、自転が一定ではなく、潮汐摩擦などで変動するためである[3]。国立天文台の暦のページは、長期的には自転が減速していることが、過去の日食記録や古生物の年輪などで確かめられていると述べる[4]。自転が遅いと1日が長くなり、UT1がUTCに遅れていくので、UTCに1秒を足してそろえる。これまでの実施がすべて正だったことは、この長期傾向と矛盾しない。

しかし、同じ自転が速くなる時期があれば、UT1がUTCより先に進み、今度は1秒を削る調整が要る。では、近年の自転は、その方向に動いているのか。

3. 地球が はやく なると、こおりが とけると、どう なるの?

3. 自転は近ごろ速まっている? 氷がとけると何が変わるのか

3. 自転の加速と氷の融解:負のうるう秒の時期はどう見積もられているか

スケートの 人が うでを ひろげると ゆっくり、ちぢめると はやく まわります。地球でも、おもさが どこに あつまるかで、まわる はやさが かわる ことが あります。ただし、これは わかりやすくした たとえで、地球の ほんとうの うごきは もっと ふくざつです。

ある けんきゅうでは、地球の なかの、どろどろの 地こうが うごく ことが、かたい 地球の 回転を はやく する はたらきを して いると のべて います[5]。そのため、うるう秒を けす 日が 来るかも しれない、と いわれて います。

ここで おどろく はなしが あります。きたと みなみの はしの こおりが とけると、水が 赤道の ほうへ ひろがります。すると 地球は ゆっくりに なる ほうへ はたらきます[5]。つまり、おんだんかは、けす うるう秒を おくらせて いる ことに なります。

けんきゅうの 見つもりでは、こおりが とけて いなければ、1びょうを けす 日は 3年 はやく 来ていた はずだ、とされて います[5]。同じ 研究者は、2028年ごろ 1びょうを けす ひつようが 出るかも しれないと のべました[5]。ただ これは けんきゅう者の よそくです。じっさいに いつ おこなうかは、半年ごとに 出る おしらせで きまります[6]。

米国のカリフォルニア大学サンディエゴ校の発表によると、地球の液体の核の動きが、固体の地球の自転を速める方向に働いているといいます[5]。この影響が続けば、UT1がUTCより先に進み、UTCから1秒を消すことが必要になります。

ここで驚くのが、温暖化のはたらきです。極地の氷がとけると、水が極から赤道のほうへ移ります。質量が極から赤道方向へ移ると、地球の自転は遅くなる向きに働きます[5]。つまり温暖化は、1秒を消す日を遅らせる側に効いていることになります。研究者の見積もりでは、氷がとけて自転をゆるめる効果がなければ、負のうるう秒は3年早く必要になっていたと予想されています[5]。

この研究者(Agnew氏)は、最初の負のうるう秒が必要になる時期を、2028年ごろと指摘しました[5]。ただし、これは研究者の予想で、実施の決定ではありません。自転の変動を長い期間予測するのは難しく、時期は変わりうるものです。

では、実際に1秒を足すか、消すか、入れないかは、誰がどのように決めているのでしょうか。

近年の自転については、サンディエゴ校の発表が、地球の液体の核の動きが固体地球の自転を速める傾向を示すと述べている[5]。自転が速くなればUT1がUTCより進み、UTCから1秒を削る必要が生じる。ここで意外なのは、地球温暖化が時期を遅らせる側に効くという点である。極域の氷が融けて質量が極から赤道方向へ移ると、自転は減速する。同じ発表は、この減速がなかった場合、負のうるう秒は3年早く必要になっていたと見積もっている[5]。

この研究を行ったAgnew氏は、最初の負のうるう秒が必要になるのは2028年頃かもしれないと指摘した[5]。ただしこれは一人の研究者による予測であり、自転速度の長期予測は難しいため、確定した日付ではない。この資料は、大学の広報記事であって、査読論文そのものではない点にも注意したい。

予測と決定は別物である。うるう秒は、UTCの6月末または12月末に入れることができ、実施するかどうかはIERSの公報(Bulletin C)が半年ごとに告げる[6]。2026年7月6日付の公報Bulletin C 72は、2026年12月末にはうるう秒を入れないと発表している[6]。UTCは2017年1月1日から国際原子時(TAI)より37秒遅れた状態が続き、2016年末を最後に、うるう秒は実施されていない[6]。予測が2028年頃を指していても、決定を示すのは、このように半年ごとの公報である。

では、いざ負のうるう秒が決まったとき、世界の機器は無事に1秒を飛ばせるのだろうか。

4. 1びょうを とばしても、きかいは だいじょうぶ?

4. 試されたことのない1秒は、機械にとって安全か

4. 実施経験のない削除:システムへの影響と予告の仕組み

こんどは 時計を つかう きかいの はなしです。インターネットや 人工えいせいなどは、時こくを たよりに うごいて います。ふつうの 日には、1びょうが ぬけても 気づきませんが、きかいが 「ある はずの 1びょうが ない」と おどろく ことが 考えられます。

けす うるう秒は、たす うるう秒より、しくみは かんたんだと、アメリカの 時間を はかる きかんは せつめいして います。でも、いままで 1回も つかわれて いないので、せかいじゅうの システムで ためされた ことも ありません[7]。

ぎじゅつしゃや けんきゅう者は、大きな はんいで ためされた ことが ないので、ソフトが どう はんのうするかは わかっていないと はなして います[8]。2022年の 国さいてきな 会ぎの けつぎでも、うるう秒で 時計が とびとびに なると、大切な デジタルの しくみが うまく うごかなく なる おそれが あると されて います[9]。

日本の ひょうじゅんでんぱ JJY は、けす うるう秒が よていされる ときは、しんごうの 中の LS2 という ばしょが 0に なる ことで、まえもって しらせる しくみに なって います[10]。

時計の秒が1つ飛ぶ。人間には小さなことですが、時刻を頼りに動く機械には、そうではないかもしれません。

米国標準技術研究所のインターネット時刻サービスの説明は、負のうるう秒は一度も使われたことがないが、原理としては正のうるう秒より単純だと述べています[7]。単純なはずなのに、安心とは言い切れません。負のうるう秒はまだ一度も実施されておらず、重要なシステム全体への影響が十分に分かっていないからです。技術者や研究者の発言を紹介した記事でも、負のうるう秒の影響が大規模に試されたことはなく、ソフトウェアがどう反応するかは分かっていない、とされています[8]。

国際度量衡総会(CGPM)の2022年の決議も、うるう秒の導入が、重要なデジタル基盤に深刻な不具合を起こしかねない不連続を生む、と指摘しています[9]。

備えもあります。日本の標準電波JJYでは、信号の中のLS2というビットが、削除の予告を伝える役目をしています。0なら負のうるう秒(削除)、1なら正のうるう秒(挿入)です[10]。電波時計などが前もって知るための、しくみが用意されています。

こうした「試されていない」という不安が、世界の議論につながっています。

NISTのインターネット時刻サービスの説明は、負のうるう秒は一度も使われていないものの、実現は原理的には正のうるう秒より単純だと述べる[7]。秒を1つ挿入するより、1つ飛ばすほうが操作として単純だという意味である。それでも、この説明を負の実施が安全であるという保証と読むことはできない。技術者・研究者の発言を紹介した記事では、負のうるう秒の影響は大規模に試されたことがなく、ソフトウェアがどう反応するかは分かっていないとされる[8]。この記事は解説報道であり、個々のシステムの検証結果ではない。

国際度量衡総会(CGPM)の2022年決議は、うるう秒の導入が、重要なデジタル基盤で深刻な不具合を起こすおそれのある不連続を生むと指摘している[9]。正でも負でも、時刻が連続しないことそのものが、リスクになるという立場である。

予告の仕組みはすでにある。日本標準時を伝える標準電波JJYの時刻符号では、LS2というビットが1なら正のうるう秒(挿入)、0なら負のうるう秒(削除)が実施されることを意味する[10]。つまり日本の標準電波は、削除の場合も想定して設計されている。ただし、符号が用意されていることと、受信する各機器が正しく動くことは別である。

この「連続でなくなること」への懸念が、うるう秒そのものを見直す国際的な議論の出発点になった。

5. うるう秒は、これから どう なるの?

5. 2027年に向けて、うるう秒の決まりは変わる

5. 2022年・2026年のCGPM決議:UT1-UTCの許容差を広げる

せかいの ひとたちは、うるう秒を めぐって、あたらしい 話し合いを して います。2022年に 開かれた 国さいてきな 会ぎでは、うるう秒を いれたり けしたり する 回数を へらせるよう、2035年までに きまりを かえる ことを きめました[11]。

いままでは 地球と 時計の ずれを 0.9びょうまでに していました。この ずれの 大きさを、もっと 大きくして いいと する、という ことです[11]。

さらに 2026年10月15日の 会ぎ(第28回)では、2027年5月20日から、時計を とぎれさせない 「れんぞくUTC」に する ことが きまりました。地球と 時計の ずれは、1時間まで 大きくして いい ことに なります[12]。そうなれば、1びょうを けす きまりを つかう 場面は、ほとんど なくなる はずです。

2028年ごろに けす ひつようが 出る、というのは、けんきゅう者の よそく です。きまりが かわる ことを ふまえて、これからの 発表を 見て いきましょう。

2022年の国際度量衡総会(CGPM)は、UT1とUTCの差の最大値を、2035年まで、またはそれ以前に広げると決めました[11]。今は0.9秒以内に収めているこの許容範囲を広げれば、うるう秒を入れたり消したりする回数を、減らせる可能性があります。

同じ決議は、国際度量衡委員会(CIPM)に、UTCの連続性を少なくとも1世紀は保てる新しい最大値を提案するよう求めています[11]。新しい値が何秒になるかは、ここで読んだ決議には書かれていません。

2026年10月15日の第28回CGPMは、さらに先へ進みました。決議5は、UTCを2027年5月20日から「連続」にすると決め、UT1とUTCの差の許容差を3600秒(1時間)にしました。長期にわたってUTCが途切れないようにするためです[12]。

研究者が予想する2028年頃の負のうるう秒は、この新しい決まりの前提では必要になりません。予測は自転の変化の見積もりで、制度とは別の話です。自転のようすが変わっても、時計のほうが先に仕組みを変えることになります。

地球の自転は、液体の核の動きや氷の融解など、いくつもの影響を受けます。その変化が、UT1とUTCの差に表れます。

2022年のCGPM決議4は、UT1とUTCの差の最大値を、2035年まで、またはそれ以前に拡大すると決定した[11]。現行の0.9秒の許容差を広げれば、うるう秒の挿入・削除の頻度を下げられる。決議はさらに、CIPMに対し、UTCの連続性を少なくとも1世紀は確保できる新しい最大値の提案を求めている[11]。ここで読んだ決議の本文には、新しい許容差の具体的な値は書かれていない。

この方針は、2026年10月15日の第28回CGPM決議5で具体化された。決議は、連続UTCを2027年5月20日から実施し、UT1とUTCの差の最大値を3600秒(1時間)とする。その理由として、長期のUTCの連続性を保つこと、また負のうるう秒が重要インフラにとって高いリスクになりうることが挙げられている[12]。

したがって、研究者が示す2028年頃という予測[5]は、あくまで自転の見積もりであり、制度とは区別して読む必要がある。新しい規則のもとでは、負のうるう秒の出番は、少なくとも予測された時期には想定されていない。IERSの公報が示す半年ごとの実施の有無も、この規則の変更とあわせて確かめたい。

整理すると、地球の液体核が自転を速める力と、極域の氷の融解が自転をゆるめる力が拮抗し、その差がUT1とUTCの差として現れる。その差を扱う制度そのものが、2027年に向けて作り直されつつある。1秒を消すかどうかは、地球科学と、時刻システムの信頼性という、二つの分野をまたぐ問いになっている。

6. 1びょうを とばして みよう

6. 消える1秒を、自分の目と手で確かめる

6. 自分で確かめる方法と、資料の読み方

きょう できる こと

かみに 「11時59分56びょう」から じゅんばんに かいて みましょう。ふつうは 56、57、58、59、そして 0時0分0びょうです。けす うるう秒の ときは、59を とばします。58の つぎを 0時0分0びょうに して、かみに かきなおして みます。

デジタルの 時計や タイマーを 見ながら、「ごー、ろく、ななー、はち、ぜろ」と 声に 出して かぞえると、1びょうが ぬけた ときの 感じが つかめます。

しらべる とき

おうちの 人に、「日本の ひょうじゅん電波って なに?」と 聞いて、電波時計が あるか 見て もらいましょう。電波時計は、JJY という 電波で 時計を あわせて います。

紙の上で試す

紙に23時59分56秒から順に書き、通常は56、57、58、59、そして0時0分0秒と並ぶことを確かめます。次に59を消して、58の次を0時0分0秒に書きかえます。電子の時計やタイマーで同じ数え方を声に出すと、飛ばされる1秒の短さが実感できます。

家の時計を調べる

家に電波時計があるときは、説明書や本体の表示で、標準電波JJYで時刻を合わせる機能かどうかを確かめられます。うるう秒の予告が、電波にどう入っているかを考える入り口になります。

資料を読むなら

国立天文台の解説[2]は日本語で読めます。NICTの日本標準時のページ[3]とJJYの時刻符号のページ[10]も日本語です。

紙の上で追う

23時59分56秒から順に書き、正の場合は60秒目を足し、負の場合は59秒を消す、という二通りの並びを自分で書いてみる。第1章の「58秒の次が0時0分0秒」が具体的に確かめられる。電子時計とタイマーで声に出すと、飛ぶ1秒の短さも実感できる。

資料を読むなら

基本の仕組みは、国立天文台の解説[2]とNICTの日本標準時の解説[3]、国立天文台暦のページ[4]が日本語で読める。JJYの符号の意味はNICTのページ[10]にある。研究者の予測と温暖化の効果の見積もりは大学の発表[5](英語)、実施の有無はIERSの公報[6](英語)、2022年の決議の原文はBIPMのページ[11](英語)で見られる。予測、公式の決定、国際的な制度の方向という、性質のちがう三つの情報を分けて読むと、「2028年に負のうるう秒が来る」といった記事の見出しを、一歩引いて読める。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

本文で使った資料です。

  1. NIST. Leap Seconds FAQs. https://www.nist.gov/pml/time-and-frequency-division/leap-seconds-faqs (これまでは足す向きのみ/管理の仕組み)
  2. 国立天文台. 「うるう秒」ってなに? https://www.nao.ac.jp/faq/a0403.html (59秒をとばす表示/日本の調整時刻)
  3. 情報通信研究機構(NICT). 国際原子時・協定世界時とうるう秒. https://jjy.nict.go.jp/mission/page1.html (UT1とUTCの差、挿入・削除)
  4. 国立天文台暦計算室. 閏秒(うるう秒)とは何か. https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/topics/html/topics2013_1.html (長期的な自転の減速)
  5. UC San Diego. Global Warming Is Influencing Global Timekeeping. https://today.ucsd.edu/story/global-warming-is-influencing-global-timekeeping (氷の融解・地核・2028年頃の予測)
  6. IERS. Bulletin C 72 (2026年7月6日付). https://lists.iana.org/hyperkitty/list/tz@iana.org/message/QXCI2R2IOCR6XHSWBBTYXXE4WT2LEY3R/attachment/3/attachment.html (2026年12月末は実施なし/6月末・12月末/37秒差)
  7. NIST. Internet Time Service (ITS). https://www.nist.gov/pml/time-and-frequency-division/time-distribution/internet-time-service-its (負は原理上単純/未使用)
  8. Popular Science. We might soon lose a full second of our lives. https://www.popsci.com/science/negative-leap-second/ (大規模に試されていない)
  9. BIPM. Resolution 4 of the 27th CGPM (2022). https://www.bipm.org/en/-/resolution-cgpm-27-4 (不連続によるデジタル基盤へのリスク)
  10. NICT. JJY 標準電波で送信する時刻符号. https://www.nict.go.jp/sts/jjy_signal.html (LS2ビットの意味)
  11. BIPM. CGPM 2022 Resolution 4. https://www.bipm.org/en/cgpm-2022/resolution-4 (許容差を2035年までに広げる/UTCの連続性)
  12. BIPM. CGPM 2026 Resolution 5. https://www.bipm.org/en/cgpm-2026/resolution-5 (連続UTCを2027年5月20日から/許容差1時間)

なおした ところ

更新履歴

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