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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

はるだけ はなみずが でる子と、いちねんじゅう でる子が いるのは なぜ?

春だけ出る鼻水と、一年中出る鼻水 ── 0〜4歳は通年性、5〜9歳からスギが上回るのはなぜ

季節性と通年性のアレルギー性鼻炎 ── 引き金の違いと、年齢別に見た0〜4歳と5〜9歳の逆転

分野:からだ

はるの かふんで でる はなみずも、へやの ほこりで でる はなみずも、どちらも「アレルギーせい びえん」です。2019ねんの ちょうさでは、0〜4さいでは ダニなどの ほうが すこし おおく、5〜9さいからは スギの かふんしょうが うわまわっていました。

どうして よびかたが わかれるのでしょう。この きじを よむと、はなみずの ひきがねと、でる じきと、ねんれいによる ちがいが わかります。

花粉症の鼻水と、ほこりの鼻水。どちらも「アレルギー性鼻炎」の仲間です。ところが日本耳鼻咽喉科学会の2019年の調査(耳鼻科の医師とその家族が対象)では、0〜4歳では通年性がわずかに多く、5〜9歳ではスギ花粉症が上回っていました。

同じ仲間の鼻水なのに、何が呼び名を分けているのでしょうか。この記事を読むと、引き金になる物質、症状が出る時期、年齢による入れ替わりが分かります。

2019年の全国疫学調査(耳鼻咽喉科医とその家族、有効回答19,859名)では、0〜4歳で通年性5.1%・スギ花粉症3.8%、10〜19歳で通年性38.5%・スギ花粉症49.5%と、年齢別では多い型が入れ替わっていた[5][6]。ただし対象は医師とその家族で、日本の人口全体の値ではない。

花粉症もダニによる鼻炎も、どちらもアレルギー性鼻炎に含まれる。では、何が「季節性」と「通年性」を分け、なぜ年齢で主役が変わるのか。この記事を読むと、引き金の違い、症状の出る時期から原因を推定する考え方、年齢別の調査結果の読み方が分かる。

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1. はなみずは、なんの ために でるの?

1. 鼻水は何のために出て、花粉症とほこりの鼻水は何が違うのか

1. 鼻水の役割と、花粉症とダニの鼻炎を分ける要素

はなみずは、はなに はいった ごみを あらいながす ためにも でます[8]。からだの まもりの はたらきです。

アレルギーが あると、はなの ねんまくが はんのうしすぎて、すきとおった はなみずが たくさん でやすく なります。

はるの かふんで でても、へやの ほこりで でても、くしゃみや はなみず、はなづまりが おもな しょうじょうです[7]。ちがうのは、「なにが ひきがねに なったか」と「いつ でるか」です。

はるだけ でるのが「かふんしょう」、いちねんじゅう つづくのが「つうねんせい」です[1]。

では、ひきがねは いつ、どこに あるのでしょう。

鼻水は、鼻に入った花粉やウイルス、細菌などを洗い流す、体の防御反応のひとつです[8]。アレルギーがあると、鼻の粘膜が必要以上に反応して、透明な鼻水がたくさん出やすくなります。

花粉でもダニでも、引き金の物質(アレルゲン)に鼻の粘膜が反応して起きるのが、アレルギー性鼻炎です。どちらも、くしゃみ、水のような鼻水、鼻づまりが主な症状です[7]。

では、何が呼び名を分けているのでしょうか。原因の物質が飛んでいる時期にだけ症状が出るものを「季節性」(一般に花粉症)、一年中出るものを「通年性」と呼びます[1]。

それなら、引き金がいつ飛んでいるかが手がかりになりそうです。

鼻水はもともと、鼻に入った花粉・ウイルス・細菌などを洗い流す防御反応とされる[8]。アレルギー性鼻炎では、この反応が過剰になり、透明な鼻水が多く出やすい。

では、花粉症とダニの鼻炎は何が違うのか。どちらもアレルギー性鼻炎に含まれ、主な症状はくしゃみ、水様性の鼻水、鼻づまりだ[7]。

違いは、引き金の物質と症状の出る時期にある。原因が飛散する時期だけ症状が出るものが季節性(一般に花粉症)、一年中出るものが通年性で、後者の代表的な原因がダニやハウスダストだ[1]。なお、鼻アレルギー診療ガイドライン2024年版は、この2つに加えて局所アレルギー性鼻炎や職業性アレルギー性鼻炎もサブタイプとして紹介している[9]。

そうなると、季節性の側では、症状が出る時期から、原因になった花粉を推定できる場合がある。

2. いつ でるかで、ひきがねが わかるって ほんとう?

2. 症状の出る季節から、原因の花粉を推理する

2. 症状の出る季節から原因花粉を推定する

かふんは、しゅるいごとに とぶ じきが ちがいます[2]。

スギや ヒノキは、はるが ちゅうしんです。イネの なかまは、はるから はつあきまで。ブタクサや ヨモギは、なつの おわりから あきに とびます。

だから、「いつ はなみずが でるか」を おぼえて おくと、どの かふんが あやしいか、見当を つけられます。

ただし、かふんは はるだけでは ありません。あきに でる子も います。

では、いちねんじゅう つづく はなみずの ひきがねは、どこに いるのでしょう。

環境省の花粉症のマニュアルによると、スギやヒノキの花粉は春が中心で、秋にも少し飛ぶことがあります。イネ科(カモガヤなど)は春から初秋、ブタクサやヨモギは夏の終わりから秋に飛びます[2]。

そのため、自分がどの季節に症状が出るかで、原因になっている花粉を推定できます。春の鼻水ならスギやヒノキ、秋の鼻水ならブタクサなどが疑われる、といった具合です。

注意したいのは、「花粉は春だけ」とは言えない点です。秋に飛ぶ花粉もあり、症状が出る時期は花粉の種類によって変わります。

一方、花粉が飛んでいない冬にも鼻水が出る人がいます。その引き金は、どこにいるのでしょうか。

季節性では、症状が出る時期そのものが手がかりになる。環境省のマニュアルは、スギ・ヒノキは春が中心(秋にも少量)、イネ科(カモガヤ、オオアワガエリなど)は春から初秋、ブタクサ・ヨモギ・カナムグラは夏の終わりから秋に飛散するとし、自分の症状が出る季節から原因花粉を推定できると述べている[2]。

この推定は、ある時期に飛ぶ花粉の種類が限られているから成り立つ。裏を返せば、「花粉症は春だけ」という理解は不正確で、秋に症状が出る型もある。

では、花粉の少ない時期にも、あるいは一年を通して症状が続く場合の引き金は何か。次は、家の中に目を向ける。

3. いちねんじゅう つづくのは、ひきがねが うちの なかに いるから

3. 一年中続くのは、引き金が部屋の中にいるから

3. 通年性の引き金 ── 室内のチリダニと、その死骸・フン

いちねんじゅう つづく はなみずの ひきがねは、へやの なかの ダニの しがいや フンなど だと いわれます[3]。

いえの なかの ダニは 30〜40しゅるい いて、その 9わり いじょうが「チリダニ」です。大きさは 0.3〜0.5ミリほど。ごま つぶより ずっと ちいさいです。

ダニは、ふゆでも あたたかい へやなら います。だから かふんが とばない ふゆでも、はなみずが でることが あります。

かふんと くらべると、ダニの からだは 10ばいいじょう おおきいです[4]。でも、ひきがねに なるのは、からだそのものより、こなのように こまかく なった しがいや フンです。

たいさくには、そうじきや ぞうきんで ゆかを そうじする、ふとんや もうふを みずで まるあらいする、などが あります[3]。

家の中のダニは約30〜40種いて、そのうち90%以上がチリダニ(ヒョウヒダニ)です。体長は0.3〜0.5mmほど。その死骸やフンも含めて、ダニアレルギーの原因になります[3]。

冬でも、暖房のよく効いた部屋ではダニが発生しています。そのため、花粉の飛ばない季節にも症状が出ることがあります。「通年性」と呼ばれるのは、引き金が一年中、家の中にいるからです。

大きさを比べると、おもしろいことが分かります。スギ花粉は約30μm(0.03mm)なので[4]、チリダニの体長は花粉の10〜17倍ほどです(計算)。ただし、アレルゲンになるのはダニの体そのものではなく、フンや死骸のような細かい粒の部分です。

対策としては、電気掃除機や雑巾で床を掃除する、布団や毛布を水で丸洗いする、といった方法が紹介されています[3]。

引き金が違えば、人によって出やすい型も変わりそうです。では、年齢ではどうなのでしょう。

通年性の代表的な原因は、ハウスダストとダニだ[1]。大阪府の資料によると、家の中のダニ約30〜40種のうちチリダニ(ヒョウヒダニ)が90%以上を占め、体長は0.3〜0.5mm。死骸やフンも含めてダニアレルギーの原因になる[3]。

なぜ一年中なのか。冬でも暖房の効いた室内ではダニが発生しているため、花粉のない時期にも症状が出ることがあるからだ[3]。ダニの繁殖には季節変動があり、重さに多少の季節差が出ることはあるが、症状が季節で完全に消えるとは限らない。

大きさの比較には注意が要る。スギ花粉は約30μm(0.03mm)で[4]、チリダニの体長0.3〜0.5mmは、計算上は花粉の10〜17倍ほどになる。しかし、アレルゲンになるのは体そのものではなく、フンや死骸などの細かい粒だ。ダニ本体と花粉の大きさ比べを、アレルゲン粒子の大きさ比べと混同してはならない。

大阪府の資料は、アレルゲンの除去に有効な対策として、電気掃除機や雑巾による床の掃除、布団・毛布の水による丸洗いを挙げている[3]。

では、この2つの型は、年齢でどう分布しているのか。

4. ねんれいで、おおい かたが いれかわる?

4. 年齢別の調査では、0〜4歳は通年性、5〜9歳からスギが上回る

4. 年齢別の有病率 ── 通年性とスギ花粉症の逆転

2019ねんの ちょうさでは、ねんれいで おおい かたが かわっていました[6]。

0〜4さいでは、つうねんせいが 5.1%、スギの かふんしょうが 3.8%。つうねんせいが すこし おおいです。つうねんせいの げんいんには、ダニや ハウスダストなどが あります。

5〜9さいでは、つうねんせいが 20.9%、スギが 30.1%。ここで スギが うわまわります。

10だいでは、つうねんせいが 38.5%、スギが 49.5%です。

「ちいさい うちは つうねんせいの わりあいが たかく、おおきく なるにつれて かふんしょうが ふえる」と いう せつめいも あります[1]。ただ、この ちょうさは、みみ はな のどを みる おいしゃさんと その かぞくが たいしょうです。にほん ぜんたいの わりあいでは ありません[5]。

2019年に行われた全国調査(耳鼻科の医師とその家族、有効回答19,859名)では、年齢別の割合が次のようになっていました[6]。

  • 0〜4歳:通年性5.1%、スギ花粉症3.8%
  • 5〜9歳:通年性20.9%、スギ花粉症30.1%
  • 10〜19歳:通年性38.5%、スギ花粉症49.5%

この調査では、0〜4歳では通年性がわずかに多く、5〜9歳ではスギ花粉症が上回っています。「年齢が低いうちは通年性の割合が高く、年齢が上がるにつれて花粉症の割合が増える」という解説とも合っています[1]。子どものうちは、ダニの通年性にスギなどの花粉症が重なる例も増えているそうです。

ここで気をつけたいのは、これが年齢別の割合であって、同じ人が成長して型が変わるとは限らないことです。また、調査の対象は耳鼻科の医師とその家族なので、日本全体の人口の値ではありません[5]。それでも、全体の有病率は49.2%、スギ花粉症は38.8%で、1998年や2008年の調査より高くなっています。

この記事の入口の問いに戻ります。春だけ出る子と、一年中出る子の違いは、引き金の物質と、それがいつ現れるかにありました。

日本耳鼻咽喉科学会の2019年の全国疫学調査(耳鼻咽喉科医とその家族、有効19,859名)では、アレルギー性鼻炎全体の有病率が49.2%、スギ花粉症が38.8%で、1998年・2008年の調査より高く、特にスギ花粉症の増加が著しい[5]。

年齢別に見ると、型の主役が入れ替わる[6]。0〜4歳は通年性5.1%・スギ花粉症3.8%で通年性が上だが、5〜9歳では通年性20.9%・スギ30.1%、10〜19歳では通年性38.5%・スギ49.5%と、スギが上回る。解説も、年齢が低いうちは通年性の割合が高く、年齢が上がるにつれて花粉症が増えると述べる。小児ではダニの通年性にスギなどの花粉症を合併する例が増えているともいう[1]。

読み方には限界がある。第一に、これは年齢別の割合であり、同じ個人が通年性からスギへ「変わる」ことを示すものではない。第二に、対象は耳鼻咽喉科医とその家族であり、日本の人口全体の有病率ではない[5]。

入口の問いに戻る。春だけ出る鼻水と一年中出る鼻水は、どちらもアレルギー性鼻炎で、引き金の物質と、それが存在する時期の違いが呼び名を分けている。年齢による構成の違いは、その上に重なって見える現象だ。

自分でも しらべて みたく なったら

自分でも調べてみたくなったら

自分でも調べてみたくなったら

今日できること

はなみずが でた ひと、どこで なにを して いたか、しらべて みましょう。「あさ、ふとんの なか」「そうじの とき」「そとで あそんだ あと」のように、ひを きめて かみに かきます。

すうしゅうかん つづけて みると、「いつも この ばしょで でる」とか「この じきに あつまる」とか、ひきがねの ヒントが 見えて くるかもしれません。きせつの ちがいまで 見たい ときは、きせつを こえて つづけます。びょうきの はんだんは、おいしゃさんに おねがいしましょう。

こうしきの 情報じょうほう

かんきょうしょうの ホームページに、かふんの とぶ じきの せつめいが あります。

今日できること

鼻水やくしゃみが出た日を、カレンダーやノートに書いてみましょう。「朝の布団の中」「掃除のとき」「外で遊んだあと」など、場所や場面も添えます。

数週間続けると、「いつも同じ場面で出る」といった傾向が見えてくるかもしれません。季節の違いまで見たいときは、季節をまたいで続けます。ただし、原因の判断は自分ではできません。気になるときは、耳鼻科などで相談してください。

公式情報

環境省の「花粉症環境保健マニュアル」に、花粉の種類ごとの飛散時期の説明があります。

今日できること

症状が出た日の日付・場所・場面(掃除中、屋外、就寝時など)を、数週間にわたって記録してみる。季節の違いまで見るなら、季節をまたいで続ける。季節に偏るのか、場所や場面に偏るのかを見ると、季節性と通年性の違いを自分のデータで考えられる。原因の診断は医療機関で行われるもので、記録は相談時の材料にとどめる。

資料を読むなら

環境省「花粉症環境保健マニュアル」第2章(花粉の飛散時期)、日本耳鼻咽喉科学会会報123巻6号(2019年の全国疫学調査)、大阪府「ダニとアレルギー」。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

今回は、症状の分類は医療情報サイト、飛散時期は環境省、ダニは大阪府と兵庫県、年齢別の割合は学会誌と学会資料を突き合わせた。症状の説明は医療情報サイトとMSDマニュアル、ガイドラインの紹介はニュース記事を参照した。

  1. メディカルノート「アレルギー性鼻炎」(監修:香取幸夫・東北大学病院) https://medicalnote.jp/contents/200804-005-LA (季節性と通年性の分類、年齢による型)
  2. 環境省「花粉症環境保健マニュアル」第2章 https://www.env.go.jp/chemi/anzen/kafun/manual/2_chpt2.pdf (花粉の飛散時期)
  3. 大阪府「ダニとアレルギー」 https://www.pref.osaka.lg.jp/ibarakihoken/eiseika/dani.html (チリダニ、冬でも発生、対策)
  4. 兵庫県「スギ花粉」 https://web.pref.hyogo.lg.jp/iphs01/kenkokagaku/pollen_2.html (スギ花粉の大きさ)
  5. 日本耳鼻咽喉科学会会報 123(6):485(J-STAGE) https://www.jstage.jst.go.jp/article/jibiinkoka/123/6/123_485/_article/-char/ja/ (2019年の全国疫学調査の全体の有病率)
  6. 日本小児アレルギー学会 資料(松原ら2020を要約) https://www.jspaci.jp/uploads/2021/12/005_allergic-rhinitis_0011_0001.pdf (年齢別の割合)
  7. MSDマニュアル家庭版「鼻炎」 MSDマニュアル家庭版の該当ページ (鼻炎の主な症状)
  8. メディカルノート「透明な鼻水」 https://medicalnote.jp/symptoms/%E9%BC%BB%E6%B0%B4%E3%81%8C%E9%80%8F%E6%98%8E (鼻水の役割)
  9. 鼻アレルギー診療ガイドライン2024年版の紹介(ケアネット) https://www.carenet.com/news/general/carenet/60472 (サブタイプの紹介)

なおした ところ

更新履歴

更新履歴(改版の記録)

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