このサイトは、ほんの入り口です

ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

水族館の 大きな すいそうの 水は、なぜ きれいな まま なの?

水族館の大水槽の水は、替えずにどうやってきれいに保たれているのか

水族館の大水槽の水は、循環ろ過でどこまできれいに保てるのか

分野:技術

四国の 水族館には、650立方メートルも 水が 入る とても 大きな すいそうが あります。この 水は、およそ 20時間で ぜんぶ、そうじの そうちを 通りぬける と いわれて います。

水を すてて 新しく するのでは ないのに、どうして きれいなのでしょう。この ページを 読むと、水が ぐるぐる まわる ようすと、そうじを して くれる 目に 見えない 生きものの こと、それでも のこる よごれの こと が わかります。

四国水族館の水槽「綿津見の景」は水が650立方メートルあり、およそ20時間で水のすべてがろ過装置を通る、と地元局の取材で紹介されています[1]。水を捨てて新しい水に替えるのではなく、同じ水を回し続けてきれいにしているのです。

水を回すだけで、なぜ魚が暮らせる水が保てるのでしょうか。じつは、ろ過を重ねても減らない汚れが、最後に残ります。この記事を読むと、ろ過装置の中の流れ、主役の目に見えないバクテリア、最後に残る汚れへの対策が分かります。

四国水族館の大水槽「綿津見の景」は650立方メートルで、水のすべてがおよそ20時間でろ過装置を通る。これは新しい海水に入れ替える速さではなく、同じ水を循環させる速さである[1]。では、循環させるだけで水は保てるのか。保てないなら、何が残るのか。

この記事を読むと、循環ろ過の流れ、汚れを分解する細菌の働きと限界、ろ過しても最後に残る硝酸とその対策が分かる。

読み方を切り替えられます。画面の上にある「よみかた」のボタンで、小学校低学年むけ・小学校高学年むけ・中学生むけの3つの書き方に切り替わります。むずかしいと思ったら、いつでもやさしい方に戻ってください。選んだ読み方はブラウザが覚えているので、次に別の記事を開いたときも同じ読み方で始まります。

1. 水は まいにち かえて いるの?

1. 水は毎日替えているのか、それとも回しているのか

1. 水槽の水は入れ替えるのではなく、回してきれいにする

大きな すいそうの 水を ぜんぶ すてて、新しい 水を 入れる。それを まいにち くりかえすのは、とても たいへんそうです。

四国の 水族館では、水を すてません。すいそうの 下から 水を 出して、そうじの そうちに 通し、きれいに して、上から もどします。そうちは 24時間 うごいて います。

650立方メートルは、650000リットルです。20時間で ぜんぶ 通ると すると、1秒に 9リットルほど。2リットルの ペットボトルが、4本 ぐらい 毎秒 流れる いきおいです。

ほかの 水族館も あります。アメリカの ジョージア水族館では、1.5時間ほどで すいそうの 水が ひとまわり すると、そうちを 作る 会社の しりょうに 書かれて います。見せる ための 水の 99パーセント いじょうを、くりかえし 使えるそうです。

水を すてずに まわして 使います。でも、まわすだけで きれいに なる わけでは ありません。そうちの 中で、何が おきて いるのでしょう。

大きな水槽の水を毎日全部捨てて新しい海水を入れるのは、現実的ではありません。四国水族館では、水槽ごとにろ過装置があり、24時間動いています。水は水槽の下から装置へ出て、きれいになってから、魚に合わせた水温にして水槽の上から戻されます[1]。

速さを計算してみます。650立方メートルは65万リットルです。20時間ですべて通るとすると、平均して1時間に3万2500リットル、1秒あたり約9リットルになります。2リットルのペットボトルが、毎秒4本以上、装置に吸い込まれていく勢いです。ただし「水が入れ替わる」といっても、新しい水に替わるのではなく、ろ過装置を一巡するという意味です。

ほかの水族館では、もっと速い例もあります。アメリカのジョージア水族館は、設備を作る会社の事例紹介によると、水族館全体で約1000万ガロン(約3万8000立方メートル)の水をポンプで送ってろ過し、水槽の水がおよそ1.5時間で一巡します。展示の水の99%以上を再利用できる、とも書かれています[2]。館や水槽によって回る速さは違うので、この2つの数字をそのまま比べることはできません。

では、装置を通るあいだに、水は何をされているのでしょうか。

四国水族館の報道によれば、各水槽にろ過装置があって24時間動き、水は水槽の下から出て装置を通り、水温を魚に合わせたうえで水槽の上部から戻される[1]。650立方メートルの水がおよそ20時間で一巡するとすれば、平均して毎時約3万2500リットル、毎秒約9リットルが装置を流れる計算になる。この「入れ替わる」は、新しい海水への交換ではなく、同じ水の循環である。しかも1館の例なので、他館にそのまま当てはめることはできない。

実際、規模も速さも館によって大きく違う。ジョージア水族館の事例紹介(設備の供給側であるメーカーによる文書)では、水族館全体で約1000万ガロン(1ガロンを約3.785リットルとして約3万8000立方メートル)の水をポンプで送ってろ過し、水槽の水がおよそ1.5時間で一巡すると述べる。展示の水の99%以上を再利用できるともいう[2]。ただし、これは供給側の文書であり、水槽ごとの条件も異なるため、四国の20時間と優劣を比べるものではない。

水を捨てずに回すからこそ、問題は「回す途中で水から何を取り除くか」に移る。装置の中を順に見る。

2. そうちの 中で、水は どう きれいに なるの?

2. ろ過装置の中で、水はどんな順にきれいになるのか

2. 水族館のろ過装置は、ごみを取り除き、バクテリアで分解し、水温を調整する

そうちに 入った 水は、まず すなの そうじを 通ります。すなは、小さな ごみを こして 取ります。ちょうど コーヒーの フィルターのようです。

ただし 本当は、すなの 役目は ごみを こす ことだけでは ありません。すなの 中には、目に 見えない バクテリアが たくさん います。この 生きものが、魚の ふんや えさの 食べのこしから 出る どくを、どくの 少ない ものに かえて くれます。

そのあと、目に 見えない 光で、ばいきんを へらす そうじも します。さいごに、魚の すむ 水に ちょうど いい 水温に して、すいそうに もどされます。

魚が すんで いるかぎり、ふんや 食べのこしは 毎日 出ます。それを こまめに かたづけて くれるのが、すなの バクテリアなのです。この 生きものは、どうやって どくを へらすのでしょう。

四国水族館の装置の流れを、順番に並べてみます。

水槽から出た水は、まず装置のタンクにある砂を通ります。砂は、一定の大きさ以上のごみをこし取ります。次に、砂に住むバクテリアが、魚のふんなどから出るアンモニアを分解します。そのあと紫外線で殺菌する工程などを経て、水温を調整し、水槽の上から戻すと紹介されています[1]。

砂が二つの仕事をしているのが、この装置のおもしろいところです。砂粒のすき間は、ごみを引っかけるふるいになるだけでなく、バクテリアが住みつく場所にもなっています。

ジョージア水族館の例では、この砂ろ過槽が、水族館全体でほぼ100基もあります[3]。大きな水族館では、砂を使った装置が何十個も並んで働いているということです。

ごみを取るのは目で見えますが、魚にとってより危ないのは、見えない汚れです。アンモニアとは何で、バクテリアはそれをどうするのでしょうか。

四国水族館の流れは、水槽下部から取水し、タンク内の砂で一定以上の粒を取り除き、砂中のバクテリアでアンモニアを分解し、紫外線殺菌などを施し、水温を調整して上部から戻す、というものである[1]。紫外線殺菌の詳しい条件は、参照した資料からは分からない。

ここで注目したいのは、砂の二重の役割である。砂層は、粒子を物理的にこし取るフィルターとして働く。一般に、ろ材は取った粒子をそのままにしておけば腐って水に溶け戻るため、系から取り除く必要がある[4]。その一方で砂粒の表面は、バクテリアが付着して増える足場にもなる。だから「砂ろ過槽」は、物理ろ過と生物ろ過を一つの槽で兼ねている。

この方式は大規模館でも使われ、ジョージア水族館の生命維持装置は砂ろ過槽をほぼ100基備える[3]。

ごみは砂でこせる。しかし魚に毒となる汚れは、こし取るのではなく、別の物質に変えなければならない。その変換は、どう進むのか。

3. 目に 見えない バクテリアは、どくを どう かえるの?

3. バクテリアは、毒のアンモニアを何に変えるのか

3. 硝化:アンモニアが亜硝酸を経て硝酸に変わる

魚の ふんや 食べのこしは、くさって いくと アンモニアに なります。アンモニアは、魚に とって どくです。すいそうの 水に 少しずつ たまれば、魚が くるしく なります。

そこで バクテリアの 出番です。まず ある バクテリアが、アンモニアを べつの ものに かえます。つぎに、ちがう バクテリアが、それを また べつの ものに かえます。さいごに できる ものは、もとの アンモニアより どくが 少ない と いわれます。

たとえば、どくの 多い ものを、少しずつ どくの 少ない ものに うけわたして いく リレーのようです。ただし 本当は、リレーの せんしゅではなく、生きものの はたらきで 少しずつ かわって いきます。

この バクテリアが すみつくまでには、数週間 かかると いわれます。だから 新しい すいそうは、魚を 入れる 前に、少し 時間を かけて 水を まわします。

でも、これで 水が すっかり きれいに なるのでしょうか。

魚のふんや食べ残しは分解されてアンモニアになり、アンモニアは魚にとって強い毒です。そこで、細菌が二段階で変えていきます。まず細菌がアンモニアを亜硝酸に、別の細菌が亜硝酸を硝酸に変え、そのたびに毒性が下がります[4]。

この変化を硝化と呼びます。横浜市の下水処理の説明では、硝化は酸素のある条件で硝化菌が働く反応とされています[5]。水が装置の中を絶えず流れ、砂のすき間に酸素を含んだ水が届き続けるのは、バクテリアが働きやすい環境を保つためだと考えられます。ただし、ここは下水処理の資料を水族館に重ねた推測です。

この細菌が新しいろ過槽に住みついて安定するまでには、数週間かかるといわれます[4]。水族館が新しい水槽に魚をすぐ入れず、水を回して準備する時間をとるのは、こうした事情と関係がありそうです。

ところで、アンモニアは毒性の低い硝酸まで変わると、そこで終わりなのでしょうか。その前に、バクテリアが手を出す前の汚れを取る方法があります。

魚のふんや食べ残しなどの有機物が分解されるとアンモニアが生じ、魚には強い毒となる。ろ過槽では、ある細菌がアンモニアを亜硝酸に、別の細菌が亜硝酸を硝酸に変え、毒性は段階的に下がる[4]。この反応は硝化と呼ばれ、横浜市の下水の高度処理の説明では、酸素のある条件で硝化菌がアンモニアを硝酸にする反応とされる[5]。なお、菌の属名は資料によって記述が分かれるので、ここでは挙げない。

二つ条件がある。第一に、この細菌がろ過槽に定着して安定するのに数週間かかる[4]。だから新しい水槽は、魚を入れる前に水を回して準備する必要がある。第二に、硝化は酸素を使う反応なので、水が止まれば酸素が減り、働きが落ちる。この点は下水処理の説明からの推論であり、水族館の槽そのものを測った資料があるわけではない。常時循環させる理由の一つと考えられる。

この仕組みは、砂ろ過槽がバクテリアの住みかを兼ねることで成り立つ。

ここまでで、アンモニアは毒の弱い硝酸になった。ところが、分解の「前」に取ってしまえるなら、バクテリアの負担も減る。その役を担うのが、次の泡である。

4. あわや オゾンで、水の よごれを どう とるの?

4. 泡やオゾンは、バクテリアでは取れない汚れをどう取るのか

4. 分解の前に取る:泡によるタンパク質の除去と、溶けた汚れの処理

よごれの 中には、水に とけて しまって、すなでは こせない ものも あります。そこで 使うのが、あわです。

水の 中で、とても 小さな あわを たくさん 出します。すると、よごれが あわの 表面に くっつきます。あわごと すくい取れば、よごれを とる ことが できます。これを 「プロテインスキマー」と よびます。

この あわは、ふんや 食べのこしが くさって アンモニアに なる 前に、よごれを 取れるのが とくちょうだと されて います。

ジョージア水族館では、すなの そうじ、あわ、そして オゾンという 気体を 使った きれいに する しかけを 組み合わせて います。オゾンは、水が すき通って 見えるように するために 使われます。

これで どくは へりました。でも、まだ 水の 中に のこる ものが あります。

砂ではこせない、水に溶けた汚れもあります。そこで使われるのが、微小な泡を使ったプロテインスキマーです。水中に細かい泡を出すと、泡の表面にたんぱく質などの有機物や細菌がくっつき、泡ごと取り除けます。腐ってアンモニアになる前に汚れを取れるのが特徴です[6]。泡が細かいほど、汚れがくっつく表面が広くなります。

溶けた汚れを取るには、活性炭を使う方法もあります。一般のろ過の説明でも、取ったごみを水から取り出さないと、腐って水に溶け戻ってしまうと指摘されています[4]。ごみを「つかまえる」だけでなく、「水から外へ出す」までが、ろ過の仕事です。

ジョージア水族館の生命維持装置は、砂ろ過、プロテインスキマー、オゾン殺菌の組み合わせです。オゾンは、水の透明度を高めるために使われています[3]。

こうして、見える汚れも、溶けた汚れも、毒も、順に取り除かれていきます。それでも、最後に一つだけ残るものがあります。

砂ではこせない溶存の有機物は、泡で取る方法がある。プロテインスキマーは水中に微小な泡を発生させ、その界面に有機物や細菌を吸着させて除く装置で、たんぱく質などを腐敗する前に除去できる点が特徴とされる[6]。

硝化は、いったん生じたアンモニアを変える工程であり、スキマーは、アンモニアの元になる有機物を先に減らす工程である。だから両者は競合せず、役割が重ならない。溶けた汚れには活性炭を使う方法もあり、物理ろ過で取った粒子は系外へ取り除かないと腐って溶け戻る[4]。

ジョージア水族館の生命維持装置は、砂ろ過、スキマー、オゾン殺菌の組み合わせで構成され、オゾンは水の透明度を高めるために使われる[3]。オゾンの注入量や接触時間などの詳細は、参照した資料に載っていない。

これらを重ねても、一つの物質は減らない。硝化の終点である硝酸である。

5. さいごに のこる 「しょうさん」は、どこへ 行くの?

5. 最後に残る硝酸は、どこへ行くのか

5. 硝酸は残り続ける:換水と脱窒という二つの対策

アンモニアが かわった「しょうさん」は、どくは 少ないのですが、ろかを しても 水に のこります。たまりつづければ、いつか 水を いれかえる ひつようが 出てきます。

そこで 水族館では、ろかの ほかに、水を 少し すてて 新しい 海の 水を 入れる、という やりかたも 使われて きたと いわれます。でも、海水を くんで はこぶのは 手間も お金も かかります。

そこで、しょうさんを 「ガス」に かえて にがす 研究が 進みました。たいせいけんせつと ながおかぎじゅつかがくだいがくは、しおからい 水でも はたらく バクテリアを つかって、しょうさんを ちっその ガスに かえる ほうほうを 作りました。この 研究は、どぼくがっかいの しょうを もらったと しょうかい されて います。

ジョージア水族館でも、バクテリアを 入れた 入れ物で、しょうさんを へらして います。

水族館の 人たちは、水を 回して きれいに するだけでなく、水の 中の せいぶんを はかって、足りない ものを 足す こともします。四国水族館では、ろかを つづけると ヨウそなどが へるので、しょくいんが 海水を はかって、足りない 分を 足すそうです。

硝酸は毒性が低いものの、ろ過を重ねても水に残ります。一般のろ過の説明でも、硝酸はたまり続けるため、水の一部を入れ替える部分換水が必要になると書かれています[4]。

水族館の飼育水でも同じです。土木学会の環境賞の紹介によると、従来の硝化処理ではアンモニアは除去できても亜硝酸や硝酸が残るため、海水の補給と排水に頼ってきました。大成建設と長岡技術科学大学は、高い塩分にも耐える脱窒菌を使って硝酸を窒素ガスに変えて逃がす方式を開発し、土木学会の環境賞を受けたと紹介されています[7]。

脱窒は、硝化の反対の向きの反応です。横浜市の下水処理の説明では、酸素のない場所で脱窒菌が硝酸を使い、最終的に硝酸が窒素ガスに還元されるとされています[5]。つまり、硝化は酸素のある場所、脱窒は酸素のない場所と、働く場所が分かれています。これは下水処理の資料の説明で、水族館の槽の中を直接測ったものではありません。

ジョージア水族館は、有益なバクテリアを入れた容器で脱窒を行い、約630万ガロン(約2万4000立方メートル)のOcean Voyager展示にたまる硝酸を減らしています[3]。

水の質は、汚れを取るだけでは決まりません。四国水族館では、ろ過を続けるとヨウ素などが減るので、職員が定期的に海水を測り、不足分を足すと説明されています[1]。

硝化の終点である硝酸は、毒性は低いが、ろ過だけでは減らない。一般のろ過の説明では、硝酸は蓄積するので部分的な換水が必要になるとされる[4]。ところが海水の飼育水では、換水には海水の補給と排水が伴うので、量を減らしたい事情がある。

土木学会環境賞の紹介によると、従来の硝化処理ではアンモニアは除去できても、亜硝酸や硝酸が残るため、水族館は海水の補給と排水に頼ってきた。大成建設と長岡技術科学大学は、高塩分に耐える脱窒菌で硝酸を窒素ガスにして逃がす循環式の生物脱窒システムを開発し、環境賞を受けたと紹介されている[7]。資料は英文の要旨で、削減率の具体的な数値は示されていない。

脱窒の原理は、下水処理の説明にある。脱窒菌は酸素のない所で硝酸を使って有機物からエネルギーを取り出し、その結果、硝酸が窒素ガスに還元される[5]。流れはアンモニアから(亜硝酸を経て)硝酸、そして窒素ガスである。硝化が酸素のある場所、脱窒が酸素のない場所と、働く条件が逆なので、同じ槽ではなく別の槽や容器で行うことになる。これは下水処理の資料の説明で、水族館の槽そのものの説明ではない。

実際、ジョージア水族館は、砂ろ過、スキマー、オゾンに加えて、有益なバクテリアを入れた容器で脱窒を行い、約630万ガロン(約2万4000立方メートル)のOcean Voyager展示にたまる硝酸を減らしている[3]。

水質は汚れの除去だけでは決まらない。四国水族館では、海水を地下からくみ上げて循環させており、ろ過を続けるとヨウ素などが減るため、職員が定期的に海水を測定して不足分を足す[1]。水族館の水は、取り除くことと足すことの両方で整えられている。

6. 水の 通り道を さがして みよう

6. 家でろ過を試し、水族館で水の通り道を探す

6. ろ過の限界を手で確かめ、原典に当たる

きょう できる こと

コップの 水に 土を 少し まぜて、コーヒーの フィルターに 通して みましょう。つぎに、色水(絵の具を 少し とかした 水)を 通します。土の つぶは フィルターに のこりますが、とけた 色は ほとんど とれない ことが 多いはずです。目に 見える つぶと、水に とけた よごれは、べつの そうじが いる、という 話が 少し わかります。

水は こぼれやすいので、ぬれても いい 場所で、おとなと いっしょに やりましょう。

水族館に 行ったら

大きな すいそうの 上や 下に、水の 出入りする ところが ないか、さがして みましょう。館に よっては、見えない ところに あるかも しれません。

家で試す

コップの水に土を少し混ぜ、コーヒーのフィルターに通してみます。土は残ります。次に、絵の具を少し溶かした色水を通します。多くの場合、色はほとんど取れません。粒をこし取る物理ろ過と、溶けた汚れの処理が別々に必要になる理由を、手で確かめることになります。水がこぼれやすいので、ぬれてもよい場所で、おとなと一緒に行ってください。

水族館で探す

大水槽の周りで、水が入ってくる場所や出ていく場所がないか見てみましょう。四国水族館では水が下から出て上から戻されると紹介されていますが[1]、館や水槽によって配置は違うかもしれません。気づいたことを、係の人に聞いてみるのもよいでしょう。

もっと知りたくなったら

硝酸を窒素ガスに変える研究の紹介は、土木学会の環境賞のページ[7]にあります。脱窒の開発の背景は、日本語で読めるこの紹介から、くわしく追えます。

手で確かめる

土を混ぜた水と、色水を、それぞれコーヒーフィルターに通す。土は残り、色は多くの場合ほとんど取れない。物理ろ過が粒子をこし取り、溶けた汚れには別の処理(泡や活性炭など)が要る、という第4章の区別を、手で確かめることになる。水がこぼれやすいので、ぬれてもよい場所で、おとなと一緒に行う。

資料を読むなら

四国水族館の流れは報道[1]、ジョージア水族館の規模と再利用率は事例紹介[2]と持続可能性の事例[3]、硝化と部分換水は一般的なろ過の説明[4]、泡による除去は[6]、硝化と脱窒の原理は横浜市の下水処理の説明[5]、水族館向け脱窒の開発は土木学会の紹介[7]にある。英語の資料は、メーカーの事例紹介であることに注意して読む必要がある。

水族館で確かめる

展示の水の出入り口を探し、ろ過の流れが見える場所があるかを確かめるとよい。館ごとに方式が違うことを念頭に、係の人に質問してみるのも、一次情報を得る方法である。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

本文で使った資料です。

  1. KSB瀬戸内海放送 四国水族館のろ過(ニュース記事). https://news.ksb.co.jp/article/14768605 (ろ過の流れ・循環の速さ・海水の測定)
  2. Xylem. WEDECO ozone generators and water clarity at Georgia Aquarium(事例紹介). https://www.xylem.com/en-tw/resources/case-studies/wedeco-ozone-generators-water-clarity-georgia-aquarium-ga/ (ジョージア水族館の規模・一巡の時間・再利用率。メーカー資料)
  3. Xylem. Georgia Aquarium exceeds sustainability goals(事例紹介). https://www.xylem.com/en-uk/resources/case-studies/georgia-aquarium-exceeds-sustainability-goals/ (砂ろ過槽の数・オゾン・脱窒の取り組み。メーカー資料)
  4. Wikipedia. Aquarium filter. https://en.wikipedia.org/wiki/Aquarium_filter (アンモニアが硝酸に変わる流れ・物理ろ過・部分換水)
  5. 横浜市 下水の高度処理(窒素除去のしくみ). https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/machizukuri-kankyo/kasen-gesuido/gesuido/shori/kodoshori/nitrogen/chissoshikumi.html (硝化と脱窒の条件。下水処理の説明)
  6. Wikipedia. プロテインスキマー. https://ja.wikipedia.org/ (泡による有機物の除去)
  7. 土木学会 環境賞(水族館向け脱窒システム). https://ftp.jsce.or.jp/prize/tech/files/2013_13.shtml (水族館向け脱窒システムの開発)

なおした ところ

更新履歴

更新履歴(改版の記録)

  •  初版を公開。

このサイトでは、公開した記事の本文は原則として書き直しません。誤りが見つかったときや、内容が古くなったときだけ手を入れ、その理由をこの欄に残します。