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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

はずかしいと、どうして 顔が 赤く なるの?

恥ずかしいと、どうして顔が赤くなるのでしょうか

恥ずかしいと顔が赤くなるのはなぜか ── 血管の反応と、赤面の役割をめぐる研究

分野:からだ

はずかしい とき、顔が あつく なって、赤く なった ことは ありませんか。かくしたいのに、とまりません。ところが、しゃしんと 文章を 使った じっけんでは、赤く なった 人の ほうが、まわりから よく 見られる ことが 多かった、と ほうこくされて います。

顔の 中では、何が おきて いるのでしょう。そして、赤く なる ことは、何の 役に 立つのでしょう。この ページを 読むと、赤く なる しくみと、まだ 分かって いない ことが わかります。

恥ずかしい場面で、顔が赤くなるのを止められなかった経験はありませんか。隠したくて仕方がないのに、実験では、赤くなった人のほうがまわりから好意的に評価されることが多かったと報告されています[7]。

顔は、どうして赤くなるのでしょう。そして、それは何の役に立っているのでしょう。この記事を読むと、赤くなるときに顔の皮膚で起きていること、その指令を出す神経がまだ決着していないこと、赤面の役割についての研究の現在地が分かります。

恥ずかしさで頬が赤くなるのは、ふつう隠したい反応だ。ところが、規則違反や失敗の場面を文章で読んだ参加者に、赤面した人としない人の写真を評価させると、赤面した人のほうが好意的に評価されることが多かった[7]。

赤面は顔の皮膚の血管の反応として理解されている。だがその血管を広げる神経の経路は、研究者の間で説明が分かれたままだ。この記事では、血管の反応、神経の経路をめぐる議論、赤面の役割を調べた実験とその限界が分かる。

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1. 顔の 中では、何が おきて いるの?

1. 赤くなるとき、顔の皮膚では何が起きているのか

1. 顔が赤く見えるとき ── 皮膚の血管で起きていること

赤く なる とき、顔の 皮ふの 下では、血管けっかんが ひろがって、いつもより たくさんの 血が 流れて います[1]。血の 色が 皮ふごしに 見えるので、顔が 赤く 見えます。

水の 入った ホースを にぎって いた 手を ゆるめると、水が たくさん 流れますね。それに 少し にて います。ただし 本当は、血管けっかんを 手で にぎって いる わけでは ありません。

この 動きは、自分の 気もちでは 止めにくい、と せつめいされて います[1]。かくそうと 思っても おきて しまう ことが あるのは、そのためだと 考えられます。

走った あとや、おふろの あとにも、顔は 赤く なります。どちらも 顔の 血の 流れの かわり方です[3]。では、体の 中で、どうして 顔ばかり 目立つのでしょう。

皮膚の下の血管が広がる

赤面は、顔の皮膚の血管が広がって血流が増え、皮膚が赤く見える現象と理解されています[1]。血管が広がって流れる血の量が増えるほど、皮膚の赤みは強く見えます[2]。

自分の意志で起こしたり、隠そうとして止めたりすることは難しい、と説明されています[1]。気持ちに合わせて、体が自動的に起こす反応だからです。

走ったあとの赤みも、同じ顔の血管の反応

顔が赤くなるのは、恥ずかしいときだけではありません。体を温めたときにも、顔は赤くなります。1987年の研究は、体を温めたときと恥ずかしがらせたときの両方で、額と頬の発汗や紅潮を調べました[3]。どちらも顔の血管の反応ですが、きっかけは別々です。

それにしても、体のほかの場所より、なぜ顔ばかりが赤く目立つのでしょうか。

赤面とは、顔の皮膚の血管が拡張して血流が増え、皮膚が赤く見える現象だと理解されている[1]。血の色が皮膚を通して見えるため、血流が増えるほど赤みが強く見える、という単純な構図だ。意志で起こすことも、隠そうとして止めることも難しく、自律的な反応として説明される[1]。

ここで注意したいのは、顔の紅潮は感情だけの現象ではない、という点だ。体を温めたときにも顔は赤くなる。1987年のDrummondとLanceの研究は、顔への交感神経の経路に片側の障害がある23人について、体を温めたときと恥ずかしがらせたときの額と頬の発汗・紅潮を調べた[3]。比べる意味は、温めたときの赤みと感情による赤みが、同じ経路を通っているのかを確かめることにある。

では、同じ血管の反応が、なぜ顔で特に目立つのか。そして、その血管を広げる指令は、どの神経が出しているのか。

2. どうして 顔ばかり 赤く 見えるの?

2. なぜ顔、とくに頬が赤くなりやすいのか

2. 赤みが顔に出やすい理由と、指令の経路をめぐる食いちがい

顔の 皮ふでは、とくに ほおの 血の くだが 太くて、表面に 近い、と いわれます[5]。だから 血が ふえると、すぐ 目に 見えるのです。赤みは、くびや むねの 上の ほうまで ひろがる こと も あります。

赤く なりやすい 人は 血の くだが 多いのかと いうと、そう いう わけでは ない、と される ようです[5]。はんのうの 強さが 人に よって ちがう、と 考えられて います。赤く なりやすい 人も、なりにくい 人も います。どちらが よい わるい では ありません。

「血管けっかんを ひろげなさい」と 言いつける のは、神経しんけいです。ある お医者さんは、その 一つが 脳のうの おくの ほうから 出て いて、はずかしさや おこった ときの 赤みで 大切だと 考えられる、と せつめいして います[2]。

ところが、ほかの けんきゅうでは、首を 通る べつの 神経しんけいが 主な 通り道だ、と けつろんして います[3]。どの 神経しんけいが 主役なのかは、まだ はっきり して いません。

顔は、血流の変化が見えやすい場所

顔の皮膚では、とくに頬の血管が太く、表面に近いといわれます[5]。そのため、血流が増えると、変化が目で見えやすくなります。赤みは、耳や首、胸の上部まで広がることもあります。

赤面しやすい人は、血管の数が多いのでしょうか。そうではなく、反応の強さに差があるのだとされます[5]。赤くなりやすい人もなりにくい人もいて、どちらが優れている、ということではありません。

広げる指令を出す神経は、説が分かれている

顔の皮膚の血管には、血管を縮める交感神経の線維のほかに、顔に特有の、血管を広げる副交感神経の線維があります。この線維は脳幹に由来し、恥ずかしさや怒りに伴う顔の紅潮で重要と考えられています[2]。

ところが、1987年の研究は、感情による赤面でも、首の交感神経の出力が主な経路だと結論しました[3]。さらに1982年には、頬の静脈を取り出して調べた研究が、感情による赤面に関わるかもしれない仕組みを、可能性として提案しています[4]。これは赤面そのものを測った実験ではなく、仮説の提案です。

つまり、どの神経が主役かについて、定説はありません。分かっていないところです。

仕組みは決着していなくても、赤面が何の役に立つのかを調べた研究はあります。

顔の皮膚では、とくに頬の血管が太く、表面に近いとされる。そのため血流の増加が目に見えやすい。赤みは耳や首、胸の上部に及ぶこともある[5]。ただしこれは二次的な資料にもとづく記述だ。また、赤面しやすい人が血管を多く持つわけではなく、反応の強さに差があるとされる[5]。

では、血管を広げる指令は何が出すのか。ここで資料は食いちがう。一つの解説は、顔の皮膚の血管には交感神経の血管収縮線維のほかに、顔の領域に特有の副交感神経性の血管拡張線維があり、脳幹に由来するこの線維が、恥ずかしさや怒りに伴う顔の紅潮で重要だと述べる[2]。脳幹由来ということは、大脳の精神活動の状態と結びつきやすい、という理屈になる。

それに対し、前章の1987年の研究は、感情による赤面でも、首の交感神経の出力が主な経路だと結論した[3]。障害のある側とない側を比べられる患者のデータが根拠なので、説得力は小さくない。一方、1982年のMellanderらは、ヒトの頬の静脈(表層)を取り出し、この静脈に自発的な張りとβ受容体があることから、交感神経性の拡張が感情による赤面に関わる可能性を提案した[4]。ただし赤面そのものを測った実験ではなく、仮説にとどまる。

三つの資料は、交感神経か副交感神経かで一致しない。どちらか一方に決めることはできず、経路は研究途上というのが現状だ。では、仕組みが分からなくても、赤面は何かの役に立っているのだろうか。

3. 赤く なると、まわりの 人は どう 思うの?

3. 赤くなった人は、まわりからどう見られるのか

3. 赤面は信頼を保つ合図か ── 二つの研究と、その限界

2009年の けんきゅうでは、こんな じっけんが ありました。ルールを やぶった 場面や、しっぱいした 場面を 文章で 読んだ 人たちが、顔の 赤い 人と 赤くない 人の しゃしんを 見て、どう 思うかを 答えました[7]。

すると、赤い 顔の 人の ほうが、よく 見られる ことが 多かった と ほうこくされて います[7]。

2012年の べつの けんきゅうでは、きまりわるそうな ようすを 見せた 人は、ほかの 気もちを 見せた 人や、何も 見せない 人より、「人に 親切で、力を 合わせて くれそう」と 見られ、より 多くの ものを わけて もらえました[8]。ただし これは、顔の 赤みだけでは なく、きまりの わるさを 見せた ときの けんきゅうです。

ここから、赤く なる ことは、「ごめんね」「気を つけるよ」を ことばなしで つたえる 合図に なって いる かもしれない、と 考える ことが できます。

ただし、しゃしんと 文章での じっけんです。本当の 友だちづきあいで、いつも ゆるして もらえる、とまでは いえません[7]。

写真と文章で調べた実験

2009年のダイクらの研究では、規則違反(66人の実験)や失敗(62人の実験)の場面を文章で読んだ人が、赤面した人としていない人の写真を評価しました。その結果、赤面した人のほうが好意的に評価されることが多かったと報告されています[7]。

気まずさを見せる人は、親切に見える

2012年のファインバーグらの研究は、5つの実験で、気まずさ(恥ずかしさ)を見せた人が、ほかの感情を見せた人や何も見せない人より、周りから「人に親切で協力的」と見られ、より多くの資源を分けてもらえたと報告しています[8]。これは顔の赤みだけを調べたものではなく、気まずさを見せることの研究です。

言えること、言えないこと

この二つを合わせると、赤面は「悪かった」「気をつけます」という気持ちを、言葉なしに伝える合図として働く可能性がある、と考えることができます。

ただし、評価は写真と文章によるもので、実際の人間関係でいつも許されるとまでは言えません[7]。研究も、それ以上は主張していません。

このような「役割」の考えは、実は150年前の有名な科学者の考えとは、少し違っています。

赤面を「関係を修復する働きを持つ」とみる立場がある。これを調べた2009年のDijk、de Jong、Petersの研究(Emotion誌)では、参加者が規則違反の場面(実験1・66人)または失敗の場面(実験2・62人)を読み、そのうえで赤面した人としない人の写真を評価した。赤面した人のほうが、好意的に評価されることが多かった[7]。

これを補う研究が、2012年のFeinberg、Willer、Keltnerの研究だ。5つの実験で、気まずさを見せた人は、ほかの感情を見せた人や何も見せない人より「親切で協力的」と見られ、観察者から多くの資源を分けてもらえた[8]。ただしこの研究が扱ったのは「気まずさの表出」で、顔の赤みだけではない。赤面の研究と気まずさの研究を、同じものとして並べることはできない。

二つを並べて読むと、気まずさや赤面は、規則違反や失敗のあとで、相手の評価を悪化させにくくする方向に働いたように見える。だが前者は写真と文章による評価で、実際の対面場面の結果ではない[7]。実際の人間関係で必ず許されるとは言えない、という限界がある。

この「役割」の見方は、実は150年前の有名な科学者の考えとは、少し違う。

4. ダーウィンは、赤く なる ことを どう 考えたの?

4. ダーウィンは、赤面をなぜ「最も人間的」と呼んだのか

4. ダーウィンの「自己への注意」説 ── 1872年の考えと現在の位置づけ

「進化」で 有名な ダーウィンも、赤く なる ことが 気に なりました。1872年の 本で、赤面を「あらゆる 顔つきの 中で、いちばん めずらしく、いちばん 人間らしい もの」と 書いて います[6]。

サルは 強く おこると 赤く なるけれど、動物が はずかしさで 赤く なると しんじさせる ためには、たくさんの しょうこが いる、と 書きました[6]。

ダーウィンの 考えは、こうです。人は、「まわりの 人に、どう 見られて いるか」を 気に します。とくに 顔は、人が 長い 間、いちばん 気に して きた ところ なので、赤く なりやすい、と せつめいしました[6]。

これは ダーウィンの 考えで、今、みんなが みとめて いる 答えでは ありません。それでも、150年 たった 今も、赤く なる ことが 気に なる 人が たくさん いる、と 思うと、ふしぎです。

「最も特異で、最も人間的な表情」

ダーウィンは、1872年の『人及び動物の表情について』の第13章で、赤面を「あらゆる表情のなかで最も特異で、最も人間的」と書きました。サルは激しい感情で赤くなっても、動物が赤面すると信じさせるには圧倒的な証拠が要る、とも述べています[6]。

動物が恥ずかしさで赤面するかについて、ダーウィンは十分な証拠が必要だと考えました。ここでは、動物が赤面するとは言い切りません。

人の目を気にする心から起こる

ダーウィンは、赤面は、自分の姿、とくに顔について他人がどう思うかを気にする「自己への注意」から起こると考えました。顔は、人が長い世代にわたって最も注意を向けてきた部分なので、赤くなりやすいと説明しました[6]。

これはダーウィンの説で、今の定説ではありません。では、他人の目を気にすることは、赤面にどう関わるのでしょうか。

では、本当に他人の目を気にするから赤くなるのでしょうか。それを脳で調べた最近の研究があります。

ダーウィンは1872年の『人及び動物の表情について』第13章で、赤面を「あらゆる表情のなかで最も特異で、最も人間的」と呼んだ。サルは激情で赤くなっても、動物が赤面すると信じさせるには圧倒的な証拠が要る、と書いている[6]。動物が赤面するかどうかは、ここでは結論を出さない。

理由づけも示している。赤面は、自分の姿、とくに顔について他人がどう思うかを気にする「自己への注意」から起こり、顔は人が何世代にもわたって最も注意を向けてきた部分だから、赤くなりやすい、という説明だ[6]。章題にもSelf-Attention(自己への注意)、Shame(恥)、Shyness(はにかみ)、Modesty、Blushingが並ぶ。

この説は19世紀の観察にもとづく仮説で、現在の定説ではない。では、他者の評価を気にしなくても顔が赤くなるのか、という疑問も残る。それを脳画像で調べた研究が2024年に出ている。

5. 自分の えいぞうを 見ると、ほっぺが あたたまるの?

5. 自分の歌う映像を見ると、頬の温度が上がった

5. 赤面の脳画像研究(2024年)── 頬の温度と脳の活動

2024年に、16さいから 20さいの 40人が てつだった けんきゅうが ありました。MRIと いう 大きな きかいの 中で、自分が カラオケで 歌って いる えいぞうと、ほかの 人の えいぞうを 見て、頬ほおの 温度と、脳のうの はたらきを はかりました[9]。

自分の えいぞうを 見た とき、頬ほおの 温度が 上がりました。赤く なりやすい 人ほど、小脳しょうのうなどの はたらきが 高かった そうです。いっぽう、人の 気もちを 考える ときに はたらく 場所は、目立って はたらいて いませんでした[9]。

ただし、「人の 目を 気に しなくても 赤く なる」と 言い切る ことは できません。けんきゅうした 人たちも、言い切らないように 気を つけて います。

赤く なる 神経しんけいの 通り道や、赤面の 役わりには、まだ 分かって いない ことが あります。

自分のカラオケ映像で、頬の温度を測る

2024年のニコリッチらの研究は、16〜20歳の40人に、MRI装置の中で自分のカラオケ映像と他人の映像を見せ、頬の温度の上昇(赤面の指標)と脳の活動を測りました[9]。

自分の映像を見たとき、頬の温度は上がりました。赤面が強い人ほど、小脳などの活動が高く、他人の考えを推し量る領域(メンタライジング)の関わりは見られなかったと報告されています[9]。

この結果をどう読むか

ダーウィンの説なら、他人の考えを推し量る領域が働いても不思議ではありません。ところが、この研究ではそうなっていませんでした。ただし「他人の目を気にしなくても赤くなる」と言い切ることはできず、著者も慎重に解釈しています[9]。40人という人数で、条件も実験室の中です。

赤面の仕組みと役割は、まだ動いている研究分野です。

2024年のNikolićらの研究は、赤面を脳活動と結びつけて調べた。16〜20歳の40人に、MRI装置の中で自分のカラオケ映像と他人の映像を見せ、赤面の指標として頬の温度の上昇を、同時に脳の活動を測った[9]。

結果は、自分の映像を見たときに頬の温度が上がり、赤面が強い人ほど小脳などの活動が高かった。他人の考えを推し量る領域(メンタライジングに関わる領域)の目立った関与は報告されていない[9]。ダーウィン流に「他人の評価を気にするから赤くなる」と考えるなら、この領域が働くと予想できる。その予想と合わない結果が出たわけだ。

だが解釈には限界がある。「他人の目を気にしなくても赤くなる」とは言い切れず、著者らも慎重に解釈している[9]。対象は40人、年齢は16〜20歳、状況は実験室のカラオケ映像に限られる。

前章までの話はこうなる。血管の反応は理解されているが、神経の経路は定まらない。役割についても、実験では好意的な結果が出ているが、場面は限られる。ダーウィンの説は、新しい脳画像の結果とは一部すれ違う。

6. 赤く なった ときの ことを、ひとこと 書いて みよう

6. 顔が赤くなった場面を、一言で書きとめてみる

6. 出口 ── 自分の場面を記録し、研究の限界を読む

ひとつ、やって みましょう。外で 走った あとや、おふろの あとに、かがみで ほおを 見ます。赤く なって いますね。体が あつい ときも、顔の 血の 流れは かわります[3]。

それから、はずかしくて 顔が 赤く なった ことを、思い出して みます。ノートに、どんな 場面だったかを、ひとこと 書きます。だれと いっしょ だったか。まわりの 人は、どう して いたか。

ほかの 人の 赤い 顔を、ゆびさしたり、わざと はずかしがらせたり するのは やめましょう。赤く なりやすい 人も、なりにくい 人も います。

赤く なる 理由の ぜんぶは、まだ だれにも 分かって いません。

顔が赤くなった場面を思い出して、ノートに一言で書きとめます。そのとき誰といたか、まわりの人はどうしていたか、赤くなったあとに空気はどうなったか、を書き添えます。自分の経験が、前の章の「合図」の考えに当てはまるのか、それともダーウィンの説の方に近いのかを、考える材料になります。

運動のあとやお風呂のあとの頬の赤みと、場面で赤くなったときの違いを、鏡で見比べるのも一つの方法です。きっかけは違っても、どちらも顔の血管の反応です[3]。

ほかの人の赤面を指摘したり、わざと恥ずかしがらせたりするのはやめましょう。赤くなりやすい人も、なりにくい人もいます。

赤面の仕組みと役割の研究は、2024年の脳画像研究[9]のように、今も続いています。

自分で確かめるなら、顔が赤くなった場面を、状況・まわりの人の反応とともに一行ずつ記録していくとよい。運動後や入浴後の赤みと、感情による赤みを鏡で比べるのもよい。きっかけは別でも、どちらも顔の血管の反応だ[3]。ただし、自分の記録は数が限られ、結論は出せない。赤くなりやすさには個人差があることも忘れないでおく。

資料を読むなら、役割を調べた実験は2009年のEmotion誌の論文[7]と2012年のJournal of Personality and Social Psychologyの論文[8]、脳画像研究は2024年のProceedings of the Royal Society Bの論文[9]、ダーウィンの考えは原典の第13章[6]。いずれも原典にあたる場合は、実験の手順の説明から読むと、結論がどんな場面にもとづくかが見えてくる。

残る問いは、「赤くなる神経は何か」「他人の目がなくても赤くなるのか」だ。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

出典について:論文、学会・研究機関の解説、原典を使った。何に使ったかは、それぞれの項目の最後に書いている。検索結果の要約や二次的な資料にもとづく項目は、そのことも書いた。

  1. 日本心理学会・石井久淑による解説 (2016). https://psych.or.jp/wp-content/uploads/2018/12/84-13-16.pdf (赤面が顔の血管の拡張であること、意志で止めにくいことについて。要約にもとづく)
  2. 石井久淑「顔が赤くほてる機序は?」Web医事新報 (2016). https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=5181 (顔の血管を広げる副交感神経の線維について)
  3. Drummond PD, Lance JW (1987) Facial flushing and sweating mediated by the sympathetic nervous system. Brain 110(3):793-803. https://researchportal.murdoch.edu.au/esploro/outputs/journalArticle/Facial-flushing-and-sweating-mediated-by/991005542509307891 (体を温めたときと感情による赤面の、神経の経路について。要旨にもとづく)
  4. Mellander S et al. (1982) Neural beta-adrenergic dilatation of the facial vein in man. Acta Physiol Scand 114(3):393-399. https://lup.lub.lu.se/record/1102970 (頬の静脈と感情による赤面の仮説について。要旨にもとづく)
  5. Blushing(Wikipedia). https://en.wikipedia.org/wiki/Blushing (顔の血管の特徴について。二次資料)
  6. Darwin C (1872) The Expression of the Emotions in Man and Animals, ch. XIII. https://brocku.ca/MeadProject/Darwin/Darwin_1872_13.html (赤面についてのダーウィンの考えについて)
  7. Dijk C, de Jong PJ, Peters ML (2009) The remedial value of blushing in the context of transgressions and mishaps. Emotion 9:287-291. https://cris.maastrichtuniversity.nl/en/publications/the-remedial-value-of-blushing-in-the-context-of-transgressions-a/ (赤面した人の評価の実験について)
  8. Feinberg M, Willer R, Keltner D (2012) Flustered and faithful: Embarrassment as a signal of prosociality. J Pers Soc Psychol 102(1):81-97. https://sociology.stanford.edu/publications/flustered-and-faithful-embarrassment-signal-prosociality (気まずさを見せた人の評価の実験について)
  9. Nikolić D et al. (2024) The blushing brain. Proc R Soc B 291. DOI 10.1098/rspb.2024.0958. https://www.psy.ox.ac.uk/publications/publication_modal/2369584 (頬の温度と脳活動の研究について。要旨にもとづく)

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