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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

国勢調査こくせいちょうさでは、るすの 家も ふくめて、どうやって ぜんいんを かぞえるの?

国勢調査はどうやって答えてもらうのか ── 留守の家への質問と、答えやすくする工夫

国勢調査はどうやって答えてもらうのか ── 留守の家への質問、秘密を守る仕組み、ネット回答の変化

分野:歴史・文化

国勢調査こくせいちょうさの ときに、るすで 会えなかった 家は、ご近所の 人に「おなまえ」「男か 女か」「なん人 いるか」の 3つだけ きいて しらべる ことが あります[5]。

どうしたら、たくさんの 人に こたえて もらえるのでしょう。かぞえかたの ルールと、こたえやすくする くふうが わかります。

日本に住む人を「全員」数える国勢調査では、調査員が訪ねても留守で会えなかった世帯について、近所の人に「氏名」「男女の別」「世帯員の数」の3項目だけを聞いて調べることがあります[5]。

そもそも全員とは誰のことで、答えてもらうために何をしているのでしょうか。数え方の決まりと、答えやすくする工夫、そして100年前の最初の調査までが分かります。

国勢調査は、国内に常住する人を外国人も含めて数える調査である[1]。令和2年の概要によれば、期限までに回答が確認できず、不在などで会えない世帯は、近隣の人に「氏名」「男女の別」「世帯員の数」の3項目だけを質問して調べた[5]。

会えない家には、近隣の人に3項目だけ聞く。それでも、回答を集めるために制度はどこまで用意されているのか。数える範囲の線引き、回答の秘密を守る約束、回答方法の多様化、配る人の確保、言語への対応、そして第1回(大正9年)の準備まで、公的資料で確かめると分かる。

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1. るすの 家は、どうやって かぞえるの?

1. 留守の家は、どうやって数えるのか

1. 不在世帯への対応 ── 再訪問と、近隣への3項目の質問

国勢調査こくせいちょうさは、日本に すんで いる 人を ぜんいん かぞえる ちょうさです[1]。5年に 1回、ちょうさいんが 家を まわって しょるいを くばります。

でも、ちょうさいんが 行った とき、るすの 家も あります。そう いう ときは、あとで もう 一ど たずねて、おねがいします[5]。それでも 会えない 家は、れいわ2年の ちょうさでは、ご近所の 人に 3つだけ きいて、しらべました。ご近所の 人に きくのは、おなまえと、男女の どちらか、なん人 いるか。 この 3つだけです。ねんれいや しごとは ききません[5]。

では、ぜんいんと いうのは、だれの ことでしょう。

国勢調査は、調査員(または調査員の仕事を請け負った事業者)が、担当する地域の全世帯を訪ねて書類を配るところから始まります[1]。ところが、訪ねた時間に家の人がいるとは限りません。

令和2年の国勢調査では、10月7日までにインターネット回答も調査票の提出も確認できなかった世帯に、調査員が再び訪ねてお願いしました。それでも不在などで調べられない世帯は、近所の人に「氏名」「男女の別」「世帯員の数」の3項目だけを質問して調べています[5]。年齢や職業までは聞きません。令和7年の概要にも、世帯員以外の人への質問で調べる方法が書かれています[1]。

聞けるのは3項目だけでも、「この家に何人いるか」が分かれば、数え落としは減らせます。ただ、そもそも「国内にいる全員」には、旅行中の人も、下宿している学生もいます。誰をどこの人として数えるかは、決まっているのでしょうか。

調査員は担当地域の全世帯を訪問して書類一式を配る[1]。しかし、配った時点で家の人に会えるとは限らず、回答も期限までに届くとは限らない。そのため、回答が確認できない世帯への再訪問と、会えない世帯への最後の手段が、制度に組みこまれている。

令和2年の概要では、10月7日までにインターネット回答も調査票の提出も確認できなかった世帯を、調査員が再訪問して依頼した。それでも不在で調べられない世帯は、近隣の人に「氏名」「男女の別」「世帯員の数」の3項目のみを質問して調査した[5]。令和7年の概要も、世帯員以外の者への質問で調べる方法を記している[1]。聞くのが3項目に限られるのは、近隣の人が知りうる範囲に限定し、その人が答えたくない事柄まで負わせないためと読めるが、資料に理由の明記はなく、これは読み取りである。

ここで、「世帯数が分かる」ことと「全員を数えた」ことは別だと気づく。誰を、どの家の人として数えるのか。その線引きが曖昧なら、同じ人が2か所で数えられたり、どこでも数えられなかったりしかねない。次は線引きを見る。

2. 大学生は、じっか? げしゅく?

2. 下宿の学生や入院中の人は、どこの人として数えるのか

2. 「常住」の定義と、学生・入院者・船員の数え方 ── 二重計上と漏れを防ぐ線引き

だれが どこの 人か、きまりが あります[1]。3か月 いじょう すんで いる 家(または これから すむ 家)が、その 人の 家です。

たとえば、学校に かよう ために げしゅくして いる 学生は、じっかでは なく、げしゅくさきで かぞえます。3か月 いじょう にゅういん して いる 人は、にゅういんさきで かぞえます。ふねに のって いて、りくに 家が ない 人は、その ふねです[1]。

こうして きめて おくと、同じ 人が 2か所で かぞえられる ことも、どこでも かぞえられない ことも へります。

ところで、そう やって 書いた こたえは、ほかの 人に 見られないのでしょうか。

国勢調査で数えるのは、国内に「常住している」人です。外国人も含まれます。常住とは、その住居に3か月以上住んでいるか、これから住むことになっている状態のことです。3か月以上住む家がない人は、調査のときにいた場所に住んでいるものとみなします[1]。

例外の決まりも、具体的に書かれています。通学のために寄宿舎や下宿に泊まる学生は、その宿泊先で数えます。実家ではありません。病院や診療所に3か月以上入院している人は入院先で、それ以外の人は、3か月以上入院する見込みの有無にかかわらず自宅で数えます。船に乗っている人で、陸に生活の本拠がない場合は、その船で数えます[1]。外交使節団の人とその家族、外国軍隊の軍人・軍属とその家族は、調査から除かれます[1]。

こうした線引きは、同じ人が2か所で数えられることや、どこにも入らず数え落とされることを避けるためのものと考えられます。ただ、家の中のことを書いて出すとなると、気になるのは「誰かに見られないか」です。

数える対象は、国内に常住する者である。常住とは、当該住居に3か月以上にわたって住んでいるか、住むことになっていることをいい、そうした住居のない者は、調査時にいた場所に常住しているとみなす[1]。外国人も対象に含まれる。

例外の規定は、二重計上と漏れが起きやすい場面に当てられている。通学のため寄宿舎・下宿に泊まる学生は宿泊先、3か月以上入院・入所している者は入院先(それ以外の者は、3か月以上の入院見込みの有無に関わらず自宅)、船舶に乗り組む者で陸上に生活の本拠がなければその船舶、という扱いである[1]。学生を実家でなく下宿先で数える点は、直感とずれやすいので覚えておくとよい(ただし通学のための宿泊の場合)。外交使節団の構成員とその家族、外国軍隊の軍人・軍属とその家族は調査から除かれる[1]。

線引きは、1人を必ずどこか1か所で数えるための工夫である。ところが、数える側が決まりを整えても、回答する側が「家の中のことを知られたくない」と感じれば、答えは集まらない。法律は、この点にどう手当てしているのか。

3. こたえは、ちょうさいんにも 見えない

3. 答える義務と、秘密を守る約束はセットになっている

3. 報告義務と守秘義務 ── 回答が調査員にも見えない経路

ちょうさに こたえる ことは、とうけいほうと いう ほうりつで きまって います[2]。その かわり、ちょうさに かかわる 人は、こたえを ほかの 人に もらしては いけない きまりです[3]。

インターネットで こたえると、こたえは 国の コンピューターに 直せつ 送られます。ゆうびんなら、国が 用意した ししょばこに とどきます。どちらも、ちょうさいんは 中みを 見ません。ちょうさいんに わたす ときも、ふうとうに 入れて 出せます[4]。

書いた しょるいは、しゅうけいが おわったら、とかして しまいます[3]。

じゃあ、いろいろな こたえかたを、みんなは どのくらい えらんで いるのでしょう。

統計法は、対象になった世帯の世帯主や世帯員に、調査票の事項を報告する義務を定めています。拒んだり、うその報告をしたりした人は、50万円以下の罰金の対象になります[2]。

一方で、調査に関わる人には守秘義務があります。統計局は、調査に従事した人(過去に従事した人も)が秘密を漏らした場合の罰則を「2年以下の懲役又は100万円以下の罰金」と説明しています。回答は統計を作るためだけに使い、税金の徴収など統計以外には使いません。その理由を統計局は、全ての項目に安心して答えてもらうためと説明しています[3]。

答えの通り道も、秘密が守られるように作られています。試験調査のQ&Aによると、インターネット回答は総務省のサーバーに直接送られ、郵送は総務省が設けた郵便局の私書箱に届くので、調査員が見ることはありません。調査員に手渡すときも、封筒に入れて出せば、調査員は開けずに市区町村に出します[4]。調査票は厳重に保管され、集計が終わると完全に溶かされます[3]。

答える義務と、秘密を守る約束が、セットになっているわけです。では、「答えやすさ」の面では、この数年でどんな変化があったのでしょうか。

統計法第13条は、対象世帯の世帯主・世帯員に、調査票の事項を報告する義務を課す。これを拒んだり虚偽の報告をしたりした個人は、同法第61条により50万円以下の罰金の対象となる[2]。なお、報告を妨げる行為は別条の規定であり、混同しないようにしたい。

義務を課すなら、秘密を守る約束も要る。統計局のQ&Aは、調査に従事する者(従事した者を含む)の守秘義務と、違反に対する「2年以下の懲役又は100万円以下の罰金」を説明し、その理由を、調査対象者に全項目へ安心して回答してもらうためと述べる。回答は統計の作成・分析にのみ使われ、租税の徴収など統計以外の目的には使われない[3]。刑罰の表記は統計局の説明に従った引用であり、現行の法令条文は表記が異なる可能性がある。

秘密を守る仕組みは、回答の経路にも組みこまれている。令和7年調査の第1次試験調査のQ&Aでは、インターネット回答は総務省のサーバーへ直接送信され、郵送は総務省設置の郵便局私書箱に届くため、調査員が内容を見ることはない。調査員へ直接提出する場合も、封筒に入れて提出でき、調査員は開封せず市区町村に提出する[4]。これは試験調査での説明なので、本調査も同じ仕組みと断定せず、「試験調査ではこう説明された」と読むのが安全である。調査票は外部の目に触れないよう厳重に保管され、集計完了後は溶解される[3]。

では、安心して回答できる環境ができたとして、どの経路で答える世帯が増えているのか。

4. ネットが ふえた ぶん、ゆうびんは へった

4. ネット回答は増えたが、「郵送」が減った分だった

4. 回答方法の変化 ── 令和2年から7年でネット回答は9.5ポイント増え、郵送は8.9ポイント減った

こたえかたは 3つ あります。インターネットと、ゆうびんと、ちょうさいんに わたす やりかたです[1]。

インターネットで こたえた 家は、れいわ2年に 37.9%でした。れいわ7年には 47.4%に ふえました[6]。100けんの 家の うち、およそ 38けんから 47けんに ふえた ことに なります。

ゆうびんは、41.9%から 33.0%に へりました[6]。ネットと ゆうびんを たすと、どちらも 8わり ぐらいです。ネットを えらぶ 家が ふえた かわりに、ゆうびんを えらぶ 家が へった ようです。

ちょうさを する 人は、どのくらい いるのでしょう。

答え方は、インターネット、郵送、調査員への直接提出の3つです[1]。回答状況の資料によると、インターネットで答えた世帯の割合は、令和2年が37.9%、令和7年が47.4%でした。郵送は令和2年が41.9%、令和7年が33.0%です。令和7年の世帯数は57,324,619世帯です[6]。

数字を自分で足し引きしてみると、見えてくることがあります。ネットは47.4−37.9で9.5ポイント増え、郵送は41.9−33.0で8.9ポイント減りました。ネットと郵送を合わせると、令和2年が79.8%、令和7年が80.4%で、ほぼ同じ約8割です。ネット回答が増えた分は、おおむね郵送から移ってきたように見えます。ただし、残る約2割弱の中身がどうなっているかは、この数字だけでは分かりません。

回答期限の時点でも、変化は出ていました。令和7年の期限(10月9日午前0時)のネット回答率は、試算値で約45.4%。前回の期限時点より9.4ポイント高かったと、統計局が速報で伝えています[7]。その後は未回答の世帯の特定と督促が進められ、調査期間は10月27日までとされました[7]。

答え方が増えると、自分に合った方法を選びやすくなります。けれど、書類を配って回る調査員の側には、別の悩みがありました。

回答方法は、インターネット、郵送、調査員への直接提出である[1]。回答状況の資料では、人口等基本集計の世帯数に対するインターネット回答率が令和2年37.9%・令和7年47.4%、郵送が令和2年41.9%・令和7年33.0%で、令和7年の世帯数は57,324,619世帯である[6]。

差を計算すると、ネットは47.4−37.9=9.5ポイントの増、郵送は41.9−33.0=8.9ポイントの減である。両者の合計は、令和2年が79.8%、令和7年が80.4%でほぼ変わらず、「ネットが増えた分は主に郵送から移った」と読める(自分の計算による解釈であり、世帯ごとの追跡ではない)。残りの約2割弱は、調査員への提出などが含まれるとも考えられるが、資料の数字だけでは中身を断定できない。

回答期限時点の速報でも同じ傾向が見える。令和7年の期限(10月9日午前0時)時点のネット回答率は、試算値で約45.4%、前回の期限時点より9.4ポイント高い[7]。試算値であり、確定値47.4%(上述)とは時点も算出方法も異なるため、並べて比べないよう注意が要る。期限後は未回答世帯の特定と督促が10月17日から行われ、調査期間は10月27日までとされた[7]。

回答方法が増えても、書類を配って回るのは人である。その人手は足りているのか。

5. くばる 人が たりない

5. 書類を配る調査員が足りない

5. 調査員の充足率と面接困難世帯 ── 令和2年の87.6%から、令和7年の試行へ

しょるいを くばる ちょうさいんは、れいわ2年に 70万人ぐらい ひつようでした。でも 集まったのは 61.4万人でした[8]。

ちょうさいんの 年れいを 見ると、60さい いじょうが 6わりちょっと います[8]。

オートロックの マンションでは、ちょうさいんが 中に 入れず、会えない 家も ふえて います。そこで れいわ7年は、いちぶの ところで しょるいを ゆうびんで くばる やりかたを ためす よていと されました[8]。

ところで、日本語が にがてな 人は、どう こたえるのでしょう。

統計局の資料によると、令和2年の国勢調査では、調査員の定員が約70万人だったのに対し、実際の人数は61.4万人でした。充足率は87.6%で、平成27年の94.8%から下がっています。そのうち14.1%は市町村の職員でした。調査員の年齢は60歳以上が6割強、70歳以上が3割強を占めます[8]。

なり手が少なくなっているほか、オートロックのマンションなど、面会が難しい世帯も増えています。そこで令和7年は、一部の地域で調査書類の郵送配布を試す予定とされました[8]。

調査員は、地域に暮らす人が、5年に1度、自分の足で全世帯を訪ねる役目を引き受けているわけです。そのお願いを受ける側に、書類が読みにくい、日本語が分からないという事情があるときは、どうなるのでしょうか。

令和2年の国勢調査では、調査員の定員約70万人に対して実数は61.4万人にとどまり、充足率は87.6%(平成27年は94.8%)だった。内訳では14.1%が市町村職員で、年齢は60歳以上が6割強、70歳以上が3割強である[8]。

課題は、人数だけではない。資料は、なり手不足と、オートロックマンションなど面接が困難な世帯の増加を挙げ、令和7年は一部で書類の郵送配布方式を試行する予定としている[8]。これは準備段階の資料であり、全国で行ったとは書けない。

全世帯の訪問を軸にした仕組みは、担い手の高齢化と、住まいの形の変化の両方から負荷を受けている。だからこそ、前章のネット回答や、後に見る多言語対応が、調査の「全員に答えてもらう」力を支える側に回る。一方、訪問だけでは届きにくい世帯とは、たとえば日本語が母語でない世帯である。

6. 日本語が にがてでも、見えにくくても

6. 日本語が苦手でも、見えにくくても答えられるように

6. 多言語・点字・代理回答 ── 令和7年に向けた支援の整備

れいわ7年の インターネット回答は、日本語の ほかに、えいご・中国語(2しゅるい)・かんこく語・ベトナム語・ポルトガル語・スペイン語で こたえられる、と おおさかふの ページに あります[9]。

字を 大きくした ちょうさひょうや、点字の ちょうさひょうも あるそうです[9]。

外国から 来た 人が 電話で たずねる ときは、通やくの 人が 3人で 話す しくみを 用意する よていと されました[8]。

さいしょの ちょうさは、どう だったのでしょう。

大阪府の案内ページには、令和7年のインターネット回答が、日本語のほかに7つの言語(英語、簡体字と繁体字の中国語、韓国語、ベトナム語、ポルトガル語、スペイン語)に対応しているとあります。拡大文字や点字の調査票、28言語の調査票の対訳集、音声に対応した電子調査票もあります[9]。

国の準備資料には、外国人世帯からの電話に通訳オペレーターを交えた三者間通話で多言語に応じること、聴覚に障がいのある人向けの有人チャット、外国人世帯や視覚に障がいのある人向けのオンライン代理回答を整える予定、と書かれています[8]。これは「実装予定」の段階の資料です。

自分で書類を読み、自分で答えられない事情は、人によってさまざまです。国勢調査は、その事情ごとに答えの道を用意しようとしてきたと読めます。では、国勢調査が始まった最初の頃は、どうやって全員に知らせたのでしょうか。

令和7年のインターネット回答は、日本語のほか、英語、簡体字・繁体字の中国語、韓国語、ベトナム語、ポルトガル語、スペイン語の7言語に対応する。拡大文字・点字の調査票、28言語の調査票対訳集、音声対応の電子調査票もある。これらは大阪府の案内ページの記述で、統計局の原文での言語数は未確認のため、「8言語」とは数えない(日本語を足す数え方に注意)[9]。

国の準備資料は、外国人世帯からの電話照会に通訳オペレーターの三者間通話で応じる多言語対応、聴覚障がい者向けの有人チャット、外国人世帯・視覚障がい者向けのオンライン代理回答を「実装予定」とする[8]。予定の段階の資料であり、実施結果は記されていない。

ここまでの制度は、訪問、法的義務、秘密保持、回答経路の多様化、支援の整備と、どれも「全員から、本人の事情に合う形で答えを得る」ための手当てである。ではこうした仕組みは、最初の国勢調査のときから整っていたのか。それとも、回を重ねて足されてきたのか。

7. 100ねん まえの さいしょの ちょうさ

7. 100年前の最初の調査は、どう準備されたのか

7. 第1回国勢調査(大正9年)── 法律制定から18年後の準備と広報

さいしょの 国勢調査こくせいちょうさは、1920年(大正9年)10月1日でした。いまの ひとが 5年に 1回 こたえる ちょうさは、ここから はじまって います[10]。

その 2年まえ、国には ちょうさの ための ところが できて、じゅんびが すすみました[10]。千葉けんの かしわしに のこる 日記には、10月1日の 夜中の 0時に、花火や かねで はじまりを しらせた ことが 書いて あります。ただ、これは ある いっかの 日記で、日本じゅう 同じ だったとは いえません[11]。

さいしょの ちょうさでも、知らせたり、じゅんびしたり する くふうが ありました。

第1回の国勢調査は、大正9年(1920年)10月1日現在で行われました。国勢調査に関する法律ができてから18年後、近代的な人口調査の最初といわれるアメリカの1790年の調査から130年後のことです。人口は55,963,053人と数えられました[10]。

大正7年(1918年)には臨時国勢調査局が置かれ、9月に施行令が公布されて、準備が進みました[10]。調査員には地方の名士が任命され、予備調査や調査員のためのマニュアルも整えられ、広報誌で住民に調査の意義が何度も伝えられました[11]。

千葉県柏市域の資料には、任命状と徽章を受けた調査員の日記が残り、10月1日の午前0時に花火が上がり、鐘が鳴ったと書かれています。ただし、これは一家の日記の記述で、全国で同じ儀式があったという意味ではありません[11]。

第1回の前にも、調査員の準備や広報が行われました。令和7年の調査は、第22回です[1]。

第1回国勢調査は、大正9年(1920年)10月1日現在で実施された。「国勢調査ニ関スル法律」の制定から18年後、近代の人口センサスの第1号といえるアメリカの1790年センサスから130年後である。当時の人口は55,963,053人と集計された[10]。

法律ができてから18年かかったのは、準備に時間を要したためとも読めるが、資料に理由の記述はない。大正7年(1918年)に臨時国勢調査局と評議会が置かれ、9月に施行令が公布されて、実施の準備が本格化した[10]。調査員には地方の名士が任命され、調査前に予備調査と調査員向けのマニュアルが整えられた。また、広報誌で住民に調査の意義が繰り返し伝えられた[11]。

柏市域の資料には、調査員が任命状と徽章を受けたこと、10月1日午前0時に花火と鐘で開始を告げたことが、残された日記に書かれている。これは一家の日記の記述であり、全国一律の儀式とは言えない[11]。令和7年調査は第22回で、調査事項は17項目、集計の際には統計センターが記入漏れや矛盾を検査し、必要な補足訂正を行う[1]。

知らせて、準備し、答えやすくし、秘密を守る。100年前から、国勢調査はそれを積み重ねてきた。

8. ぼくの 家は、どこで かぞえられる?

8. 「もし自分が下宿したら」で、数え方の決まりを試す

8. 数え方の決まりを、自分の場合に当てはめる ── 一次資料の読み方

もし 大きく なって、学校に かよう ために 家を はなれて げしゅくを したら、どこで かぞえられるでしょう。じっか? げしゅくさき? 本文の 2の ところを 見て、こたえを 考えて みましょう。

こたえが わかったら、もう 一ど 本文2の ところと くらべて、あっているか たしかめて みましょう。

もっと 知りたい ときは、とうけいきょくの ページに のって います[1]。

決まりを知ったら、自分に当てはめてみると身につきます。たとえば、将来、通学のために家を離れて下宿するとしたら、国勢調査ではどこで数えられるでしょうか。2章「下宿の学生や入院中の人は、どこの人として数えるのか」にある決まりを見て、答えを考えてみてください。長く入院する場合は、船に乗る場合は、と条件を変えても試せます。

決まりの原文は、統計局の「令和7年国勢調査の概要」のページに、日本語で載っています[1]。法律の条文は、e-Gov法令検索で読めます[2]。

数え方の決まりは、自分の場合に当てはめると理解が進む。通学のための下宿、3か月以上の入院、陸に本拠のない船員といった条件を変えながら、どこで数えられるかを、統計局の概要[1]の記述で確かめられる。

読みどころは三つある。①統計局の概要は、「常住」と例外の決まりを原文で示す。②統計局のQ&A[3]は、秘密を守る理由を、回答しやすさから説明している。③回答状況の資料[6]には、自分で計算できる数字が並ぶ。ネットと郵送の合計が本当にほぼ同じか、各自で足し算して確かめられる。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

出典について:統計局の概要・Q&A・回答状況、統計法、国の準備資料、大阪府の案内ページ、柏市の資料を使った。何に使ったかは、各項目の最後に書いている。

  1. 総務省統計局「令和7年国勢調査の概要」。https://www.stat.go.jp/data/kokusei/2025/gaiyou.html (調査の対象、数え方の決まり、回答方法、第22回であること)
  2. 統計法(e-Gov法令検索)。https://laws.e-gov.go.jp/api/1/lawdata/419AC0000000053 (報告の義務と罰金について)
  3. 総務省統計局「国勢調査の基本に関するQ&A 8.個人情報の保護」。https://www.stat.go.jp/data/kokusei/2025/shiken1/qa-8.html (守秘義務と調査票の保管・溶解について)
  4. 総務省統計局「令和7年国勢調査第1次試験調査Q&A 調査方法」。https://www.stat.go.jp/data/kokusei/2025/shiken1/qa-2.html (回答が調査員に見えない経路について。試験調査の説明)
  5. 総務省統計局「令和2年国勢調査の概要」。https://www.stat.go.jp/data/kokusei/2020/gaiyou.html (再訪問と、近隣の人への3項目の質問について)
  6. 総務省統計局「国勢調査 回答状況(令和7年)」。https://www.stat.go.jp/data/kokusei/2025/pdf/answers_pref2.pdf (ネット・郵送の回答率について。令和2年の値も同じ資料にある)
  7. 総務省統計局「令和7年国勢調査のインターネット回答状況」。https://www.stat.go.jp/data/kokusei/2025/houdou/pdf/251010.pdf (回答期限時点のネット回答率と督促について)
  8. 総務省統計局「令和7年国勢調査 調査の円滑な実施に向けた主な取組」。https://www.stat.go.jp/info/kenkyu/kokusei/yusiki07/pdf/07sy01san.pdf (調査員の人数、郵送配布の試行予定、多言語対応の予定について)
  9. 大阪府「令和7年国勢調査のご案内」。https://www.pref.osaka.lg.jp/j_fusei/2509b/2509/cts0104_482.html (インターネット回答の対応言語と、点字・拡大文字の調査票について。府の案内)
  10. 総務省統計局「国勢調査のあゆみ」。https://www.stat.go.jp/data/kokusei/2015/kouhou/ayumi.html (第1回国勢調査の実施年と人口、準備の経緯について)
  11. 柏市「歴史発見 かしわ・その時」。https://www.city.kashiwa.lg.jp/bunka/about_kashiwa/culture/rekishi/rekishihakken/dai4kai.html (調査員の任命、広報、午前0時の花火と鐘について。柏市域の一家の日記による)

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