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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

さくらんぼの はたけには、なぜ ちがう しゅるいの 木を まぜて うえるの?

さくらんぼの畑には、なぜ受粉を助ける別の品種を混ぜて植えるのか

さくらんぼは、花粉の相性や前年の暑さで実り方が変わる

分野:生きもの

さくらんぼの はたけでは、おなじ しゅるいの 木だけを うえると、実が なりにくい ことが あります。だから、花ぷんを わけてくれる ちがう しゅるいの 木を、まぜて うえます。

どうして ちがう 木が いるのでしょう。ふたごの さくらんぼは、なぜ できるのでしょう。この ページを よむと、花が さいてから 実に なるまでの ふしぎが わかります。

さくらんぼの木は、多くの品種で、自分と同じ型の花粉では実りにくい性質があります。山形県の資料では、実のつきがよい園地は、別の品種の木(受粉樹)の花が全体の4〜5割を占め、品種の数も約5つありました[1]。花の半分近くが、受粉を助ける「ほかの品種」のものだった、ということです。

なぜ、自分の花粉では実らないのでしょうか。双子のさくらんぼは、いつ、何で決まるのでしょうか。この記事を読むと、花から収穫までの流れと、実が割れたり落ちたりするわけが分かります。

甘果オウトウ(さくらんぼ)の多くの品種は、自分と同じS型の花粉では実りにくい。山形県の資料では、結実の良好な園地は、受粉樹(別品種)の花数の割合が4〜5割で、品種数は約5だった[1]。花の半分近くを、受粉を助ける別品種が占めた園地があったことになる。

では、自分の花粉を退ける仕組みとは何か。花粉を運ぶ虫は何で、なぜ開花後に実が落ち、雨で割れ、前年の夏の暑さが翌年の双子果をつくるのか。このメモを読むと、花から収穫までの約2か月と、前年の夏に翌年の実の形が決まるまでの流れが分かる。

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1. おなじ しゅるいでは、なぜ みのらないの?

1. 同じ品種の花粉では、なぜ実らないのか

1. 自家不和合性:同じ型の花粉は、めしべの中で止められる

さくらんぼの 花には、おしべも めしべも あります。それなのに、おなじ しゅるいの 花ぷんが めしべに ついても、実に なりにくい ことが あります[1]。

やまがたけんの しりょうでは、しゅるいを 「あいしょうの くみ」に わけています。おなじ くみの どうしは、じゅふんしないと されます。たとえば、「佐藤錦さとうにしき」と「南陽」は、じゅふんしない くみあわせです[2]。

めしべは、じぶんと おなじ かたちの 花ぷんが 来ると、花ぷんの 「くだ」が のびるのを とめると いわれます[3]。だから はたけには、ちがう くみの 木を まぜて うえます。

たとえるなら、おなじ かぎが さしこまれても、まわらない かぎあなの ようです。ただし 本当の しくみは、もっと こまかい ことが しらべられて います。

相性の組がある

山形県の園芸農業研究所の資料では、さくらんぼの品種は、受粉の相性で「組」に分けられています。同じ組どうしでは受粉しないとされます(自分で受粉できる品種もあります)。たとえば「佐藤錦」と「南陽」、「紅秀峰」と「香夏錦」「正光錦」は、受粉しない組み合わせとして注意が呼びかけられています[2]。

めしべが花粉の管を止める

仕組みは、国際的な研究の要旨では、次のように説明されています。花粉はめしべに着くと、胚珠へ向かって「花粉管」という管を伸ばします。ところが、花粉の持つ型とめしべの持つ型が同じだと、管の伸びが途中で止められます。この性質を「自家不和合性」といい、S-RNaseという酵素が関わるとされます[3]。

だから、よく実る畑は、組の違う木を混ぜます。では、花粉は誰が運ぶのでしょうか。

甘果オウトウは配偶体型の自家不和合性をもつ。花粉の半数体ゲノムと、めしべの花柱の二倍体ゲノムが同じS対立遺伝子をもつと、花粉管の伸長が止められる。関与する因子としてS-RNaseが挙げられている[3]。ただし、この点は要旨で確かめた範囲であり、分子の働きは別の資料で詳しく読む必要がある。

山形県園芸農業研究所の資料は、品種をSの型の組に分け、同じ組どうしは受粉しないとする。たとえば「佐藤錦」と「南陽」、「やまがた紅王」と「紅さやか」、「紅秀峰」と「香夏錦」「正光錦」は、組み合わせて植えても受粉しない例として挙げられた[2]。主力の「佐藤錦」を植えても、同じ組の「南陽」は受粉樹の役に立たない。

だから結実のよい園地では、受粉樹の花数の割合が4〜5割で、品種数は約5だった。2年続けて「佐藤錦」の結実がよかった園地の特徴として、切り枝の設置も挙げられている[1]。相性の合う花粉が、園地のあちこちから届くようにする工夫だと読める。では、その花粉を木から木へ運ぶのは何か。

2. 花ぷんを はこぶのは、だれ?

2. 花粉を運ぶ虫と、人の手

2. 訪花昆虫と人工受粉:運び手の数が結実を左右する

花ぷんを はこぶ しごとを するのは、ハチです。さくらんぼの はたけでは、マメコバチと ミツバチが つかわれます[2]。

やまがたけんの しらべでは、ミツバチを いれなかった けいえいたいは、ひとつの えだに 2.0こ ほど 実が つきました。まえの ねんより おおく いれた ところは、2.5こでした[1]。ただし、1ねんぶんの けっかで、てんきの えいきょうも まざって います。

ハチが すくない ときは、人の 手でも じゅふんします。花が 5ぶ さきと まんかいの ころに くわえて、てんきが わるい ときは さらに おこなうよう、よびかけて います[1]。

ハチを畑に連れてくる

花粉を運ぶ虫を「訪花昆虫」といいます。さくらんぼの畑では、マメコバチとミツバチが使われます。ミツバチは、一般には30アールに1群が目安です。マメコバチは、ヨシで作った巣を、10アールあたり500〜800本置くのが一般的とされています[2]。

ハチの数と実の数

山形県の調査では、花束状短果枝(花も実も固まってつく短い枝)1つあたりの「佐藤錦」の結実数が、ミツバチを導入しなかった経営体で2.0果、前年並みに導入した経営体で2.1果、前年より多く導入した経営体で2.5果でした[1]。2.5果は2.0果より25%多い数字です。ただし1年の結果で、天候の影響も混ざっています。

最後は人の手

天候不順の年には、人が筆などで花粉をつける人工受粉も重ねられます。県は、5分咲きと満開期に行い、天候不順のときはさらに重ねるよう呼びかけました[1]。花が咲けば実になるわけではありません。では、受粉できた花は、みんな実になるのでしょうか。

訪花昆虫としては、マメコバチとミツバチが使われる。ミツバチは、20アールに1群の導入密度が、一般的な30アールに1群より高い例として示された。マメコバチは10アールあたり500〜800本のヨシ巣が一般的とされる[2]。マメコバチが減ったぶんをミツバチで補う使い分けも、資料に見える。

山形県の調査では、「佐藤錦」の短果枝1つあたりの結実数は、ミツバチを導入しなかった経営体で2.0果、前年並みに導入で2.1果、前年より多く導入で2.5果だった[1]。2.5果は、2.0果より25%多い。ただし単年の調査で、天候の影響を切り分けていない。ハチを増やせば必ずこうなる、という数字ではない。

そのため、人の手が重ねられる。県は人工受粉を、5分咲き・満開期に行い、天候不順の年はさらに重ねるよう呼びかけた[1]。2026年4月9日の霜では、被害園地の「佐藤錦」で雌しべの枯死が、少ない園地で2割、多い園地で8割みられた。県は、霜に遭った花を避け、下向きの花や樹の高い所の花を狙って受粉するよう伝えた[5]。ただし単年・被害園地の数字で、毎年起きることではない。

運び手と人手がそろっても、実のつきは安定しない。次の章は、受粉の先で何が起きるかを見る。

3. 花は たくさん さくのに、なぜ 実は すくないの?

3. 受粉しても、実が落ちることがある

3. 生理落果:結実数は、花の数よりずっと少ない

やまがたけんの しらべで、えだ ひとつに つく 実は、ことしは 1.5こ でした。ふつうの ねんは 1.7こ、きょねんは 1.3こ でした[4]。

花が さいた あとも、実が おちる ことが あります。まんかいの あと、16にちごろまでと、28〜31にちごろに おちると いわれます[6]。じゅふんできなかった 実や、えいようを とりあいに まけた 実が、おちるのです。

のこった 実だけが、おおきく なって いきます。

結実数は年でゆれる

山形県の調査で、花束状短果枝1つあたりの結実数は、2026年が1.5果、平年が1.7果、前年が1.3果でした[4]。県は、近年の受粉樹や訪花昆虫の密度の低下が、結実の不安定さにつながるとみています。

落ちる時期がある

花が咲いたあとも、実は落ちます。福島県と山梨県の試験の要旨では、満開後16日ごろまでと、満開後28〜31日ごろ(種の殻が固まる時期の終わり)に、受精しなかった実や、栄養の取り合いに負けた実が落ちるとされています[6]。

残った実は、1年でいちばん大きくなる時期に入ります。その大きくなり方が、少し変わっているのです。

山形県の調査で、花束状短果枝1つあたりの結実数は、2026年が1.5果で、平年の1.7果より少なく、前年の1.3果より多かった。県は、近年の受粉樹や訪花昆虫の密度の低下が結実の不安定さにつながるとみている[4]。

結実数が花の数より少ないのは、受粉のあとにも選別があるからだ。福島県・山梨県の報告の要旨によれば、満開後約16日までと、硬核期の終わりにあたる満開後28〜31日ごろに生理落果が起き、不受精果の落果と、養分競合による落果がみられる[6]。ただし本文でなく要旨で確かめた内容なので、日数は目安として読むのがよい。

では、落ちずに残った実は、どう大きくなるのか。ここに「硬核期」という、ひと休みの時期がある。

4. 実は、ずっと おなじ はやさで おおきく なるの?

4. 実の大きさは「急に大きく→一休み→また急に」と変わる

4. 二重S字の肥大:硬核期をはさむ3つの時期

さくらんぼの 実は、まいにち おなじ はやさで おおきく なる わけでは ありません。

はじめは、ぐんぐん おおきく なります。つぎに、中の たねの からが かたまる あいだは、ゆっくりに なります。そのあと、また ぐんと おおきく なります[7]。

花が まんかいに なってから しゅうかくまでは、しゅるいや ばしょで ちがい、およそ 2か月 かかります[7]。

ひとやすみの あいだに、中では たねを しっかり つくって いるのかも しれません。ただし、どうして ゆっくりに なるのかを、ここでは いいきれません。

3つの時期

さくらんぼの果実は、「二重S字」という大きくなり方をします。第1期は急に大きくなる時期、第2期は種の殻が固まる「硬核期」で、大きくなり方がゆるやかになります。第3期は、また急に大きくなります[7]。

満開から収穫まで

満開から収穫までの日数は、品種や産地で55〜80日の幅があります。チリのさくらんぼ専門誌の例では、ある品種で約70日、別の品種で約60日です。種の殻が固まる期間は約20日で、その終わりには、最終的な大きさの約65%に達していました[7]。日本の露地栽培の日数は、品種と年で変わるので、「約2か月」くらいに受け止めてください。

実が大きくなる後半は、水をたくさん吸う時期でもあります。そこで起きるのが、雨で割れる問題です。

オウトウの果実は、二重S字型の肥大をする。第1期は急速な肥大、第2期は硬核期(核=種の殻が固まる)で肥大が緩やかになり、第3期は再び急速に肥大する。第3期は、細胞分裂が終わり、細胞の伸長が始まる時期にあたるとされる[7]。

満開から収穫までの日数は、品種や産地で55〜80日の幅がある。チリの専門誌には、約70日の品種と、約60日の品種が示されていた。硬核期は約20日で、その終わりに最終の大きさの約65%に達する品種もあった[7]。ここで注意したいのは、これが海外の資料にある数字で、日本の露地栽培にそのまま当てはまるとは限らない点だ。日本の数字を示すなら「品種や産地で約2か月」程度が無理のない言い方になる。

硬核期の終わりで最終の大きさの約65%に達するなら、残りの約35%が第3期で大きくなることになる。急に大きくなる時期と、雨で実が割れるしくみを、次の章で見る。

5. あめに あたると、なぜ 実が われるの?

5. 雨に当たると実が割れる。畑に屋根をかけるわけ

5. 裂果:果皮から吸った水と、雨よけ栽培

さくらんぼの 実は、あめに あたると、われて しまう ことが あります[10]。

おもな わけは、実が かわから みずを すいこむ ことです。ふうせんに、みずを いれすぎると われるのに にて います。ただし、ふうせんと ちがい、実の かわの しくみは もっと こまかい です。

やまがたでは、はたけの うえに やねを かけて、あめが あたらない ようにする そだてかたが、ふつうです。

やねの したで、さくらんぼは あかく なって いきます。

割れるのは水を吸うから

さくらんぼは、雨に当たると割れることがあります。これを裂果といいます。ワシントン州立大学の資料では、雨で起きる裂果が多く、実の皮から水が入って、皮の細胞が膨らみ、表面にひびが入ることが主な原因とされています[10]。

屋根をかける

山形では、雨よけの屋根をかけた栽培が一般的です。雨に当てないことで、割れる実を減らします。収穫前の最後の大きくなる時期に、実が水を吸いやすくなるからです。

ここまでは、花が咲いてから収穫までの話でした。では、1つの花から実が2つできる「双子」は、いつ決まるのでしょうか。

さくらんぼは雨に当たると割れる。ワシントン州立大学の資料は、雨による裂果が多数を占めるとし、果皮のひび割れ部分や拡散を通じて水が入り、表皮の細胞壁が膨らんでクチクラが破れる経路を挙げている[10]。日本の公的資料の本文は参照できていないので、仕組みの説明は海外の大学資料によっている。

山形では、雨よけ(屋根)をかけた栽培が一般的で、これは裂果を減らす工夫として説明されている。第3期に大きくなる実が水を吸いやすいことと合わせて読むと、屋根をかける時期や理由が見えてくる。ただし、品種による割れやすさの差など、資料にない点は書けない。

収穫の直前にもう一つ、前年の準備が結果に出る現象がある。

6. ふたごの さくらんぼは、いつ きまるの?

6. 双子のさくらんぼは、前の年の夏に決まる

6. 双子果:収穫前年の高温と、花芽の時期

ふたごの さくらんぼを、見た ことは ありますか。ひとつの 花から、つながった 実が ふたつ できた ものです。

やまがたけんの しりょうでは、7月なかごろから 9月はじめに あつい 日が つづくと、つぎの ねんに ふたごが ふえると、つたえられて います[8]。

つまり、ふたごの 実の もとは、実が なる 前の ねんの なつに できて いるのです。

花に なる ところ(花芽かが)が できる ころに、木が あつさで つかれると、ひとつの 花に めしべが ふたつ できやすい、といわれます[9]。ただし、どうして そう なるのかは、すべては わかって いません。

来年の双子は、今決まる

山形県の資料は、7月中旬から9月上旬に高温になると、翌年に双子果が増えると伝えています。「来年の双子果の発生が決まるのは今」という見出しでした[8]。双子果対策として、夏の剪定を控える、定期的に灌水する、遮光資材を設置するなどが指導されています。

1つの花にめしべが2つ

双子果は、花芽ができる収穫前年の8月ごろに高温が続くと、樹にストレスがかかり、1つの花にめしべが複数できることで起きやすい、とされています。主要品種では「紅秀峰」に多いそうです[9]。

この説明は、県の説明を紹介する報道によっています。仕組みの細部は、これから確かめる余地があります。夏の暑さが、10か月ほど先の実の形に出る。さくらんぼは、1年半のスパンで実を準備する果樹なのです。

双子果は、収穫の前年の7月中旬〜9月上旬が高温になると増える。山形県の資料は「来年の双子果の発生が決まるのは今」と注意し、夏の剪定を控える、定期的に灌水する、遮光資材を設置するなどを指導した[8]。

この時期は、花芽ができる時期にあたる。報道が紹介する県の説明では、花芽ができる収穫前年の8月ごろに高温が続くと、樹にストレスがかかり、1つの花に雌しべが複数できることで双子果になりやすいとされる。主要品種では「紅秀峰」に多い[9]。ここは「〜とされる」の範囲で、ストレスが雌しべの数を増やす過程までは資料から読み取れない。

収穫から逆算すると、原因は10か月ほど前にある。花から収穫までは約2か月でも、実の形の準備は、前年の夏から始まっている。受粉、落果、肥大、裂果、双子果は、それぞれ別の時期に別の条件で決まり、そのすべてを経て、1粒の実が店に届く。

7. 「さとうにしき」は、どうやって うまれたの?

7. 「佐藤錦」は、10年かけた交配から生まれた

7. 佐藤錦の交配史:1912年ごろの開始から、1928年の命名まで

やまがたの 「佐藤錦さとうにしき」は、人が ちがう しゅるいを かけあわせて つくりました。ひがしねしの 佐藤栄助さとうえいすけさんが、大正のはじめごろ(1912ねんごろ)から はじめて、10ねんほど かかって、1922ねんに はじめて 実が なりました。なまえが ついたのは、1928ねんです[11]。

おやは、あまい けれど いたみやすい 「黄玉」と、すっぱい けれど もちが よい 「ナポレオン」だと いわれます[12]。

おみせで さくらんぼを 見たら、ふくろや はこに 書いて ある しゅるいの なまえを 見て みましょう。ふたごの 実が まざって いたら、前の年の なつの あつさを おもいだして みて ください。

黄玉とナポレオンの子

「佐藤錦」は、東根市の佐藤栄助が、1912年ごろから交配を始め、1922年に初めて実を結んだとされます。1928年に、苗木商の岡田東作が「佐藤錦」と名づけて世に出しました[11]。親は、日持ちがよく酸味の強い「ナポレオン」と、日持ちは悪いが甘みが非常に強い「黄玉」とされます[12]。完成までの年数は、「約10年」と「15年余り」の2つの説明があり、数え始めと終わりが違うためです。

直売所や産地の情報で確かめる

道ばたの直売所やスーパーで、品種名を見比べてみてください。どんな名前の品種があるか、確かめてみてください。双子果は、見つけたら、前の年の夏の暑さを思い出してみるのもいいでしょう。

「佐藤錦」は、東根市の佐藤栄助が1912年(大正元年)ごろに交配を始め、1922年(大正11年)に初めて実を結んだとされる。1928年(昭和3年)に、苗木商の岡田東作が「佐藤錦」と命名して世に出した[11]。親は、日持ちがよく酸味の強い「ナポレオン」と、日持ちが悪く甘みが非常に強い「黄玉」とされる[12]。

完成までの年数は、「約10年」(交配開始から初結実まで)と「15年余り」(交配開始から命名まで)の2つの数え方がある。どこからどこまでを指すかで数字が変わるので、この記事は1912年→1922年→1928年と区切って書いた。

今回読んだ話は、花粉の相性、運び手、落果、肥大、裂果、前年の夏の暑さという順に、1粒が仕上がるまでの条件を重ねたものだ。原典は、山形県の「さくらんぼ通信」と産地の研究資料(出典欄)で読める。栽培に関する数字は、年や園地で変わる。品種名と園地の写真を店先で見比べると、資料の中の「別品種の木」が、畑のどこに立っているかを想像できる。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

本文は、ここにある資料の内容を、自分の言葉で言いかえたものです。数字は年や園地、品種で変わることがあります。

  1. 山形県「絶対成らせる」さくらんぼ通信 Vol.1 https://web01.agrin.jp/documents/7958/sakurambodayori0904.pdf (受粉樹の割合、ミツバチ導入と結実数、人工受粉)
  2. 山形県 さくらんぼ産地再生フォーラム資料 https://agrin.jp/documents/6957/03wadai1.pdf (受粉しない組み合わせ、訪花昆虫の密度)
  3. Sweet cherry self-incompatibility(PMC掲載の論文) https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC7723103 (自家不和合性の仕組みの要旨)
  4. 山形県農業技術環境課「さくらんぼの生育状況と高温対策のポイント」 https://agrin.jp/documents/7565/kouonntaisaku.pdf (1つの短果枝あたりの結実数)
  5. 山形県 報道発表・さくらんぼ通信(2026年4月) https://www500.pref.yamagata.jp/documents/51933/20260415.pdf (霜による雌しべの枯死と受粉の呼びかけ)
  6. 福島県の試験研究報告 https://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/447872.pdf (生理落果の時期。要旨での確認)
  7. SmartCherry https://smartcherry.cl/en/?p=29301 (二重S字の肥大、満開から収穫までの日数。海外の資料)
  8. 山形県「高温に負けない」さくらんぼ通信(2026年7月24日) https://web01.agrin.jp/documents/7765/sakurambodayori0724.pdf (高温と翌年の双子果、対策)
  9. ウェザーニュース(山形県の説明の紹介) https://weathernews.jp/news/202506/050276/ (双子果が起きやすい理由。報道による紹介)
  10. Washington State University Tree Fruit, Cherry rain cracking https://cpg.treefruit.wsu.edu/environmental-fruit-protectants/cherry-rain-cracking/ (雨による裂果の仕組み。海外の大学資料)
  11. 日本記念日協会系の解説(山形さくらんぼの日) https://bestcalendar.jp/dates/kinenbi/2577 (佐藤錦の交配と命名の年)
  12. るるぶキッズ 山形県の特産品おもしろ雑学 https://kids.rurubu.jp/article/143154/ (佐藤錦の親の品種)

なおした ところ

更新履歴

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