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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

アサリは 海の どこで くらして いるの? あかちゃんは どうやって そこへ いくの?

アサリは日本のどんな場所で暮らし、赤ちゃんはどうやってそこへ着くのか

アサリはどんな条件の干潟で暮らせるのか ── 潮間帯の砂泥、海流に運ばれる幼生、減った「家」

分野:生きもの

アサリは、1日に 2回、空気に さらされる ところで くらして います[1]。しおが ひくと、すなの 上に でて しまう のに、どうして へいきなのでしょう。

この 記事では、アサリの 家が どんな ところか、あかちゃんが どうやって そこへ たどりつくのか、その 家が どうして へったのかが わかります。

アサリが暮らす家は、1日に2回、空気にさらされる砂の中です[1]。しかも生まれたばかりの赤ちゃんは、自分の力では海流に逆らえず、流されてたどりついた干潟などに着底して育ちます[6]。

アサリがすめる場所は、どんな条件でできているのか。赤ちゃんはどうやってそこへ着くのか。そして、その場所がなぜ日本で減ったのかが分かります。

アサリの家は、1日に2回、水に沈んだり空気にさらされたりする砂泥の中である[1]。浮遊幼生の時期には自力で海流に逆らえず、最大で100km近く運ばれることがある[6]。

この「流されて着いた先」で、砂粒の大きさ、塩分、水温、酸素の条件がそろわなければ育てない。アサリがすめる場所の条件と、国内の漁獲量が1980年代中頃の10万〜16万トンから2017年度の7千トンへ落ちた経緯が、資料から分かる。

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1. しおが ひくと、アサリは どこに いるの?

1. 潮が引くと空気にさらされる、砂の中が家

1. 潮間帯から水深10mまで ── 1日2回、空気にさらされる砂泥の中

うみに いくと、しおが ひいて、ひろい すなはまが あらわれる ことが あります。これが 干潟ひがたです。1日に 2回、水の 中に なったり、空気に ふれたり する、たいらな すなや どろの 場所です[1]。

アサリは、この すなの 中に もぐって います。日本の いろいろな 海で、しおが いちばん ひいた ところから、水の ふかさ 10メートルぐらいまでの すなに おおく います[2]。

すなの 上に でて いるのは、2つに わかれた すいかんと いう 口だけです。ここを 出して、息を して います[4]。プールの シュノーケルを 水の 上に 出して いる すがたに にて います。ただし シュノーケルは 1本ですが、アサリの 水管すいかんは 2本 ならんで います。

では、この 家に、あかちゃんは どうやって たどりつくのでしょう。

潮が引いた干潟を歩くと、足もとの砂はただの平らな地面に見えます。この砂の中が、アサリの家です。

干潟は、1日に2回、海に沈んだり空気にさらされたりを繰り返す、平らな砂や泥の場所です。波の影響が少ない入り江や湾の中で、川が運んできた砂や泥がたまってできます[1]。アサリは、北海道から九州までの内海や内湾にいて、満潮と干潮の間から水深10mほどまでの砂地に多く分布しています[2][3]。

砂にもぐり、二つに分かれた水管だけを砂の上に出して呼吸しています[4]。プールで使うシュノーケルだけを水面に出している姿に似ていますが、シュノーケルは1本、アサリの水管は2本が並んだ形です。

暮らす場所は、育ち方で変わります。卵から出た赤ちゃんは内湾の海水中を漂い、稚貝になると砂泥の表面に、大きくなると砂泥の中に入ります[3]。では、赤ちゃんはどうやってこの家にたどりつくのでしょうか。

アサリの生息域を、複数の資料で比べてみる。神奈川県の図鑑は、日本各地の潮間帯(満潮と干潮の間)から水深10mぐらいまでの砂地に多いとする[2]。環境省の資料は、北海道・本州・四国・九州の内海・内湾で、潮間帯から水深10mまでに分布するとしつつ、主な分布域は水深1.5mほどまでで、淡水の影響を受ける河口域に多いと記す[3]。10mまで「分布する」ことと、1.5mまでが「主な」場所であることは別の話で、アサリの家の中心は、ごく浅い場所にある。

その中心にある干潟は、1日に2回、干出と水没を繰り返す平らな砂泥地である。波の影響が少ない入り江や湾内で、川が運ぶ砂泥がたまる場所に発達し、砂の中に二枚貝が生息する[1]。アサリは体を砂に潜らせ、二つに分かれた水管を砂の上に出して呼吸する[4]。

生活の場は成長段階で変わる。卵・幼生期は内湾で浮遊生活を送り、稚貝は砂泥底の表面、未成体・成体は砂泥底の中にいる[3]。浮遊していた幼生が、どのようにして干潟にたどりつくのかが、次の問いである。

2. あかちゃんは、どこまで ながされるの?

2. 赤ちゃんは泳いで帰れず、海を漂って家を探す

2. 浮遊幼生は海流で運ばれ、干潟に着底する ── 最大100km近い旅という賭け

浜名湖はまなこの アサリは、春と 秋に、たまごを うみます[5]。かえった あかちゃんは、長さが 0.1ミリから 0.2ミリほどしか ありません[6]。

この あかちゃんは、2週間から 4週間ほど、海の 中を ただよいます[5]。自分の 力では、海の ながれに さからえません。多い ときには、100キロ ちかくも 流される ことが あります[6]。

風に のって とんで いく、たんぽぽの わたげに にて います。どこに おりるかは、ながれ しだいです。ただし わたげは 土に おちて おわり、アサリは ついた 干潟ひがたの 海の そこに おりて、すなの 中で 大きく なって いきます[6]。

でも、ついた ところが どこでも 家に なる わけでは ありません。どんな すなが いいのでしょう。

浜名湖では、アサリは春と秋に産卵します[5]。生まれた赤ちゃん(幼生)は長さ0.1〜0.2mmほどしかありません[6]。自分の力で海流に逆らうことはできません。

この幼生は、およそ2〜4週間、海の中を漂って過ごします。資料によって約3週間とも書かれているので、期間は幅をもって読む必要があります[5]。その間に運ばれる距離は、最大で100km近くになることがあるとされています[6]。ただし、どの海でも100km流れるわけではありません。

風にのって飛ぶタンポポの綿毛を思い浮かべると、近いかもしれません。どこに降りるかは流れしだいです。ただし綿毛は地面に落ちて終わりですが、アサリの幼生は、たどりついた干潟に着底して稚貝になり、成貝まで育ちます[6]。

流れしだいの旅の先が、運よく干潟だったとして、そこは必ず家になるのでしょうか。

浜名湖のアサリは春と秋に産卵し、孵化した幼生はおよそ2〜4週間の浮遊生活を送る[5]。期間は資料により2〜4週とも約3週とも書かれ、1つの数字に決められない。幼生の長さは0.1〜0.2mmである[6]。

この小ささでは、海流に逆らう泳ぎはできない。水産研究・教育機構の資料は、幼生が最大で100km近く運ばれることがあると記す[6]。ただし、これは一部の海域の研究値で、どこでも同じ距離を流れるという意味ではない。

この数字から言えるのは、幼生の着く先が、生まれた干潟とは限らないということである。たどりついた干潟に着底して稚貝になり、成貝まで育つ[6]。親が暮らす干潟だけでなく、流れの先にある干潟まで含めて、アサリの「すめる場所」と考える必要がある。では、着底した先で、何が育ちを決めるのか。

3. どんな すなと 水が いいの?

3. 着いた先で決め手になるのは、砂の粒と川の水

3. 着底後の条件 ── 砂粒の大きさと、塩分のやや低い河口域

おりた あかちゃんは、すなの つぶに 糸の ような ものを ひっかけて、体を ささえます。この 糸を「そくし」と いいます[7]。

国の ほうこくは、ある 調べを ひいて、0.5ミリ いじょうの つぶが よいと のべて います。どこでも そうとは かぎりません。ここでは 一つの めやすです[7]。シャープペンの しんの はばぐらいの すなです。

もう ひとつ、大切なのは 川の 水です。アサリは、川の 水が すこし まざって、しおの こさが ちょっと うすい ところに おおいと いわれます[3]。愛知県あいちけんの 海では、川の 河口かこうの 干潟ひがたに、あかちゃんが たくさん つきます。りょうしさんが それを あつめて、べつの 場所に うつして そだてて います[11]。

ところが、川の 水は、ふえすぎても こまります。

砂の粒の大きさ

稚貝は、足糸という糸のようなもので砂の粒につかまり、体を保っています。そのため砂の粒の大きさに好みがあり、環境省の資料は、ある調べ(水産庁2008)を引いて、直径0.5mm以上の粒がよいとされると記しています。ただし、場所や条件によって変わりうる一つの目安です[7]。シャープペンの芯の太さほどの、ざらっとした砂です。波や潮の流れで、せっかく着いた場所から流されてしまうことも指摘されています[7]。

川の水が少し混ざる場所

もう1つの条件は塩分です。環境省の資料では、アサリは淡水の影響を受ける、塩分のやや低い、比較的河口に近い場所に多いとされています[3]。三河湾(愛知県)では、河口の干潟に天然の稚貝が多く発生し、漁業者がそれを採って漁場に移しています[11]。川がつくった干潟が、赤ちゃんを受けとめる場所になっている例です。

では、川の水は多いほどよいのでしょうか。

稚貝は足糸で砂粒に付着して体を保持するため、底質の粒径に選択性がある。粒径0.5mm以上の粒子が適するとされる(水産庁2008の引用)。ただし場所や条件で変わりうる一つの目安である[7]。同じ資料は、波や潮流で稚貝が生息場から流される影響も指摘する[7]。着底できても、砂が細かすぎたり、荒れた場所だったりすれば、そこにとどまれない可能性がある。

塩分については、環境省の資料が、淡水の影響を受ける塩分のやや低い場所、比較的河口域に多いとする。底質は泥の多い所から砂の多い所まで幅が広い[3]。つまりアサリは、砂粒の条件では選り好みをするが、泥と砂の割合には比較的幅がある、という読み方ができる。

河口は、川が砂泥を運ぶ場所でもある。三河湾では河口の干潟に天然のアサリ稚貝が多く発生し、漁業者がそれを採って漁場に移植している[11]。川の水が少し混ざる干潟が、稚貝の発生源になっている例である。ただし、川の水が多いほど良いわけではない。次の章で見るように、淡水が入りすぎれば逆に命にかかわる。

4. しおが うすく なって、あつさも かさなると、どうなるの?

4. 低い塩分・高い水温・酸素不足が、砂の中の家に影響する

4. 低塩分・高水温・貧酸素 ── 生存に影響する3つの条件

大雨が ふると、川から 水が どっと 入って きます。海の しおが うすく なります。

長崎ながさきの 大学の 実験じっけんでは、4日間 水に つけた とき、しおの こさを あらわす 数字が 15 いじょうなら、ほとんど 死にませんでした。でも 10 いかでは、ほとんどが 死にました[8]。うすい 状態じょうたいが 2日、3日と つづくと、たくさんの アサリが 死ぬ ことが あると いわれます[8]。

あつさも こわいです。水の 温度が 32度いじょうに なる、水の 中の 酸素さんそが すくなく なる、そして しおが うすく なる。この 3つは、アサリが 生きて いく うえで えいきょうする ものと して、国の 資料しりょうに あげられて います。福岡県ふくおかけんの 資料しりょうは、これらが かさなる ことも あると まとめて います[9]。

ただし これは 水そうの 実験じっけんや 資料しりょうの まとめです。この 数字だけで、どの 場所でも ぜんめつすると きまる わけでは ありません。

こうして、すめる 場所は 天気にも ゆさぶられます。では、アサリの 家は、日本ぜんたいで どれくらい へったのでしょう。

川の水は、多すぎても困ります。長崎大学の室内実験では、96時間(4日間)、塩分15(psu)以上の水ならアサリはほとんど死にませんでしたが、10以下ではほぼ全滅しました[8]。10以下の状態が2〜3日続くと大量死を引き起こす可能性が示されています[8]。

水産庁の資料は、アサリの生存に影響する条件として、高水温(32℃以上)、低塩分(10以下)、貧酸素(水中の酸素が1mg/L以下)を挙げています[9]。福岡県の資料は、これらの条件が重なる場合もあると整理しています[9]。低い塩分・高い水温・酸素不足が重なる場合があり、そのときアサリにはいっそう厳しい環境になると考えられます。

ただし、psuは塩分を表す単位で、これらの数字は水槽での実験や資料のまとめの値です。現場の限界は、水温や酸素でも変わります。1つの条件だけで全滅するとは限らず、重なって起きる点が大切です。

砂の中の家は、天気に左右される家でもあります。では、そうした家は、日本全体でどれくらい減ったのでしょうか。

低塩分は、アサリにとって命にかかわる条件である。長崎大学の室内実験では、96時間の曝露で塩分15psu以上ならほとんど死なず、10psu以下ではほぼ全滅した。10psu以下が2〜3日続くと大量死を引き起こすと示唆されている[8]。psuは塩分の単位で、これは室内実験の値である。

では、現場ではどうか。水産庁の資料は、生存に影響する条件として、高水温(32℃以上)、低塩分(10以下)、貧酸素(1mg/L以下)を挙げる。福岡県の資料は、これらの条件が重なる場合もあると整理している[9]。低塩分・高水温・貧酸素が重なる場合があり、そのときアサリにはいっそう厳しい環境になると考えられる。

注意したいのは、これらの数字の性格である。塩分と水温の数値は、室内実験や資料のまとめで、現場の限界は水温や酸素の状態でも変わる。ひとつの条件だけで全滅するとは限らず、重なって起きる点が、資料に共通する見方である。数字は目安であり、定数として読まないほうがよい。

ここまでが、個体が暮らせる条件の話である。では、条件がそろう場所は、日本全体でどれほどあったのか。国内の漁獲量が、その手がかりになる。

5. アサリの 家は、どれくらい へったの?

5. 1980年代中ごろから2017年度までに、国内の漁獲量は10分の1未満になった

5. 漁獲量10〜16万トンから7千トンへ ── 埋め立てと、重なり合う要因

1980年代の なかごろまで、日本では 1年に 10万トンから 16万トンの アサリが とれて いました。ところが 2017年度には 7千トンに なりました[10]。10分の 1にも とどきません。

たとえば 東京わんでは、1970年ごろまで、日本ぜんたいの 半分ほど、6万トンぐらいを とって いました。そこで うめたてが すすみ、アサリの とれる 場所の 広さが 4分の 1に なって、とれる 量りょうも 大きく へりました[10]。

そのあと 九州の 海などで 量りょうが のびましたが、1980年代の おわりごろに 大きく へりました。へった わけは ひとつでは ありません。とりすぎ、すなの 変化へんか、エイに 食べられる ことなどが あげられて います[7]。2019年の 時点では、これで もとに もどると いえる ほうほうは まだ 見つかって いない と かかれて います[10]。

1980年代の中ごろまで、アサリの国内漁獲量は年に10万〜16万トンありました。ところが1980年代後半から減り続け、2017年度には7千トンまで落ちています[10]。10万トンの7%、16万トンの約4%で、10分の1にも届きません。

減り方は、場所によって違いました。東京湾では1970年ごろまで、全国の約半分にあたる6万トンほどをとっていましたが、埋め立てで漁場の面積が4分の1になり、漁獲量は大きく減りました[10]。その分を補うように、1970年代には有明海(熊本・福岡)や周防灘(大分)が伸びます。ところが、それらも1980年代後半に激減しました[10]。熊本県沿岸では1977年に6万5千トンの漁獲が記録され、その後減って、2千トン前後で推移してきたとされます。およそ30分の1です[7]。

原因は1つではありません。資料は、獲りすぎ、底質(砂や泥の状態)の変化、ナルトビエイによる食害などを挙げています[7]。生産力を失った漁場に砂をかぶせる「覆砂」をしたところ、稚貝が育って生産が回復した例があり、底質に育ちを妨げる要因があると推察されています[7]。2019年の時点では、減少に様々な要因が複雑に絡み、有効な回復策はまだ見つかっていないとも書かれました[10]。

国内の生産が落ちたため、同じ資料は、輸入アサリが消費全体の8割以上を占めると記しています(2019年の執筆時点)[10]。

水産研究・教育機構の資料によれば、アサリの国内漁獲量は、1980年代中頃までは年10万〜16万トンあった。だが1980年代後半から減り続け、2017年度には7千トンまで落ち込んだ[10]。計算すると、7千トンは10万トンの7%、16万トンの約4%にあたる。なお2017年度は当時の最新の値ではなく、現在の漁獲量ではない点に注意が必要である。

減り方は産地ごとに異なる。東京湾では1970年ごろまで全国の約半分、6万トンほどを獲っていたが、埋め立てで漁場面積が4分の1になり、大幅に減った。その穴を埋めるように、1970年代には熊本・福岡の有明海や大分の周防灘が伸びたが、1980年代後半に激減した[10]。熊本県沿岸(有明海中央東部)では1977年に6万5千トンの漁獲が記録されたが、その後減り、2千トン前後で推移してきたとされる。比にして30分の1ほどである[7]。

減少の要因として、環境省の資料は、過剰な漁獲圧、底質環境の変化、ナルトビエイによる食害を挙げる。生産性を失った漁場に覆砂を施すと稚貝の生育が認められ、生産が回復したことから、底質に成育を阻害する要因があると推察された[7]。2019年時点で、水産研究・教育機構は、乱獲・環境悪化・食害・餌不足などが複雑に絡み、有効な回復策は見つかっていないと述べている[10]。「覆砂で回復した」という例があっても、単一の原因がすべてを説明するわけではない。

国内の生産が低迷したため、輸入アサリが消費全体の8割以上を占めるとされる(2019年の執筆時点の記述)[10]。では、減ったアサリの家を、人はどう守ろうとしているのか。

6. 赤ちゃんを まもる あみと、パックの ラベル

6. 稚貝を守る網と、パックの産地ラベルから始める観察

6. 稚貝期を守る取り組みと、産地ラベルで確かめられること

アサリを まもる くふうも あります。生きて いく 間で、あかちゃんの 時期に へる 数が おおきい ことが わかって います。その 時期に 人が まもれば、アサリを ふやせると されて います[10]。

ひとつは「あみぶくろ」です。小さな 石を 入れた あみの ふくろを 干潟ひがたに おいて、あかちゃんを あつめます。もうひとつは「かぶせあみ」です。あみを かぶせて、なみに 流されたり、クロダイに 食べられたり するのを ふせぎます[10]。

やってみよう:お店で アサリの パックを 見たら、ラベルの 産地さんちを 見て みましょう。日本で とれた ものか、外国の ものか。日本なら どこの 県か。分からない 書きかたが あったら、大人と いっしょに しらべて みましょう。ラベルに とれた 場所まで 書いて あったら、地図で いりえや 川の 近くか 見て みましょう。

海に いく ときは、かならず 大人と いっしょです。干潟ひがたの 上では、しおが みちて くる 時間にも 気を つけます。

減った家を取りもどそうと、赤ちゃんの時期を守る工夫が続けられています。生活史のなかでは稚貝の時期に減る数が大きく、その時期に人が守れば資源の再生は可能とされるためです[10]。

干潟に砂利を入れた網袋を置いて稚貝を集める「網袋採苗」、網をかぶせて波に散らされたり、クロダイなどに食べられたりするのを防ぐ「かぶせ網」がその例です[10]。

家で確かめられることが2つあります。1つは、スーパーでアサリのパックを見かけたら、ラベルの産地を見ることです。国産か外国産か、国産ならどの県か。分からない表示があれば、大人と一緒に調べてみましょう。ラベルに漁獲した場所まで書かれていたら、地図で入り江や川の河口の近くかを見てみましょう。

もう1つは、海に行く機会に、潮が引く時刻を調べておくことです。干潟で砂の色や粒の見え方が場所によって違うかを、眺めて比べられます。干潟に入ってよい場所か、潮が満ちてくる時間はいつかは、必ず大人と一緒に確かめてください。

取り組みの考え方は、資料の生活史の整理にある。生活史のなかで稚貝期の減耗が大きく、その時期に人が守れば資源再生は可能とされる[10]。具体例が、干潟に砂利入りの網袋を置いて稚貝を効率よく集める「網袋採苗」と、網で覆って波による散逸やクロダイなどの食害から守る「かぶせ網」である[10]。

三河湾では天然稚貝が多く発生する河口干潟があり、愛知県は年間1万トン前後を維持してきたが、2014年以降に急減し、令和元年の統計でかろうじて全国1位とされた[12]。稚貝が多く発生する場所も、安心できる場所とは限らない。

自分で確かめられる道すじは、2つある。まずスーパーのアサリのパックで、ラベルの産地表示を読む。分からない表示があれば大人と調べる。国産ならどの県か、ラベルに漁獲した場所まで書かれていれば、地図で河口や入り江の近くかを調べる。これは、本記事の「川がつくる干潟に多い」という読み方を、身近な産地ラベルで検証する小さな試みになる。次に、海に行く機会に、潮が引く時刻を調べ、干潟の砂の色や粒の見え方を場所ごとに見比べる。ただし干潟に入ってよい場所かどうか、潮が満ちる時間は、大人と確かめる。

本記事の数字には注意点がある。漁獲量は「獲れた量」で、生息数そのものではない。2017年度の7千トン、輸入が8割以上という記述は、それぞれ2017年度と2019年の値で、現在の値は農林水産省の統計などで確かめる必要がある。幼生の距離や低塩分の数値は、一部の海域や室内実験の値である。原典は、水産研究・教育機構の増養殖研究レターと、環境省の有明海・八代海等総合調査評価委員会資料で読める。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

出典について:公的機関の資料を中心に使った。何に使ったかは、それぞれの項目の最後に書いている。

  1. 環境省 せとうちネット「干潟とは」。https://www.env.go.jp/water/heisa/heisa_net/setouchiNet/seto/g1/g1chapter3/mobahigata/higatatowa/index.html (干潟の定義と、できる場所について)
  2. 神奈川県「アサリ」(図鑑)。https://www.pref.kanagawa.jp/docs/mx7/cnt/f430693/zukan-asari.html (分布する場所について)
  3. 環境省 環境アセスメント資料「注目種の特性・アサリ」。https://assess.env.go.jp/files/0_db/contents/0560_03/chap2_14_3.html (分布域、塩分、成長段階ごとの生活場所について)
  4. 千葉県「アサリ」。https://www.pref.chiba.lg.jp/suisan/sakana/sakana-variety/asari.html (砂にもぐって水管を出す呼吸について)
  5. 静岡県水産・海洋技術研究所「浜名湖のアサリ」。https://fish-exp.pref.shizuoka.jp/02fishery/2-5/21_asari.pdf (産卵の時期と浮遊幼生の期間について)
  6. 水産研究・教育機構「アサリ資源再生パンフレット」(農林水産省委託プロジェクト)。https://www.affrc.maff.go.jp/docs/project/pdf/jisseki/2016/seika2016-170.pdf (幼生の大きさと、海流による移動について)
  7. 環境省 有明海・八代海等総合調査評価委員会資料(A4海域・アサリ)。https://www.env.go.jp/council/20ari-yatsu/y202-10b/3-4.pdf (稚貝と砂粒の大きさ、熊本県沿岸の漁獲、減少の要因について)
  8. 長崎大学 水産学論文(アサリの低塩分耐性)。https://nagasaki-u.repo.nii.ac.jp/record/18878/files/seisan_sui20ronbun.pdf (低い塩分に耐える限界について)
  9. 水産庁 令和4年度成果集/福岡県有明海研究所の資料。https://www.jfa.maff.go.jp/j/gyosei/supply/seika/attach/pdf/R04_ippan-193.pdf (生存に影響する水温・塩分・酸素の条件について)
  10. 水産研究・教育機構「増養殖研究レター」(2019年)。https://fra.repo.nii.ac.jp/record/2006915/files/nria_l_8-05.pdf (国内漁獲量の移り変わり、減少の要因、稚貝を守る取り組みについて)
  11. 愛知県水産試験場「アサリ」。https://www.pref.aichi.jp/soshiki/suisanshiken/asari001.html (三河湾の河口干潟について)
  12. 愛知県水産試験場「二枚貝類に関する研究」。https://www.pref.aichi.jp/soshiki/suisanshiken/0000009575.html (愛知県の漁獲量の移り変わりについて)

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