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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

ねる まえの スマホと ねぶそくに「かんけいが ある」とき、スマホが げんいんと いえるの?

画面と睡眠不足に「関係がある」とき、画面が原因だと言えるのか

画面と睡眠不足に「関係がある」とき、それは「原因」なのか ── 調査と実験のちがい

分野:からだ

よる、つかって いなくても、へやに スマホが ある だけで、ねむれて いない 子が ふえる。そんな 調査ちょうさの 結果けっかが あります。

それなら、ねむれない わけは 画面の 光では ないのでしょうか。この 記事を 読むと、「関係かんけいが ある」と「原因げんいんだ」が どう ちがうのか、実験じっけんでは なにが 分かるのかが 分かります。

夜に使っていなくても、部屋にスマホやタブレットが置いてあるだけで、睡眠不足と関係が出る。世界の研究をまとめた分析に、そんな結果が出ています。

それなら、眠れない原因は画面の光ではないのでしょうか。この記事を読むと、調査で分かる「関係」と実験で近づける「原因」のちがい、そして睡眠と画面の研究がどこまで分かっているのかが分かります。

夜に使っていなくても、部屋に携帯機器があるだけで睡眠不足と関連する。2016年の大規模なメタ分析は、そうした結果を示した[1]。

画面の光が眠りを妨げるのなら、使わない機器まで関連するのはなぜか。この記事を読むと、調査が示すのは「関連」までであること、実験でどこまで原因に近づけるか、その実験にも限界があることが分かる。

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1. ねむれて いない 子ほど、画面を 見て いるって ほんとう?

1. 画面を使う子ほど寝不足、という調査はどこまで本当か

1. 「関連がある」と示した大規模なメタ分析と、その弱点

2016ねんに、せかいの 研究を まとめて 調べた 人たちが いました。20の 研究、12万5千人より 多い 子どもたち(へいきん 14.5さい)の データです。ねる ときに スマホなどを つかう 子は、ねむる 時間が たりない 子が 多い、という 関係かんけいが 見つかりました[1]。

では、「画面が 子どもを ねむれなく して いる」と 言って いいのでしょうか。じつは、ここで 言えるのは、「いっしょに おきやすい」までです。

この データは、子どもや 保護ほご者に きいた 答えが もとでした。まちがいや 思いちがいが 入りやすいので、研究者たちは「証拠しょうこの 質しつは ひくい」と 見て います[1]。

さらに、「ねむれない 子が、ひまだから 画面を 見る」という あべこべの 流れも ありえます。「関係かんけいが ある」だけでは、どちらが どちらの 原因げんいんかは 決められません。

2016年、JAMA Pediatricsという医学雑誌に、世界の研究をまとめた分析が出ました。20の研究、12万5千人あまり(平均14.5歳)のデータで、寝る時間に携帯機器を使う子は、睡眠が足りない子が多いという関連が示されました。オッズ比は2.17です[1]。オッズ比は関連の強さの目安で、「2.17倍の確率」という意味ではありません。

では「画面が子どもを眠れなくしている」と言ってよいのでしょうか。この分析では、睡眠時間も機器の使用状況も、本人や保護者への質問で調べています。研究者自身、証拠の質は低いと評価しています[1]。

矢印が逆かもしれない

もうひとつ考えたいのは、向きです。画面を見るから眠れないのではなく、眠れない子が時間をつぶすために画面を見ている可能性もあります。この向きの逆転を直接調べた資料は今回の材料にはないので、あくまで「ありえる説明」のひとつです。

相関とは、一方が変わるともう一方も変わる関係のことで、原因かどうかは問いません。ある大学の講義資料も、データだけから因果を知るのは特殊な場合を除いて難しいと説明しています[6]。

2016年のメタ分析(Carterら)は、20研究・12万5千人あまり(平均14.5歳)を対象に、就寝時の携帯機器の使用と睡眠量不足の関連を調べ、オッズ比2.17(95%信頼区間1.42〜3.32)という強く一貫した関連を報告した[1]。なお、オッズ比は関連の強さの指標であり、「2.17倍の確率で寝不足になる」という意味ではない。

ただし、この結論をそのまま「画面が睡眠を奪う」と読むことはできない。睡眠も機器の使用も本人や保護者の自己申告であり、著者らは証拠の質を低いと評価した[1]。しかも、観察研究は、ある時点の2つの量が並んで動くことを示すだけで、どちらが先かまでは示さない。眠れない子が夜に画面へ向かう、という逆向きの説明も成り立つ(この向きを直接調べた資料は、今回の材料には含まれていない)。

相関は「一方が変わるともう一方も変わる」関係を指し、因果の有無は問わない。共通の第三の要因(交絡)が見かけの相関を生むことがあり、データだけから因果を知ることは特殊な場合を除いて難しい、と大学の統計の講義資料も説明している[6]。では、その「別の説明」の手がかりは、同じメタ分析のなかにないのか。

2. つかって いない スマホでも、へやに あるだけで 関係かんけいが 出る?

2. 使っていないのに、部屋にあるだけで関係が出た

2. 「使わない機器」も関連した:光だけが原因とは限らない手がかり

同じ 研究で、おもしろい ことが 分かりました。よるに スマホを つかって いなくても、へやに おいて あるだけの 子は、ねむる 時間が たりない 子が 多かった のです[1]。

もし 画面の 光だけが わるいなら、つかって いない スマホは 関係かんけいが ないと 考えたく なります。でも、画面の 光だけでは、この 結果けっかを 説明せつめいできないかも しれません。光の ほかに なにかが かくれて いるのかも しれません。

たとえば、「通知が 気に なる」「ねる 前の すごし方が ちがう」などです。ただ、どれが ほんとうの わけかは、この 調査ちょうさだけでは 決められません。

かんがえ方は こう です。「関係かんけいが ある」ときは、ほかの 原因げんいんが かくれて いないかを うたがって みる。それが、原因げんいんを 知る 第一歩です。

同じ分析は、夜に機器を使わず、部屋に置いてある(使おうと思えば使える)だけの子も、睡眠不足とオッズ比1.79で関連していたと報告しています[1]。使っていないのですから、画面の光が目に入ったわけではありません。

この結果は、画面の光だけが原因とは限らない、という手がかりになります。通知が気になって寝つけない、そもそも夜ふかしが好きな子ほど機器を手元に置く、などの説明が考えられます。ただし、理由が何なのかは調査からは分かりません。ここに書いたのは「ありえる説明」で、データが示したものではありません。

見えない第三の要因

このように、AとBの両方に影響する別の要因(交絡)があると、AとBに強い関係が出ます。調査では、その要因を一つずつ消していくのが大変です。そこで登場するのが、条件を決めて比べる「実験」です。

同じメタ分析のなかには、夜に機器を使わず、部屋に置いて利用できる状態にあるだけの子も、睡眠量不足とオッズ比1.79(95%信頼区間1.39〜2.31)で関連した、という結果がある[1]。使っていないのだから、画面の光はこの関連の直接の原因になりえない。

このことは、画面の光だけが原因とは限らない手がかりになる。ただし、「光以外が原因である」と断定する根拠にもならない。通知への反応、就寝前の習慣、生活リズムなど、別の説明が考えられるにとどまり、どれが正しいかは調査の枠では決められない(ここに挙げた例は、材料から導いた推測である)。

観察研究が抱える問題は、ここにある。群ごとに、画面の使い方以外の条件が既にちがうので、結果のちがいを画面のせいにできない。では、「相関が強ければ、原因に近い」と考えてよいのか。次の章では、極端な例でこの考えを試す。

3. 「関係かんけいが 強い」ほど、原因げんいんに 近いの?

3. チョコレートとノーベル賞:関係が強くても原因とは限らない

3. チョコレート消費とノーベル賞:強い相関でも因果とは別

2012ねんに、お医者さんの 雑誌ざっしに、へんな グラフが のりました。国ごとに チョコレートを 食べる りょうと、ノーベル賞しょうを とった 人の 多さを くらべると、23の 国で 強い 関係かんけいが あった のです[5]。

では、チョコを 食べると ノーベル賞しょうが とれる のでしょうか。書いた 人も、これは 原因げんいんを しめす ものでは ないと はっきり 書いて います。国の 平均へいきんの 話で、ひとりひとりが 食べた りょうでも ありません[5]。

お金が ある 国は チョコも 研究も 多い、のような ほかの わけも ありえます。(これは わたしたちの 例れいです。)関係かんけいが 強くても、原因げんいんとは 言えないのです。

2012年、医学雑誌NEJMに、国ごとの1人あたりチョコレート消費量と、人口あたりのノーベル賞受賞者数に強い相関(r=0.791、23か国)があるという報告が載りました。筆者自身が「因果を証明するものではない」と書いています[5]。

これは国の平均どうしの比べで、個人がチョコを食べた量と受賞の関係ではありません。豊かな国ほどチョコも研究費も多い、といった第三の要因が裏にあるのかもしれません(これは筆者の例で、報告が示したものではありません)。

この例の意味は、相関の強さと原因の有無は別の話、ということです。睡眠と画面の関係も、数字が大きいから原因だとは言えません。それなら、原因に近づくには、何をすればよいのでしょうか。

極端な例を一つ見る。Messerli(2012)は、国ごとの1人あたりチョコレート消費量と、人口あたりのノーベル賞受賞者数のあいだに、強い相関(r=0.791、23か国)を報告した。筆者自身が、この結果は因果を証明しないと明記している[5]。

注意したいのは、これが国単位の平均値の相関だという点である。個人のチョコ摂取量と受賞の関係ではなく、集団の平均から個人の関係を推し量ることもできない。豊かな国ほどチョコの消費も研究への投資も多い、といった第三の要因が考えられる(ここでの説明は筆者の仮定であり、報告が示したものではない)。

この例が教えるのは、相関の強さ(r=0.791)と因果の有無が別の問題だということである。睡眠と画面の研究にも同じ注意がいる。では、観察では見えない第三の要因を、どう取りのぞくのか。

4. 画面と 紙の 本で くらべたら、ねむる までの 時間は どう かわった?

4. 電子書籍と紙の本をくらべた実験:寝つきは約10分ちがった

4. 順番をくじで決めた実験:寝つきは約10分長くなった

そこで、「じっけん」です。2015ねんに、アメリカの 研究チームが、元気な 大人12人に きょうりょく してもらいました。病院に 14日間 とまり、そのうち 5ばんは ひかる 電子の 本、べつの 5ばんは 紙の 本を、ねる まえに 4時間 読んだのです。

どちらを 先に するかは、順じゅん番を ランダムに 決めました。同じ 人が 両方を ためすので、人の ちがいは 入りにくく なります。

けっかは、電子の 本の ばんの ほうが、ねむる までに 約やく10分 長く かかりました。ねむくなる ホルモンの メラトニンも へり、あさの ねむけも 強かった そうです[2]。

この じっけんが 言えるのは、「大人12人では、画面の 光の ある 読書が ねつきを おそく した」ことです。子どもの けっかでは ありません。

原因に近づく方法が、条件を決めて比べる実験です。2015年、アメリカの研究チームが、健康な大人12人に協力してもらい、病院に14日間滞在しました。5晩は光る電子書籍(iPad)を、5晩は紙の本を、寝る前に4時間読んだのです[2]。

どちらを先にするかは、くじのようにランダムに決めました。同じ人が両方を試すので、人のちがいが結果にまぎれにくくなります。くじ引きで人を分けて比べる方法(ランダム化比較試験)の考え方も同じで、分け方を偶然に任せるので、あとに出た差を介入のせいと考えやすくなります[7]。

結果は、電子書籍の晩のほうが、寝つくまでに約10分長くかかり、眠気を誘うホルモンのメラトニンが減り、翌朝の眠気が強いというものでした[2]。画面の光が眠りに影響するという仮説に、調査より強い手がかりを与えます。ただし、対象は大人12人です。子どもの結果ではありません。

観察研究の弱点を補う方法が、条件を研究者が決めて比べる実験である。Chang(2015、PNAS)では、健康な成人12人が病院に14日間滞在し、5晩は発光する電子書籍(iPad)、5晩は紙の本を就寝前に4時間読んだ。順序はランダムである[2]。同じ人が両方の条件を経験するため、個人差が結果に混ざりにくい。

結果は、電子書籍の晩に、寝つくまでの時間が約10分長く、メラトニン分泌が減り、翌朝の覚醒度が下がる、というものだった[2]。ランダム化の要点は、グループ分け(ここでは順序)を偶然に任せることで、分け方の偏りを避け、あとの差を介入のせいと考えやすくする点にある[7]。そのため、この実験は、調査では見えなかった「画面の光が寝つきを遅らせうる」という手がかりを与える。

それでも、対象は成人12人であり、子どもの結果ではない。実験で近づけるのは「因果」であって、日常の全てに当てはまる結論ではない。次に、この限界を具体的に見る。

5. じっけんでも 分からない ことは? 子どもでは どうだった?

5. 実験にも限界がある:子どもの研究と、ベッドに入ってからの画面利用

5. 実験の限界と、子どもを対象にした研究が示すこと

じっけんにも、できない ことが あります。この 実験じっけんの 研究者たちは、「しくみを しらべる もので、ふだんの くらしの 調査ちょうさでは ない」と 言って います[3]。人数が 少なく、病院という とくべつな 場所でも ありました。

では、子どもでは どうでしょう。12〜19さいの 生徒せいとを 1か月 おいかけた 研究が あります。はじめの 2週間は ふだん どおり、次の 2週間は 平日の 夜9時から あとは 画面を つかわない ように しました。画面を 見る 時間が へると、ねる 時こくが はやく なり、ねむる 時間が ふえました[4]。

ただ、くじで グループを 分けた 研究では ありません。みんなが 同じ 順じゅん番でした。べつの 原因げんいんが まざる ことも あります。

もうひとつ、オタゴ大学(ニュージーランド)の 発表では、11〜14さいの 子どもたちを 調べた 研究で、ベッドに 入ってから 画面を 見ると ねつくのが 30分ほど おそく なり、ねむる 時間も みじかく なりやすい、と いわれます。ねる 前 2時間の 画面は、その 夜の 睡眠すいみんに あまり えいきょうが なかった そうです[8]。これも 調査ちょうさなので、「関係かんけい」の 話です。ただし、ねる 前の 画面が だいじょうぶ、と いう いみでは ありません。

実験にも限界があります。先ほどの実験の研究者自身が、これは仕組みを調べる実験で、実生活の疫学調査ではないと述べています[3]。少人数で、病院という特殊な環境でもありました。

子どもを1か月追った研究

子どもでは、どうだったのでしょうか。Perraultら(2019)は、12〜19歳の生徒を1か月追いました。最初の2週間は通常どおり、続く2週間は平日の夜9時以降は画面を使わない期間です。9時以降の画面時間が減ると、寝つく時刻が早まり、睡眠時間が増えました[4]。

ただし、くじ引きで分けた比較ではなく、全員が同じ順序で参加する設計でした。期間の後半に起きた別の出来事(試験や季節など)が混ざった可能性も残ります(これは一般的な注意で、この研究が述べたことではありません)。

時間帯より、ベッドの中

ニュージーランドのオタゴ大学の発表によると、11〜14歳を、体につけたカメラと手首の測定器で1週間調べた2024年の研究では、寝る前2時間の画面利用は、その晩の睡眠にあまり影響せず、ベッドに入ってからの画面利用では寝つきが約30分遅れ、睡眠時間も短くなる傾向がありました[8]。これも観察研究で、示しているのは関連です。「寝る前の画面は無害」という意味ではありません。

実験にも限界がある。Changらの研究では、著者自身が、これは仕組みを調べる実験であり、実生活の疫学調査ではないと述べている[3]。対象が少人数で、環境が特殊であれば、日常の子どもにそのまま当てはめることはできない。

子どもを対象にした介入の例が、Perraultら(2019、Sleep)である。12〜19歳の生徒を1か月追い、2週間の通常期のあと、平日の夜9時以降は画面を使わない2週間を設けた。9時以降の画面時間の減少に伴い、寝つく時刻が早まり、総睡眠時間が増えた[4]。ところが、ランダムに群を分けたのではなく、全員が同じ順序で参加する設計である。介入の期間に重なった別の変化(試験の時期や季節)を、画面を減らした効果から切り離すことが難しい(これは設計に対する一般的な指摘であり、著者の記述ではない)。

さらに、画面を「いつ」「どこで」使うかも手がかりになる。オタゴ大学の発表によれば、2024年のBrosnanらの研究(11〜14歳、体につけたカメラと手首の測定器で1週間)では、寝る前2時間の画面利用はその晩の睡眠にあまり影響せず、ベッドに入ってからの画面利用では寝つきが約30分遅れ、睡眠時間も短くなる傾向があった[8]。ただし、これは観察研究であり、関連を示すにとどまる。「寝る前の画面は無害」と言い換えるのも誤りである。

6. 自分の ねる 前を 1しゅうかん しらべて みよう

6. 1週間、自分の寝る前を記録してみる

6. 自分で「関係」を調べる:記録のしかたと、原典の読み方

今日できること:1しゅうかん、ノートに 3つだけ 書きます。「ねる 前に 画面を 見たか」「ねた 時こく」「あさ おきた とき ねむかったか」です。

7日分が そろったら、見くらべて みましょう。画面を 見た 日と 見ない 日で ちがいが ありますか。もし あっても、それは 「関係かんけい」の 話です。ほかの わけが ないかも、考えて みて ください。

公式の 情報じょうほう:厚生労働省こうせいろうどうしょうの「健康けんこうづくりのための睡眠すいみんガイド2023」は、小学生は 9〜12時間、中学生・高校生は 8〜10時間の 睡眠すいみんを すすめて います。ねる へやに スマホや タブレットを もちこまない ことも すすめて います[9]。

今日できること:1週間、ノートに3つだけ書きます。「寝る前に画面を見たか」「寝た時刻」「朝の眠気の強さ」です。

7日分がそろったら、画面を見た日と見なかった日を比べます。ちがいがあっても、それは1人の1週間の関係にすぎません。その日は宿題が多かった、部活で疲れていた、など、別の理由も書き加えると、何が混ざっているのか見えてきます。条件を決めて試したいときは、おうちの人と相談して、決めた日だけ画面を見ない、という形にしてもよいでしょう。

公式情報:厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」は、小学生は9〜12時間、中学・高校生は8〜10時間の睡眠時間の確保を推奨し、寝室にスマホやタブレットを持ち込まないことを勧めています[9]。寝室でどう使うかは、家の人と相談して決めてください。論文の原典を読みたい人は、出典欄の一覧のなかのJAMA PediatricsやPNASの論文を探してみてください。

自分の寝る前を1週間記録し、画面の使用の有無と、就寝時刻・翌朝の眠気を並べてみるとよい。差が見えても、それは個人の1週間の関連にすぎず、宿題の量や疲れなど別の要因が混ざる。要因も一緒に書き添えて、何が交絡になりうるか考えることが、調査と実験のちがいを体で理解する近道になる。

実験に近づけたいなら、保護者と相談のうえ、画面を使わない夜と使う夜を決め、その順序を偶然(コインなど)に任せる。それでも1人・数日では、偶然のばらつきが大きい。

公式情報として、厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」は、小学生に9〜12時間、中学・高校生に8〜10時間の睡眠確保を推奨し、寝室へのスマホ・タブレットの持ち込みを避けるよう勧める(今回は自治体による引用で内容を確認した)[9]。研究の原典として、Carterら(JAMA Pediatrics 2016)[1]、Changら(PNAS 2015)[2]、Perraultら(Sleep 2019)[4]はいずれも英語で、読み方を知れば、「対象は誰か」「くじで分けたか」「自己申告か」を自分で確かめられる。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

各論文の数値は、大学・学会・研究機関が公開する要約や発表にもとづきます。ページの内容は今後変わることがあります。

  1. Carter B. et al. (2016) "Association Between Portable Screen-Based Media Device Access or Use and Sleep Outcomes" JAMA Pediatrics 170(12):1202-8 https://orca.cardiff.ac.uk/id/eprint/91557/ (メタ分析・オッズ比2.17と1.79)
  2. ペンシルベニア州立大学ニュース "Light-emitting e-readers detrimentally shift circadian clock" https://www.psu.edu/news/research/story/light-emitting-e-readers-detrimentally-shift-circadian-clock (Chang et al. 2015の実験の内容と結果)
  3. Chang A.-M. et al. (2015) PNAS (PubMed) https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25535358/ (実験の要約・仕組みを調べる実験であること)
  4. Perrault A. et al. (2019) Sleep 42(9) https://archive-ouverte.unige.ch/unige:122900 (夜9時以降の画面を使わない期間)
  5. Messerli F. (2012) N Engl J Med / NEJM Cardiology Exchange https://blogs.nejm.org/cardioexchange/2012/10/10/chocolate-and-nobel-prizes-linked/ (チョコレート消費とノーベル賞の相関)
  6. 東北大学 基礎統計 講義資料 https://www2.econ.tohoku.ac.jp/~isgk/lec_material/basic_stat2022/basic_stat2022_03.pdf (相関と因果・第三の要因)
  7. Simply Psychology "Randomized Controlled Trial" https://www.simplypsychology.org/randomized-controlled-trial.html (くじ引きで分ける比較の考え方)
  8. オタゴ大学ニュース "Keep devices out of bed for better sleep" https://www.otago.ac.nz/news/newsroom/keep-devices-out-of-bed-for-better-sleep-study (Brosnan et al. 2024・ベッドの中の画面)
  9. 浜松市 睡眠のページ(厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」の引用) https://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/kenkozoshin/health/health_21/heart/sleep.html (年齢別の睡眠時間・寝室のスマホ)

なおした ところ

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