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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

ねむる じかんを へらすと、あたまの はたらきは どう なるの?

睡眠を毎晩6時間に減らすと、頭のはたらきはどうなる? 本人が気づきにくいのはなぜ?

睡眠不足に気づきにくいのはなぜ?── 6時間睡眠を14日続けた実験と、断眠したラットの脳の活動

分野:からだ

まいばん 6じかんしか ねない ことを、2しゅうかん つづけた 人たちの 実験じっけんが あります。すると、あたまの せいせきは、2日 ねない ときに ちかい ところまで、さがった ことが ありました。ところが、ねむけは、せいせきが さがった ほどには ふえませんでした。

ねむらないと こまるのは、こまって いる ことに じぶんで きづきにくい からかも しれません。この ふしぎな ことと、ねて いる あいだの のうの しごと、こどもに ひつような じかんが わかります。

毎晩6時間しか眠らない生活を14日続けた実験で、頭の働きを調べる課題の成績が、最大で2晩の徹夜に近いところまで落ちたと報告されています[1]。ところが、本人が感じる眠気は、成績が落ちた分ほどには増えませんでした。

眠らないと困るのは、困っていることに自分で気づきにくいからかもしれません。この実験、起き続けたときの反応の落ち方、眠っている間の脳の仕事、子どもに必要な睡眠時間の目安が分かります。

健康な成人に毎晩6時間以下の睡眠を14日続けてもらった実験では、認知課題の成績が最大で2晩の完全断眠に近い水準まで下がった。しかも自覚的な眠気は、成績の低下ほどには増えなかった[1]。

睡眠不足では、成績が落ちても本人が気づきにくいことがある。この問いを、起き続けたときの成績、眠気にかかわる物質、断眠ラットの海馬、睡眠時間の目安という4つの角度から検討する。それぞれの根拠と限界が分かる。

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1. まいばん 6じかんで、なにが おきた?

1. 6時間睡眠を2週間続けた人たちの成績

1. 睡眠6時間を14日続ける実験 ── 成績は下がり、自覚は追いつかない

この 実験じっけんでは、健康けんこうな おとなが あつまりました。まいばん 4じかん、6じかん、8じかん ねる ぐるぷに わかれて、14日 つづけました。べつに、3日 ぜんぜん ねない ぐるぷも ありました[1]。

すると、まいばん 6じかん いか しか ねない 人たちは、あたまの はたらきを しらべる もんだいの 成績せいせきが、ひを おうごとに さがって いきました。いちばん ひどい ときで、2日 ねない 人たちに ちかく なりました[1]。

ふしぎなのは、ここからです。ねむけの かんじかたは、せいせきが さがった ほどには ふえませんでした[1]。じぶんでは「だいじょうぶ」と おもって いても、あたまの はたらきは さがって いる ことが あるのです。

ただし、これは おとなの 実験じっけんです。こどもに そのまま あてはめる ことは できません。

では、ねないで おきつづけると、はんのうは どう なるのでしょう。

この実験では、健康な成人が、毎晩4時間・6時間・8時間のいずれかの睡眠を14日間続けました。比べるために、3晩まったく眠らないグループも用意されました[1]。

結果は、毎晩6時間以下に制限したグループで、認知課題の成績が日を追うごとに下がりました。いちばん大きい低下は、最大で2晩の完全な断眠に近い水準だったと報告されています[1]。「6時間睡眠は2晩の徹夜と同じ」と言い切れる話ではなく、課題によって差があり、「最大で」近づくという範囲です。

注目したいのは、本人の感覚です。自覚的な眠気は、実際の成績の低下ほどには増えませんでした[1]。成績は日ごとに下がっているのに、本人は「いつもどおり」に近いと感じやすい、ということです。

対象は成人で、子どもにそのまま当てはめることはできません。では、1日のうち何時間起きていると、頭の働きはどうなるのでしょうか。

Van Dongen らの実験は、健康な成人を、毎晩4時間・6時間・8時間の睡眠を14日間続ける群と、3晩の完全断眠群に分けて比べた[1]。毎晩6時間以下に制限した群では、認知課題の成績が日を追って下がり、最大で2晩の完全断眠に近い低下になった。

この結果は、「6時間睡眠は2晩の徹夜と同じ」と読むべきではない。低下の程度は課題によって異なり、報告されているのは「最大で」近づくという上限側の数字だからだ。対象も成人に限られる。

むしろ重要なのは、自覚と成績のずれである。自覚的な眠気は、成績の低下ほどには増えなかった[1]。そのため、眠気の感覚だけを頼りに「もう慣れた」と判断すると、実際の低下を見落とす可能性がある。では、睡眠をとらない時間そのものが長くなると、成績はどこまで落ちるのか。

2. おきつづけると、はんのうは どうなる?

2. 17〜19時間起き続けると、反応はどこまで落ちる?

2. 覚醒17〜19時間の成績 ── 血中アルコール濃度0.05%との比較

こんどは、1日の ながさの はなしです。39人が きょうりょくした 実験じっけんが あります[2]。

あさ おきてから、17〜19じかん ねないで いると、はんのうを しらべる けんさの ある ものでは、せいせきが ぐんと さがりました。はんのうの はやさが、いちばん ひどい けんさで、もとの はんぶんほどに なった ものも ありました[2]。

もっと ながく おきて いると、さらに さがります。ねむらない じかんが ながい ほど、あたまも からだも、ふだんの ようには うごきにくく なるのです。

ただし、すべての ちからが いっぺんに さがる わけでは ありません。けんさに よって ちがいが ありました。

では、ねむけは、いったい なにが しらせて いるのでしょう。

起きてからの時間が長くなると、どうなるのでしょうか。39人が協力した実験で、17〜19時間眠らずにいたあとの成績が調べられました[2]。一部の検査では、成績が血中アルコール濃度0.05%の状態と同じか、それよりも低くなりました。反応の速さが最大で約50%遅くなった検査もありました[2]。

起き続ける時間をもっと長くすると、0.1%に相当する低下にまで達したと報告されています[2]。お酒の濃度は、ここでは「ほろ酔い」のめやすとして出てくる比べ方です。

注意したいのは、あくまで一部の検査での比較だという点です。すべての能力が酔った状態と同じになるわけではありません。起き続けた時間が長いほど、反応や正確さが下がりやすい、という方向で読むのが安全です。

では、その「眠い」という感覚は、体の中の何がつくっているのでしょうか。

Williamson と Feyer の実験(39人)では、起きてから17〜19時間たった時点で、成績が血中アルコール濃度0.05%の状態と同等か、それ以下になる検査があった。反応の速さが最大で約50%遅くなった検査もあり、さらに長く覚醒すると、0.1%に相当する低下に達した[2]。

この比較には限界がある。論文が示したのは一部の検査での結果であり、すべての認知・運動機能が酔いと同じになるとは言えない。アルコールとの対応は、起き続けた影響の大きさを、法的な基準にたとえて測るための物差しにすぎない。

前の章の実験と合わせると、睡眠不足の影響は、毎日少しずつ削る場合も、一度に長く起き続ける場合も、成績の低下として現れる。では、起きている間に高まる「眠気」とは何なのか。

3. ねむけの ぶっしつと、こーひーの かんけいは?

3. 眠気にかかわる物質アデノシンと、カフェインのはたらき

3. アデノシンとカフェイン ── 眠気にかかわる物質と拮抗作用

ねむけには、からだの なかの ある ぶっしつが かかわって いると いわれます。なまえは、アデノシンです[3]。

この アデノシンは、ねむりを おぎなう ために ある ぶっしつと して、ひろく みとめられて います[3]。ねむけに かかわる ぶっしつの ひとつ、と おぼえましょう。

おとなが のむ こーひーや おちゃに 入って いる カフェインは、アデノシンが くっつく ところに はたらいて、ねむけを へらします[3]。

でも、1つ きを つけたい ことが あります。1しょうめで 見たように、ねむけの かんじかたと、あたまの せいせきは、ずれる ことが あります。ねむけが へっても、あたまの はたらきが もとに もどったとは かぎりません。

では、ねて いる あいだには、のうの なかで なにが おきて いるのでしょう。

眠気の正体は、完全には分かっていません。ただ、アデノシンという物質は、睡眠を補う働きをもつ物質として広く認められています[3]。眠気にかかわる物質の1つであって、眠気の原因がアデノシンだけだと言われているわけではありません。

カフェインは、アデノシンが結合する受容体にはたらいて、アデノシンのはたらきをさまたげ、眠気を減らします[3]。コーヒーやお茶で目が覚める感じがするのは、この仕組みが一因だと考えられます。

ここで1章の結果を思い出してください。成績の低下に比べて、眠気の自覚は増えにくいことがありました[1]。眠気が減ることと、頭の働きが戻ることは、同じとは限りません。眠気の感覚は、頭の状態を知るための手がかりの1つにすぎない、と考えるほうが安全です。

では、眠っている間、脳の中では何が起きているのでしょうか。

アデノシンは、睡眠を調節する内因性の物質として広く認められている[3]。カフェインはアデノシンが結合する受容体に拮抗して作用し、眠気を減らす[3]。ただし、眠気にかかわるのはアデノシンだけではない。ここで言えるのは「かかわる物質の1つ」という範囲である。

この仕組みから、1章の結果にひとつの示唆が出てくる。眠気を感じにくくする物質をとれば、眠気の自覚は減る。しかし、眠気の自覚と成績が一致しないことは1章で見たとおりで、眠気が減ったことが、成績の回復を意味するとは限らない[1]。この点は、この記事の資料から導いた読み方であり、カフェインの成績への効果を直接調べた結果ではない。

では、眠気の自覚とは別に、睡眠中の脳には何が起きており、それが失われると何が困るのか。

4. ねている あいだ、のうは ひるまを ふくしゅうして いる?

4. 睡眠をとらせなかったラットで、脳の「復習」が消えた

4. 海馬の再活性化と再生 ── 断眠したラットの実験

ラットに めいろを たんけん させて、その あと ねさせないと、どう なるでしょう[4]。

ラットの のうの なかの「かいば」と いう ところでは、ひるまの たんけんの ときの はたらきを、もう いちど くりかえす うごきが 見られます。いわば、おさらいです。ねないと、この おさらいが よわく なり、ぜんぜん 見られなく なる ところも ありました[4]。

そのあと、ゆっくり ねさせても、ぐっすり ねた ときと おなじ ところまでは もどりませんでした[4]。

これは ラットの 実験じっけんです。にんげんの きおくが おなじ わりあいで なくなる、という ことでは ありません。

では、こどもは、どのくらい ねれば いいのでしょう。

ラットに迷路を探索させた直後に、眠らせないとどうなるか。この実験では、脳の海馬という場所で起きる「再活性化と再生」を調べました[4]。これは、昼間の経験のときの神経の活動が、あとでもう一度くり返される現象で、復習のようなものと考えられています。

眠らせなかった場合、この再生は弱まり、一部では完全に消えました。その後、回復のために眠らせても、自然に眠ったときの水準までは戻りませんでした[4]。「取り返しがつかない」と言い切るのではなく、「完全には戻らなかった」という報告です。

ラットの実験なので、人の記憶が同じ割合で失われるとは言えません。ただ、睡眠中に何かの復習のような活動が起きていて、睡眠を欠くとその一部が弱まることを示す例の1つです。

それでは、人にはどれくらいの睡眠が必要なのでしょうか。

Giri らの実験は、ラットに迷路を探索させた後で睡眠をとらせない条件を設け、海馬の神経活動を記録した[4]。通常の睡眠中には、探索中の神経活動のパターンが再び現れる「再活性化と再生」が起きる。断眠した条件では、この再生が弱まり、一部では完全に消失した。

注目すべきは、その後に回復睡眠をとらせても、再生が自然な睡眠時の水準までは戻らなかった点である[4]。ただし「取り返せない」とは言えず、論文の表現は「完全には戻らなかった」である。ラットでの結果であり、人の記憶が同じ割合で失われるとは書けない。

1章・2章が行動の成績を測ったのに対し、この実験は脳の中の活動を測っている。つまり、睡眠不足の影響は、成績にも神経活動にも現れる。では、必要な睡眠時間は、年齢ごとにどれくらいと見積もられているのか。

5. こどもは、なんじかん ねれば いいの?

5. 小学生は9〜12時間。日本の平均は442分

5. 年齢別の睡眠時間の推奨と、日本の平均睡眠時間

厚生労働省こうせいろうどうしょうの ガイドでは、アメリカの 学会がっかいの すすめを しょうかい しています。1〜2さいは 11〜14じかん、3〜5さいは 10〜13じかんです[5]。

小学生は 9〜12じかん、ちゅうがくせいと こうこうせいは 8〜10じかんです[5]。これは、からだと こころが かいふくし、せいちょうする ために ひつような じかんを、見つもった ものです。ひとりずつ ちがう ことも あります。

では、日本の おとなは どのくらい ねて いるでしょう。ある 統計とうけいを もとに した きじでは、日本の 1日の へいきん すいみん じかんは 442ふんでした[6]。7じかん 22ふんです。アメリカは 528ふん、中国ちゅうごくは 542ふんで、日本より みじかい 国は すくない ほうでした[6]。

ただし、しらべかたや たいしょうは 国ごとに ちがいます。「日本人は ねて いない」と きめつける ことは できません。

厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」は、米国睡眠医学会が示す推奨を紹介しています。1〜2歳児は11〜14時間、3〜5歳児は10〜13時間、小学生は9〜12時間、中学・高校生は8〜10時間です[5]。心身の回復と成長に必要な時間を見積もった目安で、個人差があります。

日本の大人はどうでしょうか。OECD統計をもとにした記事によると、日本の1日の平均睡眠時間は442分、つまり約7時間22分でした[6]。米国は528分、フランスは513分、英国は508分、韓国は471分、中国は542分で、日本は比べた国々の中で短い水準でした。日本と米国の差を計算すると、528−442=86分で、1時間半近くになります。

ただし、調査の方法や対象は国によって異なります。ここから「日本人は寝ていない」と断定することはできず、一例の比較です。

ところで、人はどうして眠るのか、その理由は分かっているのでしょうか。

厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」は、米国睡眠医学会の推奨として、1〜2歳児11〜14時間、3〜5歳児10〜13時間、小学生9〜12時間、中学・高校生8〜10時間を挙げる[5]。疫学調査や生理研究にもとづき、心身の回復と成長に必要な時間を見積もった値である。個人差があり、あくまで目安だ。

では、実際にはどれくらい眠られているのか。OECD統計(Gender Data Portal 2019)をもとにした記事は、日本の1日の平均睡眠時間を442分(約7時間22分)とする。米国528分、フランス513分、英国508分、韓国471分、中国542分で、日本は比較された国の中で最短水準である[6]。米国との差は528−442=86分、約1時間26分になる。

ただし、調査方法・年齢層・集計の定義は国ごとに異なり、一次資料のOECD原典まで当たった数字ではない。比較は目安にとどめるのが妥当で、「日本人の睡眠が足りない」という結論までは出せない。そもそも、なぜ睡眠が必要なのかは、まだ完全には説明されていない。

6. ねむる わけは、ぜんぶ わかって いるの?

6. なぜ眠るのかは、まだ解き明かされていない

6. 睡眠の理由は未解明 ── ハエから哺乳類まで共通する行動

ふしぎな ことに、ハエや せんちゅうと いった ちいさな いきものまで、ほとんどの どうぶつが、ねむる ことと おきる ことを くりかえすと いわれます[7]。

それなのに、なぜ ねむるのか、ねむけとは なにかは、まだ わからない ことが おおいのです。とけたら ノーベルしょうに なる、と いわれる ほどの なぞです[7]。

ねむけは、からだの なかの とけいと、おきて いる じかんが ながく なると ねむく なる しくみの、りょうほうで きまると いわれます[7]。

イルカは、のうの みぎと ひだりを、こうたいで ねむらせる ことが できます。この ことを つかった 実験じっけんでは、イルカは 15日 つづけて、とめずに もくひょうを 見つける しごとを つづけて、せいせきは ほとんど さがりませんでした[8]。のうの はんぶんずつ ねむるので、「ねむらない」わけでは ありません。

さて、じぶんの ねむりは、どう なって いるでしょう。

ハエや線虫に至るまで、ほぼすべての動物が、睡眠と覚醒をくり返すといわれます[7]。それなのに、なぜ眠るのか、眠気とは何かは、解明できればノーベル賞級とされるほど、よく分かっていない問題です[7]。

眠気は、体内時計と、長く起きて脳の疲れがたまると眠くなる仕組みの、両方に制御されると説明されます[7]。ここまでに見た実験は、「眠らないと何が困るか」の一部を示すものですが、「なぜ眠るのか」の答えそのものではありません。

例外のように見える動物もいます。バンドウイルカは、左右の脳が交互に眠る半球睡眠をもち、2頭の実験のうち1頭は、15日間、エコーロケーションで目標を探す課題を中断なく続け、成績はほとんど下がりませんでした[8]。イルカは「眠らない」のではなく、脳を半分ずつ眠らせています。

分かっていないことが多いからこそ、自分の睡眠を観察することにも意味があります。

睡眠と覚醒の交代は、ハエや線虫に至るまで、ほぼすべての動物に見られるとされる。それでも、なぜ眠るのか、眠気とは何かは、解明できればノーベル賞級といわれるほどの未解決問題である[7]。眠気は、体内時計と、覚醒が長く続き脳の疲労がたまると眠くなる恒常性の仕組みの両方に制御される[7]。

ここまでの結果は、睡眠不足が成績や神経活動に及ぼす影響を示すが、睡眠の必要性の根本的な理由まで答えるものではない。「眠る理由は分かった」と書ける段階ではない、というのが現時点での位置づけだ。

興味深い対照例がイルカだ。バンドウイルカは左右の脳半球が交互に眠る半球睡眠をもち、2頭の実験では、1頭が15日間、エコーロケーションによる目標検出課題を中断なく続け、成績はほとんど低下しなかった[8]。これは「眠らなくてよい」ことを意味しない。眠りの形が違うだけで、片方の半球は常に眠っている。

理由が分からないということは、観察の余地が大きいということでもある。では、自分の睡眠を数字にするには、どうすればよいのか。

7. 1しゅうかん、ねた じかんを 書いて みよう

7. 1週間の睡眠時間を記録して、目安と比べる

7. 出口 ── 記録のとり方と、原典の読みどころ

ねた じかんと おきた じかんを、1しゅうかん ノートに 書いて みましょう。ふとんに 入った じかんでは なく、ねむれた じかんの めやすで かまいません。

そのあとで、5しょうの めやすと くらべます。小学生なら 9〜12じかんです。ただし、めやすは ひとりずつ ちがう ことも あります。はんぶんぐらい しか ねて いなくても、からだの ちょうしが わるい わけでは ありません。

もし たりない 日が つづいて いたら、おうちの 人に そうだんして みましょう。

1週間、寝た時刻と起きた時刻を、毎日ノートに書いてみます。布団に入った時刻ではなく、実際に眠った時間の目安で構いません。

書き終えたら、5章の目安と比べます。小学生は9〜12時間、中学・高校生は8〜10時間です[5]。平日と休みの日で、差がどれくらいあるかも見てみましょう。

もし目安より短い日が続いていたら、1章の実験を思い出してください。眠気を感じにくくても、頭の成績は先に落ちていることがあります。原典を読んでみたい人は、おうちの人といっしょに、ページ下の「参考にした情報源」から探してみてください。

1週間の睡眠時間を、就寝時刻・起床時刻と合わせて記録する。布団に入った時刻ではなく、実際に眠れた時間の見当を書く。厚生労働省のガイドの推奨(小学生9〜12時間、中学・高校生8〜10時間)と比べ、平日と休日の差も確かめられる[5]。

原典を読むなら、Van Dongen ら(2003)の要旨が入口になる。1章の結果が、どの課題の成績なのかが分かる[1]。Giri ら(2024)は、再生が「完全には戻らなかった」という表現を、そのまま確認できる[4]。眠る理由は未解明のままで、新しい論文が続いている分野である。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

出典について:睡眠不足の実験2件、眠気の物質の総説、ラットの海馬の実験、厚生労働省のガイド、睡眠時間の国際比較の記事、睡眠の謎を扱った記事、イルカの実験の要旨を用いました。実験の結果は、対象(成人・ラット・イルカ)の範囲で読んでください。

  1. Van Dongen et al. 2003, Sleep(要旨)。 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/12683469/ (6時間睡眠を14日続けたときの成績と眠気の自覚について)
  2. Williamson & Feyer 2000, Occup Environ Med(要旨)。 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/10984335/ (17〜19時間起き続けたときの成績とアルコールとの比較について)
  3. Adenosine, caffeine, and sleep-wake regulation, J Sleep Res 2022(要旨)。 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/ (アデノシンとカフェインについて)
  4. Giri et al. 2024, Nature(要旨)。 https://doi.org/10.1038/s41586-024-07538-2 (断眠したラットの海馬の再生について)
  5. 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」。 https://www.mhlw.go.jp/content/001305530.pdf (年齢別の睡眠時間の推奨について)
  6. nippon.com Japan Data(OECD統計をもとにした記事)。 https://www.nippon.com/ja/japan-data/h00424/ (日本と各国の平均睡眠時間の比較について)
  7. nippon.com「睡眠の謎」コラム。 https://www.nippon.com/ja/column/g00296/ (眠る理由が未解明であることと眠気の仕組みについて)
  8. Branstetter et al. 2012, PLoS One(要旨)。 https://doi.org/10.1371/journal.pone.0047478 (イルカが15日間課題を続けた実験について)

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