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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

ネットの しゃしんは、かってに つかって いいの?

ネットの写真は使っていいの? ── 作者が先に付ける「使っていいよ」の札、CCライセンス

クリエイティブ・コモンズ・ライセンス ── 4つの条件・6種類の「許可の範囲」と、ウィキペディア・日本版

分野:技術

ウィキペディアの ぶんしょうは、きまりを まもれば、だれでも コピーして つかえる ように なって います。どうして、さくしゃに ことわらなくても いいのでしょう。

ひみつは、さくしゃが さきに つけて おく 「つかって いいよ」の ふだです。ふだの しゅるいと、よみかたが わかります。

ネットで見つけた写真を、自分の発表資料に使いたい。ふつうは作者に許可をもらう必要がありますが、作者のほうが先に「名前を書いてくれれば使っていいよ」と札を付けて公開していることがあります。ウィキペディアの文章も、同じ仕組みの札で公開されています。

なぜ作者は、わざわざそんな札を付けるのでしょうか。札の種類とその読み方、ウィキペディアや日本とのつながりが分かります。

ネット上の写真や文章に、小さな「CC」のマークが付いていることがある。これは作者が先に出した「ここまでは使ってよい」という許可の札で、ウィキペディアの文章も同じ仕組みで公開されている。作者に連絡しなくても使えるのは、なぜか。

4つの条件が6種類の札になるしくみ、札が3つの層でできていること、ウィキペディアと日本版との関わりが分かる。

読み方を切り替えられます。画面の上にある「よみかた」のボタンで、小学校低学年むけ・小学校高学年むけ・中学生むけの3つの書き方に切り替わります。むずかしいと思ったら、いつでもやさしい方に戻ってください。選んだ読み方はブラウザが覚えているので、次に別の記事を開いたときも同じ読み方で始まります。

1. しゃしんを つかいたい とき、だれに きけば いいの?

1. 写真を使いたいとき、いちいち作者に聞かないといけないのか

1. 初期設定は「すべての権利を保有」── 使うたびに許可が要る不便さ

がっこうの はっぴょうに つかいたい、すてきな しゃしんを ネットで みつけました。つかって いいのでしょうか。

ふつう、さくひんには 著作権ちょさくけんが あって、つかい方に よっては さくしゃに 許可きょかを もらいます。「ぜんぶの 権利けんりを さくしゃが もつ」のが、はじめの すがたです[1]。

でも、ひとつずつ きいて まわるのは たいへんです。そこで、さきに 「ここまでは いいよ」と つたえて おく ほうほうを かんがえた ひとたちが いました。

学校の発表で使いたい、すてきな写真をネットで見つけたとします。コピーして配るなど、使い方によっては作者の許可が要ります。著作権法では、作品を作った人が最初から権利を持つため、著作権で守られる作品は、特別な表示がなくても原則として守られています。「すべての権利を作者が保有している」のが初期状態だからです[1]。

とはいえ、作者が「見てもらえるなら使ってもいい」と思っていても、写真の横にそう書いていなければ、使う側にはわかりません。連絡先を探して、メールを送って、返事を待つ。許可を出す側も、もらう側も、手間がかかります。

この手間を、作者が先に済ませておく方法はないのでしょうか。2001年のアメリカで、そう考えた人たちがいました。

著作権は、作品が作られた時点で作者に生じる。つまり、何の表示もない写真や文章は、初期状態で「すべての権利を保有」している扱いになる[1]。著作権で保護される利用には、法律上の例外やライセンスがない限り、複製・配布・改変のたびに作者の許可が原則として必要になる。

作者が「名前を書いてくれれば使ってよい」と考えていても、その意思が作品に書かれていなければ、利用者には伝わらない。逆に、すべての権利を手放して誰でも自由に使える状態(パブリックドメイン)にすることもできるが、「名前は書いてほしい」「商売には使わないで」といった細かい希望は表せない。両極端のあいだに、選べる道はないのか。この不満が、次の章の出発点になった。

2. 「つかって いいよ」を さきに つたえる ふだ

2. 「一部の権利を保有」── 両極端のあいだに札を作った

2. 2001年の設立と2002年の最初のライセンス ── 「一部の権利を保有」という選択肢

2001ねんに、アメリカで クリエイティブ・コモンズと いう だんたいが できました。つくった ひとたちの ひとりが、ローレンス・レッシグさんです[1]。

さいしょの ふだは 2002ねんの 12がつに でました[9]。ふだを つけると、さくしゃは けんりを もったまま、「ここまでなら つかって いいよ」と せかいじゅうに つたえられます[3]。

「ぜんぶ ダメ」でも 「なんでも OK」でも ない、まんなかの えらびかたです。たとえば、おみせの 「ごじゆうに おとりください」の はりがみに、「ひとり 3こまで」と かいて ある ような ものです。ただし、ふだは ほうりつの ルールの なかで はたらきます。

2001年、ローレンス・レッシグ、ハル・エイブルソン、エリック・エルドレッドの3人らを中心に、アメリカでクリエイティブ・コモンズ(CC)が立ち上げられました。きっかけは、著作権の初期状態「すべての権利を保有」への不満だったといいます[1]。

CCが用意したのは、権利をまるごと手放すのでも、全部握りしめるのでもない、中間の選択肢です。最初のライセンスは2002年12月に公開されました[9]。ライセンスを付けた作者は、著作権を持ち続けたまま、「一部の権利を保有(Some rights reserved)」と宣言できます[3]。

お店の「ご自由にお取りください」の貼り紙に、「お一人様3つまで」と書き足すようなものです。ただし、CCライセンスは法律の外の約束ではなく、著作権法の中で働く仕組みです。さて、この貼り紙には、具体的にどんな書き足しができるのでしょうか。

CCは2001年、ローレンス・レッシグ、ハル・エイブルソン、エリック・エルドレッドらを中心に、米国で立ち上げられた。創設の動機は、著作権の初期状態「すべての権利を保有」への不満で、権利を全部持つ状態と、全部手放す状態のあいだに、もう1つの選択肢を作ることだった[1]。レッシグ1人の事業ではなく、3人が名を連ねている点には注意したい。

最初のライセンス(バージョン1.0)は2002年12月に公開された。出典によって日付が15日と16日に割れるので、ここでは年月にとどめる[9]。

CCの公式説明では、ライセンスは「すべての権利を保有」と「権利なし」の代わりとなる「一部の権利を保有(Some rights reserved)」を作者に与える。作者は著作権を持ち続ける[3]。また、これは著作権法の外側に作られた約束ではなく、法の中で働く道具である。では、「一部」とは具体的に何を指すのか。

3. ふだは 4つの ぶひんで できて いる

3. 4つの部品を組み合わせると、6種類の札になる

3. 表示・継承・非営利・改変禁止 ── 4つの条件と6種類の組み合わせ

ふだは、4つの ぶひんから できて います[2]。

ひとつめは「名前を のせる」。さくしゃの 名前を かならず かきます。ふたつめは「おなじ ふだで わたす」。かえて つくった ものにも、おなじ ふだを つけます。みっつめは「おかねもうけに しない」。よっつめは「かえない」。もとの さくひんを そのまま つかいます。

ぶひんを くみあわせて、ぜんぶで 6しゅるい。どれにも 「名前を のせる」が ついて います。さくしゃが えらぶのは、ほかの ぶひんを いくつ つけるか です。

CCの札は、4つの条件を組み合わせてできています[2]。

表示(BY)は、作者の名前や作品のタイトルを示すこと。継承(SA)は、元の作品と同じ組み合わせのCCライセンスで公開すること。非営利(NC)は、営利目的で使わないこと。改変禁止(ND)は、元の作品を変えないことです。

組み合わせは、BY、BY-SA、BY-ND、BY-NC、BY-NC-SA、BY-NC-NDの6種類です。どの札にも、必ずBYが入っています。名前を示すことだけは、すべての札に共通の条件なのです。

BY以外の3つの条件を「付ける・付けない」で数えると、計算上は2×2×2=8通りになります。実際に用意されている札は6種類なので、2通りは存在しません。無いのは、継承(SA)と改変禁止(ND)を同時に付ける組み合わせです。SAは「改変したものを同じ札で配る」条件、NDは「改変しない」条件で、両立しないからです。

CCライセンスは、4つの条件の組み合わせで構成される。表示(BY)は、原作者のクレジット(氏名や作品タイトルなど)を示すこと、継承(SA)は、元の作品と同じ組み合わせのCCライセンスで公開すること、非営利(NC)は、営利目的で利用しないこと、改変禁止(ND)は、元の作品を改変しないことである[2]。

実際に使える組み合わせは、BY、BY-SA、BY-ND、BY-NC、BY-NC-SA、BY-NC-NDの6種類で、すべてBYを含む。BYを除く3つの条件を付ける・付けないで数えると、計算上は2の3乗=8通りだが、用意されているのは6種類で、2通りは存在しない。無いのは、継承(SA)と改変禁止(ND)を同時に付ける組み合わせだ。SAは改変物を同じ条件で配ることを求め、NDは改変そのものを認めないので、両立しない。

作者にとって、この選び方は「どこまで譲り、どこから守るか」の線引きになる。たとえば、BY-NC-NDなら、名前を示して商売には使わず、変えないことが条件で、最も制限が多い。BYだけなら、名前さえ示せば自由度が最も高い。条件が増えるほど、使う人が守る決まりも増える。

4. 「BY-SA」の ふだを よんで みよう

4. BY-SAの札を、実際に読んでみる

4. CC BY-SA 4.0の読み方 ── 許される行為・条件・3つの層

「BY-SA」の ふだを よんで みましょう。この ふだが ついた さくひんは、きまりを まもれば、コピーして くばっても いい、かえて つかっても いい、と かいて あります[4]。

きまりは 4つ。1、名前を のせる。2、ふだの せつめいを のせた ページへの リンクを つける。3、かえた ときは、「かえました」と かく。4、かえた ものも おなじ ふだで くばります。おかねもうけに つかっても いい ふだ です。

ひとつの ふだには、ほうりつの せんもんかが よむ 長い 文と、ふつうの ひとむけの みじかい せつめいと、コンピューターが よむ しるしの 3つが あります[2]。

CC BY-SA 4.0の日本語の説明を読むと、できることがはっきり書いてあります。どんな形式でも複製して配ることができ、リミックスや改変をして別の作品のもとにすることもできます[4]。

そのかわりの条件は4つです。適切なクレジットを示すこと、ライセンスへのリンクを付けること、改変したなら、その旨を示すこと。そして、改変したものを同じライセンスで配ること(SA)です[4]。非営利(NC)が入っていないので、商用利用も許されます。

この説明は、実は3つの層のうちの1つです。1つのライセンスは、法律家向けの正式な「利用許諾」、法律に詳しくない人向けの簡潔な説明「コモンズ証」、そして検索エンジンが読むための「メタデータ」でできています[2]。専門家にも、ふつうの人にも、コンピューターにも読めるように、同じ内容を3通りに書いているのです。

CC BY-SA 4.0の日本語のコモンズ証には、利用者に許される行為が明記されている。どのようなメディア・フォーマットでも資料を複製・再配布でき、リミックスや改変をして別の作品の基礎にすることもできる[4]。

条件は、適切なクレジット表示、ライセンスへのリンク、改変した旨の明示、そして改変物を同じライセンスで配ること(継承)である[4]。非営利(NC)を含まないため、商用利用も可能になる。ここで大事なのは、許可は「無条件」ではなく、条件を満たす限りで与えられている点だ。条件を守らない使い方は、ライセンスで認められた範囲に入らない。

こうした文面が一般の人にも読めるのは、1つのライセンスが3つの層で作られているからだ。法律の専門家が読む、法的に記述した「利用許諾」(リーガルコード)、法律に詳しくない人が主な内容をすぐ理解するための簡潔な説明である「コモンズ証」、検索エンジンが利用するための「メタデータ」である[2]。メタデータのおかげで、検索エンジンは「このCC BYの写真だけ」といった絞り込みの手がかりを得られる、と考えられる。

5. ウィキペディアも おなじ ふだ だった

5. ウィキペディアが、BY-SAの札を選んだ

5. 2009年のウィキメディア財団の決定と、10億件を超えた作品数

ウィキペディアの ぶんしょうにも、この ふだが ついて います。2009ねんに、ウィキペディアを はこぶ ウィキメディアざいだんが 「BY-SA」の ふだを つかう ことを きめました[5]。

みんなで かく ぶんしょうを、ほかの ひとも コピーして つかえて、かえた ものも おなじ ふだで ひろがる。ふだの しくみと、ぴったり でした。

2015ねんの 12がつには、ふだが ついた さくひんが 10おくこを こえたと、CCが はっぴょう しました。ウィキペディアのほかに、しゃしんの サイトの Flickrや、どうがの サイトも ふえた りゆうに あげられて います[6]。

CCの札を使う有名な例が、ウィキペディアです。2009年、運営するウィキメディア財団の理事会は、ウィキペディアなどの文章に、それまでのGFDLに加えてCC BY-SA 3.0のライセンスを使えるようにする移行を承認しました[5]。

みんなで書き足していく百科事典には、BY-SAの条件がよく合います。書かれた文章は、名前を示せば誰でも別の場所に使えます。そして、手を加えた人も、同じ札で配る。そうして文章が世界中に広がっても、「もらった自由を次の人にも渡す」という流れが保たれます。

札を付けた作品の数も増えました。CCは2015年12月に、これまでに10億件を超える作品がCCライセンスで公開されたと報告しています。増加に貢献したサービスとして、写真共有のFlickrやウィキペディア、Vimeo、YouTubeなどが挙げられています[6]。10億は作品の数で、使った人の数ではありません。

CCライセンスが一般に広まるきっかけの1つが、ウィキペディアでの採用だった。2009年、ウィキメディア財団の理事会は、ウィキペディアなどの文章に、それまでのGFDLに加えてCC BY-SA 3.0を採用する移行の決議を承認した。事前の投票で、賛成は75%を超えたと報じられている[5]。この75%は投票した人のうちの割合で、全利用者の割合ではない。

なぜBY-SAなのか。多くの人が書き足していく百科事典では、書かれた文章を誰でも再利用できると同時に、改変された文章も同じ条件で共有され続けることが、協力のしくみとして都合がよい、と考えられる。ただし、本稿の資料はこの選択の理由そのものを述べているわけではなく、条件の中身から読み取った推測である。

規模の面でも、2015年12月のCC「State of the Commons」報告は、創設以来、10億件を超える作品がCCライセンスで公開されたと発表している。増加に貢献したのは、Flickr、ウィキペディア、Vimeo、YouTubeなどである[6]。10億は「作品の数」であり、利用者の数ではない。年ごとの中間値は資料間で食い違うため、ここでは触れない。

6. にほんは せかいで 2ばんめ、「ぜんぶ ゆずる」ふだも ある

6. 日本は世界で2番目に日本版を出し、「権利なし」の札CC0も生まれた

6. 日本版ライセンス(2004年)とCC0、4.0版 ── 札の「両端」と「最新版」

にほんも、この しくみに はやく くわわりました。2004ねんに、にほんごの ふだが でて、アメリカの つぎに 2ばんめでした[7]。

もうひとつ、「ぜんぶの 権利けんりを てばなす」ふだも あります。「CC0」と いいます[8]。法律ほうりつが ゆるす かぎり、さくしゃが 権利けんりを すべて すてて、だれでも じゆうに つかえる ように します。

CC0と、さっきの 6しゅるいで、「ぜんぶ 自分の」から 「ぜんぶ みんなの」まで、いろいろな えらびかたが できる のです。

日本も、早くからこの動きに加わりました。2003年に国際大学GLOCOMを拠点として準備会が発足し、2004年に日本語版のライセンス(2.1)が公開されました。米国に次いで世界で2番目でした。クリエイティブ・コモンズ・ジャパンが独立した組織になったのは2006年です[7]。準備会の発足は2003年、日本版の公開は2004年と、年が分かれています。

札には、もう1つ別の道具があります。CC0です。法が許すかぎり、著作権と隣接権をすべて放棄して、作品をパブリックドメインに置くための道具で、CCのいう「権利なし」の側にあたります[8]。6種類の札が「一部の権利を保有」、CC0が「権利なし」で、「すべての権利を保有」がその反対の端です。

現在の最新版は4.0で、国際版は2013年に公開され、日本語版は2015年に公開されました[10]。

日本は、この仕組みを早く取り入れた国の1つである。2003年に国際大学GLOCOM(グローコム)をホストとして準備会が発足し、2004年に日本版ライセンス(2.1)が公開された。これは米国に次いで世界で2番目にあたる。2006年にはクリエイティブ・コモンズ・ジャパンが独立した[7]。準備会の発足(2003年)と日本版の公開(2004年)を混ぜないように注意したい。

ところで、6種類の札はすべて、作者が著作権を持ち続けることを前提にしている。それとは別に、CC0という道具がある。法が許す範囲で著作権と隣接権をすべて放棄して、作品をパブリックドメインに置くためのもので、CCが「権利なし」と呼ぶ側にあたる[8]。

こうして並べると、「すべての権利を保有」(初期設定)から、6種類の札(一部の権利を保有)、CC0(権利なし)まで、作者が選べる幅が1本の線になる。最新版の4.0は国際版が2013年に、日本語版が2015年に公開されている[10]。

7. じぶんの えに つけるなら、どの ふだ?

7. 自分の絵や写真に付けるなら、どの札にするか考えてみる

7. 自分の作品に札を付けるとしたら ── 6種類から選ぶ思考実験と、原典の読み方

ノートに かいた じぶんの えを、ネットに のせると します。どの ふだを つけたいか、かんがえて みましょう。

「名前だけ のせて くれれば いいよ」なら BY。「かえて つかって いいけど、おなじ ふだで ね」なら BY-SA。「おかねもうけは こまる」なら NCの つく ふだ。「このまま つかって ほしい」なら NDの つく ふだ、です。

ネットで ふだの マークを みかけたら、どの ぶひんが ついて いるか、日本語の ページと くらべて あてて みましょう。10おくこの さくひんは、そうやって つかわれて います。くわしい せつめいは、日本語の ページ[2]に あります。

自分の描いた絵や撮った写真を、ネットに載せるとします。そのとき、6種類の札のどれを付けたいでしょうか。条件を1つずつ自分に問いかけると、答えが見えてきます。

「名前を示してくれればそれでいい」ならBY。「改変してもいいけれど、同じ札で配ってほしい」ならBY-SA。「商売には使ってほしくない」ならNCが入った札。「元の姿のまま使ってほしい」ならNDが入った札です。選んだ理由を、一言で言えるでしょうか。

札はどれも、作者が著作権を持ち続けたまま付けるものです[3]。この札を探す練習として、ネットの写真の近くにある小さなマークを見つけ、どの条件が付いているか読み取ってみましょう。条件の読み方は、日本語の公式ページ[2]で確かめられます。

自分が描いた絵や撮った写真に、CCライセンスを付けるなら、6種類のうちどれを選ぶか。条件を1つずつ考えると、自分が作品にどういう広がり方を望むかが見えてくる。名前を示してくれればよいのか(BY)。変えた作品も同じ条件で広げてほしいのか(BY-SA)。商用利用は避けたいのか(NCを付ける)。元のまま使ってほしいのか(NDを付ける)。選んだ理由を一言で言えるかどうかが、この思考実験の目安である。

資料の読みどころは3つある。①CCJPの「ライセンスについて」[2]は、4つの条件と3つの層を日本語で説明している。②CC BY-SA 4.0のコモンズ証[4]は、許される行為と条件を、実際の文面で読める。③CCの沿革と、2015年の「State of the Commons」[1][6]は英語だが、創設の動機と作品数の数字の出どころが書かれている。

作品数10億の数字は、中間年の値が資料で食い違うため、本稿では2015年のものだけを使った。数字を使うときは、いつの、何の数字かを確かめる習慣が役に立つ。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

出典について:クリエイティブ・コモンズの公式ページ、クリエイティブ・コモンズ・ジャパンの説明、国立国会図書館の記事を使った。何に使ったかは、それぞれの項目の最後に書いている。

  1. Creative Commons「History」。https://creativecommons.org/about/history/ (2001年の設立と創設者、「すべての権利を保有」への不満について)
  2. クリエイティブ・コモンズ・ジャパン「ライセンスについて」。https://creativecommons.jp/licenses/ (4つの条件、6種類、3つの層について)
  3. Creative Commons「Licenses」。https://creativecommons.org/share-your-work/cclicenses/ (「一部の権利を保有」という選択肢について)
  4. Creative Commons「表示-継承 4.0 国際(コモンズ証)」。https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0/deed.ja (許される行為と条件の例として)
  5. Creative Commons「Wikimedia Foundation board approves license migration」(2009年)。https://creativecommons.org/2009/05/21/wikimedia-foundation-board-approves-license-migration/ (ウィキペディアのCC BY-SA 3.0への移行について)
  6. Creative Commons「State of the Commons 2015」。https://creativecommons.org/2015/12/08/state-of-the-commons-1-billion-creative-commons-works-2/ (作品数が10億件を超えたことについて)
  7. クリエイティブ・コモンズ・ジャパン「概要」。https://creativecommons.jp/about/ (日本語版ライセンスの公開と準備会について)
  8. Creative Commons「CC0」。https://creativecommons.org/public-domain/cc0/ (権利を放棄するための道具について)
  9. 国立国会図書館 カレントアウェアネス「クリエイティブ・コモンズ」の記事。https://current.ndl.go.jp/car/22446 (最初のライセンスの公開時期について)
  10. クリエイティブ・コモンズ・ジャパン「CCライセンス・バージョン4.0 日本語版の公開」(2015年)。https://creativecommons.jp/2015/07/15/CCライセンス・バージョン4.0-日本語版の公開/ (4.0版の国際版・日本語版の公開について)

なおした ところ

更新履歴

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