1. いちばん 近い のに、どうして 寒いの?
1. 1月がいちばん近いのに、寒いのはなぜ
1. 近日点が1月でも寒い理由:距離の差は約3%しかない
地球は 1年かけて、太陽の まわりを 1回 まわります。その 道を 軌道と いいます。太陽に いちばん 近い 点を 近日点、いちばん 遠い 点を 遠日点と よびます。2026ねんは、近日点が 1月4日、遠日点が 7月7日ごろ(日本時間)でした[7]。
1月は 北半球では まっ冬です。太陽に 近いのに 寒いのですから、距離が 季節を つくって いる わけでは なさそうです。NASAも、近日点が 冬に あることを、そのしょうこの ひとつと して あげて います[1]。
じつは 近い とおい の 差は、とても 小さいのです。いちばん 近い ときが やく1億4710万キロ、いちばん 遠い ときが やく1億5209万キロ。差は やく500万キロで、全体の 3%ほどです[6]。
かりに はんけい15センチの 円を かくと、太陽から 近日点までと 遠日点までの ちがいは、わずか 5ミリです。(これは 数字から 計算した 目安です。)地球の 道は、ほとんど 円なのです。
地球は1年かけて太陽のまわりを1周します。その道すじが軌道で、太陽にいちばん近い点を近日点、いちばん遠い点を遠日点といいます。2026年は、近日点が1月4日、遠日点が7月7日ごろ(日本時間)でした[7]。
1月は北半球では真冬ですから、太陽に近いのに寒いことになります。NASAは、近日点が1月、遠日点が7月にあることを、太陽からの距離が季節の原因ではない証拠として説明しています[1]。季節をつくる主な原因は、地球の自転軸が公転面に対して23.4度傾いていることです[2]。
そもそも、近日点と遠日点の距離の差は小さなものです。近日点距離は約1億4710万km、遠日点距離は約1億5209万kmで、差は約500万km。遠日点距離の約3.3%にすぎません[6]。NASAが示す約9140万マイルと約9450万マイルも、ほぼ同じ比です[1]。
半径15cmの円に置きかえると、太陽から近日点までと遠日点までの差は約5mmです(数字からの計算)。地球の軌道は、ほぼ円といってよい形をしています。ではこの約3%の差は、何にも影響しないのでしょうか。
近日点は1月初め、遠日点は7月初めに来る。2026年は1月4日と7月7日ごろ(日本時間)である[7]。北半球が真冬の時期に太陽へ最も近づくのだから、季節の原因が距離ではないことが読み取れ、NASAもこの配置を根拠に、距離は季節の原因ではないと説明している[1]。季節の主な原因は、自転軸が公転面に対して23.4度傾いていることである[2]。
距離の差そのものも小さい。近日点距離は約1億4710万km(0.9833天文単位)、遠日点距離は約1億5209万km(1.0166天文単位)で、差は約500万kmになる[6]。割合にすると、遠日点距離を基準にして約3.3%、近日点距離を基準にすれば約3.4%で、どちらを分母にするかで数字が少し変わる。NASAの示す約9140万マイルと約9450万マイルの比も、約3.4%になる[1]。
半径15cmの円に縮めて考えると、太陽から近日点までは約14.75cm、遠日点までは約15.25cmで、差は約5mmにすぎない(上の数値からの計算)。軌道はほぼ円であり、距離の差は季節の主因にならない。それでは、この約3%は何も生まないのか。次の章で見るように、季節の「長さ」に現れる。
2. 夏の ほうが 長い ふしぎ
2. 暦から数えると、夏のほうが秋より約4日長い
2. 暦要項から検算する:夏は秋より約4日長い
こよみを 見ると、おもしろい ことが 分かります。国立天文台の 2026ねんの 暦要項では、春分は 3月20日の 夜、夏至は 6月21日の 夕方、秋分は 9月23日の 朝、冬至は 12月22日の 朝です[3]。
この 時こくを 引き算すると、春は やく92.7日、夏は やく93.7日、秋は やく89.9日に なります。(わたしたちの 計算です。)夏と 秋では、4日ちかく ちがうのです。
春分から 秋分までの あたたかい 半年は やく186.4日。1年の 半分の やく182.6日より 長いのです。答えは、地球の 走る 速さに あります。太陽に 近い 1月ごろは 速く、遠い 7月ごろは ゆっくり 走るので、遠い 時期を 通る あたたかい 半年に、時間が かかります[4]。
ただし これは 北半球の 話です。南半球では、反対に なります。
国立天文台の2026年の暦要項では、春分は3月20日23時46分、夏至は6月21日17時25分、秋分は9月23日9時05分、冬至は12月22日5時50分です(日本時間)[3]。この時刻から、季節の長さを計算してみます。
春分から夏至までが約92.7日、夏至から秋分までが約93.7日、秋分から冬至までが約89.9日です(この日数は、表の時刻からの計算です)。いちばん長い夏と、いちばん短い秋の差は、約3.8日になります。
1年の半分より長いのはどちらの半年か
春分の時刻から秋分の時刻までの経過時間は、足すと約186.4日です。1年は365.25日[2]ですから、半分は約182.6日で、春分から秋分までの半年は、その半分より約4日長いことになります。国立天文台の暦Wikiも、この夏半年を約186日と説明しています[4]。
理由は、公転の速さがちがうから
地球は近日点付近では速く、遠日点付近では遅く公転します。そのため、遠日点のある7月をはさむ春分から秋分までの半年は、通り道のうち「ゆっくり進む側」を回ることになり、日数がかさみます[4]。太陽に近い冬のほうが、地球が速く駆け抜けるぶん短くなるのです。
この長さのちがいは北半球の話で、南半球では逆になります[4]。
国立天文台の2026年の暦要項は、春分を3月20日23時46分、夏至を6月21日17時25分、秋分を9月23日9時05分、冬至を12月22日5時50分(いずれも日本時間)とする[3]。この時刻の差から日数を求めると、春分〜夏至が約92.7日、夏至〜秋分が約93.7日、秋分〜冬至が約89.9日となる(日数は表の時刻からの筆者の計算であり、出典が日数を示したわけではない)。夏と秋の差は約3.8日である。
春分の時刻から秋分の時刻までの経過時間は約186.4日になる。1年を365.25日とすれば[2]、半分は約182.6日で、夏半年は約4日長い。国立天文台の暦Wikiも、夏半年を約186日とし、地球が近日点付近で速く、遠日点付近で遅く公転することが、この非対称の理由だと説明している[4]。遠日点を含む7月側の半年は、軌道のうち速度が落ちる側を通るため、同じ角度を進むのにより多くの日数を要する。
この結果、太陽の見かけの動きも一定ではなく、二十四節気(定気法)の間隔は、およそ14〜16日の幅で変わる[4]。「夏が長い」は北半球についての記述で、南半球では逆になる点に注意が要る。
3. 地球は、どれくらい 速さが ちがうの?
3. 近いほど速く走る地球と、約7%強く届く日光
3. 公転の速さと日射の差:距離の差がどこに現れるか
地球は 秒速 やく30キロという、とても 速い 速さで 走って います。太陽に 近い 近日点の ころは 少し 速く、遠い 遠日点の ころは 少し おそく なります。
ブランコで、いちばん 下の ところで 速く、高い ところで ゆっくりに なるのと、少し にて います。地球も、太陽に 近づくほど 速く 走るのです。その ちがいが 春分から 秋分までの 日数に あらわれます。
もうひとつ。太陽の 光は 遠いほど 弱く なります。1月ごろは 7月ごろより、光が やく7%強く とどきます[9]。でも、これは 光の 強さの くらべっこで、気温の 差ではありません。
公転の速さは、平均すると秒速約29.8kmで、近日点付近でやや速く、遠日点付近でやや遅くなります。太陽に近いほど強く引かれて速く走る、という関係があるので、距離の差が小さいぶん、速さの差もわずかです。
この速さのちがいが、前の章で数えた季節の長さのちがいにつながっています。遠日点側をゆっくり通る春分から秋分までの半年は、日数がかさむのです。
日光の強さは約7%
もうひとつ、距離の差は日光の強さに表れます。日光の強さは距離の2乗に反比例するので、遠日点と近日点では、(152.1÷147.1)の2乗で約1.07、つまり近日点のほうが約7%強くなります。Space.comも、NASA関係者の話として、約7%の差と紹介しています[9]。ただしこれは日光の強さの比で、気温の差ではありません。
地球の公転の速さは平均で秒速約29.8kmで、近日点付近でやや速く、遠日点付近でやや遅い。太陽に近いほど速く走るのは、ケプラーの第2法則(太陽と地球を結ぶ線が、同じ時間に同じ面積を掃く)から導かれる関係である。距離の差が約3%と小さいので、速さの差も数%にとどまる。
この速さの違いは、前の章で暦要項から計算した半年の日数差と、向きが一致している。遠日点側の半年は速度が落ちる側を通るので、日数が多くなる。ただし約4日という数値そのものは、暦要項の時刻から求めた計算結果であり、速さの値から導いたものではない。
距離の差は日光の強さにも表れる。強さは距離の2乗に反比例するので、(152.1÷147.1)²≒1.07となり、近日点のほうが約7%強い。Space.comがNASA関係者の話として約7%を紹介しており、計算とも合う[9]。ただし、これは日射の強さの比であって、気温の差ではない。季節の差を決めるのは、あくまで自転軸の傾きである[1]。
4. 近日点の 日は、いつも 同じ?
4. 近日点の日は動く:年ごとに数日、約2万年で季節を一巡
4. 近日点の日付はなぜ動くのか:月の影響と約2万年の一巡
2026ねんの 近日点は 1月4日でしたが、来年は 2027ねん1月3日です[7]。じつは 近日点の 日は、毎年 少しずつ ずれ、多い ときは 3日ほど 前後します。月の 引力で、地球が 月と いっしょに 小さく ゆれ動く ためです[6]。
もっと ゆっくりした ずれも あります。近日点が 来る 季節そのものが、やく2万年かけて、ぐるっと 1まわり するのです[8]。だから、いつか 近日点が 7月に なる 時代が 来ます。
そのとき、南半球と 北半球の 季節の 長さの ようすは、今と 反対に なるはずです。(同じ 理くつで 考えた 予想です。)
2026年の近日点は1月4日で、次の近日点は2027年1月3日です[7]。近日点や遠日点を通る日は、毎年同じではなく、最大で3日ほど前後します。月の影響で、地球の中心が地球と月の重心のまわりを動くためです[6]。国立天文台も、月や惑星の影響で軌道が変化し、通過時刻が年ごとに動くと説明しています[5]。
近日点が7月になる日が来る
もっと長い目で見ると、近日点が来る季節そのものが動いています。NASAは、自転軸の向きの変化(歳差)と、軌道の向きの変化をあわせた周期を、平均して約2万3千年と説明しています[8]。資料によって2万1千年から2万6千年ほどと幅があるので、「約2万年ちょっと」で季節を一巡する、と考えるとよいでしょう。
一巡の半分は約1万年です。つまり、いつか近日点が7月に来る時代があります。同じ理屈で考えれば、そのころは北半球の夏半年のほうが短くなるはずです(これは本文の説明から考えた予想です)。
近日点・遠日点を通る日は年によって動き、最大で3日ほど前後する。原因は月の影響で、地球の中心が地球と月の共通の重心のまわりを動くことによる[6]。国立天文台も、月や惑星の影響で軌道が変化し、通過時刻が年ごとに動くと述べている[5]。2026年は1月4日、2027年は1月3日に近日点を通る[7]。
これとは別に、近日点の位置は長い年月をかけて季節を一巡する。NASAは、自転軸の歳差と軌道の向きの変化(近点移動)を合わせた歳差の周期を、平均で約2万3千年と説明する[8]。資料によって2万1千年から2万6千年と幅があり、数字は「約2万年ちょっと」としか言えない。
一巡の半分は約1万年だから、近日点が7月に来る時代が、いつか来る。ここで前の章の理屈をあてはめると、そのときは北半球の夏半年のほうが短くなるはずである。ただし、これは本文の因果をあてはめた予想であり、資料がそう述べているわけではない。
5. 軌道の 形も かたむきも、かわって いく
5. 軌道の形も、自転軸の傾きも、ゆっくり変わっていく
5. 約3%も23.4度も、長い変化のなかの「いま」の値
さらに ゆっくり かわる ものが あります。ひとつは 軌道の 形で、やく10万年の まわり期で、円に 近く なったり 少し つぶれたり します。今は 円に 近づいて いる とちゅうです[8]。
もうひとつは、じくの かたむきです。かたむきは 22.1度から 24.5度の あいだを、やく4万1000年の まわり期で 行ったり 来たり して、今は ゆっくり 小さく なって います[8]。
こうした へんかが かさなると、日本の ような 中ぐらいの いどの 場所に とどく 日光の りょうは、いちばん 大きい ときで 25%ほど かわる、と NASAは 話して います[8]。
変わるのは、近日点の位置だけではありません。NASAによれば、軌道の形(離心率)は約10万年の周期で変わり、いまは円に近づく途中です[8]。つまり、距離の差約3%も、少しずつ小さくなる方向にあります。
自転軸の傾きも変わります。過去100万年で22.1度から24.5度の範囲を、約4万1千年の周期で動き、いまはゆっくり小さくなっています[8]。
これらの変化が重なって、中緯度に届く日射量は、最大で25%ほど変わるとNASAは説明しています[8]。私たちが「ほぼ円」「23.4度」と覚えている数字は、長い変化のなかの、いまの時代の値です。
近日点の移動のほかにも、軌道は長い周期で変化している。NASAの解説によれば、軌道の形(離心率)は約10万年の周期で変わり、いまは円に近づく途中にある。したがって、今回の約3%という距離の差も、変化の途上の値である[8]。
自転軸の傾きは過去100万年に22.1〜24.5度の範囲で動き、周期は約4万1千年、いまはゆっくり小さくなっている[8]。この傾き・離心率・歳差の変化が重なって、中緯度の日射量は最大25%変わるとされる[8]。
23.4度や約3%は、長い変化のなかの「いま」の値にすぎない。この変化が地球の気候に与える影響は、NASAの同じ解説でさらに詳しく論じられており、原典を読む価値がある。
6. こよみで、あたたかい 半年を 数えよう
6. カレンダーで、夏の長さを自分で数えてみる
6. 検算のすすめ:暦で春分から秋分までを数える
今日できること:カレンダーで、春分の日(2026ねんは 3月20日)から 秋分の日(9月23日)まで、日にちを 数えて みましょう。3月20日から 9月23日までの 日づけの 差を、1か月ごとに 足していくと、187日に なります。1年の 半分の やく182.6日より 長いと 分かります。本文の やく186.4日と 少し ちがうのは、時こくを 入れず、日づけだけで 数えるからです。
もうひとつ。ものさしと コンパスで はんけい15センチの 円を かきます。中心から 5ミリだけ ずらした 点に 「太陽」を かくと、軌道が ほとんど 円だと 目で 見て わかります。コンパスの はりは、まわりに 気を つけて 使って ください。
公式の ページ:国立天文台の 暦要項に、春分と 秋分の 日時が のっています[3]。
今日できること:カレンダーで、2026年の春分の日(3月20日)から秋分の日(9月23日)まで、3月20日から9月23日までの日付の差を数えてみましょう。月ごとに足していくと187日になり、1年の半分(約182.6日)より長いことを、自分の手で確かめられます。日付だけで数えているので、記事の約186.4日とは少しずれます。
もうひとつ。半径15cmの円をかき、中心から5mmずらした点を「太陽」にしてみましょう。近日点と遠日点の距離のちがいが、目で見てどれくらいか分かります。
公式情報:国立天文台の暦要項(令和8年)に、春分・秋分などの日時が載っています[3]。2027年の暦要項で秋分と春分の時刻を調べ、冬半年の長さも同じ方法で計算して夏半年と比べると面白いでしょう。
今日できること:2026年の春分の日(3月20日)から秋分の日(9月23日)までを、カレンダーで数えてみる。3月20日から9月23日までの日付の差を数えると187日になり、時刻まで入れた約186.4日と比べて、日付だけの数え方に約0.6日の誤差が出ることが分かる。いずれも1年の半分(約182.6日)より長い。
さらに、2026年の暦要項と翌2027年の暦要項を使い、2026年の秋分から2027年の春分までを時刻まで入れて同じ方法で計算し、夏半年と並べると、約180日と約186日という差を自分で検算できる。
公式情報:国立天文台の暦要項[3]に、春分・秋分などの日時が載っている。暦Wikiの「定気法」[4]と「近日点通過日」[5]も、あわせて読める。
しらべた もとの じょうほう
参考にした情報源
参考にした情報源と、その使い方
日数の計算は、国立天文台の暦要項の時刻から筆者が行った値です。ページの内容は今後変わることがあります。
- NASA Space Place "What Causes the Seasons?" https://spaceplace.nasa.gov/seasons/en/ (近日点は1月・距離は季節の原因でない)
- NASA Science "Earth Facts" https://science.nasa.gov/earth/facts/ (傾き23.4度・1周365.25日)
- 国立天文台「令和8年(2026)暦要項」 https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/yoko/2026/rekiyou262.html (春分・夏至・秋分・冬至の日時)
- 国立天文台 暦Wiki「定気法」 https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/wiki/B5A8C0E12FC6F3BDBDBBCDC0E1B5A4A4CEC4EAA4E1CAFD.html (夏半年約186日・公転の速さ)
- 国立天文台 暦Wiki「近日点通過日」 https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/wiki/CFC7C0B12FB6E1C6FCC5C0C4CCB2E1.html (通過日が年ごとに動く理由)
- Wikipedia "Apsis" https://en.wikipedia.org/wiki/Apsis (近日点・遠日点距離、日付の前後)
- Forbes JAPAN 遠日点の記事 https://forbesjapan.com/articles/detail/100378 (2026年7月7日の遠日点、2027年1月3日の近日点。日本時間。時刻は資料で数分〜数時間ずれることがある)
- NASA Science "Milankovitch Orbital Cycles and Their Role in Earth's Climate" https://science.nasa.gov/earth/milankovitch-orbital-cycles-and-their-role-in-earths-climate/ (歳差・軌道の形・傾きの周期)
- Space.com 近日点の記事 https://www.space.com/earth-perihelion-closest-sun-approach-2020.html (日光の強さ約7%)
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