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ニュースで きく 「マグニチュード」って、しんどと なにが ちがうの?

ニュースで聞くマグニチュードと震度は、何がちがうのか

マグニチュードと震度は何がちがうのか:Mが1ふえるとエネルギーが約32倍になる意味

分野:自然

じしんの ニュースで、「マグニチュード7」と「震度しんど5」が ならんで 出て きます。マグニチュードが 2 ちがうと、じしんの エネルギーは やく 1000ばいも ちがいます。

どうして 数字が ふたつ あるのでしょう。この ページを 読むと、ふたつの ちがいと、「1000ばい」の わけ、そして ニュースの 数字が あとから かわる わけが わかります。

地震のニュースでは、「マグニチュード7、最大震度5強」のように、数字が2つ並びます。マグニチュードが2ちがうと、地震波として出るエネルギーは約1000倍もちがいます[1]。

2つの数字は何を表し、なぜ「1ちがうだけ」でそんなに差が開くのか。そして、速報の数字が後から変わることがあるのはなぜか。この記事を読むと、その答えが分かります。

気象庁は、マグニチュード(M)が1大きくなるとエネルギーは約32倍、2大きくなると約1000倍になる関係があると説明している[1]。震度は場所ごとのゆれの強さ、Mは地震そのものの規模であり、同じ地震に対して数字が2つ出るのは役目がちがうからだ。

では、なぜ1の差が32倍になるのか。なぜ速報のMは後から書きかえられるのか。この記事を読むと、Mの意味、倍率の根拠、更新の理由とその限界が分かる。

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1. ふたつの 数字は、なにを あらわして いるの?

1. 「マグニチュード」と「震度」は、何を表す数字なのか

1. 一つの地震になぜ二つの数字が出るのか:Mと震度の役目

へやの まんなかに、大きな 電球が あると します。電球の 大きさ、つまり 「どれだけ 強く ひかる 電球か」を あらわすのが、マグニチュードです。

電球から はなれた 場しょの 明るさは、場しょごとに ちがいます。この 明るさに あたるのが、震度しんどです。

これは 気象庁きしょうちょうが 出して いる せつめいです。マグニチュードは ひとつの じしんに ひとつ、震度しんどは 場しょの かずだけ あります。

ただし 電球の たとえは わかりやすくする ための ものです。じしんの ゆれは、じめんの かたさなどでも かわります。

気象庁の説明では、マグニチュードは「地震そのものの大きさ(規模)」、震度は「ある場所でのゆれの強さ」を表します[1]。

同じ気象庁の説明にある、電球のたとえが分かりやすいでしょう。電球のワット数にあたるのがマグニチュードで、電球から離れた場所の明るさにあたるのが震度です[1]。ワット数が同じ電球でも、近くは明るく、遠くは暗くなります。

だから、マグニチュードは一つの地震に一つだけ決まり、震度は観測した場所ごとに違います。ニュースの数字が2つ並ぶのは、「地震の大きさ」と「あなたのいる場所のゆれ」という、別のことを伝えているからです。

外国では、震度のかわりに体感や被害をもとにした12階級のMM震度階が主に使われています[1]。日本は、震度計で観測した震度を発表します。

では、マグニチュードの数字が「1」ちがうと、地震はどれくらい違うのでしょうか。

気象庁によれば、震度はある場所での地震によるゆれの強さ、マグニチュードは地震そのものの大きさ(規模)を表す[1]。気象庁の電球のたとえでは、電球の明るさを表す値がM、電球から離れたある場所の明るさが震度に相当する[1]。したがって、Mは一つの地震に一つ、震度は観測点ごとに複数ある。

ただし、このたとえは単純化したものだ。震度は震源からの距離だけでなく、観測した場所の条件でも変わるため、同じ市町村や集落の中でも場所によって震度が異なる場合がある[1]。

国際的には、体感や被害にもとづく12階級のMM震度階(改正メルカリ震度階)が主に使われる。日本の震度は、震度計で観測した値を発表するという点で性格が異なる[1]。

では、役目がちがうMの数字は、1ちがうと何がどれだけ変わるのか。次の章で、倍率を見る。

2. マグニチュードが 1 ちがうと、なにが 32ばい なの?

2. マグニチュードが1ちがうと、エネルギーが約32倍になる

2. Mが1ふえると32倍、2ふえると1000倍:対数の目盛り

気象庁きしょうちょうは、「マグニチュードが 1 大きく なると、じしんの エネルギーは やく 32ばいに なる」と せつめい して います。

2 大きく なると、どうでしょう。32ばいの 32ばいは 1024。やく 1000ばいです。マグニチュード 5 と 7 を くらべると、7の じしんが 出す エネルギーは、5の じしんの やく 1000ばいです。

数字は 1 しか ちがわないのに、さが とても 大きいのです。大きな じしんでは、そのぶん ひろい はんいが ゆれる ことも あります。

ここで いう エネルギーは、じしんの ゆれの 波と して 出る ぶんの ことです。

気象庁は、マグニチュードの値が1大きくなるとエネルギーは約32倍、2大きくなると約1000倍になるという関係があると説明しています[1]。32の2乗は1024なので、「約1000倍」と合います。

たとえば、M5とM7を比べると、Mが2ちがうので、エネルギーは約1000倍の差です。1000という数字は、数字が2しか違わないのに、とても大きな差です。

これは、マグニチュードが「足し算」ではなく「かけ算」の目盛りになっているためです。アメリカ地質調査所(USGS)は、マグニチュードが1つ大きくなると、地震計の記録で見る波の振れ幅が10倍になる、と説明しています[5]。マグニチュードは、1935年にカリフォルニア工科大学のチャールズ・リヒターが、カリフォルニアの地震のために考え出した、とされています[5]。

目盛りがこの形だと、とても小さな地震も大きな地震も、同じ物差しで表せます。マイナスのマグニチュードの地震もあり、人には感じられないほど小さな地震のことです[5]。

では、この「大きさ」は、地面の中の何で決まるのでしょうか。

気象庁は、Mが1大きくなるとエネルギーは約32倍、2大きくなると約1000倍になる関係を示している[1]。32の2乗は1024なので、約1000倍とは整合する。約32という数は、10の1.5乗(約31.6)に近い。つまり、Mが2ちがうと、エネルギーは約1000倍になる。

一方、USGSは、マグニチュードが整数で1増えるごとに、地震計の記録上の振幅が10倍になると説明する[5]。つまり、振幅は10倍、エネルギーは約32倍と、倍率が別々に決まっている。Mが2ちがえば、振幅は100倍、エネルギーは約1000倍だ。

このように、Mは対数、つまり「何倍か」を足し算で表す目盛りになっている。広い範囲の大きさを一つの目盛りに収められる反面、数字の差が小さく見えても実際の差は大きい、という点に注意が要る。

この考え方は、1935年にカリフォルニア工科大学のリヒターが、カリフォルニアの地震用に導入したものとされる。現在は、人に感じられない小さな地震を表すマイナスのMもある[5]。

では、この「規模」は、地下の何によって決まるのか。次の章で見る。

3. おおきな じしんは、じめんの なにが おおきいの?

3. 大きな地震は、地下の何が大きいのか

3. 規模の中身:断層の面積とすべり量

じしんは、地めんの 中の 大きな われめ、断層だんそうが ずれて おきます。マグニチュードが 大きい じしんほど、大きく ずれる ことが おおいです。

アメリカの しりょうに よると、われめの 大きさから きめる 「モーメントマグニチュード」(Mw)で、Mw 4の じしんでは、やく 1キロメートル。Mw 7では、やく 40キロメートル。2004年の スマトラの じしん(Mw 9.1)では、1000キロメートルを こえました。

40キロメートルは、フルマラソンの きょりと ほぼ おなじ ながさです。

ずれが おわるまでの じかんも ちがいます。気象庁きしょうちょうの めやすでは、マグニチュード 6で やく 10秒びょう、8で やく 100秒びょうです。

地震は、地下の岩盤にある断層がずれて起こります。マグニチュードは、このずれの大きさと関係しています。

USGSの資料では、断層の長さの目安は、Mw4の地震で約1km、Mw7で約40km、2004年のスマトラ島沖地震(Mw9.1)では1000kmを超えました[6]。40kmは、フルマラソン(約42kmほど)とほぼ同じ距離です。

ずれる時間も違います。緊急地震速報の説明で、断層が破れ続ける時間の目安は、M6クラスで約10秒、M8クラスで約100秒とされています[3]。

気象庁によると、モーメントマグニチュード(Mw)は断層の面積とすべり量の積に比例する量で、物理的な意味がはっきりしています[2]。広く、深くずれるほど、数字は大きくなります。

では、これほど大きさの測り方がはっきりしているのに、ニュースの数字が後から変わることがあるのはなぜでしょうか。

地震は断層のずれで起こり、Mはその規模を表す。USGSの資料では、断層の長さは、Mw4で約1km、Mw7で約40km、2004年のMw9.1のスマトラ地震では1000kmを超える[6]。40kmはフルマラソンの距離(約42km)に近い。

気象庁によれば、モーメントマグニチュード(Mw)は断層の面積と断層すべり量の積に比例する量で、物理的な意味が明確であり、巨大地震の規模も求められる[2]。

ずれが続く時間も、規模とともに延びる。緊急地震速報の資料は、断層の破壊時間の目安をM6クラスで約10秒、M8クラスで約100秒としている[3]。Mが2違うと、破壊時間は約10倍になる。

ここで一つ問題が出る。Mwの計算には地震波形全体の詳しい分析が必要で、発生直後に素早く求めるのが難しい[2]。では、速報では何を使い、その数字はどう直されるのか。

4. ニュースの 数字は、どうして あとから かわるの?

4. 速報のマグニチュードは、なぜ後から変わるのか

4. 速報値から確定値へ:Mjの限界とMwへの更新

2011ねんの 東北の 大きな じしんでは、さいしょ マグニチュード 7.9と 出ました。そのあと 8.4、8.8と 直され、2日あと、9.0に なりました。

はじめは、すばやく 計算できる やり方で 数字を 出します。そのあと、じかんを かけて べつの やり方でも しらべます。気象庁きしょうちょうの はじめの やり方では、あちこちの 観測かんそくの 場しょで はかった 数字を あわせて、平均へいきんを 出します。

この やり方だと、とても 大きな じしんの 大きさは、ただしく 出せません。ですから、じかんを かけて しらべて、直すのです。

数字が 直される ことは、わるい ことでは ありません。じかんが たつほど、より ただしい 数字に なって いく という ことです。

2011年の東北地方太平洋沖地震では、速報値のM7.9から始まり、同じ日の16時にM8.4、17時30分にM8.8(Mw)と更新されました。3月13日12時55分には、最終的にM9.0(Mw)になりました[2]。

理由は、速報で使う気象庁マグニチュード(Mj)にあります。Mjは、多くの観測点でそれぞれ計算した値の平均で決めます。大きく外れた観測点は除いて計算し直します[4]。素早く出せますが、M8を超えるような巨大地震の規模は正しく決められません。一方、Mwは巨大地震にも使えますが、地震波形全体の詳しい分析が要るため、直後には求めにくいのです[2]。

だから、早く出る数字(Mj)で第一報を出し、あとで時間をかけたMwで更新します。2003年の計算式の改訂で、兵庫県南部地震のMがM7.2からM7.3に改められた例もあります[1]。

緊急地震速報でも、遠くで起きた地震や大きな地震ほど、推定の誤差が大きくなりやすいと説明されています。緊急地震速報の推定値は、時間がたつと精度が上がります[3]。

なぜ、速報のMは後から書きかえられるのか。2011年の東北地方太平洋沖地震では、速報値7.9(Mj)が、16時に8.4(Mj)、17時30分に8.8(Mw)、3月13日12時55分に9.0(Mw)と順次更新された[2]。

原因は二つのMの性格の差にある。Mjは、各観測点でMを計算してその平均を求める。平均から±0.5以上外れた観測点は取り除いて再計算し、結果の標準偏差が0.35未満の場合だけ採用する[4]。迅速に出せる反面、M8を超える巨大地震の規模は正しく決められない[2]。Mwは断層面積とすべり量に基づき巨大地震にも使えるが、波形全体の分析が要り、直後の計算が難しい[2]。

したがって、速報の役目と確定値の役目は分かれている。更新は誤りの訂正というより、より適した尺度への切りかえだ。式の見直しでも値は動き、2003年の改訂で兵庫県南部地震のMは7.2から7.3になった[1]。

緊急地震速報では、観測網から約100km以遠の地震や、Mの大きな地震ほど、推定の誤差が大きくなる可能性があり、時間とともに精度が上がる[3]。気象庁は、2023年9月26日から震源の推定手法を改良したIPF法に一本化し、揺れの過大な予測を減らした[8]。

数字が正しく決まったとして、Mが大きければ必ず大きな被害が出るのか。次の章で、Mだけでは決まらないことを見る。

5. マグニチュードが おなじでも、ゆれは おなじなの?

5. 同じマグニチュードでも、ゆれと津波は同じとは限らない

5. Mだけでは決まらないもの:場所による震度の差と津波地震

ちがいます。おなじ じしんでも、おなじ 町の 中で 震度しんどが ちがう ことが あります。気象庁きしょうちょうが そう せつめい して います。

また、「津波つなみじしん」と いう じしんが あります。じめんが ゆっくり ずれる ため、ゆれは あまり 感じなくても、津波つなみが 大きくなる ことが あります。

ですから ゆれの 強さや マグニチュードだけでは、津波つなみの 大きさは きまりません。ニュースでは、津波つなみの じょうほうも、いっしょに 見る ことが たいせつです。

マグニチュードが同じでも、場所で震度は変わります。気象庁は、同じ市町村や集落でも、場所によって震度が違う場合があると説明しています[1]。ここでも電球のたとえが使えます。電球の明るさが同じでも、近さや壁の様子で、各場所の明るさは変わります。

もう一つ、津波は別に考える必要があります。地震調査研究推進本部によると、津波地震は、断層が通常よりゆっくりずれるため、人に感じられるゆれが小さくても津波の規模が大きくなる地震です[7]。ゆれの強さやマグニチュードだけでは、津波の大きさは決まりません。

それぞれが答えるのは別の問いです。マグニチュードは地震の大きさ、震度はその場所のゆれ、津波の情報は海の様子を伝えています。

Mが大きいほど、ゆれも被害も大きいのか。必ずしもそうとは限らない。震度はゆれを観測した場所の値なので、気象庁は同じ市町村や集落の中でも場所によって震度が異なる場合があると述べる[1]。

津波についても、Mとの対応は単純ではない。地震調査研究推進本部は、津波地震を、断層が通常よりゆっくりずれて、人に感じられる揺れが小さくても津波の規模が大きくなる地震と説明する[7]。ゆれの強さやMだけでは、津波の大きさは決まらない。

このように、M・震度・津波は、別々の量を示す。ニュースで複数の数字や情報が並ぶのは、一つの数字では足りないからだ。

では、これらの数字を、自分の目で確かめるにはどうすればよいか。

6. ためして みよう

6. 明るさと倍率で、数字を実感してみる

6. 倍率を自分で計算し、公式の情報で確かめる

きょう できる こと

くらい へやで、電気スタンドや 懐中電灯かいちゅうでんとうを つけます。ライトに 近い ところと、はなれた ところで、手のひらの 明るさを くらべます。同じ ライトでも、場しょで 明るさが ちがう。これが 震度しんどの かんがえ方です。ライトを 見る ときは、目に 直せつ 向けないで ください。

けいさんして みよう

32 かける 32を 電たくで けいさんして みましょう。やく 1000に なります。マグニチュードが 2 ちがう ときの エネルギーの さです。

家で試す

暗い部屋で、電気スタンドか懐中電灯を使います。ライトに近い場所と遠い場所で、手のひらの明るさを比べてください。光源は同じなのに、場所で明るさが違うことが分かります。ライトを直接見ないように気をつけてください。

電卓で確かめる

32×32を電卓で計算すると1024です。次に、32×32×32を計算してみてください。マグニチュードが3違う地震のエネルギーの差の目安です(約3万倍)。

公式の情報を見る

気象庁のホームページにある地震の情報を見ると、マグニチュードや震度が出ています[1]。同じ地震の行にマグニチュードと震度が並ぶとき、片方は地震、片方は場所の数字だと見分けられるか、試す価値があります。

計算で確かめる

32の累乗を電卓で計算する。32×32は1024、32×32×32は32768で、M差が3のときのエネルギー比の目安になる。振幅は10倍ずつなので、M差3では1000倍である。

資料を読むなら

倍率と震度の定義は気象庁の解説[1]、MjとMwの違いは[2]、緊急地震速報の限界は[3]、Mjの計算の細部は[4]にある。USGSの2つの資料[5][6]は英語で書かれているが、断層の大きさを表で示している。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

本文で使った資料です。

  1. 気象庁「震度・マグニチュード・地震情報について」 https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/faq/faq27.html (Mと震度の意味/32倍・1000倍/電球のたとえ/MM震度階/M改訂)
  2. 気象庁「地震情報等に用いるマグニチュードについて」 https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/jishin/joho/info_magnitude.html (MjとMw/東北地方太平洋沖地震の更新)
  3. 気象庁「緊急地震速報の特性や限界、利用上の注意」 https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/jishin/eew/shikumi/tokusei.html (断層破壊時間の目安/速報の誤差)
  4. 気象庁「利用の手引き」 https://www.data.jma.go.jp/eqev/data/bulletin/catalog/notes_j.html (Mjを観測点の平均で決める方法)
  5. USGS "Earthquake Magnitude, Energy Release, and Shaking Intensity" https://www.usgs.gov/programs/earthquake-hazards/earthquake-magnitude-energy-release-and-shaking-intensity (振幅10倍/リヒターの導入)
  6. USGS "Finite Faults" https://earthquake.usgs.gov/data/finitefault/ (断層の長さの目安)
  7. 地震調査研究推進本部「津波地震」 https://www.jishin.go.jp/resource/terms/tm_tsunami_earthquake/ (津波地震)
  8. 気象庁報道発表「緊急地震速報の技術的改善について」 https://www.jma.go.jp/jma/press/2308/29a/EEW_kaizen_202308.html (IPF法への一本化)

なおした ところ

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